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2021/12/26

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  • ボブたちBBQ16

    「亜夢ちゃん、今から大事なこと言うね」「は、はい」ボブの態度に全てを察し、震える声で返事をする亜夢ちゃん。隊長さんは訳が分からずただただ見守るだけ。「2週間前、喫茶店で初めて会って直ぐ好きになりました。そして今日、バーベキューで一緒に過ごしてもっと好きになりました。僕は大好きな亜夢ちゃんとお付き合いしたいです!」全てを察していた亜夢ちゃんも、緊張で操り人形の様な動きで2度頷く。何も察してなかった隊長さんは驚いて目と口と、鼻の穴を大きく開けて、ボブと亜夢ちゃんを交互に見る、何度も何度も、テニス観戦のように。「私」亜夢ちゃんが話し始めると隊長さんの首の動きが、亜夢ちゃんを見てる向きでピタリと止まっ…

  • ボブたちBBQ15

    「ねえさっき、さどさくさで聞き逃しそうだったけどボブさぁ"亜夢ちゃん"って呼んでたね、笑」「そうだったか?」「私も聞いてた!亜夢ちゃん大丈夫?って。しかもすんっごい抱き締めて!」「亜夢ちゃんあれで恋に落ちたかな?笑」「いやいや、あんな緊迫した状況では落ちないだろ」「でも2人の距離がグンと縮まったのは間違いないわね」「だな、ぴったりホールドされてたし、笑。でもボブのヤツ、よくあの瞬時に身体が動いたな、やっぱり空手やってるから身も心も鍛え上げられてっから出来たのかな?」「そうかもね。よし、じゃ私らも片付けて、どこぞに電話してボブの居場所聞かなきゃ」「なぁ、聞かなきゃずっと2人っきりって事か?笑」「…

  • ボブたちBBQ14

    飛散した炭が火種となってあちこちで芝が燃えていた。ボブは革ジャンを脱ぐと、その革ジャンで芝を叩いて次々に火を消していく。「ボブ!あんたその革ジャン!」「いいんだ!これで人様の役に立てば、親父も喜ぶだろ!」ボブはそう言いながら必死に火を消す。「どなたか、可能な方で結構ですからお手伝い下さい」数人が上着を脱いでボブに加勢した。洋太がバケツに水を汲んで果音の元へ「大丈夫か?」「赤ちゃんは大丈夫そうなのよ」「ママさんが本能でかばったんだろう」「でもママさん、かなりの火傷だよ」「とにかく冷やそう、火傷は1にも2にも冷やすだからな」「わかった、洋太は水まきやって!」「おう!」ライクがエルの側に戻って来た。…

  • ボブたちBBQ13

    「テレビでやってました。この使い方でカセットコンロが爆発したニュースやってたもんで」「あんた、ここの管理の人?」「いえ、うちらもただの利用者です」「何の権利があってごちゃごちゃ言ってんだ?関係ねぇだろ」「じゃ、ここの管理事務所の方に言われたらやめるんですね?」「ああ、やめるよ!てか何なんだあんた!うるせーなー!おい、こんなのほっといて花火行こうぜ」リーダー格らしい男の一言で他の3人も後に続く、捨て台詞を吐きながら。「馬鹿かお前」「殿に向かって、命知らず笑」「うちの殿知らないの?ふん」残ったのが、“これぞ見本”のようなヤンキーママと赤ちゃん。左手で赤ちゃんを抱き、右手でタバコをゆっくり吸いながら…

  • ボブたちBBQ12

    「3年生の時に写生大会があったのね、どっかの神社だったかな?バスで行って、その日はほかの小学校も何校か来てて。絵を描きました、で終わって、さあ帰りましょうって時に、コイツがいないわけよ、笑」「わかった!トイレ!」「ブー」「どっかで寝てた!」「ブー」「人さらい!」「ブー、こんなのさらってもメリット無いでしょ」「おい!」「そうだよな」「おい!」「正解は…こんな事本当有り得ないんだけど、ボブは違う小学校のバスに乗って先にいなくなったの!」「笑笑笑笑笑」「バカじゃね?笑笑」「ねえ!バカでしょ?」「べ、別に大した事件じゃ」「大事件だわ!小3の子供が突然居なくなったんだから!笑」「で、結局どうなったんだ?…

