吊り橋のワイヤーが刻む夕焼け み
『ムラサキ』と呼ばないでね 『ラベンダー』よ み
三角のスイカにおまじないの塩 み
隣席の扇子、汗の臭いを撒く み
百日紅(さるすべり)は庭箒(にわぼうき)もピンク色 み
夏負けに鏡は「どちらさま?」と問う み
湯畑の煙が竦(すく)む炎天下 み
フェラーリもオーバーヒート気味に灼く み
野外授業に固執し熱中症 み
強引に雨の季節に七夕よ み
日本銀行券(にっぽんぎんこうけん)が欲しい小暑 み
電車待つ脹脛(ふくらはぎ)、蚊の刺され痕 み
鮎釣りの前泊の夜半(よわ)、雨催い み
雨傘よりも日傘が相合傘 み
「もう帰るわ」という目で団扇(うちわ)を置く み
黒百合よ市民らとリスクを語れ み
毒々しき色の蛙もケロケロ み
幕電(まくでん)か、暗雲が金塊と化す み
しゃぶしゃぶという食べ物があったよね み
バニラ、ラムレーズン、ミントチョコチップ み
氷雨ボソボソ、コンバーチブルの屋根 み
ラムネの栓がプラスチックの無粋 み
街の灯が黙して消えた夏未明 み
梅雨寒に母の欠伸か溜息か み
罪なきや郭公(かっこう)の雛の瞳に み
鉄橋を貨物列車が夏至の朝 み
ドームなら梅雨晴れ待たずホームラン み
ドップラー効果去り行く梅雨(つゆ)のカフェ み
端っこの席へススッとゴキブリや み
黒い蟻、蟻、蟻、蟻、蟻、蟻、蟻、… み
父の日に黄色い薔薇でサヨウナラ み
黴(かび)ている!『音喩(おんゆ)』の響きハ短調 み
カブトムシにポルシェのエンジン載せる み
青梅を銜(くわ)えて躊躇する差歯 み
キュウリもカボチャもメロンも花はウリ み
泉州に友いればこその水茄子 み
「何かない?」 「実山椒の佃煮なら」 み
海霧(じり)を裂いて投光器は虚無を見る み
デモ隊は大蛇のうねり、杜鵑花(さつき)咲く み <ニュースアーカイブで60年安保闘争の映像を見る>
葛粉(くずこ)を使っていないのに「くずもち」 み
虎魚と鯱は違う。漢字難(むつか)し み
落雷に「猛犬注意」は形無(かたな)し み
13年(じゅうさんねん)×17年(じゅうしちねん)=蝉が来る み
考えと現実。『落し文』は虫 み
バナナでも どんなもんでも モンブラン み
六月は管理組合の役員 み
背中の雀卵斑(そばかす)にドキドキの薄暑 み
床の間に『左馬』反(そ)る夏座敷 み
泡は消え温(ぬる)むビールのスピーチよ み
共感が暴走しはじめて巣立ち み
鮒鮓(ふなずし)は美味いと聞くが近寄れず み
廃棄物の背後に金雀枝(えにしだ)が咲く み
夏雨(なつさめ)に滑(ぬめ)る瓦と朽ちる壁 み
苺の香(かおり)が残る箱を捨てた み
単衣(ひとえ)に重く「研修生」のバッチ み
ガラスペンが吸い上げた初夏の光 み
筍(たけのこ)を食べたから、顔にブツブツ み
夕立を撥(は)ねてプレイントウ光る み
ゴクッといきたいがアイスティーにする み
我が友の謀(はか)りし迷路、麦の波 み
エレベータは夏服たちで満員 み
短夜(みじかよ)や初電の運転手の髯(ひげ) み
紫蘭(しらん)(知ってる?知らん)、紅蘭(こうらん)、朱蘭(しゅらん) み
夏めいて大股で歩ける身形(みなり) ま
小鯵(こあじ)の骨まで食べよ南蛮漬(なんばんづ)け み
桐箱の高級カステラ、母の日 み
辺邑(へんゆう)の朱欒の花(ざぼんのはな)は意気盛ん み
千早振る宇治の新茶のラテの渋 み
鰹船(かつおぶね)の換気口にカレーの香 み
お向かいのちょっと鬱陶(うっとう)しくて余花(よか) み
