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偏屈な著者によるコレクション - Codawari https://co-dawari.com/

Kはこだわりが強い。 家の内装や食材選びはもちろんのこと、靴磨きのワックス、スプーンに含まれる純銀の割合に至るまで一切の妥協を許さない。 ここはそんなKが 自慢のコレクションを1日1つ披露していく場である。

Codawari
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2021/09/12

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  • あと4日しか生きられないとしたら

    「美食家」と聞いて、あなたはどんな人物を想像するだろうか。 もしかすると、アントワネットのように神経質な女性を思い浮かべるかもしれないし、ルイ14世のように高貴で仰々しい男性を想像するかもしれない。 私の美食家に対する印象も凡そそのようなものであったが、スローフードという概念に出逢ってから、その偏見はオセロのごとく転換し、美食とは農業的な行為なのだと知ることになった。 本日は、スローフードを提唱する汀(みぎわ)さんのお料理をいただきながら、美食について考えていこう。 スローフードとは、ファストフードのアンチテーゼであり、一皿一皿に時間をかけてゆっくり味わい、食の正しさを追求しようとする在り方である。 我々が美食を求めなければ、正しさを追求する農家には還元されず、農業の未来は暗いものになってしまうだろう。レストランでの注文は選挙で一票を投じるのと同じことなのだ。 どの料理をどの順で頼み、どのワインに合わせるべきなのか。作曲家が譜面に音符を並べ音楽を奏でるように、食卓に並ぶべき料理を追求する美食家は、たしかに農業的な立場なのかもしれない。 スローフード発祥の地ピエモンテでは、「あと4日しか生きられないとしたら」という教えを大切にしているそうだ。 あと4日しか生きられないとしたら、一食の尊さに敬意を払えないだろうか。 あと4日しか生きられないとしたら、食糧に感謝が出来ないだろうか。 あと4日しか生きられないとしたら、今日生きられることに歓び、人に優しくできないだろうか。 人間は不完全な存在で、気を抜けば謙虚さや感謝を忘れてしまうものなので、せめて美味しいものをいただく時にはピエモンテの格言を思い出そう。 あと4日しか生きられないとしたら、今日はどんな1日にしようか。 北野坂にお立ち寄りの際には、ぜひ汀(みぎわ)さんでスローフードを愉しんでいただきたい。 「水辺と陸のあいまいなはざま」を意味する「汀」の言葉通り、アートや書籍が絶妙に混ざり合っていて、感性が磨かれるから。 あと4日しか生きられないとしたら… 【スローフード】発祥の地ピエモンテでは、そんな教えがある。 ※ファストフードの対極 あと4日しか生きられないとしたら、食に感謝と敬意を払えないだろうか。 あと4日しか生きられないとしたら、他人に優しくできないだろうか。 pic.twitter.com/cFZCtuSlDZ — カフカ (@EachBrand) Marc

  • 何ひとつ理解できない奇書

    キケロの言葉に「書物なき部屋は魂なき肉体の如し」というものがある。 平たく言うと、本のない部屋はミッキーが病欠中のディズニーランドと同じということだ。 私は知的好奇心を得るために小説を読み、知恵を授かるために古典を手に取るが、時折、何ひとつ理解できない哲学書や奇書を眺めたくなる。 「自分は世界のことを何ひとつ知らない」と無知を自覚し可能性を感じたいからだ。 本日は、私が長年心を奪われている一冊の古文書をご紹介しよう。 歴史上に登場してから数百年間、未だ解読されていない幻の奇書「ヴォイニッチの手稿」。 この本は、エニグマ暗号機の発明者も、天才と呼ばれた言語学者も、あるいはなぞなぞが得意な私の弟でさえも解読はできていない。 それでも世界が魅了され続ける理由は、この古文書には世界の秘密が隠されていると信じられているからだ。 たとえば、放射性炭素年代測定をすると、中世ヨーロッパの書物であるとされているのに、顕微鏡を使わなければ視えない極小の微生物や、望遠鏡が無いと確認できない極大の銀河系が正確に描かれているのだ。 謎の言語で書かれたこの書物には、地球上に存在しない植物や理解不能な挿絵が多数描かれている。 特に第三章「生物学」は興味深く、まるで植物が自我を持っているかのように、葉緑体のような液体に奇妙な生態(無性生殖?)が描かれており、正体を考えれば考えるほど沼にはまっていくのだ。 我々の腸内に細菌叢の生態系があるように、植物にも独自のエコ・システムが確立しており、彼女たちは歓びや痛みを感じているのかもしれない。 そろそろ眠気が襲ってきそうな夜分に、ウイスキーのオンザロックをすすり、理解不能な古文書を眺めるのは甘美である。 世界は神秘に満ちている。さあ冒険に出かけよう。 世界の誰ひとり読むことができない幻の手稿を入手した。 解けた人には私のコレクションの好きなものを差し上げるので、どうか内容を教えてほしい。#北を目指して #codawari pic.twitter.com/GUnC0JIkTG — カフカ (@EachBrand) March 6, 2022 ◆クリック協力のお願い 下記のURLを1日1度クリックしていただけないだろうか。 1.人気ブログランキング 2.ブログ村 3.FC2ブログランキング ◆LINEのご案内 Kは偏屈で気難しい人物である。それゆえ友達が少ないため申請してあげると喜ぶに違いない。

  • 出産の瞬間に立ち会っているかのように

    第一印象が重要なのは、飲食店においても同じである。 席に着き最初に出てくるおしぼりが、単に濡らしただけのティッシュのように、便宜的に間に合わせたものであれば、そのあとのサービスに期待できるはずもない。 客人をもてなすなら、おしぼりこそ力を注ぐべきではないだろうか。 そこで本日は、私が愛用しているこだわりの品をご紹介しよう。 この天然木の上に佇むラムネのようなものは、正真正銘のおしぼりである。 ご覧の通り極度に圧縮されているため、水分を与えると、まるでメリーズパンツのようにすごい勢いで吸収して膨らむのだ。 ご存じだろうか、日本では古事記にも記されているほど、古くから日常的に使われてきたおしぼりだが、西洋ではビジネス・クラスにでも乗らない限り出てこない。 これは、おしぼり先進国の倭国が辿り着いた究極の姿なのだ(たぶん)。 せっかく客人をもてなすなら徹底的にやろうではないか。 注ぐ水には、品のよい軟水を採用し、60度に沸かして檜のエキスを加えると良いだろう。 そして、シェフが「本日のお肉料理」にマデラ・ソースをかけるように、客人の目の前で仰々しく湯を注ぐとなお宜しい。 注意点として、おしぼり投下の瞬間だけは客人ご自身で行っていただこう。 そうすれば、全ての客は例外なく、出産の瞬間に立ち会っているかのように目を輝かせるのだ。 1粒たった5円で、人を幸福にさせる秀逸なアイテムだ。 ご紹介したサービスに特許はかけていないので、どうぞご自由に使っていただきたい。 ◆クリック協力のお願い 下記のURLを1日1度クリックしていただけないだろうか。 1.人気ブログランキング 2.ブログ村 3.FC2ブログランキング ◆LINEのご案内 Kは偏屈で気難しい人物である。それゆえ友達が少ないため申請してあげると喜ぶに違いない。

  • オリーブ・オイルは飲みものですから

    世界には、凡そ人知を超えた神秘が存在する。 ここ数年、私にとっては植物(とりわけ葡萄)がその研究対象であったが、先日、大変お世話になっているお医者様より、オリーブ・オイルの贈り物をいただき、オリーブという植物にも心から魅了されてしまった。 オリーブと訊くと、即座に速水もこみちを連想する方も少なくないと思うが、人類史において、ローマ帝国における三種の神器(ワイン、パン、オリーブ)に命名され、黄金に匹敵すると言われた崇高なものなのだ。 本日は、敬愛するお医者様よりいただいたオリーブ・オイルをご紹介しよう。 イタリア・アヴェッリーノ地区の土着品種を使った早摘みのオリーブ・オイル「FAM」。 2000年に入り、早摘みオリーブの香り高さに気付いたある農家が、その事実を世界に広めオリーブ産業に革命が起きたが、そんな前衛的な試みを愉しめる一本である。 お医者様からは「ボジョレーヌーヴォのようなオイルです」と添えられていたが、たしかにオリーブはワインとよく似ているように思う。 果実はテロワール(地勢)を実直に反映し、圧をかけて絞るだけで恵みが溢れてくる。多くのオイルは人工的に精製する必要があるのに対しオリーブには必要ない。保存する壺(アンフォラ)も同じである。なるほど確かに三種の神器である。 「オリーブ・オイルは飲み物」と以前もこみちが言っていた気がするので、彼の意見を尊重しシャルドネ・グラスでいただくことにした。 飛び跳ねるような若若しさに青草を思わせる苦味があり、初見は「反抗期のマルフォイみたいだな」と感じたが、空気に含ませるとバランスが整い奥行きのあるスパイシーさが心地よい。 視覚的にも青々しくエネルギッシュで、肌に塗ればみるみる若返り、頭皮に塗れば髪が生えてきそうなフレッシュな色調である。 比較のために熟したピクアル種のエキストラ・ヴァージンを用意した(右)。 色も香りも味わいも同じ食品とは思えないほど違っており、これまで一色淡に「オリーブ・オイル」と捉えていた自分の愚かさに気付かされた。 それはまるで、臆病なうさぎと最強の女子レスラーを「同じ霊長類ですから」といって一緒にするようなものである。 ◆クリック協力のお願い 下記のURLを1日1度クリックしていただけないだろうか。 1.人気ブログランキング 2.ブログ村 3.FC2ブログランキング ◆LINEのご案内 Kは偏屈で気難しい人物である。それゆえ友達が少ないため申請

  • いにしえを稽える

    東京で暮らす魔術師から、「稽古を通して、古(いにしえ)を稽(かんが)えないか?」とお誘いを受けた。 彼が半年ほど前から弓道を始めたことは知っていたので、都内の道場へ向かえば良いのかと思い「いいね」と返したが、指定された場所は東京駅から900キロも離れた森の中だった。 ただ一度の稽古のために、飛行機で向かうのもどうかと思ったが、文句を言っても始まらないので、3名の友人を巻き込んで現地に向かうことにした。 本日は魔術師が手配してくれた「武家屋敷」をご紹介しよう。 我々を迎えてくれたのは、見るからに鍛錬を積んできた「達人」という風貌の男性で、何かつまらないことを言えば、瞬時にのど仏を潰されそうな迫力があった。 しかし幸いなことに、達人は私がこれまでに見たいかなる人物よりも穏やかな性格で「以前はわんこを守る会の会長だったのでは?」と思わせるほど優しい口調で案内してくださった。 武家屋敷の敷地は6万平米もあり、弓道場に武道場、盆石の間に琴の間、寺子屋に能舞台、その他100以上の部屋があり、そしてなんと滝行のための滝まで用意されていた。 これだけの大舞台である。当然、弓や甲冑、剣や矛などの武器も大量に収められており、その気になれば独立戦争が起こせそうなくらいだった。 私は「稽古では真剣も扱われるのですか?」と聞いてみたが、達人は「真剣も扱います」と当たり前のように言った。 まるで筋金入りの菜食主義者がレタスは食べられるかと訊かれた時のように。 ひと通りの案内を受けた後、我々は木刀を使って基本的な剣の振り方を学び、真剣に持ち替え、試し斬りの間に通された。 触れるだけで指が飛びそうな鋭い刀は、持つだけで汗をかくほど緊張し、斬るこちら側が心臓を握られているような威圧感があった。 人類はほとんどの時代において、刀を持ち命懸けで斬り合っていたそうだが、想像を絶するほどタフな世界だったのだろう。 今の我々は平和で牧歌的な時代に生まれたのだ。せめて好きなことに命を燃やしたいものである。 ◆クリック協力のお願い 下記のURLを1日1度クリックしていただけないだろうか。 1.人気ブログランキング 2.ブログ村 3.FC2ブログランキング ◆LINEのご案内 Kは偏屈で気難しい人物である。それゆえ友達が少ないため申請してあげると喜ぶに違いない。

