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2021/01/30

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  • ウニって何者なんだ?

    前回の記事では、謎の生命体とも思える…くせして実は我々人類・脊椎動物に近い性質があるという棘皮動物門の禍々しいやつらを取り上げ、主に食えるか食えんかという大変役に立つ話をまとめさせてもらっていました。 具体的には、ナマコ(マナマコ)は通販でも売られていますし日本全国どこでも食べられるレベルでおなじみの食材である一方、ヒトデはまぁゲテモノ扱いではあるものの、毒に注意すれば食べられなくはない、そしてウニの仲間であるタコノマクラやカシパンは、その見た目や名前とは打って変わって食用には適さない(と言っても、これもヒトデ同様、あえて食べる程ではないけれど、まぁゲテモノに挑戦したいなら食べられなくはない、…

  • 食べられないカシパン、食べられるスター

    動物の分類について浅く垣間見ているシリーズ、話は「門」の分類も終盤となり、「発生の初期に細胞が何度も分割してできたボールがくぼみ始めた方の穴が肛門となり、それが貫通して新しく出来た方の穴が口になる」というかなりどうでもいい共通点とはいえるものの、ほぼ全ての愛すべき動物が所属しているといえるそこそこ選ばれしグループともいえましょう、「新口動物」にまで歩を進めていました。 ↓のリストでは4門所属の新口動物ですが、どうやら前回見ていたチンウズムシは新口動物といえるかどうか微妙なラインらしく、現在主流の説では「3門とされる」なんて記述も目にしましたけれども… https://ja.wikipedia.…

  • キモい!こんな奴らが仲間だなんて…!!

    元々は遺伝子DNA染色体の話から「巨大分子の話」になり、その後、生命科学系研究でよく使われるモデル生物であるC. elegansから学名の話へとつながり、さらに生物の分類学へと脱線し続けた結果、節足動物門の昆虫について、ネタとして面白いものをいくつか見ていた…という流れだったはずですか、色々と小話を提供してくれた虫も弾切れということで、改めてまた動物の「門」のリストへと戻って参りましょう。 例によってウィキペディアから動物の門一覧の表を再掲させていただきますが…… https://ja.wikipedia.org/wiki/門_(分類学)#動物界より …昆虫・甲殻類の節足動物門まで見終えていた…

  • ホタルはどうやって光ってるの?

    分類学に端を発し、動物界の最大派閥・節足動物門に話が及んだことから触れていた虫シリーズですが、前回はとても可愛いトラツリアブ(モフモフ虫)とヒメジャノメの幼虫(猫頭)なんかを取り上げていました。 特にそれ以上ネタもなかったのですが、ふと、「好かれている虫はどんなのがいるんだろう?やっぱり少年票で、カブト・クワガタとかかな?」と思って調べてみたら…… ranking.goo.ne.jp ↑のgooランキングのみならず、軽く眺めてみたどのランキングでも、結構圧倒的な大差でトップに輝いていたのが、なんとホタル! ja.wikipedia.org …まぁ正直、↑のサムネ画像にもある通り、本体そのものは…

  • そんなバカなと思える、ニャンコヘッドの激カワ虫…?

    前回の記事では昆虫ネタのまとめとして、忌み嫌われがちな…というか僕自身忌み嫌っている虫の中にあって、「こいつはまぁ許せるぞ」と思えるやつらを挙げていくことでもうちょっと記事を水増ししようともがいた結果、一番身近な「大丈夫な虫」として思い浮かんだアリさんから、「ワイルドなガキンチョの中には食べる子もいますよね」という話に飛び… (アリはギ酸を多く含むので酸っぱい…と思いきや、どうやら全てのアリがギ酸を持つわけではなく、日本のアリはギ酸を含まないタイプが多いとのことで、むしろ甘いことが多い…なんて話も知恵袋先生で目にしました↓ detail.chiebukuro.yahoo.co.jp …経験者で…

  • アリは酸っぱく、トンボはラジコン…?

    ここ何回かの記事で、実は動物界の中ではかなり進化的に高等なグループに位置する節足動物門(と言っても比較対象がただのヒモみてぇなサナダムシとか、動物かどうかすら怪しいカイメンとか、そういうザコと比べたら、ですけどね(笑))、具体的には昆虫・甲殻類の話を見ていました。 いやぁ~キモイやつらともとうとうお別れです、せいせいしますね(誰にも聞かれてないのに、自分から書いておいてなんですが(笑))。 …と思いましたが、まぁ昆虫は動物界の最大門ですし(一応、まだ発見されていないだけで恐らくもっと大量にいるであろう、原始的な寄生虫がメインの線形動物門というのもあるわけですが、少なくとも今知られている限りは、…

  • 虫が巨大になれないのはなぜ…?

    前回は、デカい昆虫を見ていました。 幸いにして、写真を見るのすら躊躇われる閲覧注意なレベルのやつはおらず…… …と、まぁダイオウグソクなんちゃらというのは、拡大したら相当「これはヤバいか…?」と思えるレベルでしたけど、まぁアレは海の生物ですし、ちょうどエビの腹側を冷静に見たら「これ、下手したらヤバくない…?」と思えるのと同じで(っていうか、最近何度も「エビカニの類って、冷静に考えると結構ヤベっすよね」とか、「言わなけりゃ気付かなかったことを言うなよ」って話かもしれず誠に恐縮ですが、まぁでもエビは冷静に考えてもそこそこ可愛いのでセーフでしょう(笑))、生活していたらいきなりエンカウントするってわ…

  • 名前も大きさも、やっぱりドラゴンフライがナンバーワン!

    前回は尋常じゃない時間不足につき、大変中途半端な形で記事を終えてしまっていましたが(時間がないから当然、誤字脱字も多く、初稿アップから改訂までも時間が空いていたため、読み辛くお見苦しい拙文をご覧いただいた方には大変恐縮でした…まぁ校閲してもなお、ミスが残ってそうですけどね)、節足動物門という、もう足にフシがあるというその響きで何とも気持ち悪い気がするグループについて見始めており、よせばいいのにネタ不足から最大の節足動物について調査している感じでした。 幸いにして、最大の節足動物として名高いものは、キッショイ虫ではなく、節足動物門第二のグループといえる甲殻類から、日本近海の深海に生息するタカアシ…

  • 一番大きいヤツはどのぐらいかに…?

    「強い生物」でおなじみ、プラナリア・クマムシと来て、そいつらは特化能力があるだけで微生物レベルのザコだから、本当に強いやつは一体どんな動物なんだぞう?…という話から前回見ていた最強動物、なんと結論としてはライオンどころか人をも殺戮しまくる最強兵器生物はまさかの「蚊」とする記事も目にしていましたが、強権発動によりこんなやつに最強の称号は与えらんねーわ、ということで失格、見事地球上で最強を関するに相応しい動物は我らがゾウさんだったと、そんなしょうもない記事を書いていました(笑)。 ただ、そういえば陸上生物ばかりに目をつけていましたが、地球上で最大の動物はこれは有名なネタでどなたもご存知といえましょ…

  • 真の最強生物は…これだ!

    前回の記事では耐久力最強動物としてネタの宝庫といえるクマムシ大先生にご登場願った形でしたが、彼奴(きゃつ)は「熱・冷気・乾燥・真空・圧力・放射線」といったあらゆる状態変化に恐ろしいほどの防御力を発揮するということを見ていましたが、寿命が半年程度という情けない長さであるばかりか、体長は1ミリ程度と、指でプチっとしたら余裕でお亡くなりに……は、まぁそういえばかなりの高圧でも耐えるという話でしたから、もしかしたらあまりに小さくて上手く潰すのも難しいかもしれませんけど… (とはいえ、全身に一様にかかる空気圧と、物理的な接触により加わる力というのは異なりますから、普通にすり潰せばひとたまりもないと思いま…

  • こんな所にいた最強生物…!

    前回はまさかの突然ギョウチュウについて見ており、生物の進化の歴史でいえば、胚発生時に3胚葉に分化するという点からクラゲやサンゴ(代表的な2胚葉生物)よりも遥かに高等な生物で、消化管は口と肛門という別の穴を保有するようになったという点から愛らしいプラナリアなんかよりも圧倒的に進化している生物ともいえ、また脱皮できるという新しい性質を持っているという点ではイカやタコよりも複雑な仕組みを備えた生き物だといえる…なんてことが成り立つ、線形動物門に所属の動物であることに触れていた感じですね。 もちろん、流石に脱皮するというだけで脱皮しない動物よりも優れているとか高等であると言い切ることは全くできないんで…

  • やっぱり君も動物だったんだ…

    少しずつネタを消化しています動物の「門」シリーズ、最も原始的な動物といえるカイメン(胚葉=器官すら一切もたない)に始まり、少しずつ進化の歩を進め、多くのマイナーグループをすっ飛ばした結果、前回の記事では、とうとう誰もが余裕で実物を見たことがある動物、ミミズやイカ・タコといった、グニャグニャした動物にまでたどり着いていました。 脱線ネタとして、「水中生物はなぜか不快感や嫌悪感が小さい」なんてことも書いていましたけど、前回は生活圏の距離感の断絶に着目していたものの、もちろんそれ以外にも、やっぱり水の中の生物って陸上生物よりも不潔感が圧倒的に小さいのもある気がしますね。 前回はあまりにも時間がなくて…

  • グニャグニャグループ!

