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松本雄貴のブログ
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https://yukimatsumoto8181.hatenablog.com/
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映画評と書評を中心にしたブログです。ミニシアター系と純文学系が多いですが、それ以外も。。
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40回 / 351日(平均0.8回/週)

ブログ村参加:2020/08/07

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松本さんの新着記事

1件〜30件

  • 66回目「その男、凶暴につき」(北野武監督)

    自分は「歩き方」にコンプレックスがある。どうも自分の歩き方は、他の人と比べると変なのだ。それを初めて自覚したのは、学生の頃だ。アルバイトの面接に行った時だった。面接が終ると、立ち上がって面接官に一礼する。そして向きを変えて部屋を出る。この一礼して部屋を出るまでの歩き方が、どうもぎこちない。面接官も自分のぎこちない歩き方を恐らく見ている。挙動不審な奴と思われていたかもしれない。以来、社会人になってからも何度か面接は経験したが、この面接が終って部屋を出るまでの「変な歩き方」は一向に改善できない。 法事の時も困る。自分にお焼香が回ってくるまでの時間が、なかなか苦痛だ。変な歩き方にならないように意識し…

  • 65回目「JAM」(THE YELLOW MONKEY) 「ディズニーランドへ」(BLANKEY JET CITY)

    よく人から「電気グルーヴとか好きそう」と言われる。何故そう言われるのか分からない。正直、電気グルーヴはあまり聴かない。『電気グルーヴ20周年の歌』は面白いと思う。PVも面白い。卓球のソロも好き。でも、それくらいである。 現在、大炎上している人物に関しては、取り敢えず家にCDもレコードも無かった。スマホに1曲だけ過去にダウンロードした曲が入っていたが、そちらは速やかに削除した。この件は「作品に罪はない」とか「アーティストの人間性と作品は分けるべき」なんて陳腐な言葉で擁護できるレベルではない。ともかく自分は、この人の音楽は一生聴かないと決めた。同系統の音楽が聴きたくなったら、ブライアン・イーノとか…

  • 64回目「水いらず」(サルトル:新潮文庫)

    本書を読んだからといって、サルトルの哲学について理解できるわけではない。小説はあくまで小説であり、それ以上でも以下でもない。 裏に書かれた粗筋とあとがきの解説によると、一応、収録されている5つの作品はどれも、サルトルの思想である実存主義に関係しているようである。しかし、哲学の知識がなくても充分、小説として楽しめる。むしろ、純粋に小説を楽しむなら余計な知識は邪魔だろう。いずれの作品も粘り気があってどんよりした雰囲気が共通している。そして、そこで描かれる世界は驚くほどに狭い。せせこましい。哲学者が書いた小説なので、さぞかし難解で高尚な世界が描かれているのだろうと思いきや、中身はとても通俗的だ。そう…

  • 63回目「エイリアン」(リドリー・スコット監督)

    『エイリアン』は、自分にとって特別な映画だ。自分の意志で見た初めての映画が『エイリアン』なのだ。中学1年生の時、近所のTUTAYAで会員証を作った。親の扶養に入っている健康保険証を持参し、受付カウンターで複写式になっている専用の用紙に氏名や住所を記入し、無事に会員証を作り終えた。何だか大人の世界に少し近づいた気がして嬉しかった。その初めて作った会員証で最初に借りたのが、『エイリアン』だった。何故、数ある映画の中から『エイリアン』を選んだのか。それには、少し恥ずかしい理由がある。 実はその数年前、つまり小学生の頃に一度だけ友達の家で『エイリアン』を見ている。最初から通しで見たわけではなく、エイリ…

  • 62回目「見知らぬ乗客」(アレフレッド・ヒッチコック監督)

    ヒッチコックの代表作の一つ。ヒッチコックのファンからも比較的人気が高い作品ではないだろうか。 性悪な妻と離婚して、政治家の娘と結婚したいと常々思っていたテニス選手(ガイ)が、列車の中で偶然出会ったブルーノと名乗る怪しい男に交換殺人を持ちかけられる。ブルーノはガイに「俺が君の妻を殺してやるから、君は俺の父親を殺して欲しい」と提案する。ガイは冗談だと思い適当にあしらうが、ブルーノは本当にガイの妻を殺してしまう。そして「約束通り君の妻を殺してやったから、次は君が俺の父親を殺せ」と取引を持ちかけ、「君も共犯者だ」と強請る。平たく言えば、そんな話だ。 もし同じ設定で脚本を書くとすれば、多くの人は、ガイに…

