chevron_left

メインカテゴリーを選択しなおす

cancel
faketk
フォロー
住所
筑紫野市
出身
福岡市
ブログ村参加

2020/05/16

arrow_drop_down
  • 【旧作】少子【再読】

    酒井順子,2003,少子,講談社.(7.30.23)旧作ではあるが、内容は全然古びていない。最初から最後まで、ただ共感するばかりであった。子どもなんか、産みたくもないし、育てたくもない、そのモヤモヤした理由を、本書は的確に示してくれている。本書を読めば、いまどき、子どもを産む選択をした女性の奇特さに、感心することしきりであろう。子どもが生まれなければ、日本が滅ぶ?滅んでなにが悪い?むしろこんなクソみたいな国は消滅した方が良い。人類が滅ぶ?人間は地球の害虫。滅んでおおいにけっこうだ。このままいくと西暦三五〇〇年には日本の人口約一人。この社会の大問題に、多少の罪悪感はあるものの、「別にほしくないから」「痛いから」「生活を変えたくないから」「面倒くさいから」と言ってはまずいでしょうか。誰も口にしなかった本音で「...【旧作】少子【再読】

  • 友だちは永遠じゃない

    森真一,2014,友だちは永遠じゃない──社会学でつながりを考える,筑摩書房.(7.29.23)なにを言いたいのかさっぱりわからないという点で、他に類をみない珍作。「一時的協力」で社会が成り立っているのは自明だが、それだからといって「無縁社会」論を反駁したことにはならない。一時的協力により成り立つ社会は、テンニースのいうゲゼルシャフト、すなわち「人々があらゆる結合にもかかわらず本質的には分離」しているそれであろうが、それを「無縁」というのである。ゲゼルシャフトとしての友人関係が「永遠じゃない」というのは、当たり前のことだろう。凝り固まって息苦しいように感じられる人間関係や社会も「一時的協力理論」というフィルターを通すとちょっと違った成立の姿が見えてくる。そんな社会の像やそこで考えられる可能性を想像してみよ...友だちは永遠じゃない

  • 保守の遺言

    西部邁,2018,保守の遺言──JAP.COM衰滅の状況,平凡社.(7.24.23)自決の直前に脱稿された本書は、タイトルどおりの「遺言」となってしまった。思い起こせば、『経済倫理学序説』や『大衆への反逆』は出色のできだったものの、次第に、たかだか明治期に創出された伝統への保守とはこれいかにといった違和感が募り始め、久しぶりに手に取ったのが、遺作となった本書であった。本書でも展開されている、氏の護憲派批判とグローバリズム批判には、おおいに賛同するものであるが、上記の違和感がやはりつきまとった。最後に、亡き妻を偲びながら女性を讃える、ナイーブな感傷に触れるにつけ、西部さんは、江藤淳と同じように、女性に依存することなしには生きることができなかったのかもしれない、そう思った。目次第1章今此処における我が国の紊乱...保守の遺言

  • 「認められたい」の正体

    山竹伸二,2011,「認められたい」の正体──承認不安の時代,講談社.(7.20.23)気色悪い、自意識過剰の承認クレクレお化けが跋扈する時代において、承認不足による不安の正体をつきとめるべく深く考察をめぐらした良作。山竹さんは、承認の三層構造を提起している。家族、恋人、親友など、愛と信頼の関係にある「親和的他者」とのあいだで成立する「親和的承認」、学校の級友や職場の同僚など、集団的役割関係にある「集団的他者」とのあいだで成立する「集団的承認」、社会的関係にある他者一般の表象である「一般的他者」を想定して成立する「一般的承認」、以上の三層である。(p.60)親和的承認は、かつて中野収さんが「家族する家族」という秀逸なコピーで言い表したように、儀礼化した「空虚な承認ゲーム」か、「スプーン一杯の幸せ」程度の脆...「認められたい」の正体

  • 絞り出しものぐさ精神分析

    岸田秀,2014,絞り出しものぐさ精神分析,青土社.(7.18.23)本書は、さまざまな雑誌に掲載された原稿を寄せ集めたものであるが、わたしのように、はるかむかしに岸田唯幻論に夢中となった者が飽きもせず固定的な読者となっているのだろう。こんな雑文集でも、書物として刊行されるのだから、たいしたものである。出版社は「快刀乱麻の切れ味で明快に迫る」とうたっているが、岸田センセも後期高齢者ともなると筆致が鈍るのであろう、はっきり言って切れ味はよろしくない。それでも、岸田唯幻論を知らない人には、けっこう斬新な内容であるのかもしれない。と、こんなふうに、退職を見越して、本棚の書物を読んでは古紙回収に出しているわけであるが、まだまだ道のりは遠い。国家は幻想、時間も幻想、愛と性、自我も幻想―、すべては幻想とする「唯幻論」...絞り出しものぐさ精神分析

