109回目「パラレル・マザーズ」(ペドロ・アルモドバル監督)

109回目「パラレル・マザーズ」(ペドロ・アルモドバル監督)

ペドロ・アルモドバル監督の映画は、話の設定を作るのが巧い。その設定さえあれば、どう転んでも面白くなるような設定を作る。中には「さすがにそれはないだろう」と思うような設定もある。しかし、そんな強引な設定でも不思議と作り手の都合を感じさせない。普通は「偶然が多すぎる」とか「展開が強引過ぎる」と思いそうな設定でも、なぜか納得してしまうのである。また、設定から派生したストーリーも練られており、複雑な話なのにストレスを感じることなく、映画の世界に引き込まれる。 そんなアルモドバル監督の新作『パラレル・マザーズ』を映画館で観た。 他のアルモドバル映画と同様、『パラレル・マザーズ』も最初の設定がもうすでに面…