科学は人間を「機械」と見なしますよね? でもそれじゃあ人間を誤解することにしかならないと思いません? 医学にもパラダイムシフトがあり得るかもしれませんね。
「医学は人間を差別する体系」であると言うと、驚きます? でも異常な人間なんてただの一人たりとも存在し得ませんよね? そのことを時に「論理的」に、時に事例をもちいて「実地」に、確認したりしています。
医学に差別されてきたのは、そしてされていくのは、「標準より劣っている」とされるひとたち(1/5)
目次・医学は誰を差別するか・「ひととはコレコレこういうものだ」というイメージの作り方・異常と決めつけられ、差別されるのはどのグループか・今回わかったこと・みなさんがほんとうに争点にするのは「普通か、普通じゃないか」か ◆医学は誰を差別するか 医学は健康を正常であること、病気を異常であることと独自に定義づけてやってきた、ということでしたよね。 〈参考1:そのことを下の記事で確認しました。〉 でも、この世に異常なひとなど、ただのひとりも存在し得ない、ということを先日、確認しました。 言うなれば、ひとはみな正常である、って。 にもかかわらず、医学は一部のひとたちを不当にも異常と決めつけ、差別してきた…
発達障害とか運動障害とか言うときの「障害」という言葉は、「異常」と同義(1/4)
目次・世間で用いられる障害という言葉の意味ふたつ・医学は、身体に起こる出来事を一点のせいにする・「発達障害」と「運動障害」を例に確認する・なぜ「障害」という言い方にひとは違和感を覚えるのか ◆世間で用いられる障害という言葉の意味ふたつ 発達障害とか双極性障害とか運動障害といったように、医学では障害といった用語がしばしば使われますね。 そして最近では、時に、その障害という表記の代わりに、障がい、もしくは障碍と書かれることがありますね。 でも、そうした、障害・障がい・障碍(以下、障害とのみ記す)、といった用語はいったい何を意味しているのでしょうか。 今回は、その意味を特定します。 いきなりですけど…
精神科を訪れた女性が「ブス、ブスという声が聞こえてきて、うるさくて堪らないので、整形手術をしてほしい」と言うことで、訴え、要望しているのは何か(1/2)
みなさんがおそるおそる、精神科を初めて訪れ、診察室でこう言ったと仮定してみましょうか。 「ブス、ブスという声が聞こえてきて、うるさくて堪らないので、整形手術をしてほしい!」って。 そのとき、そう言うことでみなさんは、目のまえに座っている精神科医に、何を訴え、何を要望しているわけでしょうか? みなさんはそのとき、自分の身に「異常」が起こっていると訴え、自分を「正常」にしてほしいと要望しているわけでしょうか。 でも、ほんとうに、みなさんがそのとき訴え、要望しているのはそうしたことでしょうか? 「ブス、ブスという声が聞こえてきて、うるさくて堪らないので、整形手術をしてほしい」と言うことで、そのときみ…
前回、異常なひとなど、ただのひとりも、この世に存在し得ない、ということを確認しましたよね。 〈参考:その回はこちら。〉 それは同時に、こういうことを意味します。 この世に、「理解不可能なひと」など、ただのひとりも存在し得ない、って。 でも医学は、この世に「理解不可能なひと」が存在するということにしてやってきました。たとえば、統合失調症と診断されてきたひとたちはどうですか。やれ、「人間の知恵をもってしては永久に解くことのできぬ謎だ」「了解不能」だと言われてきたのではありませんか。 かつてクルト・コレは、精神分裂病〔引用者注:当時、統合失調症はそう呼ばれていました〕「デルフォイの神託」にたとえた。…
早速、正常、異常という言葉の意味を確認した前回のつづきを話させてもらいますね。 〈参考:その「前回」はこちら〉 ふだんみなさんが、やれ健康だ、やれ病気だとしきりに言うことで争点にするのは、「苦しくないか、苦しいか」、である。だけど、医学が、やれ健康だ、やれ病気だとしきりに言って争点にしてきたのは、それとはまったく別のことだった。すなわち、正常か異常か、だった。(身体をあやまって機械と見なす)医学は(苦しいとか苦しくないとかいうのが何であるか理解できず)、健康を正常であること、病気を異常であることと独自に定義づけてやってきたんだ、ということでしたね。 では、そのように医学が、健康、病気をそれぞれ…
正常、異常という言葉の意味、考えてみたことあります、説明できます?(1/3)
目次・異常気象という言葉を例に考えてみる・いつもむっつりしている男が無邪気にはしゃいでいる・ひとを正常もしくは異常と判定するというのは・意味がわかった途端、胸中に兆す疑念 ひとはみな、当たり前のように、何かや誰かのことを、正常だとか、いや異常だとかと言うけど、ひょっとすると、誰ひとりとして、その正常とか異常とかいう言葉の意味を、真剣に考えてみたことがないのかもしれないな。 ひょっとすると、その言葉の意味をちゃんと説明できるひと、いないのかもしれないな。 みなさん、そう思いながら、頬杖をつき、遠くを見つめたこと、ありませんか。 正常、異常という言葉について、前回お目にかかったとき、みなさんとこん…
何事も基礎が大事だと言いますね? でも、基礎はしばしば、なおざりにされると言いません? なら、新年早々、ひとつ、基礎について、考えてみましょうか。 何の基礎について考えます? 医学の基礎? 医学の基礎というと、たとえば、健康と病気、それぞれの定義、とかですか? いや、だって、仮にですよ、健康と病気の定義がそれぞれ、おかしかったら、どうなります? 治療の目的が、おかしくなるじゃ、あ〜りませんか。 それって、とても、こわいことじゃないですか。 では、今回は、健康と病気、それぞれの定義について考えてみるということで。 じゃあ、ちょっと、しばらくの間、心を真っ白にしてみてくれますか。心を真っ白したその…
「神のお告げが聞こえた」を理解する1/5(「統合失調症の◯◯を理解する」シリーズのspin-off)
ヘイワード、お前さん、神のお告げ聞いたことある? 周りに、聞いたことのあるひと、いない? あたし? ないよ。なぁ〜んにも聞こえない。カミさんが喋りかけてきてたって、聞き逃しちゃうくらいだよ。 神のお告げ、どんなだろうね? ねえ、ちょっと聞いてよ。あのね、あたしの甥っ子にね、歌手やってる友人がいてね、あるとき、その友人に、歌手になろうとしたキッカケを訊いたんだって。 友人、甥っ子になんて答えたと思う? 河原で不意に「歌手になれ」というお告げを聞いたって言うんだって。 そのことを、いまこれ読んでて、思い出してさあ。 ほら、ごらんよ、間寛平さんのことがここに書いてあるだろ? 若い頃、友人の借金の連帯…
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