  • ロッキング・オンの時代

    橘川幸夫,2016,ロッキング・オンの時代,晶文社.(7.16.23)なぜ、あの時代、わたしたちは、ロックに過剰な思い込みをしていたのだろう。大音量でロックを聴きながら、「30歳以上の大人」を敵対視し、熱に浮かされたように「大人」に無謀な闘いを挑んでいた昭和のあのころ。いま思い起こしても恥ずかしい記憶しかない。親や学校の教師に対する反発が、それらへの敵対におさまりきらず、肩をいからせて街を歩き、「大人」たちを睨めつけていた。若かった、幼かったとしか言いようがないのだが、本書を読んで、ただただ痛かったわが身を思い起こし、いたたまれなくなった。目次第1章胎動第2章創刊第3章荒ぶる時代第4章全国販売第5章創刊4人組第6章市販雑誌第7章混乱の中での前進第8章ロックレビュー第9章ロックからのテイクオフ第10章解散ロッキング・オンの時代

  • 「働くこと」を社会学する

    小川慎一・山田信行・金野美奈子・山下充,2015,「働くこと」を社会学する──産業・労働社会学,有斐閣.(7.15.23)「産業・労働社会学」の概説書としては、悪くはない内容だと思う。しかし、なんだこのつまらなさは。わたしの専門であるはずなのに、砂をかむような味気なさに、読むのが苦痛であった。原因の一つは、この分野においても、在野の活動家やジャーナリストが、社会学者よりも注目すべき仕事をしている点にあると考える。研究費の獲得が困難になっていることもあり、社会学の調査研究は現実に生起している深刻な問題に立ち向かうことができなくなっている。それなのに、社会学の学説のみに拘泥しているようでは、おもしろみのない概説書になってしまうのは、むしろ必定であろう。キャリアポルノ、ワーキングプア、グローバル化と底辺への競争...「働くこと」を社会学する

  • 【旧作】ケースワークの原則【再読】

    フェリックス・P.バイステック(尾崎新・福田俊子・原田和幸訳),2006,ケースワークの原則──援助関係を形成する技法(新訳改訂版),誠信書房.(7.10.23)社会福祉学の古典として親しまれてきた本書であるが、原著の出版からなんと66年。それでも、現在でもなお、社会福祉援助の方法論としてじゅうぶんに通用する内容であることには驚く。しかし、イエズス会司祭でもあったバイステックのケースワーク論は、創造主である神の意志たる自然法のもとで保障されたクライエントの権利の擁護の議論として展開されており、そうした宗教的背景をもたないわたしたちには、また別の便法が必要であるように思う。目次第1部ケースワークにおける援助関係の本質援助関係を形成する目的援助関係における態度と情緒情緒と態度による力動的な相互作用援助関係を形...【旧作】ケースワークの原則【再読】

  • 【旧作】ソフィーの世界【再読】

    ヨースタイン・ゴルデル(池田香代子訳),1995,ソフィーの世界──哲学者からの不思議な手紙,日本放送出版協会.(7.9.23)本作が世界各国でベストセラーとなって、はや30年近くがたったのか。現在まで長く読み継がれていることもうなずける、ユニークな哲学史譚をファンタジー小説の包みのなかに散りばめた傑作だ。こういう本を小学生のときに読んでいたら、現前に開ける世界がもっと豊穣なものになっていたことだろう。ソフィーはごく普通の14歳の少女。ある日、ソフィーのもとへ1通の手紙が舞い込んだ。消印も差出人の名もないその手紙にはたった1行、『あなたはだれ』と書かれていた。おもいがけない問いかけに、ソフィーは改めて自分をみつめ直す。「わたしっていったいだれなんだろう」今まで当たり前だと思っていたことが、ソフィーにはとて...【旧作】ソフィーの世界【再読】

  • 安倍晋三の正体

    適菜収,2023,安倍晋三の正体,祥伝社.(7.4.23)「息を吐くように嘘をつく」を地で行く虚言癖、権力を私物化し悪用しても恥じぬ異常人格、知性も道徳感情も幼児レベル、アベの所業を思い出して出てくるのはこのような人物形容であるが、日常生活でもめったにお目にかからない最低最悪の人間が、「憲政史上最長」の長期政権を率いる総理大臣であったのだから、それを許した国民も、アベ同様、バカ、クズと呼ばれても致し方ないだろう。アベ本人はもとより、最悪のバカに追従、隷従した連中のことを、わたしは、絶対に忘れない。本書では、アベの虚言の数々が克明に再現されているので、いちいち記録をとっていない者には助かる。2022年7月8日、安倍晋三元首相が銃撃され、駆けつけた昭恵夫人に見守られる中で息を引き取った。生前の安倍氏は、「日本...安倍晋三の正体

arrow_drop_down

ブログリーダー」を活用して、faketkさんをフォローしませんか?

ハンドル名
faketkさん
ブログタイトル
Blog FakeTK
フォロー
Blog FakeTK

にほんブログ村 カテゴリー一覧

商用