  • 空間のエネルギー変換装置

    有難いことに昨年も多くの方と素敵なご縁をつないでいただいた。 その中でもあえて「最も印象に残った方」を挙げるとすれば、一日一笑を使命にするヨギーの男性だろうか。 彼は誠実で温かい雰囲気を醸しながらも、「笑」という漢字が中心に書かれた青色の変なシャツを着て、毎朝、笑って変なダンスをしながら、変な動画配信をしているのだ。 その行動だけを冷静に見れば、不審者の奇行にしか思えないが、彼があまりに爽やかにやってのけるので、周りにはいつも人が集まり、みな楽しそうに踊るのだ。 そんな不思議な人物が「メディウム邸に贈り物をしたい」と連絡をくださったので、本日は、笑いヨギーからいただいた「こだわりの品」をご紹介しよう。 View this post on Instagram A post shared by Codawari(こだわり)ブログ (@codawariblog) 「笑」のシャツが届くと思っていた我々は、その活用法を6通りほど考えていたが、贈り物の包みを開けると、予想に反して、そこには美しい水晶のフラーレンが収められていた。 フラーレンについて調べてみると、「ダヴィンチが求めた究極の形」や「賢者の石」、「空間のエネルギー変換装置」など、なんだか摩訶不思議なものであるようだが、理解ができないものほど好奇心をくすぶられるものはない。 私はクリスタルをさまざまな角度から眺め、陽の光に照らし、匂いを嗅ぎ、持ち歩くことにしたが、ある夜にランプで照らしてみると、息を呑むほど美しいことに気づいた。 炭素原子を最密充填させたダイヤモンドは、地球上で最も固く、透明で、美しく輝き、人々を普遍的に魅了してきたが、フラーレンの輝きもそれに限りなく近かった。 ヨギー曰く、「フラーレンは空間を神秘のエネルギーで包んでくれます」とのことで、「胡散臭せぇ」と思いつつも恩恵にはちゃっかりあやかりたい私は、クリスタルを持って館中を歩いた後、部屋の中でもお気に入りのレコードの横に置くことにした。 結果、空間のエネルギーは50%上昇し、運気は200%アップ、レコードの音質は3割増しとなった。 以前の私は、理屈で説明できない非論理的なものは受け入れることができなかったが、ヨギーとの出会いで「あるいはそういうのもあるかもしれない」と思うようになった。 私が納得しようがしまいが世界は動いているのだし、なんと言ってもクリスタルは美しいのだから、一旦信じてみようではない

  • レコードに魅せられて

    魔法のランプによって暖を得た我々は、次に音源(BGM)を探すことにした。 静寂さが魅力の館といえど、パーティーをするときに音楽がなければ、客人たちが退屈してしまうと考えたからだ。 やはり生演奏に勝るものはないので、私はオーナーに神戸牛のはらみを餌にハラミちゃんを呼び寄せる案を提案してみたが、庭の雑草を眺めるような目で黙殺された。 そこで悩んだ末の妥協案としてレコードを置くことにしたのだが、これが素晴らしい出逢いとなったため、本日はそれをご紹介させていただこう。 ティアック(Teac)のレコード・プレーヤー「TN-4D」 木目が美しいウォルナットの板に高級感のあるターンテーブルが備わり、つまみを回すと、まるで重力から解放されたように優雅に回転を始める。 シックで洗練された見た目とは異なり、Bluetoothにも接続できる機能があるため、館全体に音を供給することもできるし、配線が届かない庭であっても奏でることができる。 音質も良さも相まって、館に関わる全ての人々がターンテーブルの虜となった。 レコードが素晴らしいのは、アーティストが厳選した曲を並べてくれていることだ。 板には片面30分程度しか音を描き込めないため、始まりの期待から終わりの哀愁までが全て意味のある配列になっており、聴き終えた後には、ひとつのコンサートを終えた満足感が得られる。 ジャケットは装飾ではなく芸術であり、曲と共に鑑賞すると作り手の意図が伝わってくるため、歴史を超えて語り継がれる小説のように、何度聴いても新しい発見があるのだ。 View this post on Instagram A post shared by こだわりのイデアK (@k.codawari) 最後の曲が終わり、幾分かの余韻と静寂の後に針を落とす瞬間は甘美である。 レコードには手触りがあり、匂いがあり、表と裏があり、始まりと終わりがある。 クリックひとつで無限に情報が届く時代だからこそ、泣きたくなるほど美しい。 ◆クリック協力のお願い 下記のURLを1日1度クリックしていただけないだろうか。 1.人気ブログランキング 2.ブログ村 3.FC2ブログランキング ◆LINEのご案内 Kは偏屈で気難しい人物である。それゆえ友達が少ないため申請してあげると喜ぶに違いない。

  • 魔法のランプに火を灯そう

    私が毎日通うアトリエは築134年の木造建造で、美しさの代償として、神からの嫉妬かと思うほど冬はよく冷える。 そのため多少の暖房では何の援護にもならず、たとえば電気ストーブ程度の熱では、怒り狂う雄牛を相手にとんかちで挑むようなものである。 かといって天井に埋め込む類のヒーターもレトロな雰囲気には合わず、この暖房問題が我々の頭を悩ましていた。 しかし先日、ひと目見ただけで誰もが納得し、拍手喝采、スタンディングオベーションが起こるような完璧な暖炉を見つけ、そのまま6台も購入したため、本日はそれをご紹介させていただきたい。 アラジンの石油ランプ「ブルー・フレーム・ヒーター」。 初めて販売されてから約90年間、殆ど型が変わらない普遍的なランプで、優れたデザインは時代を超えても変える必要がないことを体現した稀有な作品である。 灯油由来の香りが心地よく、湿度を保ったまま温かい空気が対流するため、冬に起こる問題の殆ど全てがこれ一台で解消されるのだ。 もちろん火の元には細心の注意を払う必要があるが、その姿があまりに美しいため、目を離す気さえ起こらない。 View this post on Instagram A post shared by こだわりのイデアK (@k.codawari) 「わざわざ蓋を開けて、芯に着火をするなんて面倒だ」というご意見も解らなくはないが、これでも石器時代から比べれば随分と楽になったのだから、ご勘弁して頂きたい。 逆に面倒見が良い方にとっては、たまらなく愛着が湧くだろう。 なぜなら、アラジンの魔法のランプは手入れによって機嫌が変わるのだから。 芯を整えていれば、ムラなく気化された灯油が酸素と理想的な配合で混ざり、完全燃焼による青い炎を灯すが、世話を怠れば反抗期の中学生のような燃え方をする。 火の立ち方が荒れているなら、それはすなわち、モノに対する接し方が乱れているということであり、立ち止まって身の回りを整えなければならない。 生涯お付き合いしたいと思えるモノに出逢えるのは、涙が出るほど素晴らしいことだ。 冬の朝はオイルを補給し、芯を磨いて、魔法のランプに火を灯そう。 ◆クリック協力のお願い 下記のURLを1日1度クリックしていただけないだろうか。 1.人気ブログランキング 2.ブログ村 3.FC2ブログランキング ◆LINEのご案内 Kは偏屈で気難しい人物である。それゆえ友達が少ないため申請してあげる

  • 美術館でかくれんぼ

    スーツケースひとつで私の住む町に引っ越しをしてきた青年から「旅行に招待したい」と連絡をいただいた。 なんでも、車で6時間の僻地に「宿泊できる美術館」があるらしく、そこで仲間たちとかくれんぼをしたいそうなのだ。 子ども好きな私としては、彼のその無邪気な提案も二つ返事で引き受けたが、その先に待っていたのは、想定よりも遥かに洗練された大人の美術館だった。 本日はそんなこだわりの館をご紹介させていただこう。 青年が案内してくれた「瀬戸内リトリート青凪」は、美術館を改装した全7室のラグジュアリー・ホテルで、内資系ホテルでは日本で初めてミシュラン5ッ星を獲得したお宿だそうだ。 創設者は建設にあたり、建築家の安藤忠雄氏に予算無制限で依頼をしたそうで、鹿や猪しか集客できそうにない山奥に、不釣り合いなほど都会的で洗練された幾何の館がそびえ立っていた。 天気も快晴で、コンシェルジュの案内も素敵だったため、我々はシャンパンを頼み「美術館日和ですね」と乾杯から始めた。 View this post on Instagram A post shared by こだわりのイデアK (@k.codawari) 青年が私のために用意してくれた部屋は、170平米もあるメゾネットで、水族館のようなガラス窓からは島々が一望でき、ホテルというよりはむしろ飛空艇のようであった。 一国の王ならまだしも、平民の私がここを独り占めするのは、さすがにどうかと思ったが、文句を言っても始まらないので、双眼鏡でバードウォッチングをしながら、ワインを飲むことにした。 テラス席に座り、海を眺めるのは至福のひと時だったため、みんなここに来た目的を忘れるかもしれないと思ったが、案の定、かくれんぼは始まりさえしなかった。 リトリート青凪では、部屋だけでなく至る場所に絵画や彫刻が飾られており、閉館の時間を気にすることもなければ、監視されることもなく、アート作品を心ゆくまで愛でることができた。 予算度外視で空間を設計するようなホテルだ。お料理の良し悪しはもはや言及するまでもないだろう。 どのくらい美味しかったのかというと、青年の気持ちが昂り、理性を忘れ、1万円のみかんジュースを開けたくらい素晴らしかった。 ミシュランの評価の通り、この宿に泊まるためだけに旅行のスケジュールを組む価値があるので、ぜひ検討してみてはいかがだろうか。 ◆クリック協力のお願い 下記のURLを1日1度クリック

  • 賢者から送りつけられた飲料

    会食中に賢者から「内容は言えないが、君の家に荷物を送りつけた」と通告があった。 そのときの彼は明らかに何かを企んでおり、表情もドッキリ番組の仕掛け人そのものだったため、私はそれから数日間「これから送りつけられる何か」について実に様々な想像を巡らした。 しかし賢者の考えることだ。月並みな私がどれだけ予想を付けたとしても、そのあとには必ず「想像もしない何か」がやってくるのだ。 実際に届いた品は、私がこれまで口にしたことが無い類の飲み物で、飲んで10秒後には身体が熱を帯びて反応し始めた。 本日は、賢者から送りつけられた飲料をご紹介させていただこう。 View this post on Instagram A post shared by こだわりのイデアK (@k.codawari) 北海道ニセコに醸造所を持つ「HAKKOGINGER」のジンジャー・ビア。 調べてみると、生姜の飲料として代表的なジンジャー・エールが、生姜シロップの炭酸水割りであるのに対し、ジンジャー・ビアはシャンパーニュと同じように、酵母を使った瓶内発酵によって発泡させているらしく、確かに香りの立ち方は全くの別物であった。 泡のきめ細かさから察するに、瓶のままスカッと一気飲みするのではなく、華奢なワイングラスに穏やかに注ぎ、舌触りと香りを愉しむのが正しいマナーなのだろう。 厳選した食材を蝦夷山桜の酵母で仕立てたジンジャー・ビアは、瓶底に澱(おり)が溜まるほど凝縮されており、カンバスに何度も色を重ねた油彩画のように味わい深かった。 試しにウォッカを混ぜてみたが、モスクワ中の人々が物議を醸しそうなほど、複雑で奥行きのあるモスコミュールが出来上がった。 また隠し味に含まれた唐辛子が、心地よい香りの余韻を残し、代謝も上げてくれるため、飲むたびに食欲が沸いてくるのも新鮮な体験であった。 今回、賢者が送ってくれた1ダースの詰め合わせには、道産の林檎やホオズキ、キャベルやハスカップなど多様なフレーバーが含まれており、食事とペアリングを愉しむことが出来る。 日本最古の香辛料である「生姜」を最もエレガントに愉しみたいなら、これ以上の品はなかなか見つからないのではないだろうか。 さすが賢者。いつも想像の斜め上から来てくださる。 ◆クリック協力のお願い 下記のURLを1日1度クリックしていただけないだろうか。 1.人気ブログランキング 2.ブログ村 3.FC2ブログランキン

