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2020/05/16

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  • なぜ「活動家」と名乗るのか──岩盤を穿つ

    湯浅誠,2013,なぜ「活動家」と名乗るのか──岩盤を穿つ,筑摩書房.(10.7.24)他なる社会の可能性を夢見てそれに形を与え、場を作り、共同性を練り上げ、夢見る条件を作る。これが活動家の仕事だ。2008年暮れから年明けの「年越し派遣村」や、2009年10月から2012年3月までの内閣府参与など、一貫して貧困問題に取り組んできた著者が、「活動家」についてわかりやすく伝える。湯浅さんは、2000年代の貧困問題の可視化に大きく寄与した。本書では、リーマンショックと年越し派遣村の開設、民主党政権の成立に至るまでの、反貧困運動の軌跡が克明に再現されている。湯浅さんは、リーマンショック後に横行した「派遣切り」に強く怒りをぶつける。とはいえ「派遣切り」に対する第一の責任は、なんと言っても企業の経営者にあります。いま...なぜ「活動家」と名乗るのか──岩盤を穿つ

  • 【旧作】人口減少社会は怖くない【斜め読み】

    原田泰・鈴木準,2005,人口減少社会は怖くない,日本評論社.(10.7.24)人口減少は、中長期的には、人口密度や地価を引き下げ、ゆとりある社会の実現につながる。ただし、高齢化と生産年齢人口の減少を乗り越えるためには、女性と高齢者の就業者増を図らなければならない。また、労働生産性と一人あたりGDPを向上させる必要がある。それは、そのとおりなのだけれども、韓国、台湾、中国等、近隣に、工業国がひしめくなか、付加価値額の高い製造業をもって産業全体の労働生産性を引き上げるのは困難である。もちろん、雇用の規制緩和により、実質賃金、労働分配率を引き下げるのを後押しし、補助金で労働生産性の低い産業を延命させてきた国の責任は重いし、今後は、遅きに失する感はあるが、高付加価値産業へのシフトを促していかなければいけない。問...【旧作】人口減少社会は怖くない【斜め読み】

  • 【旧作】風を野に追うなかれ【斜め読み】

    小倉千加子,1995,風を野に追うなかれ,学陽書房.(10.6.24)「風を野に追うなかれ」というのは、「追いかけても仕様のないものを追うな」の意味とのこと。これをタイトルに選んだのは小倉さんの諦観ではないだろう。意味はむしろ逆で、「追うべきものは追いつづけねばならない」ではないだろうか(本書解説・富岡多恵子)―フェミニズムの「芸人」小倉千加子が精魂こめた愛と勇気と笑いのエッセイ集。辛辣な小倉節が随所に炸裂する。売買春について。結論から先に言います。「売春はいけない」と断言できるだけの根拠はありません。現実には売春防止法が存在するわけですから、売春は違法行為なんでしょうね。しかし、悪であるとか、間違っているという意味では、売春は悪だ、いけない事だと言い切ることはできません。悪であり、間違っているのは、売春...【旧作】風を野に追うなかれ【斜め読み】

  • セックス依存症

    斉藤章佳,2020,セックス依存症,幻冬舎(Kindle版).(10.6.24)社会的、経済的な損失を何度も被りながら、強迫的な性行動を繰り返してしまうセックス依存症。「セックス中毒」などと偏見を持たれがちだが、実は性欲だけの問題ではない。脳の報酬系に機能不全が生じて「やめたくても、やめられない」状態に陥ることに加え、支配欲や承認欲求、過去の性被害や刷り込まれた性的嫌悪、「経験人数が多いほうが偉い」といった“男らしさの呪い”などが深く関わっているのだ。2000人以上の性依存症者と向き合ってきた専門家が、実例をもとにセックス依存症の実態に迫るとともに、その背景にある社会問題を解き明かす。自己も他者も不幸にし、人生を狂わせかねないセックス依存症。斉藤さんは、ソーシャルワーカーとして関わった数多くの依存症当事者...セックス依存症