    そんなにじっくり見る価値があるわけでも、僕自身に語る知識があるわけでもないのにやたら粘っこく色々見ている動物の「門」シリーズ、時間不足ネタ不足も相変わらず悩ましいので今回も適当に話を見繕させていただこうと思いますが、前回はまさに脇役ネタ、もう名前も覚えていない、「せっかくできた消化管を退化させちゃった生物」グループ3種類ほどを見ていました。 例によって偉大なるウィッキー先生の門リストをお借りさせていただきますが、下の再掲表にある通り、無腸・菱形(…とリストには書かれているものの、「二胚」の方がメジャーっぽい呼び名のようです)・直泳動物門という、まぁ「腸がなくなった」「せっかくできた3胚葉が、減…

  • 進化に失敗した成れの果て…?

    前回の記事では、ダイエットのお供として有名なこともあったサナダムシについて見ていましたが、もちろん今でも諸説はあるものの、やはり主流な考えとしては、お腹にサナダさんを飼うのは危険性の方が高すぎて全く推奨されないダイエット法になっているのが現在の真摯な見方だと思われます…という話でした。 もちろん、お腹に寄生虫がいることで、自分が食べた分をムシがパクパクしてくれて多少のダイエット効果があるというのは、理論的にも実践的にも正しいんだとは思いますし、ウィ記事にもあった通り、サナダムシの最終宿主はヒトであるため、寄生虫ってのは宿主が死んだら自分も死ぬ運命にありますから、宿主を殺してしまっては本末転倒で…

  • サナダムシダイエットってどうなの…?

    前回の記事では、謎の再生力…を通り越して、最早不気味とまでいえる驚異の生命力(頭を切ったら頭が増える、頭を別の個体の切り口にくっつけたらそこも新しい頭になるなど…ヤバスギィ!(笑))を誇る、しかしそれでいて妙に可愛いプラナリアを紹介していました。 ちなみに前回書いていなかった点として、プラナリアは最も原始的と考えられる三胚葉生物(=高度な組織・器官をもつ生物)であり、脳があることでも有名なので、言い換えれば「この地球上で初めて脳を持った生物」とも考えられるわけですが、驚きの再生能力のみならず、脳まで持っているとは侮れない子にも思えるわけですけど… …しかしよく考えたら、脳を持っているのに、切り…

  • 切ったら増える、可愛いヤツ

    動物の分類=門のレベルの話を進めていく中で色々脱線ネタにも触れてきましたが、あとは各門グループが残るばかりですね。 ここまでで、ハッキリした器官をもたない無胚葉の海綿動物に始まり、それよりは多少まともだけどまだ2胚葉しか持たないクラゲ・サンゴの類がメインの刺胞動物、そして高等動物のほぼ全てがこの形態を取っているといえる3胚葉性のグループが「左右相称動物」と呼ばれることがあり、これは大きく分けて受精卵が分割していくことで生じる「穴」の、くぼみ始めた方が将来口になるか肛門になるかで旧口・新口動物という区別でのグループ分けもされる…という話をしていました。 https://ja.wikipedia.…

  • 最初の穴は、口なのか?

    旧口・新口動物という違いに触れていくつもりが、生殖様式として「出芽」可能なヒドラや、オスとメスの違いというか定義なんかについて触れていた前回でしたが、早速旧口・新口の違いについてという話に戻って参りましょう。 無駄にデカイ表ですし、もう不要な気もしますけど、動物界の門リストは改めて以下の通りで… https://ja.wikipedia.org/wiki/門_(分類学)#動物界より …3胚葉が存在する「左右相称動物」という分類の中には、旧口・新口とと呼ばれる「門」のひとつ上位分類が存在するという話でした。 この違いは何なのかという話ですが、あらゆる動物はたった1つの受精卵という細胞が分裂して増…

  • オスとメスの違いは…?

    前回は動物が左右対称であることからおもむろに思いついたネタ「寝るときのオススメの姿勢」なんかに触れていましたが、どうやら横向き、しかも左向きが健康維持には一番いいらしいというのが現在の最新医学的見地のようで、左寝好きの僕としては「いい情報が聞けましたわい」と気分が良くなったところでまた元ネタに戻ってまいりましょう。 まぁ元ネタといってもそれ自体脱線から生まれたチョイネタだったわけですが、生物の分類について色々と垣間見ており、五界説…だろうと六界説だろうとやはり常に主役だといえましょう、我々自身を含む動物界について、動物界を更に分けていくとどうなる?…という話で、「界」の次の区分である「門」を見…

  • 寝る姿勢はどんな形がベスト?

    引き続き、動物グループの最大分類である「門」について見ていきましょう。 …まぁ「門」と言いつつ、これまではその上位分類である「亜界」や「上門」が話のメインだったわけですが… (そもそもの「界」が動物全体を示す上位リストでしたが、「亜熱帯」などでおなじみ「亜」がつくと「欠けた」とか「低位の」という意味になるので、界>亜界>上門>門>亜門…となるわけですね) …前回は、2胚葉以下の進化的に古い原始動物を除く全ての動物(つまり、3胚葉性の動物)は左右相称動物というグループに分けられることもある、なんてことを見ていました。 よく考えたら、左右相称動物と3胚葉性動物は完全一致しているので、別にそんな名前…

  • 胚葉とは

    動物界の門、英語だとアニマルワールド・ゲートかと思いきや微妙に違う専門用語があって、キングダム・アニマリアのファイラム(Kingdom Animalia, Phylum)となりますけどまぁそんなどうでもいい用語はともかく、動物を最初に分けたらどう分けるかという門について、前回の記事から見始めていました。 門の分類は発生の仕方によって分けられており、まぁ発生の仕方は取りも直さずその生物の進化的な発達具合と切っても切れない縁がありますから、発生の仕方が単純なものほど進化的にも原始的なものに位置し見た目もキモくてザコいものが多いわけですけど(まぁ進化的にはかなり発達しているものでも、昆虫とかキモいや…

  • 最も古くさい動物は…

    生物分類についても少しずつ歩を進めている中での「門」シリーズ、前回は植物の門を見ていましたが、今回は満を持して、我らが動物の門を見てみるといたしましょう。 身内びいきといわれるかもしれませんが、やはり何事も気になること・知りたいことは自分に関連することであるので、動物界が一番沢山の門をもつ、しっかり詳しく分けられているグループに……と思いきや、日本語版には種類数が掲載されていなかったものの、英語版ウィ記事には数もしっかり明示されており、よく見たら動物界の門の数は40、これは今まで見てきた真核生物グループ中で最大ではあるんですけど、何と、細菌(バクテリア)界の門の数は41とのことで、動物より最近…

  • 植物も単純なようで捻じれている…?

    生物の分類という、正直これっぱかしも面白くも何ともない話ではあるものの数だけはやたら多いためネタには事欠かない内容でお茶を濁し続けている昨今ですが、前回は微生物(まぁ菌は、酵母とかカビなんかは微生物の一種にも思えますけど、キノコもいるし一概に微生物とはいえないものの)の門(phyrus)一覧を見ていました。 まぁ「見る」といっても英語版のリストを訳しただけでしたけど(笑)、微生物の分類とか世界で一番どうでもいいことのひとつなのであれはあれとして、せっかくなのでもうちょいおなじみといえる、我らが動植物の門についてちょっくら見ていくといたしましょう。 まぁ前回は微生物を見ていたので、下等…というと…

  • 門も色々……下等生物の一覧!

    前回は生物分類の「界」について、ややこしいミドリムシの話なんかも見ながら、「あくまで恣意的な分類なので、ハッキリしないものも中にはいるんですね」などと書くことで、最上位グループの「界=キングダム」については見終えていました。 次の階層は「門」、英語だと「ゲート」ではなく専門用語の「phyrus(ファイラス)」が用いられますが、生物をざっくり動物やら植物に分けた後の、次のレベルのグループですね。 まぁこんなのはウィッキー先生のリストを見ればそれで終わりなわけですけど… ja.wikipedia.org …なんと、日本語版には、真核生物4種類の内、下等と言える2界、菌と原生生物の一覧が空欄で、「こ…

  • 結局コイツは動物かい、植物かい?どっちなんだい?

    突如として脱線し始めた生物の分類シリーズ、大きなグループから少しずつより細かい区分けに移行しており、とはいえまだ事実上一番上の分類と言える「界」まで見た所で、前回は五界説や六界説という現在主流で考えられている主張を見ていました。 多少のアレンジというかマイナーな分け方はある感じでしたけど、改めておさらいしておきますと、基本的には現在の生命科学(生化学・代謝学・遺伝学・分子生物学・進化学など様々な要因を総合して)の知識では、やはりまず大きく分けて、 「細胞の中で遺伝子DNAを格納している核に膜があるかないか」 の点で一番大きく「原核生物・真核生物」の2ドメインに大別され、(まぁ原核生物は、ドメイ…

  • 動物と植物と……何だコイツ?!