  • ジュエリーの暴走

    私は昔からリアクションが薄く、ちょっとやそっとのことでは驚かない。 ホラー映画くらいでは微動だにしないし、クララが立っても涙ひとつ流さない。 安眠中に大音量でゴリラの鳴き声でも聞かされれば、さすがに驚くと思うが、そのくらいしてもらわないと、ご期待に沿った反応はお見せできないだろう。 しかし先日、妻が報告してきた内容には腰を抜かされた。 なんでも散歩中にいい感じの物件を見つけてきたらしく、そのまま契約まで済ませてきたというのだが、それが歴史的な遺産だったのだ。 本日は、彼女のお目に叶った館をご紹介しよう。 View this post on Instagram A post shared by こだわりのイデアK (@k.codawari) 神戸北野にある最古の異人館「スタデニック邸」。 築134年の文化遺産であり、キリンを飼えそうなほど広い庭に、象徴的なヤシの木が植えられている。 遺産を借りるという概念がなかった私は、初めて見た時に面を食らい、軽い放心状態となったが、妻はまるでおばあちゃんの家に遊びにきたかのように寛いでいた。 私は取り急ぎウーバーイーツを手配し、配達員のリアクションを確かめてみたが、到着した男性も館の前でオロオロしていたので、やはり我々の側が正常な反応で、彼女がどうにかしているのだろう。 壁は漆喰(しっくい)で整えられ、木の床は歩くたびに心地よく軋み、建物全体が呼吸をしているようであった。 また2階建ての洋館は、かくれんぼが出来るほど十分に広く、暖炉や硝子たちが良い味を出していた。 陽の光が射すサンルームには、品のある椅子が一脚置かれていたので、私は読みかけのヘミングウェイの続きを読んでみた。 この館にヘミングウェイが住んでいれば、53匹の猫を飼い、鹿の頭や鯨の歯などを壁に飾り出すのだろうが、幸いなことに我々は彼ほどハードボイルドではない。 樹齢120年超のヤシの木に、絨毯を敷いた木造の階段。古風なステンドグラス。 今後はこの館を舞台に、レコードをかけながら、ランプを灯しながら、執筆をしていこうと思う。 近くを訪れた際には、ぜひ遊びにきていただきたい。 ◆洋館からのお願い スタデニック邸を仲間たちと共に創り上げていくために、クラウド・ファンディングの支援者を募っています。 支援者の方には、オープニング・イベントやプロム等のご案内をお送りします。 また1万円以上の支援をいただいた方には、館内を私が

  • 哀れなのは君たちの方である

    ここ数日、冬の訪れを感じる肌寒い日があり、もうひと月もすれば本格的に冷え込むのだろう。 近年の気候変動の影響もあり、いつ極寒の日が訪れるかわからないので、そろそろ暖房の準備に取り掛かってはいかがだろうか。 今年買い替えを検討している方のために、本日は我が家の至高のストーブをご紹介しよう。 こちらは、トヨトミのオイル・ストーブ「RL-251」だ。 ランタンを思わせる美しい暖房は、私がこれまでに入手した空調器具の中でも、最も重宝しているアイテムのひとつだ。 私が住ませていただいているマンションでは、オール電化が採用されているためか、誰も灯油を使っていないようで、せっせと運び込む私のことを、お爺さんや子どもが憐みの目で見てくるが、哀れなのは君たちの方である。 暖房はエアコンでは乾燥しすぎるが、電動ヒーターでは頼りなさすぎる。ガス・ストーブでは味気ないが、薪ストーブでは大げさすぎる。 演繹的な思考で考えれば、オイル・ストーブに辿り着くのは自明の理だろう。 ものづくりの世界に「機能美」という言葉があるように、真に優れたデザインは機能性も置き去りにはしない。 この美しいランタンも、未燃ガスを燃焼させる設計により嫌な臭いを残さず、なおかつ点火も恐ろしく速いため、早朝の寒さに凍える心配もない。 それでいて灯油由来のほのかな香りが心地よく、傘の部分にポットを置けばお湯が沸き、加湿もできてコーヒーまで飲める。 加えて、ガラス円筒にはプリズム加工が施されており、七色の炎が美しく揺れるため、冬のインテリアとしてこれ以上のものはないだろう。 虹の炎に揺られ葡萄酒を嗜み、頭を空っぽにすれば、ふと良いアイデアも降りてくるものさ。 さぁ売り切れる前に入手して、美しい冬の訪れを愉しもう。 ◆美声の伝道師によるオーディオ・ブック Comming Soon ◆クリック協力のお願い 3つURLを1度ずつクリックしていただけないだろうか。 1.人気ブログランキング 2.ブログ村 3.FC2ブログランキング ◆LINEのご案内 ご存じの通りKは偏屈で気難しい人物である。それゆえ友達が少ないため申請してあげると喜ぶに違いない。

  • 自宅で炭火焼き

    ワークアウトに励む者が頭を抱える問題のひとつに、鶏むね肉の「皮」をどう食べればよいのか?ということが挙げられる。 2013年に米国の企業が低温調理器を発明して以降、人類は鶏むね肉の持つ「パサパサ感」から解放されたが、未だに「皮」を手軽で美味しく食べる方法は発明されていない。 私もこのエニグマ的難問には、長年悩まされ続けてきたが、最終的に辿り着いたのは原点回帰の「炭火焼き」であった。 鶏皮に限らず、あらゆる動物性食品を美味しく仕立てる炭火焼き調理器は、ひとつ持っておくと大変に便利なので、本日は我が家のそれをご紹介しよう。 油断すると命の危険を伴うため、良い子は決して真似しないように。 平均的な日本の家屋では、室内で炭を焚くことは想定されていないため、入念に換気を行わなければ一酸化炭素中毒によってあの世行きである。 そのため舞い上がる気持ちを一旦抑えて、決して驕らず換気を行い、火消しの用意も怠らないこと。 またケチって安い炭を使うと、煙や煤(すす)、火花が発生し、消防車が出動してしまうので、良質な炭(たとえば岩手木炭)を用意し、併せて強固な耐久性を持ち、二次燃焼を起こす「ソロストーブ」を手配することを推奨したい。 View this post on Instagram A post shared by こだわりのイデアK (@k.codawari) ソロストーブは、底に空いた穴が空気を取り込むため、うちわで仰ぐ必要はなく、バーナーで炙ればものの数分で炭が燃焼し始める。 現世では、役に立たない知識ばかり身に付けている私も、こと火起こしに関しては、深い知見と確かな技術があるため、縄文時代に生まれていれば、女子たちからモテモテだったに違いない。 あるいは無人島で遭難したときには、ぜひ私を頼りにしていただきたい。 炭火調理は、燻煙による香りづけだけでなく、遠赤外線の輻射熱によって表面を一気に硬化させ、旨味を逃さず火を通せる奇跡の調理なのだ。 炭選びさえ間違えなければ、確実に美味になるので、犠牲になった命に敬意を表し丁寧に火を通していこう。 手間暇はかかるし、幾分緊張もするが、視覚、嗅覚、聴覚、味覚と4つの感覚器官を同時に刺激されることほど、愉悦な食事は他にないだろう。 ◆美声の伝道師によるオーディオ・ブック Comming Soon ◆クリック協力のお願い 3つURLを1度ずつクリックしていただけないだろうか。 1.人気ブロ

  • セイレーンの歌声を聴いた船乗りが遭難してしまったように

    その日私は、女性から贈り物をいただいたのだが、その内容は意外なことに、私の文章を読み上げた「音声」だった。 ひとまわりも若い女性がわざわざ朗読してくれるなんて、何かの悪戯かと思ったが、周りを見渡してもカメラは見当たらなかったので、ドッキリではなかったのだろう。 再生してみると、そのあまりのクオリティの高さに私は度肝を抜かれ、すぐに「お会いしませんか」とお誘いし東へ向かった。 本日は、Codawariの新たな登場人物をご紹介しよう。 オーディオに吹き込まれた声は、私がこれまで耳にしたいかなる声とも異なっており、高くもなければ低くもなく、その中間ですらなかった。 また読み方も絶妙で、徒に誇張することもなければ、過度に囃し立てるわけでもなく、心地の良い抑揚と間の取り方によって、自然と耳に入ってきた。 その伝道師(エヴァンジェリスト)の声には、ある種の依存性さえあったため、私はテープが擦り切れるまで繰り返し聴き、時にはランニング・マシンで流すことさえあった。 この御方が「美声のエヴァンジェリスト」水琴さんだ。 カシス色の髪は、雑踏の東京においてもひと際目立っていたので、彼女を見つけることはウォーリーを探すよりも遥かに簡単であった。 魔法使いのような佇まいを見て、「よもやホグワーツ出身の方かな?」と思ったが、その予想通り、彼女はハリーポッターを愛読しており、家では瓶の中で薬草や酵母を醸し、小鳥を飼っていた。 有難いことに、彼女は今後、Codawariの音声吹替を担当して下さることとなった。 私としては願っても無い話だが、ひとつだけ懸念していることがある。 それは、人魚セイレーンの歌声を聴いた船乗りが、次々に遭難してしまったように、読者である貴方が彼女の声色に魅了され、私の文章を一切読まなくなることだ。 気持ちはわかるが、差し支えがなければ文章も併せて読んでいただきたい。 ◆クリック協力のお願い 3つURLを1度ずつクリックしていただけないだろうか。 1.人気ブログランキング 2.ブログ村 3.FC2ブログランキング ◆LINEのご案内 ご存じの通りKは偏屈で気難しい人物である。それゆえ友達が少ないため申請してあげると喜ぶに違いない。

  • 80分の小旅行

    魔術師から「たまには瞑想でもしないか?」と誘われ、私は朝8時に彼の邸宅へ向かったが、実のところいささかの不安を抱えていた。 なぜなら以前、同様の誘いを受けたときに、電波の届かない森に連れていかれ、質素な小屋の中で日が暮れるまで瞑想をしたため、今回も森、または山へ向かうものかと身構えていたのだ。 しかし、私のそのような心配をよそに、運転手に運ばれた場所は、高級住宅街の一角であった。 本日は、都内で味わった不思議な瞑想体験をご紹介しよう。 到着した場所は個人のアトリエのようであり、明らかに一見客を対象としていなかった。 看板もなければ、店員もおらず、何を目的にした空間なのか、外からは手がかりさえ掴めなかった。 しかしこの扉の先には、某財閥企業が資本を投下した空間があり、世界の名だたるアーティストが設計した音楽や香り、光とアートで、客人はおもてなしを受けるのだ。 それはまるで、アミューズとシャンパンから始まり、アフター・ディナー・ドリンクで終わるフランス料理のようであった。 通常、一定の忍耐が求められる「瞑想」という行為に、アートや煎茶文化を取り入れることで、ひとつの「物語」として愉しむことができ、その斬新なアプローチに私は心から感銘を受けた。 この場所は完全予約制であるため、ひとりの案内人を除けば、あなた以外には誰一人いない。 階段を下りた先に広がる地下空間では、光と闇のサウナから、竹林での瞑想、茶室での執筆と、80分の小旅行が始まるのだ。 穴に落ちたアリスに、不思議な国が待ち受けていたように、この先の物語はあなた自身の目で確かめなければならない。 魔術師が私にそうしてくれたように、この冒険だけは出来る限り情報を調べずに、まっさらな気持ちで訪れて欲しい。 興味があれば場所をご案内するので、「瞑想空間をおしえたまえ」と私にLINEをしてくれたまえ。 ◆美声の伝道師によるオーディオ・ブック Comming Soon ◆クリック協力のお願い 3つURLを1度ずつクリックしていただけないだろうか。 1.人気ブログランキング 2.ブログ村 3.FC2ブログランキング

