理学療法士の評価・教育で大切なこと よく臨床ではTUGが何秒でしたとか 10m歩行が何秒でしたとか だから日常生活が送れます だから転ばずに生活が送れます という理由付けをすることがあります たしかにカットオフ値としては、そうなのかもしれません 研究のエビデンスとしては、どうなのかもしれません エビデンスは数値で表さないとわかりませんから、数値であらわすことは大切です 誰にでも伝わりやすいです けど、本当に生活が送れる強い根拠になるでしょうか? 結構、退院した方が、家に帰り再骨折で入院してくる場合が多いような気がします 言いたいことは、歩くのが速かろうが、遅かろうが量的な評価では根拠が弱い気が…
脳血管障害サルコペニアの特徴 つまり、脳血管障害になると 速筋比率が高まるため、 軽い力で素早い動きしか行いづらくなるということ‼ 力強く、ゆっくりと安定感のある動作ができなくなる。 だから、勢いで歩くことはできても 勢いで立つことはできても 勢いで御飯は食べられても どことなく安定感がない ゆっくりと安定感のある動作ができない 持久性に欠けるため 持続した活動量も行えなくなる 確かにそうですよね 納得しませんか? だから、臨床では勢いに頼る運動はやらせてはダメです これで、理学療法士が”いい歩き方”ですねと言ってしまったら 患者さんは”これがいい歩き方”なんだと覚えてしまう てことは、ずっと…
日本の運動教育 日本の運動教育について、 私が非常に共感した著書をご紹介します。 平尾剛先生の”身体修行論”という本です。 是非、読んでみて下さい。 あなたは運動は好きですか? この問いに「好きです」と即答できる方はいいと思います。 ただ、即答できなかったり、 「好きではないです」とか、「嫌いです」と答える方も多数いると思います。 この後者は、小学校の頃に運動に関しての、いい思い出がなかったり、 苦手意識が形成されたり、そもそも運動をやってこなかったことが 影響しているのではないでしょうか? この著書には日本の運動教育について記されています。 日本の運動教育は幼少期から記録にこだわることが多い…
サルコペニア肥満 なに? 痩せない痩せなさいというのは嘘なの? これ中年では痩せたほうがいいのですが、(脳血管、心血管障害へ移行しやすい) 高齢者になると、 やや太っていたほうがいいということが分かっています。 低体重はサルコペニアの可能性高く、予後は悪いです 肥満者でも筋肉量が低く、サルコペニアの方は、予後が悪いです 最も予後が良いのは、やや肥満で、筋肉量は保たれている高齢者であります BMI18.5以上25㎏/m2 確かに病院勤務の時、 痩せている患者さんは予備能力が低く、回復は遅く、 お亡くなりになる方が多かったと思います 逆に肥満の方のほうが、予備能力が高く、回復が早く、 無事に退院さ…
我々の細胞は全てがたんぱく質(アミノ酸)からできています その細胞は毎日、合成と分解を繰り返しています なのでたんぱく質摂取不足により、合成が追い付かなくなると、 細胞は機能が不十分になったりします 筋の場合は筋委縮や筋の伸張性性低下、収縮不全などマイナスへ 骨の場合は骨粗鬆症や骨折などマイナスへ 内臓の場合は内臓の障害になりやすくなっていきます 高齢者では毎食良質なたんぱく質を25~30ℊ程度摂取しなければ 骨格筋で有効なたんぱく合成が一日を通して維持できない可能性があると言われています。 1日のたんぱく質摂取量の推奨例は成人男性で60ℊ、成人女性で50ℊです。 牛肉なら300ℊ、卵だけなら…
次の項目のチェックをしてみて下さい。 □6か月間で2~3㎏の体重減少がありましたか? □以前に比べて歩く速度が遅くなってきたと思いますか? □ウォーキング等の運動を週に1回以上していますか? □5分前の事が思い出せますか? □(ここ2週間)わけもなく疲れたような感じがしますか? 3つ以上該当でフレイル、1~2つ該当でプレフレイル これは簡易フレイル・インデックスというものです。 詳細はフレイル診療ガイド2018年版をご参照下さい。 ぜひ、このチェック項目に当てはまる方が身近にいるのならば、 早めにサルコペニアフレイル指導士がいるクリニック、病院を受診しましょう。 いない場合でも、リハビリを行え…
身体機能と死亡の関係 こちらの文献をご紹介します。 この文献を読んでの私の理解でしかなく、一部分となりますので、 必ず、原著をご覧くださいね。 原著はこちらです。pabumedです。https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/20829298/ 2019年に改訂されたサルコペニアの診断基準となる 握力、歩行速度、立ち上がり時間と死亡の関係を表した文献となります。 大変興味深いものです この文献によると、 握力が低い群は、高い群よりも1.5倍死亡している 歩行速度が遅い群は、速い群よりも2.9倍死亡している 立ち上がり時間が遅い群は、速い群よりも2.0倍死亡している との報告…
