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2021/01/30

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  • 美味しいものを食べようよ

    ここ最近の記事では唐突に呼吸、すなわちエネルギー合成についてウダウダと語っていた形ですが、前回は三大栄養素の内、タンパク質は「燃料」というよりも自分自身の体を作り出す「材料」としての意味合いが強いのです……なんてことを書いていました。 (ちなみに炭水化物(糖)はまさしく「燃料」であり、基本的にはこいつらを使うことで細胞が活動するための燃料というかガソリンというかエネルギー=ATPを合成しており、一方、脂質も「貯蔵用の燃料」という意味合いが強い(もちろん、脂質は「細胞の膜形成に必要」など、貯蓄燃料以外の用途もあるわけですけどね)感じで…… …それを踏まえると、「燃料」だけ摂っても「材料」が不足し…

  • タンパク質が減り始めたらヤバい

    前回はクレアチンのサプリについて、その効能や用法用量に関する注意点を、クリーブランド・クリニックの丁寧な解説記事からそのままパクらせていただいていました。 まぁパクっておいてなんですが、あの手の説明記事は、何となく漠然と「~という可能性もある」だけで、二言目には「医師に相談しましょう」と言ってばかりの、正直全然おもんない記事でしたけど(笑)、まぁ、医療機関としてはそれが最も誠実な姿勢といえますから、逆に信頼できる情報だったともいえるかもしれません。 いずれにせよ、クレアチンというのは食事以外にも自分の体内で合成されて、筋肉のみならず、脳機能の改善にも効果がありえる可能性がなきにしもあらずっぽい…

  • サプリもあるよ、クレアチン

    呼吸から発展して、いわゆる細胞呼吸と呼ばれる、グルコース分解を起点とする3経路の他に、より高効率のエネルギー生産につながる脂肪酸を分解することもあり、さらにはより即効性のあるエネルギー獲得につながるクレアチンリン酸が用いられることもあります、などと前回の記事で見ていました。 サプリ・栄養食品を取り扱うDNS ZONE社による、とても分かりやすい解説ページを前回参照させていただいた通り、特に大量なエネルギーが急激に必要になる筋肉において、速やかにATPを用意できるクレアチン系は大変重要な役割をもっており、この経路を鍛えることはそれ即ち瞬発力の底上げにつながるということになりますから、筋トレ界隈で…

  • どれも大事なエネルギー三種

    前回の記事では、代表的なエネルギー獲得手段である糖代謝(解糖系・クエン酸回路・電子伝達系)、更にはそれとちょっと違う(具体的には、前半の非酸素消費系の反応が異なる)脂質代謝(β酸化)に加え、もう一つの重要なエネルギー産生物質といえる「クレアチンリン酸」を、ほぼ名前だけ紹介していました。 まぁ名前に関するどうでもいい背景知識までしか見れていなかったわけですけど、反応の中身については、実は語るまでもない話になっています。 これまで散々、「『エネルギーを獲得する』とは、『ATPを合成する』ということなのです」などと書いていましたけど、クレアチンリン酸の場合、なんてこたぁない、端っこについているリン酸…

  • クレアチンという名前の謎…

    脂肪の代謝メカニズムの話を経て、前回の記事では「有酸素運動」について…ほぼ「『エアロビ』はあのレオタード体操だけを意味する言葉ではありません」というだけの内容でしたが、そんなネタへと移っていました。 まぁ有酸素運動に関しては、前回も貼っていたWikipedia記事が分子レベルの細かい点まで含めてまとめてくれていましたけれども、もうちょっと簡潔にまとまっていた記事が、我らが親方日の丸・厚労省のe-ヘルスネットで目に付いたため、情報の権威付けに目がない僕としては、改めてこちらのリンクを貼り、参考とさせていただくといたしましょう。 www.e-healthnet.mhlw.go.jp まぁリンクカー…