  • とりあえず、ハンドガンから始めよう

    先日行われた銃撃戦において、大した仕事をしなかったからだろうか、私は魔術師からお呼び出しをくらった。 なんでも最近の彼は「定めた目標を射抜く」ために、弓道やアーチェリー、銃術を学んでいるようで、「今回基礎から伝授しよう」ということであった。 どのような格好が相応しいのかわからなかったため、私は便宜的にジェームス・ボンドが愛用していそうな英国のスーツで伺うことにした。 本日は、魔術師の邸宅で行われた射撃訓練の様子をお伝えしよう。 「とりあえず、最もプリミティブなハンドガンから始めよう。」と彼は言い、まるで紅茶の飲み比べでもするかのように20丁を超える銃を用意し始めた。 ずらりと並ぶ兵器を見て、「これから首相官邸でも襲撃するつもりなのか」と心配したが、装填される弾が土に還るBB弾だったので、ひとまずは安心した。 念のため断っておくと、彼の本職は暗殺者でもスパイでもなく、善良な投資家であり、拳銃はひとつの研究対象に過ぎない。 それでも部屋を圧迫するほど収集癖があるのは、彼が抱える恒常的な問題のひとつである。 惜しみなく資本が投下された魔術師のコレクションは、精巧な品が揃えられていた。 そのため私は、銃の特徴を手で触れながら確認することができ、それぞれが全く異なるのだと実感した。 たとえば、日本警察が所有する「ニューナンブM60」は、短い銃身により照準が定まりにくく、銃弾も5発までしか入らないため、人を殺めるのは極めて難しいだろうと予想がついた。 あるいはイタリアのベレッタは、アルファロメオを思わせる洒落たデザインをしており、ワルサーPPKは、ドイツの職人らしい実直で重厚な作りをしていた。 数ある中で私が最も気に入ったのは、護身用の「デリンジャー」だ。 2発の銃弾が収まるこの銃は、ポケットやブーツに仕込むのにちょうどよく、女スパイが好みそうな色気があった。 私は「スカーレット・ヨハンスンのようなスパイに、デリンジャーで命を奪われるなら文句は言えないな」と思った。 さて、座学の時間は終わったので、射撃訓練をはじめようか。 ◆美声の伝道師によるオーディオ・ブック Comming Soon ◆クリック協力のお願い 3つURLを1度ずつクリックしていただけないだろうか。 1.人気ブログランキング 2.ブログ村 3.FC2ブログランキング ◆LINEのご案内 ご存じの通りKは偏屈で気難しい人物である。それゆえ友達が少ないため申請し

  • オリンポス十二神のひとり「スペードの女神」

    「100年続くホテル」や「100年前のワイン」と聴くと、どこか偉大なものを感じないだろうか。 実際に「クラシック」や「ヴィンテージ」と呼ばれるものは、時代を超え、土地を超え、人々から愛され続けた一級品の証なので、偉大と呼ぶには相応しいのだろう。 そのような意味では、一千年前から現代に至るまで、世界中で愛され続けているトランプは、相当に特別なものなのかもしれない。 本日は、私が愛用しているトランプ・カードをご紹介しよう。 私の愛用は、US Playing Cardの「BICYCLE(バイセクル)」だ。 これは、100年続くマジシャン御用達のカードで、クレジット・カードで言う所のアメリカン・エキスプレスのような存在である。 最大の特長は、表面にエンボス加工が施されていることで、カードとカードの間に空気が入り、紙製とは思えないほど滑らかに滑る点だろう。 カードの象徴として、裏面には自転車に乗った天使が描かれているが、そのデザインの通り、カードが翼を得たかのように軽やかに舞い、手から零れ落ちるのが心地よい。 私が上質なカードを手元に置く理由は、トランプを単なる暇つぶしのアイテムではなく、儀礼的なものだと考えているからだ。 1000年の歴史を持ち、太陽暦に対応したトランプは、ハートやスペードといった4種の柄で、春夏秋冬を表現し、赤と黒の色分けで、昼夜を現わしている。 あるいは「1から13」という数字も、ひとつの季節に当たる「13週」を示し、全てのカードの合計値にジョーカーを足せば、ちょうど1年の日数に当たる「365」に対応するのだ。 4年に1度訪れる「うるう年」さえも、予備のジョーカーを使えば表現できるあたりは、奇跡的な設計だと言えるだろう。 世界中のあらゆる国で、何世紀にも渡って愛されるカードに、人知を超えた力を感じるのは私だけだろうか。 美しい52枚の中で、私が特に贔屓にしているのは、「貴族」と「冬」の象徴である「スペード」で、中でもオリンポス十二神のひとりアテネがモデルとなった「クイーン」が好みである。 知恵、芸術、戦略を司るスペードの女神は、私の誕生日にも対応する特別な一枚だから。 ◆美声の伝道師によるオーディオ・ブック Comming Soon ◆クリック協力のお願い 3つURLを1度ずつクリックしていただけないだろうか。 1.人気ブログランキング 2.ブログ村 3.FC2ブログランキング ◆LINEのご案内 ご

  • 来世は魚にでもなろうか

    私は原則として、「海には入らない」主義であり、仮に入ったとしても15分までと決めている。 なぜなら、せっかく塗った日焼け止めが流れるのは嫌だし、クラゲも怖い。なにより鼻に入る海水が不愉快極まりないからだ。 しかし海の賢者から、サーフィンを教わった日、そのあまりの楽しさゆえに「来世は魚にでもなろうか」と思えるほど、海に魅了されてしまった。 本日は、私の価値観を変えたサーフィン体験をご紹介しよう。 青春時代、全てをスケートに捧げた私は、「板に乗る」という行為に関して、いささかの自信がある。 不安定なスケートボードで、繊細に重心移動を行い、一点を強く蹴り上げ、空中でバランスを取ることができるため、たとえそれが海の上だろうとお茶の子さいさいだと考えていた。 賢者からサーフ・ボードを渡されたときも、私は悠々綽綽とした態度で波を眺めていたが、これが悲劇の始まりであった。 同伴したS様も自信たっぷりな様子だったため、我々は海岸に打ち寄せる波をみながら「大した波ではないですね」とか「午前中には終わりそうですね」など余裕をかましていたが、この手の発言をする人物はたいてい、物語の序盤で退場するのがお決まりである。 案の定、我々はさざ波に揉まれ、あっという間に体力を消耗し、クラゲの餌食となった。 板の上では、立つどころか座ることさえ出来ず、病弱なあざらしのように情けない姿でしがみついた。 波は遠くから見ると、穏やかで優しく見えても、水面から見ると大津波のような凄みがあり、直撃する度に、ブレーキを踏まないお婆さんが、自転車で体当たりしてきたような衝撃を受けるのだ。 講師である賢者は、我々がもがき苦しんでいるのを横目に、実にリラックスした様子で波と戯れていた。 ボードに座り、日光浴を楽しんだかと思えば、波の訪れに合わせて、私の泳ぐ16倍くらいの速度で海面を気持ちよさそうに泳いでいた。 賢者があまりに簡単そうにやってのけるので、私は「板が良いに違いない」と文句を言い、交換を要求したが、「単にパドル(漕ぎ)が足りないのです」とあっさり返されてしまった。 その口調は、「鍵が無いとロッカーは開きません」や「お金がないと肉まんは買えません」というように、周知の事実を語るときのさっぱりとした言いようであった。 私は自分の愚かさをようやく反省し、賢者のアドバイスに従ってパドルの練習を行った。 彼の的確なアドバイスのお陰で、午後には3回に1度くらいの確率

  • 大切なことは全て海が教えてくれる

    「特筆するべきことは、うなぎパイくらいしかない。」と過小評価される浜松に、海の賢者がいるという噂を聞き、私は新幹線を手配した。 目撃者の証言によると、人生のほとんどを海で過ごす賢者には、我々には見えない波や風が観え、鳥たちの会話が聴こえ、イルカのように軽やかに泳ぐことができるそうだ。 私は半分疑いながらも、代理人を通してアポイントを取り、現地へ向かったが、この1泊2日の滞在が世界を変えるような衝撃を与えたのだ。 本日は、そんな海の賢者をご紹介させていただこう。 賢者は、50歳を超える男性だったが、肌艶や表情があまりに若々しく、経験談を聞くまで年齢を信じることができなかった。 彼は、私がこれまでに出逢った中で、最も海を愛している人間であり、毎日泳いでいるはずなのに、海岸が近づくにつれて一服盛られたように様子がおかしくなった。 「本日の波形」に興奮する姿を見たときには、まるで元々は人魚か何かであったが、手違いによって陸に打ち上げられたのでは?とさえ感じた。 また彼の肌は、いかなる日本人の肌よりも黒く、その黒さは、ゴルフ場やテニスコートで冗談半分に焼かれたものではなく、どこか我々の知らない世界で焼かれた肌であった。 私の肌と比較すると、白イルカと黒豹くらいの違いはあったが、それでも彼によると「今シーズンは白い方ですよ。」ということらしい。 海岸に到着すると彼は慣れた手つきで脚立を組み、サーフボード4枚にウエットスーツ、水中カメラを用意し始めた。車の荷台には、足を洗う浄水タンクさえ備え付けられていた。 彼の人生においては、「良い波に乗る」という一点こそが重要であり、それは憲法でさえあるため、これらの設備は生活必需品の項目に記載されているのだろう。 優秀なインストラクターである賢者の元には、日々、仕事の依頼や昇進の話も飛び込んでくるが、たとえ口笛を吹きたくなるような報酬を提示しても、波が盛んな時間に海に出られないなら、彼が首を縦に振ることはない。 太陽の光や海のミネラルは、我々にとって最高の栄養であり、大切なことは全て海が教えてくれるのだと、彼は言う。 正直なところ私は山派だったが、それでも賢者とのサーフィンは至福の時間であり、一分一秒でも長く海に浸りたいと感じるまでになった。 なにせ、海水で髪が濡れることや、日焼け止めを塗る頻度を気にしていた私が、足をつり、クラゲに刺され、「そろそろ体力の限界ですね」と言われるまで海から

  • 敗者はその辺のパンでも喰っておけ

    飽食の現代人である立場からすれば、狩りをしていた頃の晩餐は、さぞ美味しかったのだろうと思うことがある。 それは、野生動物と家畜の「肉質の違い」という観点においてもそうだが、何よりも食べる側が、命の危険を犯し、体力を使って勝ち取った獲物には、精神的な愉悦も含まれるのだろう。 先日、ある戦闘の末に頂いた晩餐に心から感動したので、本日はその出来事についてご紹介させていただこう。 View this post on Instagram A post shared by こだわりのイデアK (@k.codawari) 10月の某日。私は戦場(C.Q.B GHOST)でのサバイバルゲームに参加してきた。これから我々は、10対10に分かれて、アサルトライフルによる壮絶な撃ち合いを行うのだ。 私はすぐに半袖で参加したことを後悔した。確かに会の案内文には「長袖推奨」と記載はあったが、まさか防具なしで撃ち合いになるとは思わなかったのだ。 当然、私の腕は格好の標的となり、BB弾で打たれるたびに大型のスズメバチに刺されたようなダメージを受けた。マスクは涙で曇り、その度に不利になった。 対戦相手の中には、マッカーサー将軍のサングラスを着用した者や、ダウンジャケットに身を包んだ者、サイレンサー付きのガス銃を所有した者までいたので、Tシャツ一枚の私を撃ち抜くことは、赤子の手をひねるようなものだったのだろう。 私は生まれて初めて、心の底から真剣に、相手を打ち負かすことだけを考えた。 どの姿勢で構え、どの路から攻め、どの相手を撃ち抜くかを何度も頭の中で想定した。 仮に、か弱い女性が目の前で石につまずいたとしても、手を差し伸べるより先に、頭蓋に弾丸を打ち込む気概さえあった。 なぜなら主催者によると、「戦闘に勝ったチームには、最高級の晩餐を用意するが、負けたチームは、その辺のパンでも喰っておけ。」という指示があったからだ。 晩餐のお品書きには、鮑に松茸、和牛に伊勢海老、キャビアにこのわたと、そのまま天皇に奉納しても差し支えないほど豪華絢爛な食材が並ぶ一方で、敗者のそれはあまりに惨めであった。 そのような背景があったため、私は感情を捨て悪魔に魂を売り、殺戮のモンスターとなって戦闘態勢に入ったのだ。 私には突撃するしか脳がなかったため、暗殺者の待ち伏せに合い、アルカイダに背中を取られ、どの戦闘でも5分と持たなかったが、チームに優秀な戦闘員がいたため、無事

