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偏屈な著者によるコレクション - Codawari https://co-dawari.com/

Kはこだわりが強い。 家の内装や食材選びはもちろんのこと、靴磨きのワックス、スプーンに含まれる純銀の割合に至るまで一切の妥協を許さない。 ここはそんなKが 自慢のコレクションを1日1つ披露していく場である。

Codawari
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2021/09/12

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  • あと4日しか生きられないとしたら

    「美食家」と聞いて、あなたはどんな人物を想像するだろうか。 もしかすると、アントワネットのように神経質な女性を思い浮かべるかもしれないし、ルイ14世のように高貴で仰々しい男性を想像するかもしれない。 私の美食家に対する印象も凡そそのようなものであったが、スローフードという概念に出逢ってから、その偏見はオセロのごとく転換し、美食とは農業的な行為なのだと知ることになった。 本日は、スローフードを提唱する汀(みぎわ)さんのお料理をいただきながら、美食について考えていこう。 スローフードとは、ファストフードのアンチテーゼであり、一皿一皿に時間をかけてゆっくり味わい、食の正しさを追求しようとする在り方である。 我々が美食を求めなければ、正しさを追求する農家には還元されず、農業の未来は暗いものになってしまうだろう。レストランでの注文は選挙で一票を投じるのと同じことなのだ。 どの料理をどの順で頼み、どのワインに合わせるべきなのか。作曲家が譜面に音符を並べ音楽を奏でるように、食卓に並ぶべき料理を追求する美食家は、たしかに農業的な立場なのかもしれない。 スローフード発祥の地ピエモンテでは、「あと4日しか生きられないとしたら」という教えを大切にしているそうだ。 あと4日しか生きられないとしたら、一食の尊さに敬意を払えないだろうか。 あと4日しか生きられないとしたら、食糧に感謝が出来ないだろうか。 あと4日しか生きられないとしたら、今日生きられることに歓び、人に優しくできないだろうか。 人間は不完全な存在で、気を抜けば謙虚さや感謝を忘れてしまうものなので、せめて美味しいものをいただく時にはピエモンテの格言を思い出そう。 あと4日しか生きられないとしたら、今日はどんな1日にしようか。 北野坂にお立ち寄りの際には、ぜひ汀(みぎわ)さんでスローフードを愉しんでいただきたい。 「水辺と陸のあいまいなはざま」を意味する「汀」の言葉通り、アートや書籍が絶妙に混ざり合っていて、感性が磨かれるから。 あと4日しか生きられないとしたら… 【スローフード】発祥の地ピエモンテでは、そんな教えがある。 ※ファストフードの対極 あと4日しか生きられないとしたら、食に感謝と敬意を払えないだろうか。 あと4日しか生きられないとしたら、他人に優しくできないだろうか。 pic.twitter.com/cFZCtuSlDZ — カフカ (@EachBrand) Marc

  • 何ひとつ理解できない奇書

    キケロの言葉に「書物なき部屋は魂なき肉体の如し」というものがある。 平たく言うと、本のない部屋はミッキーが病欠中のディズニーランドと同じということだ。 私は知的好奇心を得るために小説を読み、知恵を授かるために古典を手に取るが、時折、何ひとつ理解できない哲学書や奇書を眺めたくなる。 「自分は世界のことを何ひとつ知らない」と無知を自覚し可能性を感じたいからだ。 本日は、私が長年心を奪われている一冊の古文書をご紹介しよう。 歴史上に登場してから数百年間、未だ解読されていない幻の奇書「ヴォイニッチの手稿」。 この本は、エニグマ暗号機の発明者も、天才と呼ばれた言語学者も、あるいはなぞなぞが得意な私の弟でさえも解読はできていない。 それでも世界が魅了され続ける理由は、この古文書には世界の秘密が隠されていると信じられているからだ。 たとえば、放射性炭素年代測定をすると、中世ヨーロッパの書物であるとされているのに、顕微鏡を使わなければ視えない極小の微生物や、望遠鏡が無いと確認できない極大の銀河系が正確に描かれているのだ。 謎の言語で書かれたこの書物には、地球上に存在しない植物や理解不能な挿絵が多数描かれている。 特に第三章「生物学」は興味深く、まるで植物が自我を持っているかのように、葉緑体のような液体に奇妙な生態(無性生殖?)が描かれており、正体を考えれば考えるほど沼にはまっていくのだ。 我々の腸内に細菌叢の生態系があるように、植物にも独自のエコ・システムが確立しており、彼女たちは歓びや痛みを感じているのかもしれない。 そろそろ眠気が襲ってきそうな夜分に、ウイスキーのオンザロックをすすり、理解不能な古文書を眺めるのは甘美である。 世界は神秘に満ちている。さあ冒険に出かけよう。 世界の誰ひとり読むことができない幻の手稿を入手した。 解けた人には私のコレクションの好きなものを差し上げるので、どうか内容を教えてほしい。#北を目指して #codawari pic.twitter.com/GUnC0JIkTG — カフカ (@EachBrand) March 6, 2022 ◆クリック協力のお願い 下記のURLを1日1度クリックしていただけないだろうか。 1.人気ブログランキング 2.ブログ村 3.FC2ブログランキング ◆LINEのご案内 Kは偏屈で気難しい人物である。それゆえ友達が少ないため申請してあげると喜ぶに違いない。

