森林の、涼しい木陰に守られた身体 昊 ( そら ) へ昇るように 闊歩 ( ある ) いてゆく 必ずや、軈て途を踏み外し其の先で 沸き立つ地獄が口を広げていると知って尚確約さえ取れたなら 我は悦んで生きてゆこう 綺麗事と本音の文目も別かたぬ儘、 在るが儘を包摂した此の身体で嗚呼、蒼き天よ!‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥水浴をする白鳥、嬉しそうに濡れるのは 翼に綺羅を漲らせるのは 只美しからんと粋を凝らす為 そこに、涙一滴暗示されて等いなかった…………………崩るる橋を亘る 死にすら妙を魅出だす 此岸も彼岸も我が麗しきに染められたなら、 天へ墜ちようと地まで昇ろうと同じ事(ただ、一つ恐れるものが有るとしたら…
舞台上にて翼が生えたら 私は熱狂者たちだけの天使 この一時間は何をも拒む砦 スポットライトが私のヘイロゥ地獄から這い出した 幾多もの触手を連れて 穢れが落ちることはないでしょう 瑕が癒えることもないでしょう現世を生きて 現世で死ぬまで 震えとぬくもりを寝床として 神は不在 救いも無い だけど私は天使二階席まで羽根が飛んだら ここは熱狂者たちだけの天界 武具も防具も兼ね備えた城塞 詩 ( うた ) と魂が貴方のヘイロゥ舞台上にて翼が生えたら 私は熱狂者たちだけの天使 この一時間は何をも拒む砦 吐き出す命が私のヘイロゥ来世は無くて 不死も要らない 暗闇と瞬時の光で生きる 神は不在 助けは来ない だ…
恋人の胸板の様な 死の懐に身を投げ出すと、 白く彩られた世界が なんだこんな事かと微笑みかける宙空にぶら下がった足が、 幾度か現世を彷徨ってから 安住の白蓮華咲く地へと 居を定めるのに時は掛かるまい森林の中 閉塞していく 呼吸 ( いき ) 膨れたカバンの中身 花の馨り愛していた地球を 至極真っ当な理由で 至極真っ当な理由から この世を去ることを決めた
正しく歩こうとすると気が狂う 歩道の途中で道化になる 岐路につぐ岐路に目眩がする 無限の問答が渦を巻いて遡るクラクションにさえ 首 ( こうべ ) を垂れる 音の生活正しく生きようとすると気が狂う 微笑の途中で能面と化し 色彩につぐ色彩に眩暈がする 無間の意識がクスリに成って支配するサブリミナルに頭を取られる 聲の生活「支離滅裂なのが人間」なんて 教わったことはなかった いつだって「辻褄合わせよ」と 怯えるこゝろに焼き鏝当てられ言葉に成らない台詞さへ 正当化目指して一直線 いつだって「帳尻合わせよ」と 怯える私に暴力を振るわれてきました
I'm gonna say something strange though, Do you really exist baby?