  • 61回目「存在の耐えられない軽さ」(ミラン・クンデラ:集英社文庫)

    昔、加藤周一という人の論評を読んでとても感動した覚えがある。小説でも映画でもなく、評論を読んで感動したのは、この時が初めてであった。「知の巨人」と呼ばれた人で、世間的には左派系の論客とされているようだが、右とか左とかの分類がいかに無意味であり、人間の知性はそんな分類を越えたところにあるということを、当時の自分は加藤周一の文章を読んで思い知らされたのだ。 中でも、かつてソ連軍がチェコのプラハを占領し、プラハの自由を脅かした事件について書かれた論評『言葉と戦車』が白眉であった。 破壊の象徴である「戦車」と自由の象徴である「言葉」を対比し、「圧倒的で無力な戦車と、無力で圧倒的な言葉」の戦いに決着が付…

  • 60回目「毛皮のヴィーナス」(ロマン・ポランスキー監督)

    果たして「SとM」という概念は「陰と陽」「馬鹿と天才」「強者と弱者」などのように明確に区分できる対義語なのだろうか。一般的には、Sは虐げる人、Mは虐げられる人というイメージが広く持たれている。その意味では、確かに両者は対極の概念である。両者の価値を対極として置いた場合、マゾヒズムの成立にはサディズムの存在が必要だと、簡単に言えてしまう。虐げる人がいなければ、虐げられる快感を得ることはできない。 しかし、もう少し深いところまで両方の意味を掘り下げていくと、「SとM」というのは、そんなに分かりやすく明確に分けられたものではなく、もっと入り組んで複雑で重層的なものではないだろうか。 例えば、女性が犯…

  • 59回目「野いちご」(イングマール・ベルイマン監督)

    1957年公開の映画。本ブログで取り上げた映画の中では恐らく一番古い。有名な映画だが、自分は初めて観た。モノクロの映画なので、眠気に襲われないか心配だったが杞憂だった。巨匠の古典的名作だと思って最初は身構えたが、途中から全く気負わずに観ることができた。総じて楽しい映画であった。 少し偏屈で皮肉屋の老人が主人公。老人は長年医学の研究をしている教授で、これまでの功績を称えられ大学から学位の受賞式に呼ばれる。老人は、ストックホルムから授賞式が行われるルンドという街まで車で移動する。その道中で起こる彼是を中心に描いたロードムービーだ。 老人に同行する人、つまり旅のパートナーになるのは息子の奥さん。つま…

  • 58回目「ふらんす物語」(永井荷風:新潮文庫)

    自分は結構、海外旅行が好きだ。沢木耕太郎とか金子光晴に憧れてインドを放浪していた時期もあった。といっても訪れたことのある国は全部で11か国とそれほど多くない。ガチでバックパッカーをやってる人には、遠く及ばない。そして、その11か国の中に、フランスは入っていない。 今後もフランスに行く予定はない。もし今、仮に海外に行けるのならヨーロッパよりもアジアかアフリカを選ぶ。アジアかアフリカの方が、混沌としていて面白そうだ。もし今、仮にヨーロッパの国のどこかに行けるのなら、東欧のどこかを選ぶだろう。自分は誠に失礼な話だが、東欧の国々に対して貧しく荒んだイメージを勝手に抱いている。その荒んだイメージが自分に…

  • 57回目「闇の奥」(ジョゼフ・コンラッド:岩波文庫)

    フランシス・フォード・コッポラの映画『地獄の黙示録』の原作。映画は完全版で3時間半くらいあり非常に長い。『地獄の黙示録』を観たのは15年ほど前だろうか。あまり覚えていないが、ジャングルの奥地へ主人公一行が船で進んでいくシーンの臨場感と、泥沼から男が顔を出すシーンの薄気味悪さは覚えている。 また、冒頭に流れるドアーズの『The End』と「カタツムリが剃刀の上を這う」イメージが、他の戦争映画にはあまり感じない不穏さを強く印象付けられた。この不穏さは戦争ではなく人間一般が持つ不穏さだと、若い頃の自分は結論付けたのである。しかし、若い頃の感覚ほど当てにならないものはない。この感覚が正しいのかどうかを…