  • 賃上げ立国論

    山田久,2020,賃上げ立国論,日本経済新聞出版社.(10.5.24)生涯賃金3割増へ!高水準だった日本の賃金はいまや、米国の2割安、フランスの3割安、ドイツの4割安超のレベル。企業の成長、産業高度化のためにこそ、賃上げは必要。いまの経済状況を考えれば、賃上げは絵空事なのか?「ユニコーン」の誕生が相次ぐスウェーデンで実現している「賃上げを基軸とする活力ある社会経済モデル」とは――。日本が目指すべき「ハイブリッド・システム」を提示する。◆日本の賃金は国際的にみても低すぎる!◆低賃金による低価格戦略はもはや限界を迎えており、付加価値創造経営への転換が求められている。◆個人は、より高い賃金を求めて転職が増加。安全網に支えられ、自律的キャリアの形成へ意識改革が進む。◆企業は、不採算事業を大胆に圧縮し、事業構造の転...賃上げ立国論

  • ワーク・ファミリー・バランス──これからの家族と共働き社会を考える

    高橋美恵子編著,2021,ワーク・ファミリー・バランス──これからの家族と共働き社会を考える,慶應義塾大学出版会.(10.4.24)日本が目指すべき稼得・ケア共同型社会のあり方とは?これまで内閣府の調査に携わり、スウェーデンとの比較から日本の政策に提言を行ってきた編者が中心となり、スウェーデン・ドイツ・オランダの子育て世代と、各国に家族で駐在した経験のある日本人に対して行ったインタビュー調査をもとに、4カ国の実態を比較する。EUのなかでも福祉が充実し、多様な働き方・多様な家族のあり方を追求する3カ国で、男女が共に家族と仕事を両立するための政策がどのように機能し、どんな課題を抱えているか、生活の中からリアルに描き出す。ベネフィットと課題を参考にして、これからの日本が目指すべき両立支援のあり方や価値観の変容に...ワーク・ファミリー・バランス──これからの家族と共働き社会を考える

  • 人口減少社会のデザイン

    広井良典,2019,人口減少社会のデザイン,東洋経済新報社.(10.3.24)「都市集中型」か、「地方分散型」か。東京一極集中・地方衰退→格差拡大→財政は改善?地方への人口分散→格差縮小・幸福感増大→財政は悪化?果たして、第3の道はあるのか。2050年、日本は持続可能か?「日立京大ラボ」のAIが導き出した未来シナリオと選択とは。借金の先送り、格差拡大、社会的孤立の進行・・・…転換を図るための10の論点と提言。「集団で一本の道を登る時代」―昭和「失われた30年」―平成そして、「人口減少社会」―令和が始まった「拡大・成長」という「成功体験」幻想を追い続け、「先送り」されてきた、「持続可能な社会」モデルを探る。社会保障や環境、医療、都市・地域に関する政策研究から、時間、ケア、死生観等をめぐる哲学的考察までジャン...人口減少社会のデザイン

  • 自己実現という罠──悪用される「内発的動機づけ」

    榎本博明,2018,自己実現という罠──悪用される「内発的動機づけ」,平凡社.(10.3.24)本来、自己実現とは、人間としてより成熟していくことを指す。だが、「仕事で自己実現しよう」「やりがいこそが仕事で大切」など、仕事と自己実現を結びつけ、やりがいを感じさせることで、働く人びとに、低賃金で過重労働を強いる現実がある。あくどい経営者が内発的動機づけという心理学の概念を悪用しているのだ。なぜ、そのような言葉のトリックに簡単に引っかかってしまうのか…。無自覚のうちに植えつけられた仕事観や、その社会的な背景、対処法について考える。本書では、キャリア教育の弊害が繰り返し主張されている。「やりたい仕事を見つけよう」とキャリア教育の導師は言うが、職業は個人の願望に合わせてつくられているものではない。ニーズや利潤獲得...自己実現という罠──悪用される「内発的動機づけ」

  • 「感動ポルノ」と向き合う──障害者像にひそむ差別と排除

    好井裕明,2022,「感動ポルノ」と向き合う──障害者像にひそむ差別と排除,岩波書店.(10.2.24)健気に頑張る、あるいは尊敬すべき障害者―メディアや映像作品でおなじみのイメージは、健常者の感動の道具として消費するだけの「感動ポルノ」なのではないか?近年のそんな批判に対し、名作とされる映画からドキュメンタリー、パラ五輪まで個々の表現に目を向け、問題だとただ断じて終わらせるのでなくその背景を丁寧に読み解いていく。これまでの「あたりまえ」にひそむ差別と排除の意識をあぶりだす、やさしい障害者表象入門。本書で言う「感動ポルノ」とは、純粋無垢な障がい者が、さまざまな困難を克服して懸命に奮闘する姿を、見る者を「感動させよう」という意図で描き出す、定型的な表象のことである。「感動ポルノ」は、障害を無効化し、無意味化...「感動ポルノ」と向き合う──障害者像にひそむ差別と排除