    前回の記事では「対決!みんな集めて重さ勝負」を、生物分類の最上級クラス「界(kingdom)」の各グループで見ていたわけですが、結果はまさかの、どう考えても地球の覇者と呼ぶに相応しい我々人間を代表とする動物界(Animalia)のマス(重量)は断トツ最下位という、「代表面しているのは、自分だけであった…」という大変恥ずかしい話を繰り広げていました。 …いや別に重ければ代表って訳でもないし、そもそも「誰も動物が覇者とか地球の代表とかそんなこと思ってなくない?」って話だったかもしれませんが(笑)、まぁ勝ち負けはともかく、人間の総重量は、まさかのウイルスの総重量よりも小さい(人間0.06ギガトンに対…

  • この世で最も重い連中は、動物?植物?それとも微生物…?

    シリーズ生物分類学、前回は全生物を最も大きく分けた時のグループである「ドメイン」について、一番聞き慣れない古細菌というものをメインにごく簡単に触れていました。 改めて、最も一般的な分け方である三大ドメインとして挙げられるのは、「細菌・古細菌・真核生物」であり、まぁ個人的には正直、 「細菌も古細菌も、どっちも核に膜のない原始的なクソザコ生物だから、そんなのわざわざ分けずに『原核生物・真核生物』の二大ドメインでもよくない? …っていうかそれ以上に核の膜とか知らんし、『ヒト・それ以外』の2グループでもいいじゃん」 …なんて思えますけど(笑)、まぁ分子レベルで生物を研究する場合、やっぱり「ヒト・それ以…

  • 古いけど古くない、我らがご先祖様!

    前回の記事では、「哺乳類はX(ばってん)、正式には、哺乳綱と呼ぶのが正しいのです」という分類学豆知識を披露していましたが、まぁ日常生活で「ヒトは哺乳綱だからさぁ…」とか言うのはマジでキショすぎるだけなので、普段は知識をひけらかしたい気分をグッとこらえて「哺乳類」と呼ぶようにしましょう、という大変有用なアドバイスなんかもさせていただいていました。 (言う程そんなアドバイスしてませんでしたし、そもそも日常会話で「哺乳類がどうこう」言ってる時点で何かキモイので(笑)、そんな話してる時点で詰んでます、って方がより適切なアドバイスかもしれませんけどね(笑)。) そして、分類学関連の話へと脱線していくため…

  • ルイではなく…コウ!

    ここ最近は生物の「学名」から唐突に始まった「分類学シリーズ」として、関連ネタを進めている感じです。 「『哺乳類』は、分類学の父・リンネさんの打ち立てた分け方だと、実は正しくない呼び方になっているのです」 …などと書いて、正解には触れずもったいぶっていましたが、とりあえず正解の前に、分類学の祖でいらっしゃる我らが大リンネさんについて、こないだから全く触れずにいきなり「リンネさんがさぁ…」とか書いていたのが気になっていたこともあり、まずはそこから参りましょう。 中学では習わなかった気もしますけど、分類学に触れる高校生物では間違いなく登場してきていたのがこちら、改めて、生物分類学の礎を築き上げ、自身…

  • 分類しよう!

    またまた気まぐれに脱線しているシリーズに入っていますが、ふと触れてみた「シー・エレガンス」というゴージャスな名前(の割にただのミミズ(笑))の生物から、前回はおなじみの動物の学名(ヒト=ホモ・サピエンスみたいな、分類学で定められた、生物種特有の名前ですね)をちょろっと垣間見ていました。 まぁ時間がなかったのでほとんど触れませんでしたけど(レッサーパンダなんかは触れていましたが)、「おなじみの動物」として参考にしていた人気動物ランキング、あれも結構意外というか、個人的な印象とは全然違って面白かったです。 せっかくなので、記事水増しを兼ねて、学名と英語名とゲノム解読年…だけだと何の新しさもないので…

  • カニス・フェリス……賢い呼び名も知ってみよう

    前回は、染色体形成に働くタンパク質分子(団)、コンデンシンの説明画像にたまたま線虫のみに見られる構造も掲載されていたことから脱線ネタで逸れてみた、生命科学を大きく発展させたスーパーモデル生物、「シー・エレガンス」について触れていました。 元々、「シー・エレガンスは、全ゲノム配列が判明している、数少ない動物のひとつなんですね(もちろん初めて全DNAが解明された、最初の種でもある)」という切り口で話を始めようと思っていたんですけど、「全遺伝子DNAの配列が完全に解明された生物のリスト」を見てみたところ、地味にめちゃくちゃ大量に存在していて、僕は配列解析が専門でもないので全然アップデートできてません…

  • エレガンス!

    ここ最近の記事では、ふと気になったので調べてみていた巨大分子について、人工的に合成された物では何と分子量=分子の体重(分子1モル個の重さ)が2億という凄まじいPG5というものから、天然に存在する一品モノ(=より小さな構成単位が繰り返しつながったようなものではないモノ)ですと、マイトトキシンという毒素が分子量3422と、億と比べると随分小さいわけですが実際最も大きい分子だと、そんな話をしていました。 まぁそもそも本当に、書いている僕本人が「割とどうでもいいな」と思ってるしょうもなさすぎるネタなんですけど、別に「ひとつながりのもの」なら、高層ビルの外壁とかの方が遥かにデカいじゃん、って話なんですけ…

  • これも大きいよ、PG5にシガテラ毒素!

    前回は、「分子って結局何だよ」って話から、「この世で一番大きい分子は何だろう」という疑問について考え、現状、あらゆる生物の中で最も大きなDNAを持っていると思われる、キヌガサソウなる白い花のオシャレなやつを紹介していました。 とはいえDNAは、A, C, G, Tという4種類の塩基が繰り返しつながっただけで(概算ですが、キヌガサソウの染色体は、40億個の塩基が結合した、ひとつながりの分子だと思われます)、「何かそんなのズルいっていうか、より小さいものがつながっただけで、そんなのは王者と認めたくないね」と思えるような気がするかもしれません。 まぁそもそも「一番大きい分子」とかクソほどどうでもいい…

  • 一番でっかい分子は何?

    前回の記事では、DNAが染色体構造を取るときに働くタンパク質(正確には、複数のタンパク質分子が集まってできた、「タンパク質複合体」ですが)「コンデンシン」と呼ばれるものを、ごくごくサワリのみ、むしろタンパク質分子というものが実際どういうものなのかを、またまたあの謎のリボンモデルと絡めて見ていた感じでした。 これに関して、ちょっと補足というか脱線で広げられそうなネタを思いついたため、今回はそちらに触れてみようと思います。 そのネタに逸れるために、前回も貼った5つのタンパク質分子が描かれたイラストを再度貼らせていただきましょう。 https://ja.wikipedia.org/wiki/コンデン…

  • コンデンス!

    おもむろに見始めていました、遺伝子DNAの乗り物といえる染色体について少し深掘りしていくシリーズ、前回は、何千万・何億という塩基がつながってできたクソ長分子DNAは、実は普段はそこまでギュッと凝縮されているわけではないけれど、分裂期になると例のX字型の染色体が形成されるのです…なんて話とともに、実際に細胞が分裂する時に染色体が2つの細胞に分配される様子を収めた動画なんかもペタリと貼っていました。 …って、「遺伝子DNAの乗り物といえる染色体」という記述ですが、まぁこれはそういう風に書かれることもあるとは思いますけど、一応DNAが「ヒストン」というボビンのような巻き取りタンパク質に乗っているとも…

  • 分裂を見てみよう!

    前回は過去イチレベルで時間がなく、何とも中途半端な形と言いますか、「分裂しよう」という記事タイトルのくせに別に分裂のぶの字にも入っていなかった…という体たらくでしたが、染色体形成の話から、当然そこに入らざるを得ないといえる「細胞分裂」の続きに参りましょう。 …というか死ぬほどどうでもいい点ですが、大体前回の記事で、更新した時点で1600文字ちょっとだったんですけど、その分量を最後アップ予定時刻直前の20分弱で書いていた形でしたから、僕の場合かなり急ぐと1時間で5000字ぐらい書ける感じで、もちろん常に全速力で書き続けられるわけでもないですし推敲も含めたらもうちょい生産量は下がりますけど、まぁ大…

  • 分裂しよう!

    前回の記事では……正直一体何を語っていたのかよぉ分からない内容でしたが(笑)、DNAが合成される様子(まぁ「DNAの合成」と書くと、何というか何もない所からDNAが作り出されるという印象を持たれるかもしれないものの、ヌクレオチドという構成単位が1つずつつながった分子であるDNAは、「1塩基ずつ伸ばしていく」という、伸長反応に他なりません)を、あまり細かすぎる話には触れず、しかし一応分子(原子)レベルでどんな結合が生じることで行われているものなのか、ということについて、少々詳し目に触れていた感じでした。 まぁ、具体的には、各ヌクレオチド(=DNAの場合、A, C, G, Tの4種類)の持つ、5角…

  • 詳しい仕組みはややこしい…でもそれが生命の神秘!

    そういえば時間もなかったので触れていませんでしたが、ついに先日の日曜日(=3月第2日曜)から暗黒の冬時間は終わりを告げ、明るく楽しくみんな大好きなサマータイムがやってきました! そんなわけで日米の時差はまたまた13時間に縮まり、とはいえ無駄に時間のない日々が続いているので、「日本時間13時更新のままにすることで、更新時間=〆切を1時間遅らせようかな…」とも思ったのですが、まぁアメリカ時間で今ぐらいのタイミングが一番都合いい感じなので、日本時間ではまた、夏時間のあいだはお昼12時更新にしようかなぁと思っています。 …あまりにも時間がなくて間に合わなかったらこっそり13時とかになる記事もあるかもし…

  • どうやってつながるの…?

