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2020/08/07

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  • 104回目「ボヴァリー夫人」(フローベール:新潮文庫)

    この小説の主人公はエマという名前の女性である。エマの物語である。しかし、タイトルは『エマ』ではなく『ボヴァリー夫人』である。小説内では、エマの行動と心理が最も多く描かれているのにも関わらず、この著しく主体性を欠いたタイトルが興味深い。しかも、作中ではエマ以外にも「ボヴァリー夫人」と称される人物が二人いる(ボヴァリーの母親とボヴァリーの先妻)。タイトルと内容のバランスが些か悪い気がする。『ハムレット』を『クローディアスの息子』とか『オフィーリアの恋人』と呼ぶような感じの不当さである。 それで、粗筋を簡単に記すと、もともと空想好きでロマンティストであったエマが、医師シャルル・ボヴァリーの元へ嫁ぐ。…

  • 103回目「浮雲」(林芙美子:角川文庫)

    言ってしまえば、「不倫の果て」のような小説である。芸能人の不倫がゴシップになる度、「他人の事などどうでもいい」とか「興味がない」とか嘯いているが、そのくせ、つい関連するネット記事などを漁ってしまうのは、やはり、不倫に興味があるからだ。不倫そのものの興味というよりは、当事者たちが不幸になっていく様子に興味があるのだ。不倫という倫理に反した人間を、まず許せないと思い、次いで羨ましいと思い、そしてそれが世間に批判され落ちぶれていく様子を見て、「ざまあみろ」と思い、さらに、不倫できない自分を「真面目な一市民」という正しい位置に置いて優越感に浸る。この一連の流れを体感したいが為に、何の関係もない他人のゴ…

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