  • 【旧作】女の人生すごろく【斜め読み】

    小倉千加子,1994,女の人生すごろく,筑摩書房.(10.1.24)小倉千加子によって今明かされる、女の人生の真実。本書が刊行されて30年。この間、なにが変わり、変わっていないか、考えながら読んだ。まず、女子の短大進学率が減少し、4年制大学進学率が5割を超えた。小倉さんは、当時の勤務先の短大生を念頭に本書を書いているので、「いまやそれはない」というところも多い。OLという呼称も死語となった。それでも、変わっていないこと、いまだに解消されていない問題も数多い。その一つに、女性が、「固有の人格をもった人間」として尊重されずに、男の性的欲望を充たす手段、道具として、客体化されているという問題がある。男に「まなざされる性的客体」として自己を値踏みしてしまうことからくる、いわゆる「女子をこじらせる」という問題だ。思...【旧作】女の人生すごろく【斜め読み】

  • 【旧作】福祉政策の国際動向と日本の選択──ポスト「三つの世界」論【斜め読み】

    埋橋孝文,2011,福祉政策の国際動向と日本の選択──ポスト「三つの世界」論,法律文化社.(9.30.24)国際比較的な視点から、日本の新しい社会保障・福祉政策論を提示。南欧やアジアの福祉政策から日本の「姿」を診る。「雇用志向」、「労働と福祉の関係の再編」が先行する欧米の経験の検証を通して日本の位置を確認し、政策論議の場を提供。副題にある「三つの世界」とは、イエスタ・エスピン=アンデルセンが福祉国家群を類型化した、自由主義レジーム、コーポラティズム・保守主義レジーム、社会民主主義レジームを意味するが、埋橋さんは、より動態的な福祉国家分析を目指して、1990年代のワークフェア、メイキング・ワーク・ペイ、ディーセントワークといった政策群を俎上に乗せる。現在もなお解決の目処さえ立っていないワーキングプアへの対処...【旧作】福祉政策の国際動向と日本の選択──ポスト「三つの世界」論【斜め読み】

  • 【旧作】人口減少社会の家族と地域──ワークライフバランス社会の実現のために【斜め読み】

    樋口美雄・財務省財務総合政策研究所編著,2008,人口減少社会の家族と地域──ワークライフバランス社会の実現のために,日本評論社.(9.30.24)人口減少下での多様で豊かな経済社会を目指して、先進各国の取り組みを参考に日本の取るべき方策を検討する。少子化、高齢化、社会保障費の増大と財政問題、ソーシャル・キャピタル、ワークライフバランス等々、論点は多岐にわたっているが、当時としては最高レベルの現状分析と将来予測がなされている。あらためて、本書刊行以来、約16年における社会政策の停滞を痛感した。目次地域によるワークライフバランス戦略1家族・地域社会の変化と就労家族・地域からみた仕事や暮らしの変化労働市場における地域差「現役世代減少問題」の実相2高齢化社会の諸相家族形態による家族経済の分析高齢者の居住地移動と...【旧作】人口減少社会の家族と地域──ワークライフバランス社会の実現のために【斜め読み】

  • かっこいい福祉

    村木厚子・今中博之,2019,かっこいい福祉,左右社.(9.29.24)低賃金、重労働、人手不足…「福祉」は何故、低く見られるのか?「制度」と「現場」を知り尽くした二人が、福祉をかっこいい業界にするにはどうするべきかを縦横無尽に語り合う。社会福祉に携わるすべての人へ、エールを送る一冊。障がい者は、市場社会の競争原理から守られる存在でなければいけない。こうした考えが、障がい当事者の資質、潜在能力の開花を著しく制約してきた。アトリエインカーブを主宰する今中さんは、美術市場で高く評価される、障がいをもったアーティストを育てる。村木彼らが軸になって、非常に収益も多く、法人全体の収益が上がるならやりますか?今中やります。インカーブの場合、それは国内外のアートフェアへの出展です。ニューヨークやシンガポールのアートフェ...かっこいい福祉