    前回の記事では、生命の本質といえるDNAについて、細胞の中では染色体と呼ばれる構造を(主にヒストンと一緒に)形成しており、こいつは教科書でよく見る「X」字型の物体なわけですが、より細かく見ていけば、ヌクレオソームと呼ばれる「ヒストンに巻き付いたDNA」という構成単位がギュッと詰まったものから形成されており、そもそもその超長いヒモのようなDNA分子というのは、「ヌクレオチド」とか「塩基」とか呼ばれる4種類の分子(正確には、「ヌクレオチド=塩基+糖+リン酸」という関係になるわけですが、糖とリン酸は4種類の構成分子全てで共通なので、DNAの構成因子1つずつを数える際は、しばしば「1塩基、2塩基…」な…

  • 改めて、DNAやら遺伝子やら染色体やらについてなるべく分かりやすく…

    おもむろに見始めていたDNAの構造全般の話…主に、細胞内においてメチャ長分子であるDNAをコンパクトにまとめている「ヒストン」というタンパク質と絡めて、少し細かい話に入っている形ですね。 まぁ僕自身の研究対象そのものズバリ…ってわけではないのですが、一応広い意味では自分の専門に近い話なので、得意気に早口で言ってそうな感じでくっちゃべってるわけですけど、内容としては高校生物ではそこまで詳しく触れることはないと思うので、大学教養レベルのお話になっている感じかな、と思います。 別に自虐するわけじゃないですけど、物理や数学の大学教養レベルの話は高校の学習内容を知っていないと絶対に理解できないわけですが…

  • そもそもヒストンとはどういう意味なんだろう?

    前回から、DNAの沈殿(エタ沈)に端を発し、「DNAは別に塩水で溶けやすくなるわけではないと思うけど、めちゃくちゃギュッと締った強固な構造体はほどけやすくなる」という話から触れる必要のあった「ヒストン」についての話に触れていました。 まぁ元々一連のDNA・染色体の話でその内触れようと思っていたのでちょうど良かったという感じではありますが、結局ヒストンというのは、DNAをグルグル巻きしてコンパクトな形に収めるためのよく出来た機械みたいなもので…… …また軽く前回のおさらいからしておきますと、ヒストンのコアの部分はヒストンオクタマー(八量体)と言われる、8つの分子がくっついてできたもので、僕はヒス…

  • ヒストン!

    前回はDNA抽出実験における塩の役割について一人で勝手にお気持ちを表明していましたが、「塩水の方がDNAは溶けやすい」というちょっと不適切さを感じる記述において、「塩水の方がDNAは自由になる」という意味ならそれは正しいですね…などと言い、それに関して、細胞の中でDNAがグルグルと巻きついてくっついている相棒的な分子、ヒストンというものに軽く触れていました。 まぁ、ヒストンについては、染色体について触れていた時にちょこっとだけ述べていたことはあったわけですが… con-cats.hatenablog.com con-cats.hatenablog.com …普通に今回書こうと思っていた内容が、…

  • 塩の本当の役割は…?

    DNAを沈殿させるためのとても便利な手段・エタノール沈殿について、誰にも聞かれていない細かな豆知識的なものをツラツラと書き連ねていました。 前回は関連して、「エタノールより遥かに比誘電率が低かった酢酸は、DNAの沈殿には使われないものの、兄弟分子であるTCAがタンパク質の濃縮に使われている」といったことを見ていましたが…… …こないだもそんなことを書いてましたけど、沈殿させるというのは結局、基本的には「濃縮」したいというのがその意図であることが多い実験操作であり、固体として沈殿させて、液体を除いて、より少ない液体で懸濁する(結果として濃縮できる)という、そんな話なわけですね。 DNAの濃縮は、…

  • お酢の意外な性質

    水に溶けたDNAを目に見える形に抽出する手法・エタノール沈殿について、ポイントは塩と酒(アルコール)を加えるという点にあるわけですが、そこで使う物質は結構色々なものがあります…なんてことをここ何回かの記事で見ており…… とはいえ前回の記事では、使われることのない物質として、一応アルコールの始まり化合物(炭素1つから成るアルコール)といえるメタノールなんかを挙げて、 「毒性はもちろん、比誘電率が高いので、電気の偏りをなくすのが目的のアルコール沈殿では、効果の弱い雑魚なのです」 なんてことに触れていました。 誘電率について、前回ももうちょい触れようと思っていたけれど時間もなく触れていなかった点に関…

  • なぜメタ沈はないんだろう…?

    ザ・細かすぎて面白くないエタ沈シリーズを続けていますが、ネタ不足・時間不足に悩む日々が続いているため、使えそうなものは使っていこうの貧乏性精神のもと、細かすぎるネタを続けさせていただきましょう。 水に溶けたDNAを目に見える白いカタマリにして沈めてやるというエタ沈ですが、大まかな原理としては塩析と呼ばれるものであり、DNA水溶液に塩を加えて水への溶けやすさを減らしてやり、更にそこに追い打ちをかけるようにアルコールを加えることでDNAを析出する……という話だったわけですが、ここで使われる塩にはいくつか種類があります…なんてことをここ数回の記事で見ていました。 まぁ前回グラフなんかも見ていた通り、…

  • 優秀な酢酸、無能なアンモニア

    ここ何回かの記事では、水に溶けているDNAを目に見えるカタマリとして沈殿させる手法・エタノール沈殿(通称エタ沈)について見ている感じです。 まぁ今さらですけど、エタ沈ってのは何のためにやられるのかと言いますと、これは別にDNAを可視化して「これがDNAなんだよ、凄いっしょ?」とかマウントを取るためなどではなく、簡単に言えば「精製と濃縮」を意図したものだといえましょう。 例えば細胞を1ミリリットルの溶液に溶かして、そこから染色体DNAを取り出した場合、得られたDNAは1ミリリットルという(分子生物学レベルでは)結構な量の液体に溶けた状態で存在している形になるわけですが… 実験によってはそんな大き…

  • 塩も色々、アルコールも色々

    前回の記事から久々に途中保留状態だったネタに戻っており、生命科学実験で汎用されるDNA精製手法「フェノクロ・エタ沈」の補足という、物理学的な小ネタよりよっぽど面白くも何ともない話をしていました。 とはいえ、何気に僕自身も知らなかった話が目に付いたので、備忘録も兼ねて細かすぎるエタ沈ネタを続けさせていただきましょう。 前回のラストで、羊土社による「核酸実験法」の解説記事を引用していたわけですが… www.yodosha.co.jp …エタ沈というものは水に溶けているDNAを固体として目に見える沈殿として析出してやる手法なわけですけど、これは塩析と呼ばれる、結局電気の力で上手いこと沈めてやるもので…

  • 塩とアルコールは順番も大事

    ひたすら脱線に脱線を重ねて何記事もネタ出しを助けてくれた物理小話シリーズも、ここ最近の面白錯覚画像でついに在庫が尽きてしまいました。 もう一回ぐらい有名所の錯覚ネタに触れてお茶を濁そうかとも思ったのですが、まぁあまりにもワンパターンなのでやめておきましょう。 そんなわけでようやく途中状態だったネタへと戻っていく形になるわけですけど、最早何の話でどこに戻るのかも定かではないほど前のことになりますが、DNAをキレイに精製するための生化学実験で汎用される手法、「フェノクロ・エタ沈」についての話でしたね。 con-cats.hatenablog.com 遠心ネタに端を発し、物理系の話に逸れたままちょう…

  • やっぱりこれが一番スゴイ!うねうね~

    前回の記事では有名な錯視画像・動画をお借りして、実際はどうなってるのかを検証してみるという、実質ただ面白錯視ネタをお借りしただけの省エネ記事でしたが、味をしめてもう一回だけ、「有名な錯視ネタ、これは凄い!」というだけの小学生レベルの記事を拵えてみようと思います。 前回、Quoraともう一つの錯視まとめ記事(錯視(錯視画像まとめ) ITカウンセリングLab)をお借りしていたのですが、そこにあったもので「これも面白い、不思議!」と思えた中に検証が簡単なものがあった(前回一緒に取り上げるつもりが、忘れていました)ので、まずそちらからお借りしましょう。 …と、それは「ポゲンドルフ錯視」というものな…

  • 錯視画像を検証してみよう

    ここ最近の記事で「面白い錯視画像」を紹介していた形でしたが、錯視画像と言えばずーっと前、「光」について見ていたシリーズ記事で、例のこないだ見ていたドレスの色の話と同じような、チェッカーシャドー錯視という、これまたネットで極めて有名な、緑のポールがグレート白っぽい市松模様のタイルの上に立っていて、AとBのマスの色が同じ…というものを見たことがあったわけですが(この記事ですね(↓)。サムネは別の画像を使っていたものの…)… con-cats.hatenablog.com ちょうどこの記事でも、カラーピックすることで「2つのマスの色が完全に同じである」ことを示していました。 今回、もうちょい面白い錯…

  • 色が消えてしまう…!スゴくて楽しい錯視画像

    前回の記事(↓)では、「青黒・白金ドレス問題」という、ちょっと前に世界中で話題になっていた大論争を分かりやすく示してくれている画像を紹介していましたが…… con-cats.hatenablog.com …小さなサムネイル画像でも分かる通り…というか全く同じには見えないように、この論争が巻き起こった原因として、「明るい光の中の青黒」と「暗みがかった影の中での白金」が、人間の目には全く別物に見えてしまうという錯覚・錯視の一種が一枚噛んでいたようだ…という感じですね。 (というか、説明を見てもなお、オリジナル画像が白と金にはどうしても見えませんけどね笑 ちなみに実際の、現実のドレス現物そのものは、…

  • ドレスの謎がついに解けた…!

