chevron_left

メインカテゴリーを選択しなおす

cancel
arrow_drop_down
  • 篠田節子『冬の光』を読む

    篠田節子著『冬の光』(文春文庫、し32-12、2019年3月10日文藝春秋発行)を読んだ。裏表紙にはこうある。四国遍路を終えた帰路、冬の海に消えた父。高度成長期の企業戦士として、専業主婦の妻に守られた家庭人として、幸せなはずの人生だった。死の間際に想ったのは愛した女なのか、それとも――四国で父の足跡を辿った次女の碧は、ある事実を知る。家族、男女関係の先に横たわる人間存在の危うさを炙り出した傑作長編。解説・八重樫克彦次女の碧(みどり)は10日間の休みを利用して、父・康宏が船室内に残した手帳のメモをたどって四国を巡り始める。なぜか、康宏は巡礼9日目の朝に装束、用具一式を捨て、残り六十数カ所を回っていた。そして東京へ帰る途中のフェリーから姿を消した。常に女性の陰がつきまとう父の秘密を碧は探して旅する。富岡康宏:...篠田節子『冬の光』を読む

  • 安田知代『井の頭公園 まるごとガイドブック改訂版』を読む(二回目)

    安田知代著『井の頭公園まるごとガイドブック改訂版』(2008年5月30日ぶんしん出版発行)を読んだ。このブログを全部書き上げてから、我がブログで検索してみたら、2012年12月13日にこの本の紹介を既にしていた。どうりで「安田知代」という名に聞いたような気がしたのだが、と負け惜しみ。悔しいから、そのままアップしてしまう。大正6(1917)年に開園した井の頭公園は2017年に百周年を迎えた。吉祥寺駅、繁華街から10分足らずで行けるこの公園は、池、川、緑、桜の名所で、都市空間の中で自然豊かな緑の孤島になっている。この本は過去、現在の公園を写真とともに紹介し、130頁ほどだが要領良いガイドブックであるとともに、隠れて気づかないいくつかのポイントを紹介し、井の頭公園を楽しめる本になっている。公園全体は、井の頭池を...安田知代『井の頭公園まるごとガイドブック改訂版』を読む(二回目)

  • 酒井順子『世渡り作法術』を読む

    酒井順子著『世渡り作法術』(集英社文庫さ21-4,2001年5月25日集英社発行)を読んだ。裏表紙にはこうある。たとえばこんな時――女友達と海外旅行に行きますか?デートのとき携帯電話の電源を切りますか?友達の子供がブサイクだったらどうしますか?またはこんな場で――エコノミークラスで隣の人と会話しますか?オープンカフェではどこに座りますか?車の助手席で眠れますか?今さら聞けない、誰も教えてくれない、イマドキの微妙なお作法を教授する、思わずニヤリの新・マナーブック。はじめに子供の時にはマナー教育を受けるが、大人同士の関係の中では他人のマナー違反を指摘することはほとんどなくなる。この本は、“ありがちな割には、どのようなマナーで臨めばよいか、未だ解明されていない“という状況・場面を選び、極私的なマナー解説をしてみ...酒井順子『世渡り作法術』を読む

  • 酒井順子『うまれることば、しぬことば』を読む

    酒井順子著『うまれることば、しぬことば』(2022年2月28日集英社発行)を読んだ。集英社の内容紹介陰キャ、根暗、映え、生きづらさ、「気づき」をもらった……あの言葉と言い方はなぜ生まれ、なぜ消えていったのか。「ことば」にまつわるモヤモヤの原因に迫る、ポリコレ時代の日本語論。古典や近代の日本女性の歩みなどに精通した著者が、言葉の変遷をたどり、日本人の意識、社会的背景を掘り下げるエッセイ。以下、章題。・Jの盛衰・「活動」の功と罪など23が並ぶ。はじめに今「ゲーム」といえばオンラインゲームのこと。人生ゲームがじゃないし、ましてやダイヤモンドゲーム⦅古っ!あった、あった!⦆なんて言ったら、「それ何?」って言われますよ。普通の「電話」は、「固定電話」や「家電(いえでん)」と言わなきゃ通じない。とほほ。言葉の新旧交代...酒井順子『うまれることば、しぬことば』を読む