  • 56回目「ガンモ」(ハーモニー・コリン監督)

    正直、全然面白くなかった。「面白くなさ過ぎて逆に面白い」という訳でもなく、純粋に面白くなかった。最後まで観るのが苦痛だった。こんな映画も珍しいと思う。全体的に変な映画だなぁという印象は持ったが、変であることが映画の長所になっているわけでもない。 どのシーンも微妙に不快で微妙に悪趣味だった。ものすごく不快でものすごく悪趣味なら、それはそれで評価できるが、そこまでも行ききっていない。 オハイオ州の小さな町を舞台に、そこで生活する人間(多くはティーンエイジャー)のどこか荒んだ日常を、断片的につなぎ合わせた映画とでもいえばよいだろうか。一貫したストーリーがあるわけではない。町全体の荒廃した感じは、とて…

  • 55回目「世にも奇妙な漫☆画太郎」(漫☆画太郎:集英社コミックス)

    ウンコしてケツを拭いたら紙が破れて指にウンコが付いた、なんて経験は誰でも恐らく2,3回はあると思う。キムタクやGACKTにだってあると思う。過去にはなくても未来には充分起こり得るとも思う。しかし、人は普通、そんな失敗談をあまり語らない。なぜ語らないかというと、そんなことを自分からわざわざ言う必要などどこにもないからだ。そして、そんな汚い話は別に誰も聞きたくないからだ。話自体に需要も供給もない。誰も望んでいないのである。 漫☆画太郎の凄さは、このような誰も望んでいないであろう話を徹底して描き、あまりの下品さに最初は眉を顰めていた読者をも強引に笑わせてしまう力業にあると思う。これは並大抵のことでは…

  • 54回目「プールサイド小景・静物」(庄野潤三:新潮文庫)

    今年は庄野潤三の生誕百年であり、よく行く書店では特集が組まれていた。書店の片隅に「庄野潤三生誕100年」と書かれたPOPが飾られてあり、そこに庄野潤三の幾つかの本が平積みされていた。別に大層なものではないが、興味を引いた。それで一番目立った置き方をされていたこの文庫を購入してさっそく読んだわけである。 表題作含め、7つの短編が収録されている。以下に個別の感想を記す。 ①舞踏 不倫の話。夫の方が不倫する。不倫相手は、自分より一回りも年下の少女。夫の身勝手さが腹立たしい。同時に妻の健気さがやるせない。内容は、昨今の芸能人の不倫スキャンダルと殆ど変わらない。恐ろしく通俗的だ。妻が行きたがっていたコン…

  • 53回目「聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア」(ヨルゴス・ランティモス監督)

    この映画はヤバいと聞いていた。「ヤバい」とは色々な意味を含む。単純に面白いという意味もあるし、その逆もある。多くの人のレビューを読んでいると、どうもこの映画は観た人を不快にさせるという意味でヤバイらしい。 ミヒャエル・ハネケとかラース・フォン・トリアーのようなテイストの映画なのかな、という先入観を持って観た。ある意味、ハードルが上がった状態で観たからだろうか。それ程、不快な気分にはならなかったし、それ程「ヤバい」とも思わなかった。丁寧で繊細に作られた佳作といった印象を持った。 外科医の男が主人公。外科医には、妻と二人の子供(長女と長男)がいる。家族4人で郊外の豪邸に住んでいる。外科医には、家族…

  • 52回目「ダブリナーズ」(ジェイムズ・ジョイス 柳瀬尚紀訳:新潮文庫)

    先日、祖母が亡くなった。通夜の前日、自分は祖母と一緒の部屋で寝た。葬儀会館に祖母を一人で残せないため、自分が祖母と一緒に留守番をしたのだ。祖母が眠っている横に布団を敷き、一夜を明かした。文字通り、死者に寄り添ったのだ。 祖母との思い出に浸り、懐かしんだ。同時に、自分のすぐ横に死者がいることに対して少し恐怖も感じた。自分は普段寝付きの悪い方だが、その晩は意外に安眠できた。祖母とは全然関係ない夢を見た。どんな夢だったか、断片しか覚えていないが、その夢の中に祖母は出てこなかった。朝、葬儀会社の人がやってきて「よく眠れましたか?」と聞いた。「はい」と答えたあと、少し変な気分になった。 ジョイスの『ダブ…