    前々回、そして前回までの記事(↓)で、「鏡が左右にだけ反転するのはなぜなのか?」という疑問について、僕なりの考え(という程でもなく、そこそこ多くの方が似たような考えを持っている感じでしたが)をまとめていましたが…… con-cats.hatenablog.com …最後の〆に「鏡についてはこのぐらいですね」とか書いていましたけど、次のネタへ行く前に最後の最後のまとめだけしておきますと…… 僕の説明は、実は「鏡はなぜ物体を反転して映すのか?」については何の説明も加えておらず、単純に、 「前後か上下左右か何か知らんけど、鏡というものは何かが入れ替わるものであり、その入れ替わり方は、『自分がそうなる…

  • 鏡は前後を入れ替えてるだけなんだろうか…?

    前回の記事では、「鏡はなぜ左右だけ反転するのか?」という点について、個人的にはそこそこ分かりやすく、また納得もいく気のする説明、「左右反転するように映したんだから、左右反転しますよね」(ダイソーの店員が言うように(笑)(参考:↓))という話を書いていましたが…… dic.nicovideo.jp …まぁこの有名ネタは、色々な人が考察を積み重ねているもので、かの日本史上最高の物理学者の一人・朝永さんは「決定的な結論には至らなかった」と書いていた気もするこの難問も、何だかんだ各人が納得できる、それっぽい説明というものはされているものと言える気もします。 匿名質問に識者が回答をつける知恵の泉サイト・…

  • なぜ鏡は左右だけを反対にするの?

    引き続き、自分の専門分野でもなければ得意分野でも何でもない「物理学」の面白小ネタについて、また1つ脱線話を見繕ってみようかと思います。 これはそもそも、↓の「分子・原子」を見ていた一連のシリーズ記事で、「素粒子」について見ていた時に脱線しようかな…と思いつつ…… con-cats.hatenablog.com …あまりにも無関係すぎたのでこの時はやめておいたネタなのですが、何かといいますとズバリ、記事タイトルにもしました「鏡」についての話! なぜこの記事で鏡に脱線しようかと思ったかといいますと、この記事で素粒子・光子の同一性に関する非常に分かりやすい説明としてお借りしたのが、1965年にノーベ…

  • 斜めの部屋がイイ!

    身近で面白い物理現象なんかをおもむろに見始めていたシリーズですが、一つまたチョイネタとして浮かんだものがありましたので、慢性的なネタ不足時間不足が悩み所な現状、藁にも縋る思いで今回はそちらに触れることでお茶を濁してみようかなと思います。 元ネタとしては、こないだ遠心力の話で、振り子運動をするトンデミーナという富士急のアトラクションでかかる「G」を計算しながら… con-cats.hatenablog.com …最高速度では7Gに及ぶ重力がかかるということで(当初計算ミスにより13Gだと思っていたわけですが)、「精神と時の部屋を実感できるアトラクションといえますね!」などと書いていたことに話は遡…

  • トイレの渦は逆になるのか…?

    前回の記事では、脱線ネタとして「コリオリの力」を取り上げていました。 その冒頭で、「一つ真偽の怪しげなネタを…」というようなことを書いていたのですが、その「真偽が怪しい」のは前回話に出していた偏西風(からの、飛行機の移動速度違い)では決してなく、時間が足らずに辿り着くことができなった今回のネタだったのでした。 そう、「コリオリの力」って、正直偏西風うんぬんでは別にあんまり聞くこともなく(これも前回書いていた通り、偏西風にはもっと地球全体の気圧配置・大気の循環的な、その他の要因も関わってくるので)、一番よく目にするのは、「トイレの渦」という話なんですよね。 まぁトイレに限らず、お風呂とか洗面台と…

  • 行きと帰り、どっちが楽?

    前回は、「生きてるヒヨコをすり潰すと、何がなくなる?」とかいう、「そんなことするオメェの『人の心』が一番ねぇよ」と思えるしょうもない哲学的問答を紹介していました。 遠心機の遠心力に端を発するこの辺の「気になる話・有名な問答」に触れている形ですが、今回もその遠心力、より大きい区分で慣性の力と呼ばれるもので、また一つ真偽の怪しげなネタを、慣性力について参照させてもらった「わかりやすい高校物理の部屋」を見ている際に思いついたので、今回まずはそのネタを使わせていただきましょう。 「わかりやすい高校物理の部屋」の、「力学」の章の最後を飾るこちら、コリオリの力! wakariyasui.sakura.ne…

  • ヒヨコをすり潰したら…

    「鳥かごの中の鳥の重さ」問題について、一通り個人的に昔気になった点については触れてみた感じでしたが、まぁ何というか、今さらそんなこと書くのも何ですけど、こういう思考実験みたいな話、僕はそこそこ面白いとは思えるんですけど、圧倒的大多数の方には恐らく、 「うん、死ぬほどどうでもいい。つまんない…とまではいわないけど、面白くはあんまりないかな」 …と思われる話なんだろうなぁ、と思えるといいますか、多分、僕が車とかジェットエンジンとかそういう男の子の目が輝きそうな話を聞いても全然気分が盛り上がらないのと全く同じ感情になる人が多数なのであろうことを考えると、一応婚活自己紹介ブログというお題目でやってるも…

  • 逃げ道があれば軽くなる

    それでは前回やや途中状態で終わってしまっていた「鳥かごの中の鳥の重さ」問題について、もうちょい気になる点を深追いしていこうかと思います。 「秤の上に置いた密閉した箱の中に、鳥が一羽、地面の上で羽根を休めている。 この鳥が地面(箱の底面)から飛び立って空中で完全に静止していたら、秤が示す重さはどうなるだろう?」 という有名な問いかけで、これは一瞬、 「そりゃあ鳥の分減るんじゃないの?だって鳥は箱から離れて浮いてるんだから、重さがかかるわけなくない? …あれ、でもそうすると、鳥の重さはこの世のどこに消えたことになるんだ…??」 みたいに思えるわけですが、この考え方は根本から間違っていまして、鳥が浮…

  • 鳥かごの鳥が羽ばたくと…

    遠心力に端を発した面白物理問題ネタ、エレベータージャンプに続き、車内に浮かぶ風船の動きなんかをここ最近の記事では見ていたわけですが、ちょっと欲を出してもう少しだけ、関連する話としてふと頭に浮かんだ、(もうあんまり本題の遠心力とは関係ないけれど)非常によく話題に上がりがちな初等物理クイズネタを続けてみようかと思います。 今回の話もシチュエーション自体は単純明快で、でも物理・力学の考え方を通して見ないとどうなるかが自信をもって中々いえない内容になっていまして、それがズバリ、「鳥かごの中の鳥の重さ」ってやつですね…! まぁ簡単に書けば、 「箱の中に鳥を入れる(箱は完全密閉されている)。その箱の重さを…

  • 風船はどちらへ動く?

    前回の記事では、遠心力から派生して、慣性の力について触れていましたが… (あんまり慣性という程でもなく、単に相対速度の話だったかもしれませんけど… (=時速200 kmで走る電車の屋根の上に立っている人は、そのままトンネルの壁に激突したら時速200 kmで叩きつけられるけど、逆方向に時速20 kmで全力疾走しても、平地に立ってる静止した人から見たら時速180 kmで電車の進行方向に移動していることになるため、結局時速180 kmで叩きつけられる、ということ。水平方向の移動を垂直方向に変えれば、墜落するエレベーターと同じ話) …まぁ激突の瞬間に「ジャンプする」ことを考えたら、「慣性の力が働くので…

  • エレベーターが墜落する瞬間にジャンプすれば助かるのか…?

    フェノクロ・エタ沈といった生命科学系実験でよく使われる遠心機の話から脱線した「回転・遠心」の話を終え、また途中状態だった所へ戻っていこうと思っていたのですが…… 例によって時間不足から来るネタ不足は慢性的なものであり、何か簡単に見れる脱線ネタはもうちょいないかな、と悪あがきで「遠心」について検索してみました所、以前気圧やら水圧やらといった圧力の話のときにお世話になりました、「わかりやすい高校物理の部屋」がまたまたトップにヒットしてきました(↓)。 ちょっとでもネタが増えてくれればありがたいことこの上ないので、今回はこちらからネタを捻り出させていただこうかな、と思います。 wakariyasui…

  • 世界一速く回るものは?

    まず訂正から入りたいのですが、前々回の記事で見ていた回転アトラクション「トンデミーナ」でかかる遠心力(G)について、大きなミスを見つけてしまいました。 前回の記事を書いた時点でも気付かずそのまま「重力の13倍以上!」と書いてしまっていたものの、再読しているときに「いや待てよ、13Gって、そこまでかかるか…?!」と思い冷静に計算式を見直してみたら、トンデミーナのアームの長さは25メートルと公式に掲載されていたわけですけれども、ぬわぁんと! 普通に考えて、これはアームの全長であり、中心の軸から左に12.5メートル、右に12.5メートル伸びていると考えるのが当然でしたから、遠心力を考える上で必要な「…

  • 体重はどこで測るのがオススメ?