  • 堂場瞬一『鷹の系譜』を読む

    堂場瞬一著『鷹の系譜』(2022年6月10日講談社発行)を読んだ。講談社による内容紹介警察小説の旗手による大河シリーズ「日本の警察」平成編。「公安は常に同じ相手の仕事だ。だが捜査一課の仕事は毎回、違う相手なんだ」「捜査一課は目先の事件を追う。公安は、未来を見据えて仕事をしている」捜査一課と公安一課。同じ警察でありながら相容れない二つの組織に身を置き、昭和を駆け抜けた二人の刑事。その息子たちは、父と同じ道を歩んでいる。昭和天皇が崩御し、60年余にわたる昭和の時代が終わりを告げた日に起きた殺人事件。高級マンションに住みポルシェを乗り回す被害者に見え隠れする、極左の過去。バブル景気の拝金主義に浮かれる世で、思想活動は衰退の一途をたどる。その交錯点で起きた事件を、二人の刑事が追う。刑事は地べたを這いずる仕事だ。だ...堂場瞬一『鷹の系譜』を読む

  • 凪良ゆうの略歴と既読本リスト

    凪良ゆう(なぎら・ゆう)滋賀県生まれ。1973年1月生まれとの未確認情報あり。2006年《小説花丸》に中編「恋するエゴイスト」が掲載2007年長編『花嫁はマリッジブルー』で本格的デビュー。以降、各社でBL(ボーイズラブ)作品を精力的に刊行2017年デビュー10周年を迎え初の非BL作品『神さまのビオトープ』を発表、作風を広げた。2020年『流浪の月』が本屋大賞グランプリ。その他、『未完成』『真夜中クロニクル』『365+1』『美しい彼』『ここで待ってる』『愛しのニコール』『薔薇色じゃない』『セキュリティ・ブランケット』『わたしの美しい庭』『滅びの前のシャングリラ』。「P+DMAGAZINEの著者インタビュー」、「Web版有隣堂の第571号の人と作品」、「RealSound」(わたしの美しい庭)に著者の写真と簡...凪良ゆうの略歴と既読本リスト

  • 凪良ゆう『わたしの美しい庭』を読む

    凪良ゆう著『わたしの美しい庭』(ポプラ文庫な-16-1、2021年12月5日ポプラ社発行)を読んだ。裏表紙にはこうある。小学生の百音と統理はふたり暮らし。朝になると同じマンションに住む路有が遊びにきて、三人でご飯を食べる。百音と統理は血がつながっていない。その生活を“変わっている”という人もいるけれど、日々楽しく過ごしている。三人が住むマンションの屋上。そこには小さな神社があり、統理が管理をしている。地元の人からは『屋上神社』とか『縁切りさん』と気安く呼ばれていて、断ち物の神さまが祀られている。悪癖、気鬱となる悪いご縁、すべてを断ち切ってくれるといい、“いろんなもの”が心に絡んでしまった人がやってくるが――6編の連作短編集。父・統理と血が繋がっていない小学生・百音の二人暮らししているマンションの屋上の良く...凪良ゆう『わたしの美しい庭』を読む

  • 岡本かの子『河明り』を読む

    岡本かの子著『河明り』(昭和14年6月22日創元社発行)を読んだ。この本もまた、棚の奥深くから出て来た昭和14年の初版本で、「河明り」は青空文庫で全文、ルビ付きで読めるのに、わざわざ所々シミがある薄黄色い紙の本で読んだのである。ただし、この本には「河明り」(154p)のほか、小品の「或る日の幻想」(12p)と、「雛妓(すうぎ)」(85p)が載っている。「河明り」語り手である小説家の「私」が仕事に行き詰まり、気分を変えるために仕事場を日本橋亀島河岸で水運業を営む堺屋の一室に移す。堺屋の娘は素晴らしい美人で、健康に問題ある父親に代わって若い者への指図などもこなしていた。たまたま訪れてきた舞妓から娘には木下という婚約者がいるが、彼の態度がはっきりしなく悩んでいるのだと聞く。具合が悪いという娘の部屋に「私」が行く...岡本かの子『河明り』を読む

  • 永井荷風『問はずがたり』を読む

    永井荷風著『問はずがたり(初版)』(昭和21(1946)年扶桑書房発行)を読んだ。断捨離というか、終活の一貫で棚の整理をして、この本が出て来た。「表紙川端龍子」とある。あの川端龍子が!「扉永井荷風」とある。「口繪寫眞」には「昭和21年3月27日菅野にて」とある。私の覚えている永井荷風はもっともっとおじいさんなのだが。永井荷風(ながい・かふう)1879(明治12)年東京市生。1959(昭和34)年79歳で没。小説家・翻訳家。1952年文化勲章受章。代表作:『あめりか物語』『ふらんす物語』『墨東奇譚』ウィキペディアには、主題として反骨、フランス文学、江戸情緒、遊蕩が挙げられている。私が中学生の頃、新聞での知識だと思うが、永井荷風は有名な文学者で、フランス帰りのお洒落な人だが、浅草の踊子たちに囲まれ、女癖が悪く...永井荷風『問はずがたり』を読む