  • ミニマリズムとは「選択と集中」である

    ミニマリストと聴くと質素倹約な吝嗇家(りんしょくか)を想像するかもしれない。※言葉を選んで書いたが、要するにケチで貧乏ということだ 実際に多くの方はそのような印象を抱いているようだし、かつての私もそう思っていた。 しかし、ミニマリストの代表スナフキンさんが数々の名言を残しているように、元来ミニマリズムとは「選択と集中」であり、こだわりを持てるものには徹底して投資する主義なのだ。 その意味においては私もミニマリストと主張してよいのだろう。今日は敬愛するミニマリストから教わった偏愛アイテムをご紹介させて欲しい。 ANGEL’S SHAREより、ウイスキー用のウォーター・ドロッパー。 英国製のためだろうか、ハリーポッターの魔法の杖のような梱包で届けられてきた。 案の定、妻からは「また無駄なものを買って」と穏やかではない視線を向けられたので、「守護霊よ来たれ」と唱えて魔法の杖でないことアピールしたが、寧ろ逆効果だった。 ドロッパーを置く台は、英国風ギンガムチェックの刺繍が縫われており、ドロッパーの先端には蒸留器(POT STILL)の装飾が施されている。 気の利いたバーでのみ味わえる「ウイスキーへの加水」という儀式を、家庭でも愉しめるようにした革新的な発明品だ。 View this post on Instagram A post shared by こだわりのイデアK (@k.codawari) ご指摘の通り、ウイスキーが視覚的に最も美しいのは、オン・ザ・ロックだろう。大胆にカットされたバカラ・グラスに氷を3つ放り込み、琥珀色のとろりとしたウイスキーを注ぐと、溶けた氷から流れた水滴が、ウイスキーの表面を一瞬泳ぎなんとも美しい。その愉しみ方に異論はない。 しかしストレートで注ぎ、加水しながらその香りの変化を愉しむのも中々趣深いものである。様子を伺いながら1滴2滴と足していくと、ある瞬間にだけ香りが開花するのだ。特定の音の組み合わせが共鳴を生むように。 ※ブレンドの響よりは、シングルモルトの山崎を推奨 晩酌なんて無駄だと思われるかもしれないが、私のミニマリズムでは一日の終わりの甘美な儀式を欠かすことはできない。 ウイスキーを嗜みながらオイルランプを灯し、難解な哲学書を開いて「さっぱりわからないよワトソン君。」と口に出してみるとよい。きっとあなたも英国の紳士淑女になった気持ちになれるだろう。 今回のアイテムは、私が愛読してい

  • 脳を動かす唯一の動力源

    私は兼ねてよりワイン好きを公言しているが、決してキャラ作りのために言っているわけではない。 事実、平均的な日本人の32倍は飲むし、必要な栄養素のほとんどを葡萄から摂取している。厳格なイスラム教徒が神への祈りを欠かさぬように、一日の終わりにワインを飲まないことはない。 私にワイン愛を語らせていただけるなら、丸3日あっても足りないが、今日は普段ワインを召し上がらない方を誘ってみようと思う。 私のことをワイン星人だと馬鹿にする君は知っているだろうか。我々の脳を動かす唯一の動力源はブドウ糖だということを。 なぜリンゴ糖でもバナナ糖でもなく、ブドウ糖なんだろうと疑問に感じるかもしれないが、イエス・キリストが「私の血は葡萄酒である」といった発言を鑑みれば、納得していただけるだろう。要するに特別なのだ。 賢者アダム・スミスも「国富論」の中で「葡萄樹はどんな果樹よりもその土地の個性を反映しやすい。」と述べているように、テロワール(地勢の条件)次第でブドウは何万種類にも変化するようだ。 この神秘の果実が生命(酵母)に触れることで生まれるのがワインであり、地球上で唯一、加水をしなくても(人の手を介さなくても)生まれる天の恵みなのだ。 資本主義を創設したロスチャイルド家は、常に代理人を立て公に出ることはないが、彼らの所有するワイナリーには堂々と「Rothschild」と名付けられている。目立ちたくない彼らでも、ワインへの愛情だけは隠し切れなかったのだろう。 彼らの所有するシャトーのひとつ「ムートン」は、ミロ、シャガール、ピカソ、ダリなどの美術の巨匠たちがラベルを飾り、葡萄酒がいかに高貴で美しいものかを感じさせてくれる。 私が初めてムートンを飲んだ時、あまりの奥行きの深さに腰を抜かし、感激と腰痛で涙を流したくらいだ。 View this post on Instagram A post shared by こだわりのイデアK (@k.codawari) 人生に「映え」を求める貴方にもワインをお勧めしたい。なぜなら適当に並べておくだけで気品溢れるインテリアになるからだ。 これから色々とご紹介しようと思うのでまた、教養としてのワインを一緒にいかがだろうか。 3つURLをクリックすると当ブログが世界に認知され、Kの心が1トーン晴れやかになる。 1.人気ブログランキング 2.ブログ村 3.FC2ブログランキング ご存じの通りKは偏屈で気難しい人

  • 料理下手が客をもてなす小狡い戦略

    お恥ずかしいことに私は30を迎えるまで、ほとんど料理をしたことがなかった。 それでも来客時につまらない料理を出すわけにはいかないので、遅れを取り戻すべく、時にブイヨンを仕込み、時にロースト・ビーフを焼いたりしているが一向に上達の見込みがない。きっとセンスが無いのだろう。 そこで昨年からは、料理だけで勝負することを一旦先送りにし、盛り付けや装飾、ワイン・ペアリングなど、全体的な演出で挑む戦略に切り替えた。 あなたが料理下手なら朗報だ。私が愛用しているお皿のひとつをご紹介しよう。 ポルトガルの陶器、COSTA NOVA(コスタ・ノヴァ)。ここの陶器はどれを選んでも美しい。 世界的な花の芸術家、クリスチャン・トルチュが監修したRIVIERA(リヴィエラ)は、そよ風に揺られた麻のカーテンのようなゆらぎの曲線が描かれている。 オリーブやアジュールで彩られた皿は、手の込んだ地中海料理を作るなら必ず揃えておきたいが、お料理が苦手な方でも緊急時に備えて1セット置いておくとよいだろう。 この皿にデパ地下の前菜を盛り付け、澄ました顔でシャルドネと共に出せば、殆どの客はあなたのことをお料理上手だと錯覚しご満足いただけるからだ。 メインディッシュには、LAGOA(ラゴア)をお勧めしたい。 平たく丸いオセロのようなデザインは近代アートを思わせるが、表面をよく観ると木槌で叩いたような不均一な造りとなっており、手作りの温かさを感じさせてくれる。 この皿の中心には、デパ地下で調達したロースト・チキンを置き、岩塩とソースをふちに添えて「我が家では普通ですから」という感じの顔で、ピノ・ノワールを出せばよいだろう。 View this post on Instagram A post shared by こだわりのイデアK (@k.codawari) 美しいオリーブの葉を模した器には、手引きのミルで挽いたの珈琲にデパ地下のショコラを盛りつけよう。 絶望的に料理の腕が悪かったとしても、コスタ・ノヴァ(とデパ地下)さえあれば、あなたの株は全盛期のアップル社ばりにダダ上がりすること間違いないだろう。 3つURLをクリックすると当ブログが世界に認知され、Kの心が1トーン晴れやかになる。 1.人気ブログランキング 2.ブログ村 3.FC2ブログランキング ご存じの通りKは偏屈で気難しい人物である。それゆえ友達が少ないため申請してあげると喜ぶに違いない。

  • ウルトラバイオレットクレンズテクノロジー

    普段は穏やかな私でも、猛暑の密室空間にいるときだけは、ベジータのように短気になるため、エアコン抜きで生きていくことは出来ない。 しかし一方で、エアコンをつけたまま寝れば、繊細の私の喉は翌朝、調子の悪いときのドナルドダックと同じ声になるため、加湿器を欠かすこともできない。 秋に差し掛かり、もう夏の話題は季節外れかもしれないが、本日はエアコンのお供、加湿器をご紹介させていただこう。 Dysonの加湿器「ハイジェニック・ミスト」。 同社が2009年に羽なし扇風機を発表したとき、その奇抜なデザインに世間はザワついたが、そこから改良を重ね辿り着いたこの加湿器は、人類史の発明品おいて最も優しいミストを送り出してくれる。 なんでも、タンクに貯めた水を超音波の振動で分解し、均一な風に乗せて、真ん中のドーナツみたいな部分から送り出しているようだ。音も静かで風も優しい。 私は過去にいくつもの加湿器を試してきたが、いずれの製品も(綺麗な浄水を入れたとしても)数日後、フィルターに赤カビが付き始め、不快感が半端ではなかった。 しかしダイソンの加湿器は、紫外線除菌をしてくれるため水が汚れず、噴出されるミストがキャンプ場の朝靄のようにさらりと肌に触れ、心地よい。 一点気になる点があるとすれば、この最先端の技術には「ウルトラバイオレットクレンズテクノロジー」という必殺技みたいな名前が付けられているため、友人に薦めても胡散臭い顔をされてしまうことだろう。 観葉植物を飾っても空気を浄化する役割としては心もとないが、足元にダイソンを忍ばせれば完璧な空調ができあがる。 乾燥はお肌にとっても大敵なので、繊細なミストをいかがだろうか。 3つURLをクリックすると当ブログが世界に認知され、Kの心が1トーン晴れやかになる。 1.人気ブログランキング 2.ブログ村 3.FC2ブログランキング ご存じの通りKは偏屈で気難しい人物である。それゆえ友達が少ないため申請してあげると喜ぶに違いない。 喩えるなら、キャンプ場の早朝に霧がかかっているときのような繊細なミストが出る加湿器。 エアコン付けっ放しで寝ると、翌朝、ドナルドダックと同じ声になる私には、必須のアイテム。 #ブログ更新しました #ダイソン https://t.co/AGtz6Lv3eN — Codawari美術館:館主K (@Codawari1) September 24, 2021

  • 100記事を書き終えて

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  • 旅するキャンドル

    私の場合「世界の絶景100選」という類の写真集を眺めても、「旅に出たい」という気持ちは特に起こらない。加工された写真が非現実的でいまいち感情が移入できないのだ。 しかし何かのきっかけで、異国の香りを嗅ぐと、私はバナナを前にした猿のように旅への情熱が抑えられなくなってしまう。 先日、友人から贈られた「香り」によって、私の旅スイッチが押されてしまったため、本日はそれをご紹介しよう。 View this post on Instagram A post shared by こだわりのイデアK (@k.codawari) URBAN ISLANDの「旅するキャンドル」。コロンボに住む建築家の友人が贈ってくれたアロマだ。 スリランカの代表的な都市を香りで表現したこのキャンドルは、火を灯すとスパイスやハーブの香りが立ち込め、嗅覚を通して各都市の情景を想いださせてくれる。 首都コロンボからは、甘く熟したココナッツを。ヒンドゥーの都市ジャフナからは、華やかなジャスミンを。聖地キャンディからは、魅惑のロータスを。要塞都市ゴールからは、潮風に乗ったシナモンを。といった具合に。 ここ数日は「要塞都市ゴール」を寝室に炊いている。磯の香りを含んだ異国情緒たっぷりのシナモンによって、サーファーで賑わう海岸が目の前に広がり甘い夢に浸れるのがお気に入りだ。 コロナの影響で旅への情熱を失いつつある私に、手土産を通してそっと情熱を注いでくれる彼は、遊び心のある粋な人である。スリランカが親日と言われる由縁は彼の影響に違いない。 ちなみにスリランカは「インド洋の真珠」と呼ばれるように、美しい海に囲まれた自然豊かな国であり(三食カレーで、おやつにもカレーコロッケが出る点さえ目を瞑れば)私がこれまで訪れた中でも、とびきり素敵な場所だった。写真を載せておくのでコロナが明けた最初の旅先にいかがだろうか。 View this post on Instagram A post shared by こだわりのイデアK (@k.codawari) 3つURLをクリックすると当ブログが世界に認知され、Kの心が1トーン晴れやかになる。 1.人気ブログランキング 2.ブログ村 3.FC2ブログランキング ご存じの通りKは偏屈で気難しい人物である。それゆえ友達が少ないため申請してあげると喜ぶに違いない。 「旅するキャンドル」 インド洋の真珠(スリランカ)の都市をアロマで表現し