  • ボブたちBBQ11

    「でも良かったな2人共」「うん、笑」「入籍とか式は?」「入籍は来月のエルの誕生日に」「へー!」「式はこんな状況だから産まれてから考える。今は式よりこの子が無事に産まれてくれる事だけ」「エル、完全に"ママ"だね。何だろ?エルが泣いたから、もらい泣きもあるけど、本当に嬉しい!」「そだな、まさか果音まで泣くとは笑」「どゆー意味よ!まさかって」「笑笑笑」洋太がしんみりと「俺もな、ライクがみんなに頭下げてたの見てグッときた、笑」そして真面目な顔で「ライク、エル、お前らはもう立派なパパとママだ。」「やめてくれ、そんな事言ったらまたエルが…」みんなでエルを見ると、やっぱり大粒の涙を流して泣いていた。ただ…笑…

  • ボブたちBBQ10

    「果音にこんな可愛い後輩がいたなんて…どうも、エルです、笑」「ど、どうも…笑」「エルは勿論ニックネーム。大きい子って書いてひろこって名前なの」するとエルが自ら「名前も大きい、身体も大きい、声も大きい、Lサイズのエルって事」自虐的な説明かも知れないが、全くそう聞こえないのがエルの特長なのか、1つ加えるなら心も大きいのかも知れない。「それから彼氏の斉藤好彦、名前に好きがあるから、好=ライクってわけ。私とボブとエルが中学校の同級生。ボブと洋太とライクが高校の同級生。でね、私と洋太も、エルとライクもどっちもボブが愛のキューピッドなの!」するとボブは恥ずかしそうに左手で後ろ頭を押さえ、若者独特の首だけ前…

  • ボブたちBBQ9

    「あっ、来た来た!エル!ライク!」果音が元気よく手を振る。「ほら亜夢ちゃん見て、あの2人がいっつも手繋いでるラブラブカップルのエルとライクだよ」「馬鹿ップル…」「えっ?何?」「いえ!何でもありません!」「おはよう」「おはよう、みんな揃ったね。荷物はこれで全部?」「ああ、もうちょいある」「さっさと運んでよ、ボブ!」「あのなー!コイツらが手繋いでこなけりゃ、炭とシートを1回で持って来れたんだぞ!おらのせいじゃない!」「仕方ないでしょ!エルとライクなんだから」「笑笑笑笑」「ど、どーゆー事?」「私行ってきます」亜夢ちゃんはそう言って駐車場に向かった。「ボブも行け!」「ボブ行け!」「早く行って!」みんな…

  • ボブたちBBQ8

    「今日は果音をお願いね」「はい、や、洋太がいるんで」「そうなの?…」果音の母はやや不満そうな声を出す。「おー、やす!おはよう」「おじさん、おはようございます」果音の父も顔を出した。「バーベキューか!いいな、若いもんは!」「はぁ、まぁ、笑」果音の父はいきなりボブの肩を組んで「おいやす!お前今日もしかしたらこれが出来るかも知れないんだってなぁ!笑笑」そう言いながら左手の小指を立てた。「や!俺はそんな……」そう言って直ぐに果音を睨み、鋭い息声で「ペラペラしゃべるな!」果音はしらばっくれて、へったくそな口笛を吹く。「後は誰来るの?」「大子(ひろこ)と彼氏」「あー!あの仲良しカップル笑」「それと私の後輩…

  • ボブたちBBQ7

    「ボブ!ボブ!!」「何だよ果音、朝からギャギャうるせえな!」「何よその言い方!おはようくらい言えないわけ?!」「お前こそ言ってないじゃんか!笑」「あー言えばこう言う」「どっちがだよ!」ボブこと池堂保武と、鶴舞果音は家が隣で、生まれてからずっと一緒に育った間柄なので、側からみれば一触即発の会話に聞こえるかもしれないが本人達は至って普通の日常会話。「あんたの車、まだ余裕でしょ?」「ああ、一式積んだけどまだ大丈夫だ」「じゃあさ、クーラーボックスと炭お願い。途中で亜夢ちゃん乗せるからキツイのよ。それともボブが亜夢ちゃんを乗せてくれる?笑」「や、俺は〠$%☆♪」「焦ってる、笑。冗談よ」「朝からからかうな…