  • エアロビとは

    呼吸=糖を使ったエネルギー生成の話から発展し、最近は脂肪の代謝についてちょこちょこ見ている感じです。 前回は、脂肪酸を少しずつ分解していく、「β酸化」なるプロセスを見ていたわけですが、ここで1つ、こないだもちょっとだけ書いていた… 「よく『脂肪を燃やす』っていうけど、お腹の中にガスコンロがあるわけでもなし、燃やすって何なん?腹の脂肪にマッチでも当てて火をつければ、ダイエットになるわけ?」 …という点について、まぁそんなの触れるまでもない話ではあるんですけど、そもそもの「燃焼」という現象は、これは中学理科でも触れる内容だったと思いますけど、「何らかの物質が急激に酸化して、熱や光を出す現象」のこと…

  • β酸化とは

    前回の記事では、「散々見てきた炭水化物=糖=グルコースを起点とした呼吸よりも、脂質を使ったエネルギー合成の方が実は凄まじいエネルギー効率を誇るのです」…などという話をしていました。 その話の中で、糖よりもよっぽど効率が良いのに、「我々はなぜエネルギー獲得のために基本的に糖を用いるのか?」という問を投げ、 「効率が良いからこそ『いざ』という時のための蓄えにうってつけ」 「糖の方が即効性がある」 「全身への運搬も用意」 …などという形で自問自答をしていましたが、やはり飽食の時代にあって、脂肪が身によくつくのが悩みの種となりがちなのが現代人ですから、その辺について話を広げるべく、せっかくなので脂質代…

  • 脂肪を燃やすと……

    もう大分長いこと触れてきた呼吸についての話も(振り返ってみたら、ちょうど1ヶ月もグダグダと書いていたようです)、一通り反応経路の最初から最後まで見終えていた形ですね。 具体的には、エネルギーを得る基本はやはりブドウ糖つまりグルコースから始まっており、これを解糖系でピルビン酸にまで分解し、ピルビン酸が細胞の中にある小部屋・ミトコンドリアにアセチルCoAへと姿を変えながら移動することで、オキサロ酢酸とくっついてクエン酸となり、以下グルグルと少しずつクエン酸が分解されていくというクエン酸回路がまわり、そこで発生した補酵素・ビタミンの一種であるNADHなんかの力を使って、電子伝達系が走ることでミトコン…

  • そして酸素が使われる…

    前回は、呼吸の真骨頂・電子伝達の4ステップの内、3番目の複合体「ユビキノール-シトクロムcレダクターゼ」なるイオンポンプ酵素をごく簡単に見ていました。 ついに、大変複雑な電子伝達系(でもよく考えたら、反応自体は難解でも、主役となる複合体は4-5つですし、クエン酸回路よりは案外単純だと言えるのかもしれませんね)も、準備ステップ(水素イオンの汲み出し)はラストとなりました、複合体ナンバー4のご登場ですね! https://ja.wikipedia.org/wiki/電子伝達系より 前回は「複合体 III」が、ユビキノンことコエンザイムQ10を酸化していましたが、「何かが酸化される」ということは「何…

  • どこにでもいるのが、コキュー

    電子伝達系で働く4つのポンプについて、「実はひっそりポンプじゃないやつも混じっていました…」というのが前回見ていたナンバー2、「複合体 II」ことコハク酸デヒドロゲナーゼ(脱水素酵素)でした。 早速ナンバー3の方を見て参りましょう。 https://ja.wikipedia.org/wiki/電子伝達系より 「複合体 III」については、特にこの↑の図からは何も分からない……気もするものの、まぁ一応こんな簡略図からも、 複合体IがNADHの酸化で、電子伝達をスタートさせる 複合体IIは、コハク酸が関わってくるようで、唯一水素イオンを膜の外に汲み出していない 複合体IVは、酸素が関わるステップの…

  • 役立たずかと思いきや、縁の下の力持ちだった…!