  • 宜しい!契りを交わそうではないか

    先日、廃れた名刺交換について記させていただいたが、 「印鑑を押す」という行為も、損なわれた文化のひとつだろう。 印は、古くはメソポタミア文明の宝として使われ、 以降、西洋・中華・日本とあらゆる国において、 貴族や王族が、契りの場で用いる特別な品であった。 しかしどういうわけか、現代の日本では、 「契約=印鑑」という部分だけが形式的に引き継がれ、 市役所の手続きや、通販の受け取りに使われるようになった。 元来、押印は、誓いを示す儀礼的なものであり、 決して、百円ショップで売られるべきものではないため、 本日は、そんな美しい儀式を私の印を用いてご紹介しよう。 愛用の封蝋印(シーリング・スタンプ)。 私が大切にしている世界観、美学、使命を、 譚畫技師(たんがんぎし)の腕にて、円形の象徴に描き起こしていただき、 イタリアの職人に形作っていただいた世界にひとつだけの印だ。 敬愛する友への手紙や贈り物、あるいは、重要な契りを交わす際には、 ワイン・レッドの蝋を垂らし、心を込めて封をする。 開ける側にも、期待と緊張を感じていただくのが封蝋の役割である。 この印が出来るまでには、想像を超える時間と労力とお金がかかったため、 初めて手にしたときは、興奮のあまり涙と鼻血を流しながら、 スマートフォンのカバーから、ブックケース、ワインボトルに至るまで、 あらゆる物に「えいや!えいや!」と押して回ったことはここだけの話にして欲しい。 ここで封蝋の押し方を伝授しよう。 まずはスプーン一杯の蝋を炉で溶かし、封蝋印を氷で冷やしていただきたい。 火を通し続けると、蝋に濁りが顕れてくるが、 これもまた良い味を出すので、お好みのタイミングで引き上げてよい。 View this post on Instagram A post shared by こだわりのイデアK (@k.codawari) 準備が整えば、封をしたい場所にトロリと垂らしていただき、封蝋印を押し込もう。 その際、「宜しい!契りを交わそうではないか」という厳格な気持ちでいること。 最後に軽く火で炙ると、艶が出てさらに美しくなる。 「Codawariを持つ美徳」と「契りを交わす儀礼」に共感していただけるなら、 近い将来、読者諸君にもお譲りしよう。 追伸1 3つURLをクリックすると、Codawariが少しだけ世界に認知される。 Kは冷静なフリをしているが、ランクが上がる度に飛び跳ねてるら

  • 立ってシャワーを浴びる派の言い分

    あなたはシャワーを浴びるとき、立って浴びる派だろうか。 あるいは座って洗う派だろうか。 ある街頭調査によると、日本人の7割は「座る派」らしく、 彼らは「立って浴びる派」の方々に対して、 「まき散らしが不快」や「滝行っぽくて嫌」などの辛辣な意見を持っているそうだ。 一方で、立って浴びる派の言い分としては、 「風呂の椅子が不潔」という主張に集中しており、 それも確かに一理あるなと考えさせられるものである。 そこで本日は「立って浴びる派」の方にも納得していただけるように、 美と清潔さを兼ね備えたバスチェアをご紹介しよう。 フィルロ・シュシュの「白雪姫」。 高級感のあるアクリル素材に、雪の結晶(スノーフレーク)が刻印された作品だ。 世の中には、いくつかの美しいバスチェアが存在する。 あるいは、使いやすさを追求したものも存在する。 しかし、その両方を兼ね備えたものに出逢える確率は、 毒林檎で死んだ娘が、口づけで生き返るくらい稀なことである。 私はある時期、執念深い女王の鏡のように、 世界中のバスチェアを探し周ったことがあるが、 白雪姫ほど、機能美を体現したアイテムは他にはなかった。 白雪姫の魅力のひとつは、スモーク加工にしている点だろう。 浴室で頻繁に使う椅子と桶は、意識しても水垢や擦り傷が付いてしまうため、 透明のものではなく、スモークの方が永く綺麗に使えるのだ。 また、程よい重量と滑り止めによって安定しており、 それでいて無駄のない設計で、手入れをしやすいのも行き届いている。 この椅子が広まれば「立って浴びる派」は、世界からいなくなるかもしれない。 View this post on Instagram A post shared by こだわりのイデアK (@k.codawari) 水資源が豊富な日本の入浴文化は、「浄化」だけでなく 「癒し」まで目的にしているため、世界でもっとも贅沢な習慣だと言われている。 せっかく恵まれた環境にいるのだから、 美しい椅子を用意して全力で疲れを癒そうではないか。 追伸1 3つURLをクリックすると、Codawariが少しだけ世界に認知される。 Kは冷静なフリをしているが、ランクが上がる度に飛び跳ねてるらしい。 1.人気ブログランキング […]

  • 上流階級の社交ツール

    名刺交換ほど、形骸化された文化はないだろう。 かつて上流階級が社交ツールとして使っていた名刺は、 その人物の象徴であり、宣伝であり、誇りであった。 しかし現在では、ピザのチラシを配るかのように便宜的に消費し、 そのまま引き出し(あるいはゴミ箱)へ直行するものとなった。 そのような妥協と諦めは、世界から無くなればよいと思うので、 私が先陣を切ってこだわりの名刺をお披露目しよう。 View this post on Instagram A post shared by こだわりのイデアK (@k.codawari) タイトルは「封と証」。 名刺作成サイト「whoo」を使い、 Codawariの象徴である「封蝋」をそのまま紙に閉じ込めた。 私の名刺には、情報は最小限にしつつも、写真と象徴だけは前面に出している。 なぜなら、日々多くの方と交流する客人達には、 覚えにくい名前や、興味を持てないであろう肩書きではなく、 顔と世界観だけをお持ち帰りいただきたいからだ。 多くの方が経験するように、私もこれまでの人生で 「佐藤さん」や「高橋さん」の名刺をそれぞれ15枚ずつくらいいただいたが、 よほど特殊な方でない限り、恐縮ながらほとんど記憶に残っていない。 「たくさん配るのだから、なるべく安く済ませたい。」 という気持ちはわからなくはないが、辞めておいた方が良いだろう。 なぜならそのようなある種の横着は、名刺を通してそのまま相手に伝わるからだ。 遊戯王カードでも、希少なモンスターほど、デザインや素材にこだわっており、 代わりの利く弱いモンスターは、安いパルプ紙で済まされる始末なのだ。 少なくとも私の名刺は、レアカードのように二度見されるものにしたいし、 仮に受け取った相手が、道端で捨ててしまったとしても、 拾った誰かが思わず手に取ってしまうようなものにしたい。 そのような理由から、封蝋の象徴によく合う正方形を採用し、 シルクのような手触りのマット加工にしている。 また隅が角ばっていると、客人の名刺ケースを傷つける可能性があるため、 「かどまるPRO」を使って、四隅を滑らかにしている。 名刺の起源は、木で作る刺(し)であったとされているが、 ルーツを尊重して木材で作ろうとしているなら、どうか私の失敗を参考にして欲しい。 若かりし頃の私は、高級なマホガニー木材を用意して、 表にトランプの模様、裏に連絡先をレーザー刻印したことがあるが、

  • ローマ法王庁御用達のパスタ

    私は「御用達」という言葉にめっぽう弱い。 宮内庁御用達とか、英国王室御用達(Royal Warrant)と名が付くものは、 たとえ不要なものであったとしても、つい買ってしまうものだ。 逆説的に言えば、私のような人間に営業をかける場合、 とりあえず、頭に「御用達」を付けておけばよいのだろう。 「王室御用達の保険プランです」とか、「閣下御用達の牛乳です」といわれれば、 たいていの場合、その場で成約に繋がるのだから。 そんなわけで、我が家では、ローマ法王庁御用達のパスタを食べている。 魔術師に贈っていただいて以来、これ以外食べられなくなったのだ。 本日は、そんな特別な品をご紹介しよう。 View this post on Instagram A post shared by こだわりのイデアK (@k.codawari) ジュゼッペ・コッコの「スパゲッティNo.33」 イタリアの大統領より騎士勲章の称号を与えられた高級パスタだ。 厳選したデュラム小麦を使い、伝統的なブロンズ・ダイス製法で作ることで、 表面に、ざらざらと心地の良い舌触りを生み出し、 乾麺でありながら、生面の如くもちっとした食感が堪らない逸品である。 なんでもネットで調べたところ、 「イタリアでも限られた店でしか扱われない希少な品」らしく、 そんな貴重なものを東の民がいただいて良いのか?と考えてしまったが、 それなりに苦労して手に入れているので、よしとしよう。 (左)ジュゼッペ・コッコ(右)市販のスパゲティ 一点、注意点としては、スパゲティそのものが美味なため、 油断すると、ソースを差し置いて主役の座を奪われかねないことだ。 そこでこの時だけは、あなたが手配できる限り最も上質な エキストラ・ヴァージン・オイルを用意していただきたい。 我が家では、魔術師がクレタ島から贈ってくれた至高のオイルの出番である。 ひとつまみの岩塩で、アーリオ・オーリオ・ペペロンチーノを仕立てれば、 どんな暴動が起きても、1分で鎮圧できそうな一皿が完成する。 あるいは、ガーリック・オイルを仕込み、 明太子と牧草牛のバター、出汁醤油でソースを作れば、 4000円くらいしそうな明太子パスタができあがる。 ひとことで表現するなら、 「今日、世界が終わっても文句は言えないな」という味だ。 入手は大変だが、一度、御用達パスタを食卓にいかがだろうか。 […]

  • 苦しゅうない、苦しゅうないぞ

    お酒のないコース料理なんて、足を使えないサッカーと同じさ。 点が決まらないから、誰が上手いのかもわからないんだ。 昨今の禁酒令の影響で、フランスのコース料理を前に、 炭酸水のみで乗り切るという「生殺しの刑」を受けた私は、 帰宅してからも、うだうだと不満を漏らしていた。 そんな私の様子を察してか、気を利かせたワイン仲間が、 「中国茶もいいものですよ」と言って一式を贈ってくださった。 以降、中国茶のペアリングという選択を持てるようになったため、 今日は、きっかけとなった「茶」をご紹介させていただこう。 表参道のお茶屋さん「遊茶(ゆうちゃ)」の中国茶。 ショコラのようなプーアール茶に、茶筒に収められた2種類の烏龍茶。 さらに燻製した紅茶に、弱発酵させた白茶をセットでいただいた。 それぞれの袋を開封すると、 まるで収穫期の茶畑に放り投げられたかのように、雅やかな香りが漂い、 香ばしさ、青さ、苦み、渋み、スパイスなどのアロマが複雑に混ざり合う。 私はこれまで「中国茶とはだいたいこういうもの」と決めつけていたが、 それがいかに愚かな偏見であったかを思い知らされるほど、 それぞれが個性的で「みんなちがってみんないい」を体現していた。 View this post on Instagram A post shared by こだわりのイデアK (@k.codawari) 中国から広まった「茶」は、どの時代でも、甘美な香りで人々を誘惑し、 良質なものは、貴族や王族だけが飲める特別なものだったそうだ。 秦の始皇帝は、不老不死になろうと至高の茶を求め、 その後も、幾度となく茶を巡った戦が起こり、血も流れた。 当時の始皇帝の気持ちを感じてみようと思い、 試しに、烏龍茶を片手にソファにふんぞり返り、 「苦しゅうない。苦しゅうないぞ。」と言ってみたが、 案の定、妻からは、電池切れの乾電池を見るような目で見られた。 茶葉のポテンシャルが高く、香りが凝縮されているため、 2煎3煎と入れる度、葉が開き、アロマも広がるのがよくわかる。 普段から味わっておけば、外食の際に違いがよくわかるので、 お酒を飲めないことに文句を言ってないで、中国茶をいかがだろうか。 追伸1 3つURLをクリックすると、Codawariが少しだけ世界に認知される。 Kは冷静なフリをしているが、ランクが上がる度に飛び跳ねてるらしい。 1.人気ブログランキング […]