  • ボブたちBBQ6

    「でもな、そうだとしてもニコニコしてたから」「俺がか?」「バカ、亜夢ちゃんだよ」「バカ亜夢ちゃんとは何だ!!」「落ち着けボブ!句読点の位置が…はぁ…」「ニコニコしてたのか?」「うん、お前は緊張してろくに顔見てないから分からなかっただろ?何かいい感じの表情だったような」「だから、せ、千寿さんは果音先輩が怖いから」「それを差し引いても25点を見る感じじゃなかったんだよな~」「25点はお前の個人的採点だ」「おいボブ!お前ひょっとしたら脈ありかもだぞ!」「は?」「今果音が亜夢ちゃんを送りながら聞いてるよ」「何を?」「決まってるだろ、お前の事だよ。どう亜夢ちゃん、アイツ?とか聞くだろ?そしたら、あー、私…

  • ボブたちBBQ5

    「なんでこんな会わせ方したんだよ!」「だから、あん時のお返しだべ」「何年根に持ってるんだ!しつこいな。それに、せ、千寿さん巻き込むことねえだろ!」「亜夢ちゃんって言えねぇのか?笑笑」「うるせぇ!」 果音と亜夢ちゃんが喫茶店を出てから男2人の反省会が行われていた。「俺も果音もお前の好きなタイプはよく知ってる。ドンピシャだろ?笑笑笑」「せめて昨日のうちに写真見せておいてくれよ。そしたらちゃんと対応出来た!」「無理だね、お前には」「だ!大丈夫だよ」「それにそんな事したら、本来のお前を見せられないだろ?最初から緊張して、オドオドするのがおちだ」「大きなお世話だ」「亜夢ちゃんが登場する前のリラックスした…

  • ボブたちBBQ4

    果音の言い方に僅かな違和感を感じた亜夢ちゃんも果音の目を見る。「やすをお願いってね」果音の言い方に言い知れぬ恐怖感を覚えたが、信号が青に変わり車内の空気も元に戻った。「バーベキュー大丈夫?今日のボブ見て幻滅したら無理しなくてもいいよ」「いえ!楽しみです。」「そう?今度はボブも少しはマシにお話し出来るでしょ。あっ、それからね、私に遠慮や気ぃなんか使わなくていいから、嫌ならはっきり断りなよ。もし、そうなっても私と亜夢ちゃんの関係には何の影響もないから。ましてや私とボブがギクシャクする事もあり得ないんだから。中途半端に"お友達で"とか言わずにきっぱり断りなよ!」「果音先輩、もう私が断る体で話してませ…

  • ボブたちBBQ3

    「どう?亜夢ちゃん、アイツ」「あっ、池堂…さんですか?」「笑、池堂さんって、ボブでいいよ」「まぁ、あんまりお話し出来てないんでまだ、何とも」「笑、そうだね!まぁ、今日はボブにとって亜夢ちゃんに会うのはサプライズ的出会いだったからね、笑。だからあんなに緊張して、キョドって、ろくに挨拶も出来なくて、ポンコツ丸出し」「そんな…ポンコツだなんて笑」 果音と亜夢ちゃんは先に喫茶店を出て、果音の運転する車で亜夢ちゃんを家まで送る車中。「果音先輩に彼氏さんを紹介したのが…?」「そっ、ボブなのよ。ボブと洋太が高校の親友でね」「果音先輩と池堂さんは前からの知り合いで?」「笑、知り合いどころか、さっきボブが言って…

  • みっちゃんと…6

    『もしもしみっちゃん』『あ、てっちゃん!』『ちょっと遅いけど明けましておめでとう 笑』『あ 笑、明けましておめでとうございます 笑、本当にちょっと遅いね』『しばらくだけど元気?』『おかげさまで元気よ、てっちゃんは?』『みっちゃんのナデナデ効果で元気。前から思ってたこと、新年会とかどうかな~って2人でたけど。でもみっちゃん美人だからすぐ彼氏とか出来るだろうし、躊躇してたんだけど、ダメ元で電話してみた。っていうかみっちゃんさ、彼氏出来たらすぐ連絡して!そしたらちょろちょろするのすぐ辞めるから 笑』『笑、てっちゃんが思ってるほど美人じゃないし、なかなか彼氏出来ないの』『嘘だー!』『本当だよ!てっちゃ…