  • そして夫は、完全な女性になった

    みかた著・大谷伸久監修,2024,そして夫は、完全な女性になった,すばる舎.(9.28.24)「もうこれ以上自分が中年男性になっていくことに耐えられない。残りの人生は女性として生きていきたいんだ」。40代を迎えた夫は、こう言い放った。20代後半で結婚し、夫婦共通の趣味である旅行を頻繁に楽しむなど、平和な日々を過ごしていた2018年のある日、発覚した夫の女性ホルモン剤服用。まさに青天の霹靂といえる事態に混乱しながらも、何度も話し合いを重ねながら女性化していく夫を見続けた2年間を綴った手記。見た目だけでなく、いやそれ以上に中身も変わっていく夫との関係に苦労しつつも、性別違和についての学び、SNSなどを通じた当事者や当事者の家族との出会い、自己変革の決意……様々な行動を重ね、葛藤と闘いながら、どうすべきかを模索...そして夫は、完全な女性になった

  • ノーベル文学賞が消えた日──スウェーデンの#MeToo運動、女性たちの闘い

    マティルダ・ヴォス・グスタヴソン(羽根由訳),2021,ノーベル文学賞が消えた日──スウェーデンの#MeToo運動、女性たちの闘い,平凡社.(9.27.24)スウェーデン本国で大ベストセラー!2018年、ノーベル文学賞発表を中止に追い込んだ渾身のルポ、ついに日本上陸沈黙を強いられてきた女性たちが、いま声をあげる!2018年5月、ひとつのニュースが世界中を駆けめぐった。今年のノーベル文学賞は発表中止―。きっかけとなったのは、ひとりの女性記者によるスクープ記事だった。2017年末、スウェーデン最大の日刊紙「ダーゲンス・ニューヘーテル」は、ノーベル文学賞の選考組織であるスウェーデン・アカデミーに近い“文化人”ことジャン=クロード・アルノーが、数々の性暴力を行っていたというスキャンダルを報道。このスクープはアルノ...ノーベル文学賞が消えた日──スウェーデンの#MeToo運動、女性たちの闘い

  • アンダークラス化する若者たち──生活保障をどう立て直すか

    宮本みち子・佐藤洋作・宮本太郎編著,2021,アンダークラス化する若者たち──生活保障をどう立て直すか,明石書店.(9.27.24)本書は、多方面から若者の実態と若者支援の動向を探り、若者政策のあり方を模索する。そして、アンダークラスに落ち込む若者たちの実態を明らかにし、若者施策の前提となっている「親頼み」のメカニズムと限界をえぐりだし、アンダークラス化を防止するためにどのような社会編成が必要なのかを明らかにする。不安定な生活基盤、希薄な社会関係のなかで成人期への移行を余儀なくされた若者たちは、「ライフチャンスを剥奪された状態」にある。安心と誇りをもって人生を歩むことができるように、若者にライフチャンスを保障する若者政策を示し、若者の現在から将来までの生活保障の必要性を提起する。ロストジェネレーション──...アンダークラス化する若者たち──生活保障をどう立て直すか

  • 夜を彷徨う──貧困と暴力 沖縄の少年・少女たちのいま

    琉球新報取材班,2020,夜を彷徨う──貧困と暴力沖縄の少年・少女たちのいま,朝日新聞出版.(9.26.24)SNSで寝床を探す少女、大人に騙され売春の網にかかった少女、仲間との関係から窃盗を繰り返す少年……。夜の街をさまよう沖縄の少年・少女たちの姿から、日本社会全体が直面している「子どもの貧困」の実態が浮かび上がる。売買春、不登校、深夜徘徊、窃盗、大麻、妊娠…何が子どもたちをここまで追いつめるのか―。“青い海と空”のイメージとは異なる、もう一つの現実。居場所をなくした少年・少女の本音。沖縄の少なからぬ子どもたちが直面している虐待、貧困、性搾取等の問題については、上間陽子さんの裸足で逃げるでも詳しく述べられているところではあるが、もとが新聞連載記事であることの制約もあるのか、上間さん等の著作を超える内容に...夜を彷徨う──貧困と暴力沖縄の少年・少女たちのいま