  • 51回目「アメリ」(ジャン=ピエール・ジュネ監督)

    『アメリ』は、当たり前だが「アメリ」という名前の女性が主役の映画だ。 『アメリ』は公開当時、一大ブームになったらしい。詳しくは知らないのだが、アメリのファッションを真似したり、生活スタイルを真似したり、劇中でアメリが食べるクレームブリュレが流行ったり、いわゆる「アメリ現象」なるものが日本でも20代から30代の女性を中心に巻き起こったらしい。 公開当時、自分は高校生だった。この「アメリ現象」が、自分の周りでも起こっていたのかは、覚えていない。リアルタイムでも観たが、「お洒落な映画だな」と高校生ながら思っただけで、内容は殆ど忘却していた。今回、約20年ぶりに再見したわけだが、この映画が当時ブームに…

  • 50回目「カンガルー・ノート」(安部公房:新潮文庫)

    『カンガルー・ノート』を最初に読んだのは中学生の頃だ。途中から意味が分からなくなり、読了するのが苦痛だった記憶がある。その後、安部公房の小説は『砂の女』『他人の顔』『飢餓同盟』『箱男』『燃えつきた地図』などを読んだ。これらは、『カンガルー・ノート』と違い、途中で意味を見失う事はなかった。中でも『砂の女』は、とてもスリリングな小説で、これまでに数回、繰り返して読んだ。『飢餓同盟』『他人の顔』は、一度しか読んでおらず、もう殆ど覚えていないが、『砂の女』同様、とても興奮し一気に読んだことを覚えている。『箱男』『燃えつきた地図』も難解ではあったが、楽しめた。 つまり、『カンガルー・ノート』は、自分が読…

  • 49回目「ラストエンペラー」(ベルナルド・ベルトルッチ監督)

    半藤一利の追悼という訳でもないが、『昭和史 1926-1945』(平凡社ライブラリー)を読んでいる。その最中に観たのが、ベルナルド・ベルトルッチの『ラストエンペラー』だ。映画の主役である愛新覚羅溥儀は、『昭和史』の最初の方に紹介される。『昭和史』は、あくまで日本の昭和がメインであるため、溥儀が満州のファースト・エンペラーになった経緯がさらっと説明されているが、映画の方は、幼少期に清国のエンペラーに即位した後、少年時代の紫禁城での生活、結婚、日本との接触、満州国のエンペラー即位、終戦、捕虜、収容所、恩赦、自由、最後はかつての紫禁城跡に訪れノスタルジーに耽る、という一生を、回想を挟みながら順序立て…

  • 48回目「ムカデ人間」トム・シックス監督

    観る前は「どうせクソみたいな映画だろうなぁ」と高を括っていたが、見終わった後、「意外と面白かった」と思ってしまった。ただ、この手の映画の場合「意外と面白かった」というのは褒め言葉にはならない気がする。或いは、一番言って欲しくない言葉なのではないかとも思う。映画の作り手側からすれば、当初の予定通り、「糞映画だ!見なきゃよかった!」と言われる方が、名誉なことなのではないだろうか。 「おぞましいさ」「気持ち悪さ」「変態さ」或いは、「馬鹿馬鹿しさ」を徹底的に追及し、突き抜けた先にある狂気を感じる映画は、他にも沢山ある。そのような映画は、監督の狂気に素直にひれ伏すと同時に、人には決して勧めない。鑑賞した…

  • 47回目「死の家の記録」(ドストエフスキー著 工藤精一郎訳:新潮文庫)

    囚人の生活とか刑務所内の環境とかは、一般人にはなかなか触れる機会がない。時折、囚人に対する虐待や暴行、さらには、それによる囚人の死亡などのニュースを耳にすることがある。その度に、刑務所という場所に対して負のイメージを持ってしまう。ニュースを聞いた瞬間は、刑務所内では虐め・暴力・虐待などが日常的に行われている劣悪な環境なのだろうなぁ、堅気の人間には耐えられないだろうなぁ、酷い所だなぁと思ってしまう。 しかし、よく考えてみると、刑務所内で囚人に対する非人道的な事件が起こる確率は、ごくごく珍しいことだと分かる。というのは、珍しいからこそ事件としてニュースで扱われるのであり、非人道的行為が自明のものと…