  • ボブたちBBQ2

    「じゃ何の話だ?」「バーベキュー行こうぜ!」「は?そんなの2人で行けばいいじゃんか」「ライク達も来る」「ん?って事はエルも来るのか?」「勿論よ、私達よりラブラブだもん」「尚更行かね、俺そんな暇じゃねぇし、誰が好き好んで馬鹿ップル2組の見学会なんて…」「誰が馬鹿ップルだ!!」洋太と果音が同時に立ち上がって同時に言った。ボブは一瞬驚いてから「そ、そうゆーところです」「再来週の土曜日よ」「行かね」「県民の森だぞ」「行かね」「他にも来るのよ」「馬鹿ップルがまだ来るのか?神に誓って行かね」果音と洋太は含み笑いをしてからボブに携帯画面を見せ「この子も来るのよ、今彼氏募集中だけど、どうボブ?」「あっ、再来週…

  • ボブたちBBQ1

    「なんでわざわざきっちゃてんに呼び出すんだよ!俺んちでいいじゃんか。果音んちでも、家隣だぞ!」「まぁまぁ落ち着きなってボブ」「そうだぞボブ、たまにはこうして3人で会うのもいいじゃんか」「洋太、昨日2人で呑みに行ったばっかじゃんか 笑。果音、お前に至っては週8で顔見てるぞ、どうやったらたまには3人でって発想になるんだ?お前ら記憶喪失か!」「落ち着けボブ、ちょっと話があるんだよ」「何だよ?あっ、お前らもしかして!?」「何だよ?」「何よ?」ボブは声をひそめて「結婚か?別れるのか?」「馬鹿!何よその両極端な予想は、本当デリカシーがないわね!だから中々彼女が出来ないのよ」 ボブこと池堂保武、色が黒いので…

  • みっちゃんと…5

    「カウンターでも大丈夫?みっちゃん」「私は全然へーき」「じゃ、座ろう。みっちゃんは何呑む?」「私、サワーにしよっかな、てっちゃんは?」「僕はビール。つまみも適当にたのもうよ。」店員を呼んで注文する。ほどなくしてとりあえずビールとサワーがきた。「じゃ、発表するよ」「え、え、え、今?」「だって不合格だったら乾杯じゃ変でしょ?」「あー、まあ…」みっちゃんが少し不安な顔になる。「実は僕が受けた試験ってのは“宅建士”」「えっ?それって超難しくて合格率も低いヤツでしょ!?」「そう、合格率が15%くらいしかないヤツ」「そんな難い試験受けてたんだ!受けるだけでも凄いんでしょ!?」「そんな事ないけど……発表する…

  • みっちゃんと…4

    『もしもしみっちゃん?』『あ てっちゃん 笑、何もしかして国家試験合格したの?』『みっちゃんは何時頃仕事終わるの?出来れば仕事終わりに直接報告したいんだけど都合はどう?』『えー、今教えてくれないの?』『逢ってからのお楽しみって事で!』『焦らすのね 笑、明日ならいいわよ!』『じゃ、この前会った駅の改札の所でいい?』『わかった!』 改札手前でみっちゃんの見つけた信彦は軽く手を挙げる。みっちゃんもてっちゃん(信彦)を確認すると自分のお腹の前あたりで小さく手を振る。その仕草に信彦は少しキュンときた。「ごめん、待った?」「そうでもない 笑」「良かった。みっちゃん美人だからすぐナンパとかされて拉致されたら…

  • みっちゃんと…3

    「御礼だなんてそんなの、いいですから!でもこうやって再会出来たのも何かの縁、軽く一杯行きますか?」「はい!」2人は決して大きくもない傘に無理矢理入って駅前の居酒屋に向かった。 「ちゃんと入らないと濡れますよ、てっちゃん」「みっちゃんこそ、自分の傘なんだから」「笑笑」「そこでいい?」「はい、何処でも!」 「乾杯!!」「改めてお詫びします。てっちゃんを巻き込んで本当にごめんなさい」「いいんですよ!うまく切り抜けたんだし、こうやって再会出来たのも僕は嬉しいです」「でもびっくりしたでしょ!?」「そりゃ最初はちょっとパニクりましたよ!知らない美女が切迫感溢れる表情でこっちに来るんだもん!」「笑笑」「素朴…

  • みっちゃんと…2

    改札を出て地上に上がると雨だった。「え!?」確かに天気予報では所により一時雨と言ってたが(一時って今かよ!? 所ってここかよ!?)そう思ったのは信彦だけでなく、この駅の軒下で雨宿りしてる数百人も全く同じ事を思ったはずだ。「てっちゃん」信彦は先日の図書館での出来事を思い出した。やからに追われた女性を助けた?いや、何とか切り抜けたって表現が相応しいかもしれない。女性からとっさに「てっちゃん」と呼ばれた。信彦はそれを思い出し顔に出さず心の中で笑った。ん?誰かもう一回てっちゃんって呼んだ?(すいません、僕はてっちゃんじゃないんで)肩を叩かれ「てっちゃんですよね?」僕をそう呼ぶのはあの人しか…ゆっくり振…