馬蛤貝(まてがい)の穴、と掘ったら大沙蚕(ごかい) み
深い襟ぐりに立夏のペンダント ま
ピーラーはアスパラガスをスリムにす み
アネモネや弱者を装(よそお)う者たち み
ゴールデンウイークまでは首位でいて み
係柱(けいちゅう)に片足、あれか蜃気楼(しんきろう) み
その葉で巻けば なんでも『桜餅(さくらもち)』や み
猫の子がこのこのと来て住みついた み
出港時刻に戻れずオキザリス み
東風(こち)時化(しけ)て豪華客船も船酔い み
ロマーシカは嗤(わら)う 「勝てば正義だあ」 み
コーンスープの底に澱(とご)る春愁(しゅんしゅう) み
まず投資 それから消費 初給与 か
淡月(たんげつ)や『飲む』と言えば『お酒』ですよ み
自信作、突き返されて春の宵 み
その歌を聴いた記憶に泣く。残花 み
山葵(わさび)擂(す)る。ひとりひとりがマイノリティ み
露天風呂 ボーッとしてたら わっ蜂! み
桜蘂(さくらしべ)が赤くなる。もう散りどき み
プリムラが咲く フーガを練習する み
チューリップ一本だけでは何だか み
八重桜 「おのぼりやす」 「おくだりやす」 み
蒲公英(たんぽぽ)に曖昧さ足す朝日影 み
山笑う、そろそろ歯医者に行くべき み
屋根屋根のブルーシートに春霞 み
薄暗い六畳 掛け花に椿 み
サポートセンタの親切な佐保姫(さほひめ) み
草摘んで尻餅ついてキャアキャアと み
山吹の色の帯なら春驟雨 ま
銀座で迷い、夜桜の写真展 み
幻を愛してしまう花疲れ み
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吊り橋のワイヤーが刻む夕焼け み
街灯が点(つ)くをためらう夏夕べ み
夏富士に その軽装? そうなんです み
居酒屋でウミガメのタマゴを食べた み
「扉を閉めて」と鳴くのか冷蔵庫 み
夏布団を蹴り上げ、くるっと回す み
ただ、氷河時代の終わりが来ている み
グローブのクリームパンの雲の峰 み
船乗りの歌は夏風、重い明日 み
ハイビスカスの庭にジープを停める み
水牛の背が臭う、ブーゲンビリア み
夏の雨にテールランプの点描 み
ハンゲショウの花が「ここよ」と誘惑 み
解剖医もカーボーイも玉の汗 み
蝸牛(かたつむり)は平和になっては困る み
蛙が鳴いている夢。ここはどこだ み
新橋のこの位置は弱冷房車 み
籐枕(とうまくら)に鋏まれて抜けた白髪 み
仏法僧(ぶっぽうそう)と鳴くは木葉木菟(このはづく)なり み
クリーム色の電車で菖蒲園へ み
『ムラサキ』と呼ばないでね 『ラベンダー』よ み
三角のスイカにおまじないの塩 み
隣席の扇子、汗の臭いを撒く み
百日紅(さるすべり)は庭箒(にわぼうき)もピンク色 み
夏負けに鏡は「どちらさま?」と問う み
湯畑の煙が竦(すく)む炎天下 み
フェラーリもオーバーヒート気味に灼く み
野外授業に固執し熱中症 み
強引に雨の季節に七夕よ み
日本銀行券(にっぽんぎんこうけん)が欲しい小暑 み
電車待つ脹脛(ふくらはぎ)、蚊の刺され痕 み
鮎釣りの前泊の夜半(よわ)、雨催い み
雨傘よりも日傘が相合傘 み
「もう帰るわ」という目で団扇(うちわ)を置く み
黒百合よ市民らとリスクを語れ み
毒々しき色の蛙もケロケロ み
幕電(まくでん)か、暗雲が金塊と化す み
しゃぶしゃぶという食べ物があったよね み
バニラ、ラムレーズン、ミントチョコチップ み
氷雨ボソボソ、コンバーチブルの屋根 み