    あまりにも細かい…というか酸化還元がじゃんじゃん絡んでくるので難解であり、正直面白みに欠ける話になっているのですが、凄まじい効率を誇る電子伝達系について、実際に電子が伝達されていく様子なんかを順に見始めていたのが前回でした。 (まぁ、おもろい・ろくないで言ったら、解糖系もクエン酸回路の各反応経路も別に何にも面白くないというか、どう考えてもYouTubeとかの方が面白いですけど(笑)、電子伝達系は、やっぱり効率的で高級な反応といえますし、「輪をかけて難解」って感じですね。) 膜に埋まっている4つの複合体の内、複合体 Iだけごく簡単に見終えていました。 残り3つのポンプも、早速見ていこうと思います…

  • ミトコンドリアと複合体

    ここ最近は呼吸の醍醐味ともいえる、圧倒的な数のエネルギー分子ATPを合成できる電子伝達系について見ている形です。 その主役ともいえる、しゃもじ型(まぁしゃもじってより、前方後円墳みたいに描かれるといった方がちかいかもしれませんが)のATP合成酵素については、「回転する」「この反応だとイオンチャネル(受動的な輸送)っぽいけど、イオンポンプ(能動的な汲み出し)として使われることもある」などということを見ていました。 電子伝達系は、このATP合成酵素の他に4つの複合体が関与しており、具体的にはそれぞれ電子を伝達していくとともに水素イオンの汲み出しを行うポンプになっているわけですけど、今回はその4つの…

  • チャネルとポンプ

    あらゆる生物が生きるのに必要なエネルギーであるATPを非常に高い効率で産み出せるATP合成酵素(ATPシンターゼ)は、何と回転しているのです!…という、まぁ正直「あっそう」レベルかもしれない話(笑)を、前回の記事で軽く見ていました。 とはいえこれは実際非常に驚きのもので、前回紹介していた、ATP合成酵素の回転運動を世界で初めて実験的に証明した吉田賢右さん自身による解説記事でも書かれていた通り、回転…というかそれを可能にする車輪になりますけど、車輪というのは人類史上恐らく最高の発明の1つと断言できる、凄まじく有効な動力源(動きを作り出す仕組み)となるわけですが、面白いことに、生体反応というのは非…

  • 回転の生み出す力

    前回は、呼吸の最終段階にして絶大なるエネルギー効率を誇る反応、電子伝達系についてちょろっと触れていました。 どちらの概略図も分かりにくいので両方再掲しようと思いますが、ミトコンドリア内膜に埋められた複合体(イオンポンプ)が、NADHなんかを酸化することで水素イオンを汲み出し、同じく膜の中に埋まっているATP合成酵素が、ポンプの力で膜の内外で生じた水素イオン濃度勾配を正すべく、水素イオンが戻る通り道になっているわけですけれども、これが移動する際にATPが合成される(ADPがリン酸化される)という話で…… https://ja.wikipedia.org/wiki/細胞呼吸より https://j…

  • 本領発揮の呼吸・最終ステップ!

    長らく見ていた呼吸ネタも、前回、第二段階でありグルグルと様々な中間体を経由してエネルギーの素が生み出される「クエン酸回路」を、ようやく一通り見終えていました。 以前から何度もお借りしていた「細胞呼吸」全体の概略図イラストを改めてお借りする形で戻ってみますと…… https://ja.wikipedia.org/wiki/細胞呼吸より …クエン酸回路がまわることで、同時進行的に(これは「解糖系の最終産物ピルビン酸が使われてクエン酸回路がまわりだす」みたいなハッキリした順番があるわけではない感じですね)進んでいく反応が、ズバリ、最後にしてこれこそが呼吸の本領発揮といえるラストステップ・「電子伝達系…

  • 脇役も見ていこう(ラスト:回路の完成)

    少しずつ見進めてきたクエン酸回路も、ようやく回路が一周しようかというところですね。 https://ja.wikipedia.org/wiki/クエン酸回路より 前回は、リンゴ酸という、名前だけはめっちゃ親しみがありそうなのに、特にこれといってさしたる特徴もないやつで… (特に生化学では、クエン酸回路の途中にチラッと顔を出す程度で(それも、例の細胞呼吸全体の画像だと省略されていたこともあるぐらいに、かなりの脇役)……ってまぁ一応、呼吸とは真逆の反応といえる、光合成でも顔を出すっちゃあ出すのですが、それも光合成ではマイナーな方の反応ですしね。 ↓前回の続きということで、構造画像だけ再掲させていた…

  • 脇役も見ていこう(終盤:リンゴ?マロン?)