  • 地震と虐殺──1923-2024

    安田浩一,2024,地震と虐殺──1923-2024,中央公論新社.(9.25.24)「朝鮮人が暴動を起こした、井戸に毒を投げ込んだ……」。関東大震災の発生直後、各地で飛び交ったデマによって多くの朝鮮人が命を奪われた。非常時に一気に噴き上がる差別と偏見。東京で、神奈川で、千葉で、埼玉で、悲惨な事件はいかなるメカニズムで起きたか。虐殺の「埋もれた歴史」は誰によってどのように掘り起こされてきたか。100年余りが経過した現在、何が変わり、何が変わらないのか。歴史的事実を葬ろうとする者たち、人災を天災の中に閉じ込めようとする政治家、差別行為にお墨付きを与える行政……。差別やヘイトクライムの問題を長年追ってきたジャーナリストが100年余り前と現在を往還し、虐殺事件が及ぼし続ける様々な風景を描く。民衆を暴走に駆り立て...地震と虐殺──1923-2024

  • 春を売るひと──「からゆきさん」から現代まで

    牧野宏美,2024,春を売るひと──「からゆきさん」から現代まで,晶文社.(9.24.24)島原半島からの密航。米軍基地の脇で、そして現代の夜の新宿で。彼女たちは何を思い、どう生きて来たのか。「からゆきさん」「パンパン」ー娼婦、売春。最後の証言者たちの声を追い、120年にわたるその真実の姿と命に迫る。共感を呼ぶまったく新しい女性史の誕生。「からゆきさん」、吉原遊廓、米軍基地の「パンパン」。横浜のメリーさん、立川デリヘル殺人事件。新宿区大久保公園。気鋭の新聞記者が、一二〇年にわたる娼婦、売春の真実の姿に迫る。歴史的な概要を知るのに最適であるとともに、これまでの女性史とは一線を画する一冊。ニュージーランドのように、売春をセックスワークとして認め、ワーカーの人権が法令で守られるようにしようという論調があるが、わ...春を売るひと──「からゆきさん」から現代まで

  • オレは絶対にワタシじゃない──トランスジェンダー逆襲の記

    遠藤まめた,2018,オレは絶対にワタシじゃない──トランスジェンダー逆襲の記,はるか書房.(9.23.24)トランス男性の当事者、遠藤まめたさんの自伝的エッセイ。なかなかいいじゃないの。ていねいに文章が綴られており、たいへん好感がもてた。トランスジェンダー当事者のみならず、ホモセクシャル、バイセクシャル、在日コリアン、被差別部落出身者、食肉解体作業員等々へのまなざしがとても細やかで優しい。生きづらさを解消する魔法の言葉として、「自分らしく」という表現をよく耳にする。わたしは、そのたびに、なんとも言えない違和感、居心地の悪さをいだいてきた。トランス男性(女性)は、かくかくしかじかであるはず、そうでなければ、「自分らしく」ない。こうした発想が、どれだけさまざまな当事者に、息苦しい思いをさせてきたことだろう。...オレは絶対にワタシじゃない──トランスジェンダー逆襲の記

  • 男がつらい!──資本主義社会の「弱者男性」論

    杉田俊介,2022,男がつらい!──資本主義社会の「弱者男性」論,ワニブックス.(9.22.24)冴えない、裕福でもない、特別な才能もない平凡な人生を幸福に生きていく――男たちの新しい生き方のモデルを提示する意欲作〝男らしさの呪縛″から解放されよう!現在の男性たちには、案外、低く鈍く冴えない人生を幸福に生きていくというモデルがあまりないのではないか?極端にマッチョな「男らしさ」だったり、家父長制度的な意味での父親像だったり、自己啓発的に勝ち抜けるような男性像だったり、リベラルでスマートすぎる男性像だったり……そのような「男」の人生のモデルはあるけれども、それ以外にもいろんな選択肢や「物語」があってもいい。「ぼくたちもだらだら、まったり楽しんでいい!」なかなかにおもしろい内容のエッセイだった。ToxicMa...男がつらい!──資本主義社会の「弱者男性」論