フレイル健診開始 これまで、 ロコモティブシンドローム サルコペニア フレイル についてお伝えしてきましたが、 ついに厚生労働省が動き出しました すでに始まっていますが、 2020年4月から、 75歳以上の健康診断にフレイルチェック項目を追加されました 上記の簡単なアンケートでスクリーニングで抽出します このアンケートはエビデンスの基づくもので ほとんどが基本チェックリストを基にして作成されています 詳細はこちらの厚生労働省のPDFをご覧下さい https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/000557576.pdf#search='%E3%83%95%E3%…
これまでのクリニックの対象患者は、 疼痛、しびれ、転倒、骨折、交通事故、労働災害が大半を占めています。 前回の記事でお伝えしたように、 健康寿命を延伸させるという観点から考えると、 起きてからクリニックを受診するのは遅いと言えます。 現にクリニックで働いている身からすると、 疼痛、しびれ、骨折が起きてから介入しても、 緩和することはあっても、完治することは難しい場合が多いです。 加えて、入院まで行ってしまうと、 さらに健康まで戻るには難しい場合が多くなります。 だから、これからは、 +なんかふらふら歩き +なんか力が弱った +なんか痩せた +なんか元気が出ない +なんか歩くのが遅くなった +な…
フレイル④ 似たような概念で、 わかりづらいと思いますが、 図に表すと、こんな感じです ロコモ、サルコペニアは筋骨格系の運動器障害 運動器障害は移動に制限が出ます 転倒につながります 痛みがでてきます そんなこんなで 移動範囲が狭小化してしまいます 何をするにも億劫となり、 負のスパイラルに陥てしまいます 認知障害、抑うつ状態 閉じこもり 外出減少など この負のスパイラルから抜け出すには 適切な運動と栄養、そして薬剤の介入しかない 身体の動きばかりは薬ではなんともなりません 自分がやるかやらんか 理学療法士がしっかりと個人ごとへの 適切な運動を指導できるか 痛みの改善を測れるか これが重要です…
フレイル③ みなさんをご存じかと思いますが、 加齢に伴う身体機能の変化を表した図です 健康(ロバスト)→フレイル(虚弱)→要支援・介護 このように加齢していきます しかし、 最近の研究では、 健康(ロバスト)⇔フレイル(虚弱)⇔要支援・介護 のように、可逆性があるとの報告が多くみられます つまり、年をとろうが、 フレイルは健康に戻れる 要支援、要介護はフレイルに戻れる 筋力はもとに戻せる 柔軟性は維持・改善できる 持久性は向上できる バランスは改善できる… ということです 健康寿命と生物学的寿命には10年の開きがあります つまり、大体の人は 疾患にかかり、10年間苦しんだ後に死を迎えるというこ…
最近、なんだかなぁ。 フレイル…フレイルと言いますが、 フレイルってなんやねん?? ということで、 分かりやすいスライドをご紹介します。 フレイル① このスライドにあるように 加齢とともに、 身体組成の変化:筋肉量の減少、脂肪量の増加、骨密度の低下 エネルギー産生・消費の不均衡:活動量低下、食事摂取量の低下 恒常性の調整異常:ホルモンの変化、サイトカインの増加 神経変性:神経細胞の減少 が起こってきます。 そして、 フレイル② フレイルに陥ります。 フレイルなると、 歩行障害、転倒 罹病性/併存症 褥瘡 せん妄、食欲不振、栄養失調 身体障害 尿失禁 睡眠障害 認知障害… 様々な疾患へと拡がって…
これからの理学療法士の見せ所は、 医学的知識を用いた予防の分野だと思います。 だけど、私としては予防という言葉はあまり好きではありません。 人は生まれ、欲により、自然と動きを獲得していきます。 その中で、誰一人と言って、理論づいて動きを獲得していく人なんていません。 どんな風に寝返ろうか? どんな風に立とうか? どんな風に歩こうか? どんな風に走ろうか? そんなことを考えながら、動きを獲得した人なんていないはずです。 だから、難しいのです。 一度何らかの出来事が加わり、 動けなくなった場合、動けないのです。 ぎこちないのです。 違和感がとれないのです。 そもそも誰からも動き方を教わっていないの…
日本の高齢化率の推移 これは日本の高齢化率の推移です 現状で30%で、3~4人に1人は65歳以上となっています。 20年後は37%で、2~3人に1人は65歳以上となってくる予想です。 これを見て、どう思います? 様々な意見があると思いますが、 長年、病院で勤務していた理学療法士である私の意見ですが、 命のことは、はっきりいって誰にも分りません。 とにかく、与えられた命がある限り、 人生を楽しみましょう。これにつきます。 そのためには必ず、運動は切っても切れません。 簡単に言うのはできます。 ただ、その人の身体、運動機能を見て、 適切な運動を指導しなければなりません。 ほとんどの場合はストレッチ…
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