    シンセサイザーと語源を一 (いつ) にするシンセターゼ・シンターゼ=合成酵素の名前に関してちょろっと脱線しつつ、少しずつクエン酸回路の登場人物に触れているシリーズ……まぁシリーズっていうほどの数でもないですが(笑)、早速続き、コハク酸の次に参りましょう。 https://ja.wikipedia.org/wiki/クエン酸回路より 既に炭素数は4にまで減っており、ここから先は炭素の数自体は変わらず、水素や酸素がちょろっといじくり回されるだけという、まさに覚える意味もない脇役になるわけですが、比較対象として、前回見ていたコハク酸の画像の再掲だけしておこうと思います。 https://ja.wik…

  • 脇役も見ていこう(中編:スクシン・合成)

    クエン酸回路でグルグルと変わり続けていく炭水化物を見ていくシリーズ、前々回はケトグルタル酸まで見終えており、続きを見ていこうと思っていたら前回はケトグルタル酸にある「ケトン部」に話が脱線していました。 今回は本題に戻って、早速、ケトグルタル酸の続きから参りましょう。 https://ja.wikipedia.org/wiki/クエン酸回路より つながりが分かるように、ケトグルタル酸(C5H6O5)の構造から再掲しておきますが… https://ja.wikipedia.org/wiki/Α-ケトグルタル酸より …続いては、NADの還元(=酸化型から還元型のNADHへ)と、脱炭酸、さらにはまたま…

  • 脱線:ケトンについて

    さほど見る価値もない、クエン酸回路で顔を出してくる各分子の構造について、せっかくなので順番に追って見てみていたのが前回の記事でした。 時間の都合で途中までしか見れていなかったので、早速続きに参りましょう。 https://ja.wikipedia.org/wiki/クエン酸回路より 前回は、回路が始まって初の炭素数減少=脱炭酸が行われてできる、α-ケトグルタル酸まで見てた感じですね。 https://ja.wikipedia.org/wiki/Α-ケトグルタル酸より …触れたと思いきや触れ忘れてたんですけど、両端のカルボキシ基 -COOHではない、中にある二重結合で結ばれた「C=O」、これが4…

  • 脇役も見ていこう(前半)

    前回の記事で、ようやくクエン酸回路の概略について見ていましたが、先述の通り、もうこれは細かい物質まで把握する必要は皆無の話になっているように思えます。 (まぁそんなこと言ったら解糖系の反応経路・中間産物とかもどうでもいいっちゃどうでもいいし、むしろ高校生物とかだと解糖系の方が端折ってたレベルだった気がしますけどね…!) とはいえ、あまりにも時間がない日が続いているため、ネタを考えずに脳死で構造を貼って一言二言浅いことを言って終わりそうな感じで済みそうですし、今回はクエン酸回路の各中間産物、主役たるクエン酸は既に見ていたので、他のわき役たちも見ていくといたしましょう。 前回もお借りした、クエン酸…

  • 二酸化炭素を吐き出す理由

    脱線に次ぐ脱線で、前回は全然関係ないカフェインの話なんかをチラッと出していましたが、呼吸の方に話を戻して参りましょう。 クエン酸について、その構造まで含め見ていたところで(=酸性を産み出すカルボキシ基 -COOHが3つがそれぞれ別の炭素原子につながった、炭素6つの分子でした)、ようやく呼吸の第2ステップ・クエン酸回路についてですね。 まぁこれはもう、本当に細かく見る意味なんてまるでないと言いますか、概略としては毎回お世話になっている以下のイラストにある通りの反応が進んでいくだけなわけですけど…… https://ja.wikipedia.org/wiki/細胞呼吸より …これは簡略図であり、実…