  • みっちゃんと…1

    信彦は図書館で国家試験を受ける為の勉強をしてた。自宅でもいいのだが、信彦は学生時代から割と図書館を利用してる。自宅は生活の場でもある環境なので、誘惑もあり、なかなか集中出来ないが、ここはその為の場所なので、わざわざ足を運ぶ事を差し引いても、充分価値があり、モチベーションも上がる。 信彦はその女性と一瞬目が合った。知らない人だが女性は迷わず信彦に近付いてそのまま信彦の隣に座った。「助けて下さい!」女性の小さいが鋭い声と切迫感溢れる表情で信彦は何かを察し、周りの様子を見る。どう見ても図書館とは縁遠い風貌の男が入って来た。女性の顔がみるみる強張る。信彦はとっさに「遅いよ、みっちゃんもう 笑」女性も機…

  • 幸星と母親 2

    「だいたい両親が大したことないのに」「ちょっと幸星!失礼な事言うんじゃないわよ!!」「じゃお母さん、陸上得意だったの?」「いや…お、お母さん は、それ程でも…」「お父さんは?」「お、お父さんは…スキップすら出来ない」「ね、だから足が早いのは本当に今だけかもしれないって事。で、中学3年の時、推薦の話があったら、その時は前向きに考えようと思う。」「ふーん…理由はそれだけなの?」「まあ、1番の理由はそれだよ。後は友達」「友達ね」「どうせ高校は、ばらばらだろうけど、せめて中学校まではみんなと一緒にいたい。ずっと一緒だったからね」「女子も?」「女子?女子は別に…」「幸星君、君は3軒お隣のお嬢様の事は考え…

  • 幸星と母親 1

    「幸星、また本借りてきたの?」「うん、図書委員が何も借りないってのもあれだし、ちょっと頑張って借りてる。でも無理してるんじゃないから 笑」「亜夢は?」「寝たよ」「そう、幸星ちょっと座りなさい」「座ってるけど 笑」「こっち向いて」「向いてんじゃん 笑、何?」「本当にいいの?」「何が?」「推薦の話だよ、もう正式にお断りしたけど、幸星の中で何も迷いはなかったの?」「決断するまではいろいろ考えたけど、今はもう何もないよ」「じゃ何を考えてたの?全部言いな」「えー!全部!?笑」「あんたお母さんに全部言ってないでしょ」幸星はあきらめたようにため息をついてから「まずね、俺はまだそんな選手じゃないよ」「全国大会…

  • 幸星 沙耶香 嬉7

    「離れ離れになると思ってたのにまた三年一緒、しかも部活まで!」「嫌なのか?」「幸星のバカ!」また体当たりした。「うるせー保育園児!」「もう置いてくよ!」 「持って来たよ、ビールとジュースと三脚」「ごめんね幸星君、紗耶香も」紗耶香の母親はすぐに気付いた、紗耶香の眼が明らかに少し輝いてる事を。「じゃ、ここで写真撮るよ。第1回杉浦家上条家合同ハロウィンパーティー、三脚貸してくれてありがとう記念写真!」「タイトル長い 笑」「笑笑笑」「長すぎ 笑」「三脚貸してくれてありがとうのくだりはいらないでしょ! 笑」いろんなバージョンで撮った。オーソドックスな家族写真から、子供だけ、杉浦家の子供と上条家の親という…

  • 幸星 沙耶香 嬉6

    「幸星君どうするの?中学校、有名所からお誘いもらってるんでしょ?」「断るかも」「そーなの!?」「本人に任せたの。そしたら今のところ中学校までは普通の公立行きたいし、仲の良い友達と離れるのは嫌だって。勿論陸上部には入りたいみたいだけど」「ふーん、仲の良い友達ね」「そう、仲の良い友達」幸星の母親は紗耶香を見て、紗耶香の母親は幸星を見て微笑んだ、微笑んだ。「紗耶香ちゃんは?部活の事何か言ってるの?」「紗耶香はね、前々から陸上部で長距離やりたいって言ってる 笑」 「あっ、後でみんなで写真撮りましょ」「あれ?三脚壊れてたけど直ったんだっけ?」「お父さんが直してなければ直るわけないでしょ 笑」「すみません…