  • 8月(1)の散歩

    最近はやたら暑いのでめったに散歩しない。夜に散歩することはあるが、暗くて写真は撮れない。したがって、これが久しぶりの散歩ブログ。南アフリカ原産で、今は交配などにより300以上の園芸品種があるというアガパンサス。植えっぱなしでほとんど手がかからないので、公園などの花壇やコンテナの植え込みに利用されるとあった。そういえば昔の我家の庭で幅をきかせていたのを思い出した。下は7月中ほどの写真。こちらはオシロイバナ。夏から秋の夕方から翌朝10時ごろまで咲く。写真は9:40とギリギリ?道端でよく見かけ、失礼ながら雑草の一種に思える。柏に似た形の5~7つに深く裂けた葉、円錐形の花房のカシワバアジサイ。茶色になってもまだまだいいじゃない。(7月22日)こちらはまだ白いカシワバアジサイ。塀を突き抜ける勢い。(8月5日)大きな...8月(1)の散歩

  • ドライフラワー

    「バラを頂く」で頂いたハーブ、「5月(1)の花」にあった黄色い玉っころ・ゴールドスティックに、「6月(1)の花」の千日紅を加えて、さかさまに吊り下げてドライフラワーにしてみた。おまけドライフラワー

  • 話すために歌う

    私は生来の無口だ。たいして意味のない会話はしない。かといって、たまのしゃべりが含蓄ある内容と言う訳ではない。若い頃は挨拶も意味が解らないとしなかった。TⅤのニュースで犯人の近所の人が、「よく挨拶するいい人ですよ」などと話していることが多い。「ほらな、ニコニコと挨拶する奴にろくな奴はいないんだよ」と今でも偏見を持って呟いている。新婚の頃、妻の実家に行った時、3姉妹の家族団らんの場には加わらず、傍で寝転んで数学の本を読んでいた。2,3回続くと、着くと居間に座布団と毛布が用意されているようになった。最近はすっかり角が取れてしまって話に加わることが多い。つい混ぜっ返したり、嫌味なジョークを言ったりして、相方に「あっちで寝てれば」と言われてしまうのだが。それでもごくたまにだが、本人は面白いと思い込んでいるくだらない...話すために歌う

  • 上野千鶴子『最期まで在宅おひとりさまで機嫌よく』を読む

    上野千鶴子『最期まで在宅おひとりさまで機嫌よく』(2022年6月10日中央公論新社発行)を読んだ。中央公論新社の内容紹介女性学の第一人者であり、「おひとりさま」を貫く生き方のロールモデルとしても知られる社会学者・上野千鶴子。本書は、上野氏が過去10年間で「おひとりさまの生き方」について語り合った女性10人との対談を1冊にまとめたもの。各記事の後に、上野さんが当時を振り返って心境を綴った「うえのの目」を収録。終章では上野氏が人生100年時代を迎えた今の時代に叶える「在宅ひとり死」を徹底研究。これから人生後半を迎える女性たちに勇気を与えてくれる1冊です。まえがきある調査によると、高齢になってからの生活満足度が一番高いのは、慣れ親しんだ家で、信頼のおける友人などとつきあいながら独居を続けている人でした。施設暮ら...上野千鶴子『最期まで在宅おひとりさまで機嫌よく』を読む

  • 筧裕介『認知症の歩き方』を読む

    筧裕介著『認知症の歩き方』(2021年9月21日ライツ社発行)を読んだ。ライツ社による内容紹介なかなか理解してもらえずに困っていた「認知症のある方が実際に見ている世界」がスケッチと旅行記の形式で、すごーくわかる!まるで「ご本人の頭の中を覗いているような感覚」で、認知症のことを楽しみながら学べる一冊です。ーーーここは、認知症世界。認知症とともに生きる世界では、だれもがいろいろなハプニングを体験することになります。・乗るとだんだん記憶をなくす「ミステリーバス」→自分のしたことを忘れてしまうのは、なぜ?・だれもがタイムスリップしてしまう住宅街「アルキタイヒルズ」→あてもなく街を歩き回ってしまうのは、なぜ?・イケメンも美女も、見た目が関係ない社会「顔無し族の村」→人の顔がわからなくなるのは、なぜ?・熱湯、ヌルッ、...筧裕介『認知症の歩き方』を読む