  • 46回目「銀河」(ルイス・ブニュエル監督)

    ブログは最低でも月に3回は更新しようと思っている。だから、月末近くになっても2回しか更新できていなければ、けっこう焦る。別にノルマがあるわけでもないし、自分の人生においてブログを書く必要性など特にないのだが、毎度の如く「早く書かなければ」という焦燥感に駆られてしまう。どうも自分は、昔から変に責任感が強い。やらなければいけない重要な仕事は、できるだけサボろうとするクセに、やらなくてもいい事、やっても仕方のないこと、得にも損にもならない下らないことに関しては、必要以上に真面目になってしまう。厄介な性格だと我ながら思う。 そんなわけで、今回はブログを書くためにわざわざ、DVDを借りた。これまでの自分…

  • 宣伝させて下さい。

    戯曲を書きました。それを上演して頂くことになりました。 劇作家の川村毅さん率いるT Factoryさんの企画で、<2020年の世界>をテーマに沢山の劇作家が書いた戯曲を上演しようとする試みに「劇作家」として参加したのです。 演出は川村毅さん、赤澤ムックさん、川口典成さんのお三方です。 自分は「何かを決めるには若すぎる」という戯曲を川村毅さんに演出してもらいます。 プログラムCで上演されます。 コピペですみませんが、詳細は以下の通りです。 ティーファクトリー|第1回T Crossroad短編戯曲祭<2020年の世界> 【会場】吉祥寺シアター 【公演スケジュール】 2021年2月10日(水)~23…

  • 45回目「アメリカン・ビューティー」(サム・メンデス監督)

    監督のサム・メンデスは、『1917命をかけた伝令』が昨年のアカデミー賞にノミネートされた。しかし結果は、作品賞も監督賞もポン・ジュノの『パラサイト 半地下の家族』だった。この結果には納得できる。『1917~』も面白いとは思うが、両者を比べるとやはり『パラサイト~』の方が全体的な完成度は高い。というのが、自分の見解だ。 『1917~』は、最初から最後までワンカメラ・ワンカットで撮っている。劇場で観たが、とても臨場感のある映画だった。ただ、見終わった後「だから何?」という身も蓋もない感想を抱いたのも事実だ。『1917~』の面白さは、映画の面白さというよりも、TVゲームの面白さだと感じた。人がスーパ…

  • 44回目「マイナス」(山崎紗也夏(旧・沖さやか):ヤングサンデーコミックス)

    この漫画を読んだのは4年ほど前である。スーパー銭湯に行った際、休憩室の漫画コーナーに置いてあった。シンプルなタイトルに興味を引かれて、手に取って読んでみた。全部で5巻だったと思うが、一気に読んだ。自分の性格から考えて、面白くなければ、スーパー銭湯の休憩室でラストまで一気に読むなんてことはしないので、多分、面白い漫画だったのだろう。しかし、それ以降は一度も読んでいないため、詳細なストーリーやキャラクターの名前などはうろ覚えだ。 なぜ、うろ覚えの漫画の感想をブログに書こうと思ったのか。 理由は、ふいにこの漫画を思い出したからだ。そして、この漫画をふいに思い出すのは今回が初めてではない。4年前のスー…

  • 43回目「π」(ダーレン・アロノフスキー監督)

    数学の世界には、ミレニアム懸賞問題というものが7つある。証明すれば1億円もらえるらしい。ざっくり言うと、数学のめちゃくちゃ難しい未解決問題だ。文系の自分には、想像もつかない。興味のある人は「ミレニアム懸賞問題」でググってください。近年、7つのうちの一つ、「ポアンカレ予想」という問題が証明された。証明したのは、ロシアのグレゴリー・ペレルマンという数学者なのだが、この天才数学者は受賞も賞金も辞退し、以後、誰とも連絡を取らず、人目を避けるように母親と二人で静かに暮らしているらしい。 『π』の主人公、マックスも天才数学者だ。天才的な頭脳とコンピュータを使い、株式市場の予想をしている。冒頭、近所に住んで…