  • 殆どここでしか服を買っていない

    田舎育ちも起因しているのだろうが、私はほんの最近まで、 ファッションには無頓着で、お洒落とは縁遠い生活を送っていた。 しかし数年前に、VOGUEを読み始めてから、自己表現に目覚め、 今では「Univ of Fashion」を通信受講するほど装飾が好きになった。 そんな駆け出しの私が、お洒落を学ばせていただいている場所があるため、 本日は、そんなこだわりの店を紹介しよう。 日本を代表するブランド、TOMORROWLANDの神戸店。 衣服の質もさることながら、スタイリストが優秀すぎるため、 私と妻は、神戸に来てから殆どここでしか服を買っていない。 何度か伺ううちに、専属のスタイリストとなったS氏は、 衣服、靴、時計、鞄など、あらゆる装飾品に対しての造詣が深く、 我が家のワードローブの中身も、私より正確に把握しているため、 とりあえず彼に一任しておけば、全てうまいこと収まるのだ。 彼を筆頭とした神戸店のスタイリストは、 職人への敬意と作品への愛が、仕事の流儀として現れており、 どの品を手に取っても、ルーブル美術館の館主のように、 作り手の想いや、デザインの特徴、シーン別の着方などを伝授してくださる。 「こちらのパンツは、フランスのドーメルの生地を採用しています。 先日お持ちいただいた靴は、象徴的なイタリアの造りですので、 今回の会食には、お手持ちの白の革靴を合わせましょう。 インナーは、例のシャツで構いませんが、 首元を彩るために、洒落たスカーフを用意します。」という具合に。 TOMORROWは、自社ブランドだけでなく、セレクトショップでもあるため、 訪れるたびに、珍しいアイテムが陳列されており、 その一つ一つの解説を聴く時間が、溜まらなく魅力的である。 洋服屋とは、ただ洋服を買う場ではなく、装飾の講義を受ける教養の場であり、 スタイリストと共に「自分の勿体」を考えるアトリエなのだろう。 スーツへのこだわりも相当なもので、 生地選びから採寸、デザインのオーダーまで相談できるため、 優秀なスタイリストと共に、最高の一着を仕立てることができる。 View this post on Instagram A post shared by こだわりのイデアK (@k.codawari) 高価な生地を使っているため、値段は決して安くはないが、 ハイブランドほど余計な上乗せはないので、 1着買って、今後の仕事のモチベーションにしては

  • 力を貸していただけないだろうか

    ブログを多くの方に観てもらうには、キーワード選定やSNSの活用が重要らしい。 商売としては的確なアドバイスだが、私がブログを書く目的はそれとは異なる。 確かに、メトロポリタン美術館もルーブル美術館も、都心に建設されているが、 Codawariは、通りを外れた森の小道を抜けた先に、ひっそりと佇む美術館であり、 たまたま辿り着いた方が、小さく共感してくださればよいと考えていた。 しかし、私のやり方だと、新しい読者が辿り着くことさえ困難なため、 歩み寄ってブログランキングに参加することにした。 今後、美術館によりよい作品を並べるために、 3つのURLを1日1回ずつ、クリックしていただけないだろうか。 もし支援していただけるなら、私は雄たけびを上げてあなたに感謝をする。 1.人気ブログランキング 2.ブログ村 3.FC2ブログランキング いつも応援ありがとうございます。 ありったけの愛と感謝を込めて。 こだわりのイデアK(@Codawari1)

  • 娘の親友の浮気相手である同級生の父親

    昨年から英語学習の目的で、毎朝1時間、映画やドラマを観ている。 流暢なジョークをすぐに諳んじて口に出来れば良いのだが、 私の英語力は、高校2年の時点で止まっているため、 台詞を書き出し、単語を調べ、背景の文化まで学んでおり、 1本の映画を見終えるのに、1ヶ月ほどかかってしまう。 今年の春からドラマ界に進出し、遂にひとつの物語を完結することが出来た。 その体験が大変実になったので、本日はご紹介させていただきたい。 ニューヨークの高級住宅街、アッパー・イースト・サイドに住む 裕福な高校生たちの恋愛模様を描いた「Gossip Girl(ゴシップガール)」。 2007年に公開されてから6シーズン続き、 今年に入り、リブート版まで出るほど人気のドラマである。 海外ドラマに疎い私でも、タイトルくらいは聞いたことがあったので、 「今回は、あえて俗っぽいものを観てみようではないか」 と思い見始めたが、想像以上にカオスな内容であった。 主人公セリーナの弟の彼氏が、セリーナの彼氏の妹と二股をかけている間に、 セリーナの母親は、娘の親友の浮気相手である同級生の父親と結婚式を挙げ、 さらに式の前日に、娘の彼氏の父親と寝てしまう。 といった具合の魑魅魍魎(ちみもうりょう)な世界だ。 ゴシップガールでは、終始このような修羅場が起こり続けるため、 日常会話で使う「罵倒」と「謝罪」のフレーズを効率よく学ぶことができる。 冷静に考えれば、爽やかな朝には相応しくない内容なのだが、 豪華な衣服やシャンパン、洒落た音楽などで全体として洗練されており、 不思議と違和感なく観れてしまうのだ。 お陰様で、1シーズンを終えることができた私は、 今では、42種類くらいの謝罪の表現を習得し、 場面に応じて、ゴルフクラブを使い分けるように、 最適なお詫びを述べられるようになった。 もしあなたの彼氏が4股をかけていて、本気で罵倒したいときには、 あるいは重大な何かをやらかして、謝罪が必要なときには、 このドラマを参考にしていただくと良いだろう。 「事実は小説より奇なり」というように、 実際のセレブの世界は、このくらい滅茶苦茶なのかもしれない。 しかし、人間関係を掻きまわす嫌われ者でも、そこに一貫性があれば、 次第に憎めなくなり、共感を生み、愛着さえ感じるようになるのは、 不完全な人間が持つ魅力のひとつなのだろう。 PS(追伸) Kは、偏屈で気難しい人物である。 それゆ

  • 貴族とはただ身分が高い人を指すのではない

    私の統計によると、葡萄酒を飲む機会を避けてきた大人は、 気の利いたワインをサービスされたときに、 75%の確率で「飲みやすいですね」という感想を述べる。 たしかに日本国憲法では、表現の自由が認められているし、 フランス人でもない私に、ダメ出しをされる道理は無いのだが、 美味しい一杯を選んでくれたソムリエに敬意を示すためにも、 せめて「木なりのフルーツの香りがしますね」や、 「鹿肉に合いそうですね」くらいの言い回しはしたいものである。 そのような「食の教養」は、体験を通して身に付けるしかないのだろう。 私自身、知らないことばかりだが、知らないままでは恥ずかしいので、 日々、外食修行を怠らないようにしている。 先日、ウイスキー愛好家の賢人より、 会員制の割烹料理屋にお招きいただいたので、 本日は、その様子を一部ご紹介させていただこう。 賢人が毎週通い詰めているという会員制の料理屋は、 わずか3席のカウンターで、主人自らおもてなしをして下さった。 まずは重陽の節句にあわせて、無病息災を願った菊酒で乾杯をする。 恵みに感謝し、節句を祝う在り方は、平安の貴族から広まったとされているが、 オルテガも言うように、貴族とは、ただ身分が高い人を指すのではなく、 自らを由とせず凡庸である大衆へのアンチ・テーゼなのだろう。 このように料理を通して、倭人の何たるかを学べるこの環境は、 「お腹を満たす場」ではなく、もはや「和教養の聖域」と呼ぶのが相応しい。 View this post on Instagram A post shared by こだわりのイデアK (@k.codawari) こちらは前菜の一品で、柿をくりぬいた器に仕立てる「なます」だ。 細造りにした平目と、滑らかに下ろされた大根が舌の上で調和し、 そこに、山田錦の優しい酒が流れて、ひとつの物語が完結する。 日本最古の果物である「柿」のポテンシャルは凄まじく、 もしおかわりを頼める制度であれば、 あと7個ほど持ってきていただきたいほど美味であった。 このような調子で、松茸にのどぐろ、くわいに銀杏と、 主人の眼鏡に適った季節の一品が、よく合う酒と共に次々と運ばれてくる。 おもてなしもここまで来ると、さすがに気が引けるが、 それでも、倭人の心を知るためには、通らねばならない路なのだろう。 主人と賢人に、心からの感謝を込めて。 […]

  • 将軍メアリとタイタニック・オムレツ

    むかし、シンガポールで美味しいトマト・ジュースを飲んだ。 もう何年も前のことなので、そんなことすっかり忘れていたが、 昨日、魔術師に招かれた朝食会場が、その時宿泊したホテルと同じだったためか、 私の潜在意識が働き、無意識的にトマト・ジュースを頼んでいた。 トマト・ジュースなんて、数えるくらいしか飲んだことはないし、 給仕係の男性からも「目覚めのお飲みもの」として、 「グレープフルーツかオレンジ、あるいは林檎」の3つを差し出されたが、 そんな状況でも、トマトを選べた自分を誇らしく思う。 なぜなら、ここセントレジス・ホテルは、 世界で最も「トマト・ジュース」を売りにするホテルだから。 今日は、そんなこだわりの逸品をご紹介しよう。 セントレジスの名物、血塗られたメアリ(BLOODY MARY)。 アメリカ禁酒法時代に生まれたこのカクテルは、 ニューヨークの同ホテルで1934年に(正式に)誕生し、 以降、ホテルの象徴的な存在として君臨している。 スターバックスに地域限定商品があるように、 セントレジスでも、世界44の地域ごとにレシピを変えており、 ここ大阪では「将軍メアリ」という 来日1年目の西洋の支配人が命名したであろうカクテルを楽しめるのだ。 本来であれば、トマト・ジュースを主体にウォッカとジン、柚子や醤油を配合し、 ワサビや山椒の粉末で、グラスの縁を美しく飾るそうだが、 今回は、大阪に禁酒法が発令されていたため、ノンアルコール仕様でいただいた。 アルコール依存症の予備軍である私としては、 単なるトマト・ジュースでは物足りないのでは?と心配したが、 ノンアルコール仕様でも、十分に複雑で濃厚な味わいであり、 素晴らしい一日の始まりを予感させてくれた。 View this post on Instagram A post shared by こだわりのイデアK (@k.codawari) 魔術師との朝食会は、決まって気分が舞い上がるため、 シャンパンの提案があれば、我々は迷わず乾杯を交わし、 有料のオプションがあれば、間髪を入れずオーダーしてきた。 しかし、このレストランで選べる唯一のオプションは、 「タイタニック・オムレツ」という卵料理だけであり、 お値段は、ひとり1万5000円もするいささか高価すぎるものであった。 ロブスターにズワイ蟹、キャビアを添えた豪華な逸品だそうで、 シャンパンが飲めるなら、検討の余地はあった

  • サングラスを後ろ向きにかけると世界が崩壊する

    良く晴れた日に車を運転するのは、空を飛ぶことの次に気持ちが良いものだ。 好きな音楽を流し、海沿いや山道を走れば、 ものの数分で、世界から祝福されているような気持になるだろう。 引きこもりがちな私にとって、ドライブは開放的になれる時間なので、 こだわりの靴を履き、お気に入りのサングラスをかけるようにしている。 今日は、そんな愛用の品をご紹介しよう。 View this post on Instagram A post shared by こだわりのイデアK (@k.codawari) BVLGARIを代表するコレクション「ビー・ゼロワン」のサングラス。 メルボルンの空港で一目惚れし2本衝動買いした。 BVLGARIは、1884年のローマで、 シルバー・スミス(銀細工職人)のソティリオ・ブルガリが創業し、 やがて街を代表する建築遺産であるコロッセオに啓発され、 「ビー・ゼロワン」のデザインを生み出したそうだ。 改めて観ると、ブルガリの綴りは、BULGARI(U)ではなく、 古代ローマ文字を尊重した、BVLGARI(V)になっており、 そのような彼らの地元愛が、なんとも気持ちのよいものである。 サングラスには、モダン(柄の先)にロゴが掘られ、 ヒンジ(丁番)に、ビー・ゼロワン・リングが慎ましく飾られている。 若いブランドにありがちな「いかにも!」という仰々しさはないが、 「君たちとは違うんだよ」という凛とした自信が漂っているのだ。 使い方について、ひとつ助言をさせていただくと、 一部の若い子たちがやるように、 サングラスを「後ろ向き」にかけるのだけは辞めた方がよいだろう。 なぜなら、あれは元々ゴルフ選手が、 スポンサーのロゴを隠さないために行った心遣いであり、 ファッションとしてはすこぶる評判が悪く、世界中で動揺の声が上がっているからだ。 「彼がサングラスを後ろ向きにかけはじめて、世界が崩壊したの。」 (シャノン・ブラウンによる証言) 「スープに落とさないために首の後ろにかける?あまりに馬鹿げてるわ。」 (エマ・スペクターによる証言) ご紹介した型番は、アジア人の顔に合うように調整されている。 普遍的なデザインなので、生涯使えるサングラスになるはずだ。 ドライブのお供にいかがだろうか。 […]