貴き魂の叫びと感性の流れに 浮薄な理性が雑じり仇をなす 逆流に躰を押し留められた様に 手に持った武器も宙に浮き凍り付いて了うたとえ透明なる水の杯にべにを落とし 紅く色づけたとてお前の血には成らない その柔らかい皮膚の下、 滔々と流れるものだけ真実だ
打てば響くやうな其の顔 あたかも日が差すやうで わたしに力はなく 畳の目をなぞりながら怖気を震つてゐた手を以て顔を覆ふ迄もなく 霞掛かりし此の景わたしは産まれたその日から不朽の 散り敷かれた花の上を歩いて往くから硝子が爪をたて落ちてゐやうと 恐るゝべき獣が身を潜め待つてゐやうと 痛みを感ぢるまで判らない 赤い血を視るまで解らない嗚呼 憐憫の眼を稟(う)け目前の樋を流れたはづの美酒は あなたが一人で呑み乾してしまつたか 彼の明瞭 此の蒙昧 分け合はらる由も無くせめてもの景気付けにと水を呑む 宙に浮かむだわたしは 地に根差すことが不可なら 畳に槍を刺し どこまでも登つて逝きたいそしてまう二度と戻り…
極彩色の脳 病と健常が喧嘩している 羽で搏ち合っている 私には何方(どっち)が何方だか判らない玉虫色の唇(くち) 愛と讒訴を交互に垂れ流す 佞臣の如きもの これ一つに散々(さんざ)振り廻される朱(あけ)に染む腸(はらわた) 死と生を往来し突き動かす 軟体の塊一つ 込み上げては溶け出して復(また)還る蒼白の心臓 傷も痛みも知って尚薄く 時を知らないが如く 刻刻と打ち付けて私を生かす
この心臓(こころ)ナイフで抉ってください そして其れを刃先に載せて ふるふると肢体を蠕動させたり 鮮血を滴らせるか視てみたいの──craving──脳髄を手の平で掬ってください そして其れを仔細に眺めて 線が正しく刻まれているか 左右の羽は何色なのかを確かめたい──cognition──魂が躰の辺縁に有るなら 死なない内に目を見合わせて 悲しみにブルーを纏っているか 孩子(こども)のままに虹色をしていると笑いたい──approval──
悪に呑まれるなと人が手を差しのべる ブラックホールに頭持ってかれてる自分の 両脚だけガ突き出てるようで まさに世紀末の絵面なんです戯画調なんです悲しいときほど堂々と歩いてみせるのは 向き合いたくないから 賤しい己と向き合いたくないから 勘付きたくないから でしょう絶望のウラに潜んだ怪物みたいな自己愛そして何度ハンプクした疑問 「俺はこのまま廢人と成り果て 拙く死んでゆくのか…???」精巣を食いツブされそうな不安 次第に迫り上がッて息も出来ませぬ 陰影(かげ)は情緒も陰うつも失って 斜線からベタ塗りへともう ふきだしすら 諦めたら 暗黒戯画
皆愛おしいと口走ったら笑われました きっと私の容姿(みてくれ)が滑稽だからでしょう蝶・死にゆく粒子(つぶ)・返す波瞬時、人間(ひと)の心を訪う淡い熱狂は 嘘、偽りでしょうか 時間(とき)が過ぎ去る度に 物語として 刻み付けられる頁善と悪の境界線否むことが似合わない そうね私の経験が乏しいからでしょう書物(ほん)・薄翅蜉蝣・暮れる路此の日、私の胸に濃く溜まる血の色は 嘘、幻でしょうか 是だけは言えるのに 愛することが 自己陶酔だとしても......恋は自分とするものよ いつだって
裏表を限りなく近づけて 喜怒哀楽の差別をせずに 涙も愛も等しく流し 真人間になるのだ希望を見よ 闇を見よ 現実に坐し 幻想(ゆめ)に瞑(ねむ)れ
睡(ねむ)りと覚醒の間(あはひ)に湧き出(いづ)る創造力といつたら、目を瞠るものがある。 「何かが降りてくる」といふよりは、夢の入り口・出口の揺蕩ひのときが、私の頭の中にある具材たちが丁度よく煮詰まつて、蕩ける頃合ひなのであらう。 さうして掬ひ上げる出汁こそ、即ち作品のエツセンスと成る。
枝垂れ疲れた花は風に斃れ地を這う 橋の上に花びら 飛んで行く
ああ この柔らかい肌が憎い 鋼鐵のナイフで傷を付けても 血が一筋流れ伝うこともなく 途端にばらばら砕け散ってしまいそうな女々しさとは愚かさでしょうか? 混沌と軟弱の色合い 敷き詰められた花の道を 淡い爪先で蹴ったとてそう さながら顔の皮膚表面に 掌にて塩を擦(なす)り付けられるかの様な 奇怪な体験がしたいものです、 正味 一度で好いから
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