  • 幸星 沙耶香 嬉5

    子供達はトランプを始めた。幸星は六年男子という事もあり最近はこのメンバーと遊ぶことはめっきり少なくなったが、今日は気を使ってるのか、空気を読んでるのか、楽しく女子の輪の中で楽しんでいる。もっとも幸星は亜夢が何より可愛いから、亜夢の為にも楽しんでるところは大いにある。「亜夢、ジョーカー取っても笑うなよ」「うん」「今は誰がジョーカー持っているのでしょうか!?」お互いにポーカーフェイスを決め込んでるが、亜夢の目だけが完全に笑ってる。 「亜夢笑ってるじゃん!もうばればれだね 笑」「亜夢ちゃんて本当可愛いよね」「いやいや、上条家こそ美人姉妹じゃん!でも同性の兄弟、姉妹のほうが仲いいのかもね。」「何言って…

  • 幸星 沙耶香 嬉4

    「ただいま!」「おかえりー沙羅、いいヤツ買えたの?」「うん!みんなで飾り付けやるよ!」「お願いね」「お邪魔します」「あー、幸星君もありがとうね」「お母さん、幸星にも飾り付け手伝ってもらうよ、高い所とか力がいる所」「いいの?幸星君」「あっ、大丈夫ですけど、センスないから指示してもらえば、はい」「指示は上条紗耶香総合プロデューサーが全てやるから大丈夫よ 笑」「笑!私いつからプロデューサーになったの?笑」 「今日ねー、電車でねー、酔っぱらったおじさんが乗って来てねー」「えーっ!?酔っぱらい?やーねー!沙羅と亜夢ちゃんは大丈夫だった?」「うん、お姉ちゃんが守ってくれたから!そしたら幸星君が酔っぱらいの…

  • 幸星 沙耶香 嬉3

    「人聞き悪い事言うんじゃない、上条!先生は純粋に君達にだな…その…ジュースをご馳走して…あげようと思ってだな…」「私達は六年生ですから、大丈夫ですけど…妹達は…一応言っておきますけど、駄目だったらすみません。でも先生、いっそのこと公開して全校児童に応援してもらうってのはどうですか?」「そんな恥ずかしい事出来るか!とにかくこの事が広まらないように頼む」「だから買収ですよね」「…」彼女(になるかもしれない人)が戻って来たので話は終わった。彼女は妹達に話し掛け「ハロウィンパーティーやるの?」「うん、沙羅ちゃんんちでみんなでやるんだよ!」「そう!?楽しそうね!どんな変装するのかな?」「内緒!」「内緒!…

  • 幸星 沙耶香 嬉2

    ハロウィンは日本でもここ10年程前から一気に流行り、特に若者達の盛り上がりは凄まじい。グッズの販売も盛況だ。「いろんなのがあるね!」「そうだな、妹達じゃなくても目移りするわ」「幸星、ちょっとはテンション上がった?」「かもな 笑」それでも限られた予算を何とか工面して杉浦家も上条家もほぼ満足の品を選びレジへ向かう。突然お互いに逃げも隠れも出来ない至近距離でばったり出くわした。「飯杉先生…」「おおー、ああいー!杉浦と上条じゃないか 笑」「先生もハロウィンの買い物ですか?」「おおー、ああ、まあな 笑 お前らもデートか?」「違います!」「何だ2人揃ってムキになって、あはは!別にいいんだぞ、ははは」「先生…

  • 幸星 沙耶香 嬉1

    「今年は合同でやる事にしたの」「やった!沙羅ちゃんと一緒だ!!」「幸星、お金やるから明日必要な物買って来てね、亜夢と一緒に」「何買えばいいの?」「変装グッズと飾り。ある程度家にあるから買い過ぎないようにね。料理と飲み物はお母さん達用意するから大丈夫」「沙羅ちゃんも一緒に行くんだよ!」「えっ、じゃ…」「心配しないで、紗耶香ちゃんにも行ってもらうから大丈夫よ」(またかよ…恥ずかしいんだけど…) 「また、同じメンバーになったね」「やー、別に俺ハロウィンとかそんなに…っていうか」「いやなの?」「いやじゃないけど、六年男子でハロウィンってちょっと恥ずかしい」「えー、今は男も女も凄いじゃん!テレビで渋谷と…

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