    遠心ネタで無駄に脱線を続けており、前回は遊園地のアトラクションでかかる「G」なんかを見ていました(我らが富士急ハイランドにある「トンデミーナ」の最高速でかかるGは、重力の13倍以上!)。 いきなり何のこっちゃという話でしたが、何気に遠心機とかいうワケ分からんものより、もっと身近なものでしかも体感できるものなので(トンデミーナに乗ったことがなくても、まぁ似たような回転アトラクションを想像すればイメージできる話ですしね)、むしろより面白いネタだったかもしれませんね(笑)。 というかそもそも「遠心力ってなんだよ」って話だったかもしれないですが、これはまぁ言うまでもなく、物体が回転したときに、回転の中…

  • トンデミーナでかかる重力は…?

    ここ何回かの記事で、分速15万回転という凄まじい高速遠心機など、回る機械について色々と見ていました。 今回脱線ネタの本題は、記事タイトルにもした通り、「果たして世界一速く回るものは何で、どれぐらいの速さか?」というものなのですが、その前にもう少しせっかくだから触れておこうと思った遠心機の話があったので、まずはそこから軽く補足で見てみようかなと思います。 (※一通り書き終えた後の後記:結局、この脱線補足ネタがそこそこの長さになったので、毎回クドすぎますがちょっと時間のなさすぎる日が続いていることもあって、今回はタイトルも変更し、こちらのネタに触れるだけとさせていただきました。 なら↑の記述も直せ…

  • 1秒で2500回まわると…?

    前回の記事では、遠心機のローターには大きく分けて2種類、アングルローターとスイングローターというものがあり、機械的にはアングルローターの方が高速回転させるのも当然余裕ではあるものの、実験の都合で、「超遠心」と呼ばれるクソ速回転で走らせる遠心分離は、スイングローターで行われることもままあるのです…… …的な話から、超高速回転可能な遠心機、現在の世界ナンバーワンはどんなマシーンでどんなスピードなんだろう?と疑問に思って調べた結果、日本の企業であるhimac社… (なお、名前は寡聞にして存じ上げませんでしたが、どうやら生命科学研究をしている人なら100%全員知っている超有名企業・エッペンドルフ社と統…

  • 使ってみたい!超高速回転ローター!!

    色々なネタを提供してくれた遠心機についても、一通り触れようと思っていた話題に触れ終えていた感じでした。 (まぁ、「一通り」と言いつつ、バランスの話を無駄に何回もグダグダと語っていただけでしたけど(笑)) そんなわけで脱線元のフェノクロ・エタ沈の補足に戻っていこうと思ったのですが、前回の記事でローターの画像を貼った際に、せっかくならローターに関してもうちょい触れてみるのもいいかな…と、時間不足ネタ不足が深刻なあまり、また記事水増し的なスケベ心を出してしまった次第になります(↓)。 そもそも何の説明もなく使い始めていた「ローター」というのは何なのかですが、これはまぁ、「rotor」で、「ローテーシ…

  • ローター問題の答

    前回の記事では、遠心機・チューブバランス問題として、一般的にどういう状況なら釣り合いの取れた形で遠心機を回すことができるのか?…という点に、入りかけた所で終わっていました。 例えば24穴(ウェル)ローターの場合、1本あるいは23本を配置することは不可能ですがそれ以外の全ての本数でバランスが取れる一方、10ウェルローターなんかの場合(まぁそんなローターまずないと思いますけど(笑))、これもまぁ偶数穴だけあってそこそこの本数はカバーしているものの(2, 4, 5, 6, 8, 10本でした)、2と5を組み合わせて出来そうな「7本」をバランスよく配置することは不可能という、結構面白い感じになっている…

  • 案外奥の深かったバランス問題

    回転するローターの穴(ウェル)にチューブを入れることで使う高速遠心分離機が、安定して回ることが可能となっているかどうかという、「バランス(釣り合い)を取る」話について、引っ張るほどのネタでも何でもないのですがここ何回か見ており、前回は最も一般的といえる24ウェルの遠心機について、具体的な配置(というか、「僕が普段どういう風にチューブを入れているか」という、世界で一番要らない情報(笑))を見ていました。 まぁ24ウェルローターは、1本(と、「空が1穴だけ」という23本)のみバランス取りが不可能で、後は全部チューブの追加なしでバランスが取れるという神設計という話だったわけですけれども、中途半端に全…

  • 本当に釣り合ってるのかよ?!

    前回は非常に一般的な高速遠心機である24ウェルローターで、チューブをバランスよく配置する(遠心力が完全に打ち消し合う形になって、安全に回せる形)パターンを見ていました。 結構意外なことに、24ウェルローターというのは、2と3を約数にもつ数字の強みで、1本のみ、あるいは1穴だけ空きの23本以外の全ての本数で、バランスよく配置可能なパターンが存在するという話でした。 これに関して、前回まとめ画像をお借りした掲示板サイトRedditの他のスレッドに、「My lab hobby(研究室での遊び):見た目はメチャクチャだけど、実はバランスの取れた遠心機の構成を作ること。これが最高傑作の1つ!」というタイ…

  • ナイスなナンバー、24!

    前回、「バランスは取れているの…?」というタイトルの記事にしていましたが、これは実は今回触れるネタの方がより適切な感じで、チビタンの話ではバランスが取れてるか不明な感じなんてなかったのに、そこまで話が届かなかった(でもタイトルはもうつけていて変える暇もなかった)、って形でした。 (※全体を書き終えた後の追記:結局今回もその話には到達しませんでした(笑)。逆に、次回がそのネタになる感じですね。) まぁあまりにもどうでもいい点なので気にせずそのまま進めますと、チビタン(卓上小型簡易遠心機)のローターは6穴(6ウェル)が便利で、8ウェルローターの場合、3本回したいときに同じ重さのチューブを別途用意し…

  • バランスは取れているの…?

    前回の記事では遠心機の話に脱線していましたが、予告通り、今回もまた遠心機に関してちょっとした小ネタを挟んでみようかと思います。 ちょうどその話に持っていくのに都合が良いので、前回紹介していたチビタンから再開してみますと、小型卓上遠心機であるチビタンの特徴というか設計として、 「1.5 mLのエッペンチューブを6本入れられる「ローター」がついていることが多いですけど(8本とかのこともありますが)…」 …などということを書いていました。 前回のモノタロウのページでは実物の画像(ローターの様子)が分かりにくかったので、もっと分かりやすく写っている、よくあるタイプのチビタンの画像を借りつつ話を広げてみ…

  • チビタン!

    色々な話題に触れられて非常に助かっております「フェノクロ・エタ沈」ネタ、前回はクッソ偉そうに、「大学生は無能、研究を進める上ではお荷物で役立たずの、ゴミカスのような存在」などという暴言(そこまでは言ってなかったし、実際全く思ってはいませんが(笑))とともに、生命科学実験の基礎知識と具体的な実践法について、他ではあまり触れられていない実験の原理についてもまとめられており非常に体系的に学ぶことができる硬派な本『モレキュラー・クローニング』という書籍は大変オススメです… (なお、THE CELL(正式には「Molecular Biology of the Cell(細胞の分子生物学)」という、分子生…

  • バイオのバイブル、「モレクロ」!

    前回の記事では、お役立ち情報交換掲示板・BioTechフォーラムの情報をお借りしながら、フェノクロでおもむろに登場してくるフェノール以外のやつら、クロロホルム・イソアミルアルコール・8-HQというやつらの役割について触れていました。 あまりハッキリとは触れていなかった話として、(引用していたポストに書かれていいた気もしますが)フェノールのみで抽出するということも、「伝統的にそうやられていた」以外にも意味がなくはない話でして、せっかくなのでまた一つ、トピック自体が中々面白いフォーラム記事を引用させていただきましょう、こちらのトピ(↓)で、ラスト1つ前の23番でAPさんがお書きになっているように……

  • クロホ・イソアミ・キノリンの役割は…?

    引き続き「フェノクロ・エタ沈」という、生命科学実験で最も基本と言われる実験手技に関する補足豆知識ネタに触れて参りましょう。 前回はフェノクロ処理を行う際のサンプルの量について、多すぎると1本のチューブに収まらず面倒なことになる… (=後のエタ沈で2.5倍量のエタノールを加えることから。研究室で常用されるのは1.5 mLチューブであり、高速遠心機もそれがジャストフィットするものであることがほとんどなので、そこに入る範囲に収めたいという事情があるわけです。 もちろん、どうしてももっと大きな容量で行いたい場合は、複数本のチューブに分けたり、あるいはもっと大きなチューブ(次にメジャーなチューブは15 …

  • 多すぎると溢れるし、少なすぎるとロスしちゃう…

    前回の記事では、DNA回収手法として名高い「エタ沈」の友といえる、代表的な共沈剤、グリコーゲン・LPAについて、両者の違いを示してくれている論文を簡単に紹介していました。 どうでもいい小ネタとして、glycogenは英語だと「グライコジェン」と読まれるので、それに則るとお菓子のグリコはグライコになっていた可能性もあったかもしれないといえますから、これは響き的にグリコほど優れてはいませんし(まぁ、慣れがあるだけかもしれないものの)、英語読みに引っ張られなくてよかった…という例といえるかもしれませんね。 では、ようやく宣言通り、フェノクロ・エタ沈の各ステップについて、まぁ実際にやる人がいらっしゃる…

  • 短小の味方グリコ、短小は嫌いなLPA

    前回は、元気の源・グリコーゲンが、DNAを可視化するのにも役立っており(=共沈剤として、DNAを絡め取って沈殿させる役割がある)、また、昔は(多分今も?)試薬のグリコーゲンというのは、牡蠣から採取していたもののようです、なんてことにも触れていました。 そんな所でこの脱線ネタの元になったフェノクロ・エタ沈の補足に戻っていこうと思っていたのですが、もう1つだけ、グリコについてせっかくだから触れておこうかなと思った発展ネタがあったので、まずはそこから参りましょう。 まぁあまりにも細かすぎるというか専門的すぎるといいますか、別に実験で使わない方にとっては心底どうでもいいにも程がある話かと思うんですけど…

  • グリコはオイスター!