  • 知念実希人『死神と天使の円舞曲』を読む

    知念実希人著『死神と天使の円舞曲(ワルツ)』(2022年5月30日光文社発行)を読んだ。光文社特設サイトのあらすじ『我が主(あるじ)様』の命により、動物の姿を借りて地上に降り立ったレオとクロ。2匹が地上に暮らし始めてから、はや数年が経過した。レオはホスピスの看板犬として、クロは若きレディのシェアメイト(?)として、和やかな日常を送っている。……しかし最近、にわかに街が騒がしい。山中で「人魂」を目撃したという噂が飛び交い、不審火事件が相次いでいるのだ。この街で何が起きているのか。すべての謎が一つに繋がったとき、シリーズ最大のピンチが2匹に迫っていた――。『優しい死神の飼い方』が死神レオの話で、続編『黒猫の小夜曲(セレナーデ)』が死神クロの話だった。本編はその続き。死神、本人曰く高貴な霊的存在であるレオは、死...知念実希人『死神と天使の円舞曲』を読む

  • 今野敏の略歴と既読本リスト

    今野敏(こんの・びん)1955年北海道三笠市生まれ。上智大学在学中の1978年に「怪物が街にやってくる」で問題小説新人賞を受賞。東芝EMI勤務を経て、執筆に専念する。1999年「空手道今野塾」を主宰し空手、棒術を指導。2006年、『隠蔽捜査』で吉川英治文学新人賞2008年、『果断隠蔽捜査2』で山本周五郎賞と日本推理作家協会賞2017年、「隠蔽捜査」シリーズで吉川英治文庫賞を受賞。さまざまなタイプのエンターテインメントを手がけているが、警察小説の書き手としての評価も高い。他に『宗棍』『ロータスコンフィデンシャル』『暮鐘東京湾臨海署安積班』『ボーダーライト』『清明(せいめい)隠蔽捜査8』『エムエス継続捜査ゼミ2』など。今野敏の略歴と既読本リスト

  • 今野敏『エムエス 継続捜査ゼミ2』を読む

    今野敏著『エムエス継続捜査ゼミ2』(講談社文庫こ・25・23、2021年10月15日講談社発行)を読んだ。裏表紙にはこうある。学園祭でのミスコン反対運動を推進する女子学生・高樹晶(たかぎ・あきら)がキャンパスで襲撃された。警察は、直前まで高樹と議論をしていた小早川(こばやかわ)教授を傷害容疑で任意同行、厳しい取り調べを行う。教授を救うため「継続捜査ゼミ」の5人が、暴走する警官を相手に戦いを開始!女子大を舞台にした人気シリーズ第2弾‼『継続捜査ゼミ』の続編。11月2日の学園祭「三女祭」に向けた準備で大学の動きが激しくなるなか、目玉であるミスコンへの反対運動も盛んになっていた。反対運動のリーダー・高樹は小早川と教授室で議論し、教授館の外に出た直後に、後ろから頭部を強打される事件が起きた。駆けつけた目黒署の大滝...今野敏『エムエス継続捜査ゼミ2』を読む

  • 「とりよし」でランチ

    久しぶりの外食は、井の頭公園入口の階段の途中にある「とりよし」。創業1984年、鶏料理専門居酒屋として誕生した「鳥良」が、名古屋の手羽先唐揚を東京に広めるために出店した「おもてなしとりよし」。私が頼んだのは「鶏くわ焼き御膳」「くわ焼き」とは、お肉を甘辛いたれに絡ませて焼いた料理。昔は、畑を耕す鍬(くわ)の上で焼いたのが名前の由来とあったが、本当なの?御飯、みそ汁、煮物、サラダ、漬物、デザート付きで税込み1,408円と激安で、美味しい。鶏くわ焼きは、火が付いたままの鉄板に置いたままにしたので、後半は固くなってしまったが、確かにタレも美味しかった。相方は「親子丼御膳」で、税込み968円と激安で、美味。ソフトドリンク、「おいしい無糖茶」と「そば茶」いずれも385円を含めても2,871円と美味で安くて満腹。お金の...「とりよし」でランチ

arrow_drop_down

ブログリーダー」を活用して、冷水俊頼さんをフォローしませんか?

ハンドル名
冷水俊頼さん
ブログタイトル
hiyamizu72
フォロー
hiyamizu72

にほんブログ村 カテゴリー一覧

商用