  • カフェイン程の力はないかも…

    分子の立体構造に関するウンチクを終え、前回からまた呼吸反応の話に戻っていましたが、酸素を使って走る好気呼吸の第2ステップ・クエン酸回路について入っていく前段階のサワリとして、クエン酸についてちょろっと見ていました。 クエン酸は酸っぱすぎて食えんさ、というクソウマギャグを書くのを忘れていたため今書きましたが(笑)、分子内の炭素6つの内、酸性を作るもととなるカルボキシ基 -COOHが3つもあるという話なんかには触れており… (ちなみに今さらですが、カルボキシ基があると酸性になる理由は、COOHは水の中で電離し、COO- + H+に分かれるからで、もう結構前になりましたが、英語スラングネタからこの辺…

  • 次の主役はクエン酸!

    前回はいわばパチモンのアミノ酸といえるD体、いわゆる右手型のアミノ酸について、「甘いし美容効果はありそうだけど、アルツハイマーや統合失調症その他精神疾患の人で存在量の上昇が見られるというちょっと気になる情報もある…」など(逆に診断に使える可能性もあるし、D-アミノ酸を上手く調節することで治療薬の開発も期待できるかもしれないなど、この仮説が正しかったとしても、必ずしもネガティブな話ばかりではないですけどね)、ちょこまか見ていたら時間がなくなってしまいました。 その他の情報も見てみようと思ったものの、パッと見特にそこまで目ぼしい話もなかったので、「この先の研究の発展も楽しみにしています」という無責…

  • アミノ酸にも違うパターンが!

    有機化合物の立体構造について、特に鏡像異性体に着目して、L-グルコースやL-サリドマイドは、太らない糖・胎児に奇形をもたらすなど、ちょっと配置が違うだけでD体とは全く異なる性質をもつのです…などということをチラッと紹介していました。 その話だと、Lの方が特殊っぽい印象があるわけですが、それはもう完全に分子次第の話で、例えばアミノ酸は生体内でタンパク質合成に使われる20種類全てが、実はL体なので、糖とは全く違い、アミノ酸は左手タイプだといえるわけですけれども、「なぜなのか?」は完全に謎といえましょう。 (※ちなみに、アミノ酸の内、一番簡単な分子、こないだ20種類を見たときにサクッと見ていた構造を…

  • サリドマイドのパラドックス

    ここ何回かの記事で、分子の立体構造にまつわる話……主に鏡像異性体(鏡に映したときに出てくる、決して重ね合わせができない関係の構造)について色々触れていました。 前々回の記事では糖の代表・グルコースにもD体とL体があり、L-グルコースは天然にはほとんど全く存在せず、かつ、食べても代謝経路に乗ることがない=エネルギーとして一切活用されないことなどに触れていた感じですが…… まぁ糖でもちょっと構造が違うだけで(物質としては全く同じなのに)全く栄養素として使い物にならなくなるという違いがあるというのも驚きなので最早何があっても不思議ではない話かと思いますけれども、立体構造の違いが極めて大きな性質の差を…

  • 難しい立体認識

    前回の記事では、有機化合物の構造の話から、鏡に映さないと重ね合わせられない関係=右手と左手のような関係の分子=キラルなエナンチオマーについて語りがてら、面白い話として、ブドウ糖にはD体とL体があり、L体はどれだけ食べても全く代謝回路が駆動せず、結果として太らない糖なのです、みたいなことに触れていました。 この立体異性体について、もうちょい詳しく見てみるとしましょう。 前回も、「4本腕に全部異なるモノがくっついた炭素原子を不斉炭素原子などと呼び、不斉炭素原子があれば必ず重ね合わせられないキラル分子が存在する……かと思いきや、実はそうならないこともありました」などと書いていたんですけど、具体例を見…