    「DNAをこの目で見てみる」という話から、キッズ科学体験教室で行われる実験手法の話を経て、研究室レベルで行われるフェノクロ・エタ沈の話になり、そこからの関連ネタとして「DNAはブラックライトに当たると光るのか」という点や、そこをきっかけに前回の記事ではサーモンスパームDNAなんてものも話に出していました。 フェノクロ・エタ沈の工程を細かく見ていて、各ステップの補足を加えていくという話に戻っていく予定でしたが、今回は、前回のサーモンDNAという試薬から端を発し、一応エタ沈で関連する脱線ネタにちょろっとばかりまた逸れてみようかなと思います。 まぁちょうど、こないだの記事(↓)でも見ていた、エタ沈で…

  • サーモンのDNA!

    前回はいきなり「フィギュアぶっかけ」的な、何かヤバいというかキモい話を展開していましたが、あれは、スパームに含まれるDNAが光っているのではなく、恐らくタンパク質が光っているのだと思われます…などと書いていました。 しかし、DNAやRNAは普通に一か所に集まると光ることもあるんです、信じてください何でもしますから……とそこまで懇願するほどでもないしそこまでは言ってませんでしたけど(笑)、実際「RNA光るもん!ボク見たもん!」と、メイばりに駄々をこねたくなるぐらいには、何度も目にしていることなのでその謎にも触れていきたい所ですが…… 慢性的な多忙につきイマイチ調べる時間もなく、いいソースは見つか…

  • DNAは光るのか?

    前回の記事(↓)では、エタ沈にまつわる補足小話として、「エタチンメイト」という、DNAを絡みついて溶液から落としやすくしてくれるお役立ち分子の紹介をしていました。 con-cats.hatenablog.com リンクカードを再掲しましたが、記事の最後では、「色付きのメイト(=相棒、仲間、友達って感じの意味ですね)もあります」などと書いて写真も載っけていたものの、時間不足につき何も触れずに終わってしまっていました。 一部の表示で分かりにくいものの、↑のリンクカードのサムネイルでもきちんとチューブの底のDNAだけは表示されていますね、ズバリ、DNAにピンクの色がついて大変見やすくなるということで…

  • エタチンの友

    Youtube動画の力をお借りして、フェノクロ・エタ沈という生命科学系実験の基本中の基本にして最もよくやられるレベルの実験手法を一通り紹介していました。 一部補足したい部分もあったっちゃあったので、画像は省略してキャプションについていた説明文を残す形で、全体の流れだけ再掲するといたしましょう。 (流れ的に必要な部分は、数字の後のステップに少し追加しました) 1. サンプル=細胞懸濁液を用意する Add 700 μl lysis buffer into cell pellet and resuspend cells =700マイクロリットル(0.7 mL)の溶解液を細胞のカタマリに加え、細胞を懸…

  • エタチンの実際(後半:沈めて落とす!)

    「ピュアなDNAをゲットしたい―」…そんな声にお応えして見始めていた「誰でもできるDNA精製実験」のコーナー(一言もそんな声は届いてませんが(笑))、実験室では今でもよく使われる手法として、「フェノクロ・エタ沈」という手技を紹介してくれている動画(の内、ちょうど前半にあたる、フェノクロステップ)を前回の記事では見ていました。 まぁフェノクロ処理は、毒劇物であるフェノール&クロロホルムを使うため家庭では中々できないわけですけど、これは「DNAの綺麗さ」(=これを行えばDNAが輝くみたいな、分子の美しさとかそういうわけではなく、「他の分子の混入が少ない」という意味の綺麗さ、いわば「純粋さ」、より専…

  • フェノクロの実際(前半:混ぜて分ける)

    唐突に始めていた「DNAを見てみよう」のコーナーから、唐突に深入りしていたフェノールについて、前回までで「なぜフェノールと混ぜることでDNAだけ選択的に取り出せるのか(タンパク質は上手いこと除けるのに)」という点を簡単に説明していました。 文字だけで分かりづらかった中に、解説サイトのイラストもあって中々分かりやすいものになってくれたのではないかと思いますが、さらに分かりやすいものとして、実際のフェノクロ処理と、更にはその次のDNAを可視化する(まぁ目的では見ることではなく、沈殿として沈めることですが)エタノール沈殿、通称「エタ沈」(英語なら、ethanol precipitationを多少略し…

  • なぜDNAは死なないのか?

    前回は、フェノールという薬剤がなぜタンパク質を破壊できるのかという点について、ざっくりとした説明を並べていました。 結局、フェノールという物質は「水と油の関係性」を完全にひっくり返し、普段水中に存在する形で最適化されてるタンパク質分子(=親水部は外側に露出し水と接し、疎水部は内側に集まって水から隠れるという形が基本)の構造を完全に裏返すことで、二度と戻らないレベルで形をそっくり変えてしまうため……ってのがその理由というか仕組みという感じでした。 そうすると、「じゃあ同じく分子の中に親水部と疎水部がある洗剤は、なぜ触っても平気なの?」という話に思えるかもしれませんけど、これは、一つには分子の反応…

  • フェノクロ!

    引き続き、無駄に細かく見ています「お家で細胞からDNAを取り出そう」シリーズ、「洗剤を加えた塩水」というDNA抽出液の後半戦…に行く前に、せっかくなので前回触れていたフェノールについて、もうちょい詳しく触れる所から参りましょう。 前回のおさらいですが、より高品質なDNAを得るために、家庭での簡易実験ではない、研究室レベルでのDNA精製には、古くからフェノールが使われてきました。 フェノールは見事にタンパク質を破壊し、上手いことDNAとタンパク質を分離することができるという便利な代物なわけですけど、当然、「タンパク質を壊す」というのは、タンパク質のカタマリである人間にとっては凶器となるもので、実…

  • 油の次は、タンパク質をぶっ壊そう!

    「お家で細胞からDNAを取り出そう」シリーズ、前回からようやく具体的な方法について見始めており、まずは細胞を漬けてDNAを抽出するための溶液=「洗剤入りの塩水」の、洗剤の意味に触れていました。 ごく簡単におさらいだけしてみますと、洗剤というのは、(前回はややこしいことをアレコレ語ってましたが)あえて分子レベルの話などせずとも、小学生でも直感的に知っている通り、「油を分解する作用」があるわけですけど、細胞というのは何てことはない、主に脂質を主成分とする膜で囲まれることで形を維持しているものですので(特に、遺伝子DNAがコンパクトにまとまって格納されている核も、核膜でしっかり囲まれて守られています…

  • 洗剤で破壊しよう!

    前回の記事では唐突に、「な~んかこういう体験型実習って、あんま意味なくないっすかぁ?」的なことをグダグダと語っていました。 「いやそんなこといきなり俺らに言われましても……企画者じゃないを通り越して、参加したことすらないんですが……」 …って話の極みで、他にも「こういう点、『何でそうなるの?』って気になりますよね?!」みたく、さも誰しもが疑問に感じて苛立つかのような口ぶりで勝手に憤っていたものの、これも正直「いや、全く気になりませんが(笑)」って話だったかもしれません(笑)。 まぁ全体的に独りよがりな話になってしまっていたなぁ、と、書き終えてから反省していたのですが、とはいえ記事タイトルに据え…

  • 失敗させてよ!

    染色体の話から派生して、「DNAは簡単に目で見ることができます、具体的にはこう」などという感じで、子供科学体験教室のみならず、家庭でも簡単にできるDNA抽出の方法を、ブロッコリー・バナナ・自分の口の中の粘膜という3つの異なる材料で実施している実験を紹介していたのが前回の記事でした。 ごく簡単に、使う材料と、あとは結果の写真なんかをお借りしてペタッと貼っていただけで、「各ステップの詳しい中身というか仕組みについてはまた追って触れてみましょう」という感じで今回に続く…という形だったわけですけど、まぁ正直言うと、こんな実験、「家庭でできる」と言っても絶対誰もやらないし、詳しい仕組みなんて一切これっぱ…

  • DNA、ゲットだぜ!