  • 42回目「パリ、テキサス」(ヴィム・ヴェンダース監督)

    家族を捨て、行方不明になっていた男(トラヴィス)がテキサスの砂漠で倒れているのを発見される。連絡を受けた男の弟が、彼を迎えに行く。トラヴィスは、しばらく弟夫婦の家に世話になる。弟夫婦の家には、トラヴィスの実の息子(ハンター)がいた。弟夫婦は、身寄りがなくなったハンターを4年間、本来の親に代わって養育していたのである。 最初は気まずく、ぎこちなかった父と息子も、弟夫婦の家で共に生活をしていく内に親子の関係が修復され、打ち解けていく。やがてハンターは、父と同じく自分を捨てた母親(ジェーン)を、トラヴィスと共に探しに出かける。というお話。 『パリ、テキサス』はロードムービーだ。劇中では二つの旅が描か…

  • 41回目「当世 悪魔の辞典」(別役実:朝日文芸文庫)

    小説でも戯曲でもエッセイでもなく、辞書である。元ネタはアンブローズ・ビアスの『悪魔の辞典』であり、それの別役実バージョンである。辞書なので、それぞれの単語の意味が、あいうえお順に乗っている。「愛」で始まり、「我思う、ゆえに我あり」で終わる。同じようなことを筒井康隆もやっていた。筒井康隆の方は、「愛」で始まり「ワンルームマンション」で終る。こちらは、分量も相当だが、少しやりすぎかなとも思った。自分としては、別役実版の方が小さく纏まっていて好きだ。筒井康隆が天才なのは、この辞書を読むだけで充分、分かるのだが。 辞書というのは、実は作家の個性が一番出るのではないだろうか。そして、辞書を「読ませる作品…

  • 40回目「叫び声」(大江健三郎:講談社文芸文庫)

    ブログの更新が少し滞ってしまった。最近、精神的に疲弊しており、良い作品に触れてもブログを書く気力が起こらなかったのだ。自分は基本的に怠け者なので、ブログを書くことに向いていないのかもしれない。だから、テーマの硬軟にかかわらず、ほぼ毎日のようにブログを更新している人は、単純に尊敬する。 そもそも、自分は文章を書くのが苦手なのだ。ある作品を読んで「面白い」と思った。或いは、「面白くない」と思った。それ以上、何を掘り下げることがあるのだろう。作品に対する批評なんて、意味があるのだろうか。そんな虚無的な考えが根底にあるため、書評や映画評を書くときは、自分自身に感じる白々しさと格闘しながら書いている。「…

  • 39回目「サーミの血」(アマンダ・ケンネル監督)

    スウェーデン北部に住む少数民族サーミ人の少女を主人公にした物語。人種差別をテーマにした映画で、主人公が、スウェーデン人から理不尽で屈辱的な仕打ちを受けるシーンは、観ていて辛くなる。 映画としては、よくわからないシーンが幾つかあって(というのは、自分の無知と理解力の無さに起因するのだが)、ずっと心に残るような傑作だとは思えなかった。主人公の少女が、スウェーデンの大学に通う経緯が、よく分からなかった。ダンスホールで出会ったスウェーデン人の青年と一夜を過ごし、翌朝別れてから、次のシーンでは、もう大学のキャンパスに入っているのだが、いつの間に入学したのだろう。単に大学に忍び込んだだけなのかと思ったが、…

  • 38回目「コルタサル短編集 悪魔の涎・追い求める男」(フリオ・コルタサル:岩波文庫)

    アルゼンチン出身の作家、フリオ・コルタサルの短編集だ。表題の2作を含め、全10作品が収録されている。ラテンアメリカの文学について、自分は殆ど知らない。ガルシア・マルケスの小説を過去に一作だけ読んだことがあるくらいだ。 何も知らないので、変な偏見を持たずに読み始めたのだが、読み終わった後も「なるほど、これがラテンアメリカの文学か」とはならなかった。規定のジャンルに分類するのが困難なほど、どの作品も毛色が違ったからだ。そもそも、文学でも芸術でも、ある既存のカテゴリーに分けること自体がナンセンスであり作家に失礼な気がする。「ジャンル」とか「テーマ」などといった、一言では要約できないモノを描くことが本…

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