  • 出産の瞬間に立ち会っているかのように

    第一印象が重要なのは、飲食店においても同じである。 席に着き最初に出てくるおしぼりが、単に濡らしただけのティッシュのように、便宜的に間に合わせたものであれば、そのあとのサービスに期待できるはずもない。 客人をもてなすなら、おしぼりこそ力を注ぐべきではないだろうか。 そこで本日は、私が愛用しているこだわりの品をご紹介しよう。 この天然木の上に佇むラムネのようなものは、正真正銘のおしぼりである。 ご覧の通り極度に圧縮されているため、水分を与えると、まるでメリーズパンツのようにすごい勢いで吸収して膨らむのだ。 ご存じだろうか、日本では古事記にも記されているほど、古くから日常的に使われてきたおしぼりだが、西洋ではビジネス・クラスにでも乗らない限り出てこない。 これは、おしぼり先進国の倭国が辿り着いた究極の姿なのだ(たぶん)。 せっかく客人をもてなすなら徹底的にやろうではないか。 注ぐ水には、品のよい軟水を採用し、60度に沸かして檜のエキスを加えると良いだろう。 そして、シェフが「本日のお肉料理」にマデラ・ソースをかけるように、客人の目の前で仰々しく湯を注ぐとなお宜しい。 注意点として、おしぼり投下の瞬間だけは客人ご自身で行っていただこう。 そうすれば、全ての客は例外なく、出産の瞬間に立ち会っているかのように目を輝かせるのだ。 1粒たった5円で、人を幸福にさせる秀逸なアイテムだ。 ご紹介したサービスに特許はかけていないので、どうぞご自由に使っていただきたい。 ◆クリック協力のお願い 下記のURLを1日1度クリックしていただけないだろうか。 1.人気ブログランキング 2.ブログ村 3.FC2ブログランキング ◆LINEのご案内 Kは偏屈で気難しい人物である。それゆえ友達が少ないため申請してあげると喜ぶに違いない。

  • オリーブ・オイルは飲みものですから

    世界には、凡そ人知を超えた神秘が存在する。 ここ数年、私にとっては植物(とりわけ葡萄)がその研究対象であったが、先日、大変お世話になっているお医者様より、オリーブ・オイルの贈り物をいただき、オリーブという植物にも心から魅了されてしまった。 オリーブと訊くと、即座に速水もこみちを連想する方も少なくないと思うが、人類史において、ローマ帝国における三種の神器(ワイン、パン、オリーブ)に命名され、黄金に匹敵すると言われた崇高なものなのだ。 本日は、敬愛するお医者様よりいただいたオリーブ・オイルをご紹介しよう。 イタリア・アヴェッリーノ地区の土着品種を使った早摘みのオリーブ・オイル「FAM」。 2000年に入り、早摘みオリーブの香り高さに気付いたある農家が、その事実を世界に広めオリーブ産業に革命が起きたが、そんな前衛的な試みを愉しめる一本である。 お医者様からは「ボジョレーヌーヴォのようなオイルです」と添えられていたが、たしかにオリーブはワインとよく似ているように思う。 果実はテロワール(地勢)を実直に反映し、圧をかけて絞るだけで恵みが溢れてくる。多くのオイルは人工的に精製する必要があるのに対しオリーブには必要ない。保存する壺(アンフォラ)も同じである。なるほど確かに三種の神器である。 「オリーブ・オイルは飲み物」と以前もこみちが言っていた気がするので、彼の意見を尊重しシャルドネ・グラスでいただくことにした。 飛び跳ねるような若若しさに青草を思わせる苦味があり、初見は「反抗期のマルフォイみたいだな」と感じたが、空気に含ませるとバランスが整い奥行きのあるスパイシーさが心地よい。 視覚的にも青々しくエネルギッシュで、肌に塗ればみるみる若返り、頭皮に塗れば髪が生えてきそうなフレッシュな色調である。 比較のために熟したピクアル種のエキストラ・ヴァージンを用意した(右)。 色も香りも味わいも同じ食品とは思えないほど違っており、これまで一色淡に「オリーブ・オイル」と捉えていた自分の愚かさに気付かされた。 それはまるで、臆病なうさぎと最強の女子レスラーを「同じ霊長類ですから」といって一緒にするようなものである。 ◆クリック協力のお願い 下記のURLを1日1度クリックしていただけないだろうか。 1.人気ブログランキング 2.ブログ村 3.FC2ブログランキング ◆LINEのご案内 Kは偏屈で気難しい人物である。それゆえ友達が少ないため申請

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