    前回の記事では改めて「染色体・DNAの数」について簡単な数字いじりをしながらまとめていたましたが、結論だけ再掲しますと、染色体1本は平均1.4億塩基がつながってできたDNAから出来ており、細胞1つには46本の染色体が含まれており、人間ひとりには約37兆個(60兆個と言われることもありましたし、これは正確な数字は分からない(というか定まってない)レベルですけど、まぁ数十兆個ですね)の細胞から出来ている……ということで、ちょうどこの3つの数字を掛け合わせていくことで、「何あたりの」という次元がひとつずつ大きくなり、「人間1人あたりに含まれるDNAの塩基の数」が求まるわけですが、これはざっくりした計…

  • 僕らはいくつのDNAでできてるの?

    一連のDNA・染色体シリーズ、前回は唐突にプリン体の謎に迫った形(というほど何の謎にも迫っておらず、ただ「実際どういう分子なのか」を見てみただけ)でしたが、染色体へと話を進める前に、もうちょいDNAに関して脱線できそうなネタが浮かんだので、今回もそちらに逸れてみようかと思います。 まぁもう何回も貼っている、「純粋なDNAが形となって現れた状態」のサムネイル画像がこちら(↓)ですけど… con-cats.hatenablog.com もう語り終えた話かと思いきやもうちょっとだけ擦ると、写真右側の試験管の液体中に漂うDNAは、まぁ大体3.3ミリグラムぐらいのものと仮定して、 「1.4億塩基ぐらいの…

  • プリン体とは一体何者なのか?

    前回の記事では、こないだの記事(↓)で画像付きで触れていた「生の純品DNA」が、一体どのぐらいの数の塩基からできているのか、概算でチェックしてみるなどしていました。 con-cats.hatenablog.com 改めて実際の絵があった方が分かりやすい気がしたので、小さなサムネイルですがリンクカードをまたペタッと貼りましたけど、このような白いモヤモヤがまぁ、液体の中に漂っているので「ちょっと湿り気のある(というか濡れた)DNA」であり、乾燥させたらもっと透明に近い、何というかフィルム状の物質になることが多いのですが、とはいえそれは少量だからそうなるのであって、大量にあったらまぁ、半透明だけど多…

  • このDNAは何個つながって出来ているんだい?

    「具体的に姿を見ないとイメージも湧きませんよね」とか言いながら、「DNAというものがどんな見た目をしているのか」を紹介していたのが前回の記事(↓)でしたが、ただの白いモヤモヤという情報量ゼロすぎる物体で、よぉ考えたらあんなのを見たところで何か遺伝に関する理解が進むわけはなかったような気もしてきました(笑)。 con-cats.hatenablog.com ということでもうちょい補足から入ってみますと、前回画像で見ていた白モヤのDNA、まぁ実際測ってみないと正確には分かりませんが、経験上、あれぐらい大きな沈殿ですと、前回も書いていた通り恐らく数ミリグラムはあるように思えます。 どんな画像だったか…

  • DNAの見た目は?

    前回の記事ではこれまた唐突に、分子生物学・遺伝学入門のニュ(いやそれは「基本のキ」でしか使わない言い方で、何かおかしいだろ(笑))的な話として、DNAの関連用語のおさらいをしていました。 長々と書いていた割に、ほぼ文字だけだったこともあり結局あんまりハッキリとは何のこっちゃよく分からなかった可能性が高かったかもしれません。 そんなわけで、DNA・染色体などについて改めてもうちょい補足説明を続けてみようと思うのですが、結局の所この辺の分子レベルの話は「(めちゃくちゃ小さすぎて)目に見えない」ってのが諸悪の根源であり、見えないものを想像しろだなんて言われてもそんなのは土台無理な話だといえましょう。…

  • (おさらい)遺伝子や染色体について死ぬほど分かりやすく…

    「X染色体について知っておこう」シリーズ(別にそんなシリーズでもなかったですけど(笑))、前回はターナー症候群について触れていました。 こちらは、XO(前回引用していた記事によると、「X0」と書く方が普通なのかもしれませんが、僕はXO(ゼロではなくてオー)と習った気もします)という性染色体型で、要はX染色体が1本欠けている人のことであり、オスを決定づけるY染色体がないから当然とは言えるものの、外見などは完全に普通の女性と変わりないということを、写真付きで紹介させてもらっていた感じですね。 ターナーから続いてもう少し他の脱線ネタへと続ける前に、前回「遺伝子・染色体の数というのは、普通の細胞では『…

  • 「働かない」のと「存在しない」のは違う

    前回は、具体的な数字を使ったX染色体不活性化時期の推定と、不活化メカニズムに関する研究紹介の2点をまとめていたのですが、記事初稿、ここ最近はギリギリの時間で一通り書き終えて、その後しばらく別の作業で放置して、時間ができたら推敲作業…って流れが多いんですけれども、昨日もアップ後しばらくして読み直してみたら、どっちの話もあまりにもめちゃくちゃ分かり辛い記述すぎて我ながら笑っちゃいました。 まぁ笑い事じゃなく、「説明が下手すぎで読むだけ時間の無駄」な内容だったため大変恐縮しきりなのですが、(正直そこまで変わっていないかもしれないものの)多少書き直しておいたので、記事アップ後、即目を通されて意味が分か…

  • Xの運命はどうやって決まるのか…?

    前回の記事では、X染色体を2本持つ女性のみで起こる現象、ライオニゼーション(X染色体の不活化)について、「いつ起こるの?」という問に対し、 「実はハッキリとはまだ分かっていないけど、発生のかなり初期、たった1つの受精卵が数回分裂して、細胞が32個になったぐらいには概ね完了していると思われる」 …みたいなことを書いていました。 もちろん完全に解明されたわけではないものの、前回リンクを貼っていた研究レビュー記事によると、やはり研究がしづらいヒト細胞よりもマウスの細胞でよく研究がされているようで、記述もマウスが中心ではあったのですが、全体的に「これまで知られているよりも、かなり早い段階、4細胞や8細…

  • Xの運命はいつ決まるのか…?

    引き続きライオニゼーションこと「X染色体の不活化」について気になる点をもうちょい深掘りしていこうと思います。 まず、「父親からもらったX染色体か、母親からもらったX染色体か、女性の細胞ではどちらか一方がランダムに不活性化されている」というそのライオニゼーションについて聞いた際、誰しもが必ず疑問に思う点として、 「いつ、どうやって?」 というのがあるといえましょう。 (ちなみに今さらの点ですが、男性の場合、父親からはY染色体、母親からはX染色体を受け継ぐので、ライオニゼーションは一切起こらない形ですね。 なので、「どちらのX染色体が使われている細胞か?」という点において、実は全身で2種類の異なる…

  • ライオニゼーション!

    改めて簡単に前回のおさらいをしておきますと、 「女性はX染色体を2本持つが、細胞の1つ1つは完全ランダムに、どちらか一方だけが機能している(他方は不活化されている)」 …ということで、実は女性の体というのは、「父由来のX染色体が機能している細胞」と「母由来のX染色体が機能している細胞」がランダムに並んだ、モザイク状に細胞が集まってできた形になっていると言えるのです……なんて話でした。 もちろん、「どちらのX染色体が選ばれるか?」は発生の初期に決まるので、ある細胞が分裂してできた部分はそれなりに近い位置にまとまって存在することが多いため、そこまで「モザイク状」というよりも、牛や三毛猫の柄のように…

  • 女性はモザイクだった…?

    前回の記事では、男女の違いの例として性染色体を取り上げ(まぁ「違いの例」というか、それが「男女の違いの全て」ともいえるわけですけど)、 「女性はX染色体を2本持つが、実は2本あるどちらか一方のX染色体は、機能しなくなっている」 「その結果、X染色体を1本しか持たない男性(男は性染色体として、XYの2本持ち)と、作られるタンパク質の量は同じになる(X染色体が2本あるからといって、2倍のタンパク質が作られることはない)」 「なお、Y染色体はX染色体がぶっ壊れて出来たカスみたいなものであり、そもそも男は女の出来損ないのようなもんなのである」 …などということを書いていました。 まぁ最後の点は正直、あ…

  • 男は女の出来損ないだった…?

    前回の記事では、フェニルケトン尿症やアルカプトン尿症(黒尿症)といった遺伝子疾患の例から、病気として発症しやすい遺伝子・しにくい遺伝子というのは普通にある感じになっているのです……ということをツラツラと説明していました。 その中で、性染色体の例を挙げ、 「男性は沢山の遺伝子が乗ったX染色体を、母親由来の1本しか持たない……要は『補償(スペア)が存在しない』ので、X染色体上の遺伝子異常に弱い…… 筋ジスや色覚異常が男性に傑出して多いのは、それが理由なんですね」 …ということを書き、また他にも、 「遺伝子から合成されるタンパク質(酵素)の量で、その酵素がどれぐらい機能するかが決まる…… 例えば、お…

  • 病気になりやすい・なりにくいの違いは?

    ここ最近唐突に深入りし始めていたアミノ酸の代謝経路について、前回は芳香族アミノ酸(あの、いかにも有機化学っぽい六角形リング付きの化合物のことですね、「芳香族」というのは)であるフェニルアラニン・チロシンが、アセチルCoAへと変換される道のりを、たった1つの酵素がダメになるだけで発症する代表的な遺伝子疾患に着目しながら触れていました。 この辺の話に関して、 「病気になるのはなんでその酵素(今回見ていた例でいえば、最初の酵素と4番目の酵素で発症する、フェニルケトン尿症とアルカプトン尿症)だけなん? 他の酵素がダメになって病気になる人は、おらんの?」 …と思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、こ…

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