  • 食べても絶対太らない夢の糖

    前回の記事では、炭素の4本腕に全部違うモノがくっついている場合、4つのモノの配置によってはどうやっても重ね合わせることのできない2種類のものが生じる(鏡に映すことで、相手と一致する)という話に軽く触れていました。 そういう4つ全部に違うモノがくっついている炭素原子を不斉炭素原子、重ね合わせができない性質をキラリティー、よく使われる区別法に「D体・L体」で分けるやり方がある…などということを書いていましたが、D体とL体とは鏡像異性体の関係にあるとも言い、全く馴染みがないのでそんな言葉使わず日本語使えや、としか思えないものの、カタカナで鏡像異性体のことを「エナンチオマー」とも呼んでいるという話も一…

  • 乳酸には2パターンある!

    唐突に始まった呼吸に関する話から、嫌気的な反応へと脱線し、前回はアルコール発酵と乳酸発酵の2つについて、それぞれ簡単なこぼれ話に触れていました。 人体でもアルコール発酵が起こることがあること、そして、乳酸は従来「筋肉にダメージを与える物質」として知られていたものの、最近の研究ではどうやらそうではなかった(カリウムイオンやリン酸の蓄積が原因)というネタでしたが…… …注意点として、ヒトの体内でアルコールが作られるのは、実は酵母菌が発酵を行っていたからというのがその理由だったので、これはまさに「発酵」ですけど、急激な運動を行い、「酸素の供給が不十分になって嫌気的反応経路が進み、結果乳酸が蓄積される…

  • 乳酸は悪者ではなかった…

    前回の記事では、通常の呼吸とは異なる経路の有機物分解、いわゆる嫌気呼吸として、アルコール発酵と乳酸発酵の2つを話に挙げていました。 最近は毎度中々時間も取れず、だいぶ駆け足の説明になって色々不足していた気もしますが、アルコール発酵は、人間がお酒を分解するのとちょうど真逆の反応になっており、しかも反応に関与する酵素まで全く同じなのです……なんてこともチラッと書いていましたが…… そうすると、「え?じゃあ、人はそのアルコール分解酵素を持ってて、しかも実はこの酵素はアルコール合成にも使えるってことなら、人間も酸素が足りない状況なら、アルコールを自分で合成できるってこと?息止めるだけでお酒を飲んだのと…

  • お酒に逃げるか、ヨーグルトに逃げるか…

    前回は呼吸反応(解糖)で出てくる代表的な物質の読み方について脱線していましたが、改めて(区切りは良かったものの)途中状態だった呼吸反応に戻っていこうと思います。 例によって、まずは細胞呼吸に関する大変分かりやすいまとめ絵を再掲させていただきましょう。 https://https://ja.wikipedia.org/wiki/細胞呼吸より グルコースがピルビン酸にまで分解されるのが解糖系でしたが、このピルビン酸が、ついにここで登場、補酵素AことCoAにくっつくことで(といっても完全にくっつくわけではなく、ピルビン酸のアセチル基のみが酵素の力でCoAに移動する感じにですね)アセチルCoAに変換さ…

  • 英語だとどう読めばいいのか…?(糖関連)

    前回の記事までで、エネルギーを生み出すための呼吸反応3ステップの内、第一段階である解糖系について、一通り見終えていました。 ごくごく簡単におさらいしておくと、全ての糖の基本といえる、ブドウ糖=グルコースを出発物質として、紆余曲折を経てグリセルアルデヒド 3-リン酸(G3P)となり、こいつがまずはGAPDHという著名酵素の力でリン酸がもう一つくっつくなどまたまた紆余曲折を経て、呼吸の目的であるATPもいくらか合成されながら(グルコース1分子あたり4分子ですが、序盤のステップでATPを2分子使っているため、トータルで2 ATPの儲け)、ピルビン酸にまで分解されていく…というものでした。 そういえば…

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