  • 30年分の蟹をブール・ノワゼットと共に

    我が家では、隣人との付き合いの関係で、 クラウド・ファンディングに投資することがわりにある。 投資といっても数千円程度のもので、さらには商品まで送っていただくので、 「買い物」と呼ぶほうが相応しいのかもしれないが、 普段買わないものが届くため、これがなかなか面白いのだ。 先日もプチ出資させていただいた先から、蟹を贈っていただいたので、 今日は、こだわりの蟹をご紹介させていただこう。 ジャパン・フード・サービスの「ソフトシェル・クラブ」。 ソフトシェルとは名前の通り、殻が柔らかい蟹のことで、 小海老のように、殻ごと丸々食べられるのが特徴だ。 日本では、あまり需要がなく珍しい食材だが、 ソフトシェル・クラブ協会によると、 アメリカにおける蟹の水揚げ量の約半分は、ソフトシェルであり、 東南アジアでも、高級食材として好まれているらしい。 ソフトシェルが高級である由縁は、キャビアの生産と同様に、 「ものすごく手間がかかる」ことに起因している。 なんでも、蟹が脱皮した瞬間に捕獲しなければならないため、 監視員が、24時間体制で監視しているそうだ。 がんばって脱皮した途端、捉えられる蟹も不憫なものだが、 夜通し、蟹を監視し続ける職員もたまったものではないだろう。 フローレンス刑務所の方がいくぶんか環境はマシかもしれない。 そのような涙ぐましい努力の先に、ソフトシェルは捕獲されるが、 皮肉なことに、そんなに美味しいものでもなく、 私としては、6年に1度食べられれば大満足である。 しかし今回、せっかく1キロ(約30年分)もいただいたので、 王道的な「唐揚げ」を本気で仕立ててみることにした。 生臭くなりがちなソフトシェルは、「丁寧な下処理」が鍵を握るため、 最高品質のミネラル水に、岩塩を3.5%の濃度で加え、そこに半日浸し、 目、口、はかま、えらを丁寧に切り取った後、しっかりと水気を切る。 要となる油は、ロレンツォのオイルに従い、 オメガ6とオメガ3を4:1にブレンドしたものを採用し、 最後に、牧草牛のブール・ノワゼット(焦がしバター)を添えれば、 カリフォルニアのシャルドネによく合う一皿が誕生する。 生臭くなった調理器具の掃除も含めて、骨の折れる仕事だったが、 人類は美味しいものを食べるためなら、命を削ることだってできるのだろう。 そういう意味では、 巨大なマンモスと戦った時代から、何ひとつ変わっていないのかもしれない。 PS(追

  • ぴえん超えてぱおんな逸品

    調味料とは、あくまでも「味を調える」ものであり、 それ自体が主役になることはないというのが、世間の定説だろう。 しかしごく稀に、調味料の作り手が「美食」を追い求めるあまり、 主役である食材を追い越し、調味料がメインとなってしまうことがある。 二枚目の主役を差し置いて、助演俳優がノミネートされるように。 先日、お世話になっている賢人より、そんな主演殺しの調味料をいただいたので、 本日は、その品をご紹介させていただこう。 View this post on Instagram A post shared by こだわりのイデアK (@k.codawari) 賢人からいただいた鳥羽別邸の「うまみ白醤油」。 あまりに美味すぎて、ぴえん超えてぱおんな逸品だ。 ※感極まって泣きそうな気持ちを表す言葉 通常、小麦を原料とする白醤油は、 素材の味を引き立てるために、旨味が抑えられているが、 この白醤油は、かつお、昆布、椎茸の出汁を惜しみなく配合しているため、 「醤油」の概念を覆すほどの旨味が凝縮されている。 元来、旨味とは、グルタミン酸やアスパラギン酸などのアミノ酸に由来しているため、 嗅覚よりは、むしろ味覚(味蕾)で感じるものだが、 この白醤油は、蓋を開けた瞬間に「旨味のフレグランス」が立ち込めるのだ。 私には、醤油をそのまま飲むような変な癖はないが、 それでも、この醤油だけは、シャルドネ・グラスを取り出し、 沸かしたミネラル水に数滴混ぜて、香りだけを愉しんだくらいである。 さて問題は、ここまで醤油が美味しいと、 醤油を脇役として考えるのは、もはや不謹慎なことであり、 いかにして主役とするのか?を考えなければならないことだ。 だし巻きでは、加熱によって香りが落ちるし、 肉じゃがでは、じゃがいもに全てを持っていかれる。 考えに考えた結果、シンプルにTKGでいただくことにした。 旨味5割増しの熟成米に、ケージフリーの鶏卵、いくらにしらすを加えて、 白醤油をひと回しすれば、至高のTKGの完成である。 一国の王に献上しても、お叱りは受けないだろう。 この調子であれば、ひと瓶なんてものの数日で無くなってしまう。 鳥羽別邸でしか購入できないため、訪れた際にはぜひ私にひとつ買ってきて欲しい。 お礼に美味なワインを贈らせていただこう。 […]

  • 殺し屋がホルスターから拳銃を抜くように

    ひまわりをモチーフにした「弁護士バッジ」がスーツを映えさせたり、 モンブランのペンを備えたコンシェルジュが格好良く見えるように、 ひとつのアイテムが、信頼と安心に繋がることがある。 私の場合、手土産にワインを選ぶことが多いため、 それを空けるために、気の利いたソムリエ・ナイフを出すような人には、 心からの関心と興味を抱いてしまうものだ。 今日は、私のような自称ワイン・ファンの心を 一発で射止めてしまうソムリエ・ナイフをご紹介しよう。 View this post on Instagram A post shared by こだわりのイデアK (@k.codawari) 木目が美しいシャトー・ラギオールの「グランクリュ」。 各パーツが、黄金比に基づいて設計されていることで、 ルックスが抜群に美しいだけではなく、 宇宙が考え得る、最も優れたパフォーマンスを発揮することができる。 それゆえ、ラギオールのナイフは「究極のソムリエ・ナイフ」と呼ばれ、 世界の名だたるレストランでソムリエに愛用されている。 一度、ラギオールの味を知れば、ステンレスのナイフが興覚めとなるため、 ワインで客をもてなす全ての人類が、持たなければならない必需品かもしれない。 また、東野圭吾氏の「流星の絆」でも、主人公である詐欺師の女性が、 ターゲットの御曹司にラギオールを贈り、感銘を与えるシーンがあるように、 飲食関係者に贈ると、100%喜んでもらえる逸品である。 ナイフのシンボルには、皇帝ナポレオンがマントに飾った「蜜蜂」が採用されている。 私はつい最近まで、このエンブレムを蝉(せみ)だと誤解しており、 何名かの友人たちに、ドヤ顔で「この蝉が一流の証なんだよ。」と伝えてきた。 この場にて訂正とお詫びをしたい。 正直なところ、黄金比まで計算できる職人技を持ちながら、 小学生が書くような蜜蜂を描くラギオール側にも幾ばくかの責任はあると思うが、 ナイフの切れ味や、木目の磨き具合に熱中するあまり、 エンブレムのことは誰も気にしなかったのかもしれない。 専用のレザー・ケースは、ベルトを通して腰に装着できるようになっており、 殺し屋がホルスターから拳銃を抜くように ソムリエが腰からナイフを取り出す様はなんとも粋なものである。 ラギオールでコルクを抜けば、デイリー・ワインでさえ、特別な雰囲気になるので、 これからワインを始めたい方は、この機会に形から入ってはいか

  • 実直な鍛冶職人が早朝に鳴らす音のように

    普段スーツを着ない私にとって、ドレス・コード問題は頭を抱えることである。 脳のどこかに欠陥があるからだろう、何度やってもネクタイは上手く結べないし、 シャツを着ると、首回りがムズムズして会話どころではない。 そのため私にとって「きちんとした格好」は、 Tシャツにジャケットを羽織るか、襟付きのポロシャツが精一杯であり、 いつまで経っても青臭さが抜けきらないのだ。 しかし、スマート・カジュアルが限界の私でも、 「靴」だけは最低限、手入れをしたものを選んでいるので、 本日は、こだわりの靴をひとつ紹介させていただこう。 View this post on Instagram A post shared by こだわりのイデアK (@k.codawari) フランスの老舗ブランド、JM・ウェストンの「ローファー#180」。 「手入れすれば、20年履けますよ。」というスタイリストの言葉に共感し、 妻が誕生日に贈ってくれた大切な靴だ。 フランスを代表するこの名靴は、 1946年に誕生してから今に至るまで、同じラスト(木型)が使われており、 腕利きの職人たちが、約150の工程を2ヶ月かけて作っているそうだ。 そのOLD-SCHOOL(古き良き)なデザインは、 カジュアルでありながら、フォーマルにも十分対応でき、 寧ろ「あえて力を抜いてきた感」さえ醸し出してしまうのがお気に入りだ。 商談や挨拶だけでなく、値の張るフレンチや高級ホテルのような、 「暗黙のドレスコード」が存在する場にも、ローファーは大活躍する。 なぜなら、この靴が奏でる「コツコツ」という音は、 実直な鍛冶職人が、早朝に鳴らす音のように、 聴いているだけで心地よく高貴な場に大変馴染むからだ。 イルカたちが「クリック音」から仲間を判別するように、 一部のソムリエやコンシェルジュの中には、 靴音を聴いて、客の人となりを判断する人が存在するため、 「ここぞ」という時のために、一足持っておくと重宝するに違いない。 一点、注意していただきたいのは、JM・ウェストンの靴には、 「ウェストンの洗礼」と呼ばれる苦行がもれなく付いてくることだ。 グッドイヤー・ウェルトという製法によって、 時間をかけて「履き慣らす」ことを前提に作られているため、 購入してから数年間は、日々、靴からの圧迫に耐えなければならない。 愛靴家の知人からは、 […]

  • パイナップルを食べて腰を抜かさない方がどうにかしている

    先日、お世話になっている元探偵の女性が、 誕生日を迎えられたと伺い、お食事に招待させていただいた。 探偵として超敏腕だった彼女は、人を観る目が極めて優れており、 持ち前の愛嬌と愛想で、違和感なく相手の懐に入り込むため、 私はお会いする度についつい余計なことまで話してしまう。 アガサ・クリスティのように才覚溢れる探偵は、 「美味しいもの」を見つけてくる嗅覚も持ち合わせており、 今回もこだわりの手土産をいただくこととなった。 本日は、ドライ・フルーツの食レポをお届けさせてもらいたい。 多々楽達屋の「ドライフルーツ&ナッツ」。 ナッツ5種にドライ・フルーツ6種が、宝石箱のような箱に収められている。 多々楽達屋のフルーツは、ありがちな「砂糖漬け」ではなく、 長時間、低温で乾燥させた誤魔化しの利かない造り方らしく、 実際に封を開けたフルーツたちは、一般的なそれとは全く別物であった。 View this post on Instagram A post shared by こだわりのイデアK (@k.codawari) いずれも素晴らしかったが、特にパインとイチジクには大変驚かされた。 どのくらい驚かされたのかというと、 「通話会議中だから決して声を出さないで。」と念を押す妻の横で、 歓喜の雄たけびをあげてしまったくらい驚いた。 ちょうど先日、近所のマーケットでドライ・パインを購入したのだが、 それと比較すると、とても同じものだとは思えない。 決して前者が悪いわけではないが、それでもこのパインを前にすると、 イタリア・アルバ産の白トリュフと、ブルボンのトリュフ・チョコくらい違うのだ。 しかし冷静に考えてみれば、私のような平民が、 良質なパイナップルを食べて、腰を抜かさない方がどうにかしているのだ。 なぜな人類の歴史上「貴族のスイーツ」として食べられてきたものだから。 ルイ14世の時代には、贅をつくしたヴェルサイユの饗宴にて、 パイナップルは、富と権力の象徴として食べられていたし、 英国でも長年、貴族のスイーツとして愉しまれ、 今でもウィンブルドンのトロフィーには、パインが載せられているくらいだ。 私は昔から、イチジクが大好きだが、乾燥させたイチジクは大嫌いだ。 なぜ生で美味しいものをわざわざ乾燥させるのか? 天日干しにした不届き者たちを、 ひとりひとり訪ねて成敗しようかと悩んだ夜もあった。 しかしその歪んだ主義も、本日限りで

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