  • 弱者男性1500万人時代

    トイアンナ,2024,弱者男性1500万人時代,扶桑社.(9.22.24)週刊SPA!連載の「弱者男性パンデミック」に大幅加筆修正を加えて新書化!データで読み解く“弱者男性国家”ニッポンの現在。「お前はお前を愛せない、女もお前を愛さない。それだけで人生はこんなにも過酷だ」配信者・たぬかな「弱者男性」の75%は自分を責めている。“真の弱者”は訴えることすらできない―。データで読み解く弱者男性国家ニッポンの現在。トイアンナさんは、大胆にも、各種統計データから、「弱者男性」の数が1,100~1,500万人にのぼると推計する。その内訳は、以下のとおりである。(「巻末付録」より)障がい者・・・・・・精神・身体・発達の合計:564万人。信者の家族・・・・・・新興宗教の信者の家族:388万人。引きこもり:70.9万人。...弱者男性1500万人時代

  • 父ではありませんが──第三者として考える

    武田砂鉄,2023,父ではありませんが──第三者として考える,集英社.(9.21.24)子どものいないあなたにはわからないと言われるけれど――「ではない」立場から見えてきたこととは。「父親とは…」「母親とは…」「子育てとは…」大きな主語で語られ、世の中で幅を利かせる「普通の家族」をめぐる言説への違和感を「父ではない」ライターが遠巻きに考えてみた。武田さんは、「子どもがいる」者にのみ許されているがごとき家族をめぐる言説に対し、違和感と異論を唱える。「子どもがいない」立場にあって、鬱積し続けるモヤモヤを、堂々めぐりの思考の果てに、絞り出すように言語化する。産んだ人と、育てる人と、産まない人、育てない人がいる。本書のサブタイトルにある「第三者として考える」というのは、自分が産んでいない、育てていない存在であるこ...父ではありませんが──第三者として考える

  • おっさん社会が生きづらい

    小島慶子,2022,おっさん社会が生きづらい,PHP研究所.(9.20.24)「おっさんは、私だった」。アナウンサーとして活躍し、現在はエッセイストとして活動する著者は、ある経験を契機に、これまで忌み嫌っていた「おっさん的な感性」―独善的で想像力に欠け、ハラスメントや差別に無自覚である性質―が自分の中にも深く刻まれていることに気づく。この“おっさん性”は、男女問わず多くの人々に深く染みついているのではないか。本書はそんな日本社会に染みついた“おっさん性”について考察した、著者と5人の識者との対話集である。人が心を殺さねば生き延びられない“おっさん社会”から脱却するためのヒントがここにある。小島さんは、威張る、説教する、権力を濫用する、女性を身体消費の対象とする等々、「おっさん」的なるものに苦しみながらも懸...おっさん社会が生きづらい

  • ジェンダーで読み解く男性の働き方・暮らし方──ワーク・ライフ・バランスと持続可能な社会の発展のために

    多賀太,2022,ジェンダーで読み解く男性の働き方・暮らし方──ワーク・ライフ・バランスと持続可能な社会の発展のために,時事通信社.(9.20.24)ジェンダー格差大国ニッポン妻の「イライラ」夫の「モヤモヤ」なかなか進まない男性の家事・育児参加男性稼ぎ手社会を壊すことが男性の生きづらさを解消するジェンダー平等に向けた本気の働き方・暮らし方改革を!「お宅もテレワークですか?」平日の昼間に男性が家庭や地域にいても珍しがられない社会が到来するには相当な時間がかかるだろうと思っていたのに、皮肉にも新型コロナウイルス感染症拡大によって、そんな社会をわれわれは思いがけず経験することになったのだが……。(本文、序より)●新型コロナウィルスの蔓延にともなうリモートワークの拡大は、男性の働き方と暮らし方を根本から揺るがして...ジェンダーで読み解く男性の働き方・暮らし方──ワーク・ライフ・バランスと持続可能な社会の発展のために

  • 私の「結婚」について勝手に語らないでください。

    クァク・ミンジ(清水知佐子訳),2024,私の「結婚」について勝手に語らないでください。,亜紀書房.(9.19.24)結婚しても、しなくても私たちは結局“ひとり”を共に生きていく生き物なのだ。──前田エマさん(モデル)「非婚」は結婚の「否定」ではない。人と違う生き方に、大きな愛を贈ってくれる本。──安達茉莉子さん(作家・文筆家)累積聴取回数2000万回超!話題のポッドキャスト「ビホンセ」制作兼進行役による〝結婚しない〟という選択。「結婚しないんですか?」「子供がほしくはないですか?」「ひとりで寂しくないですか?」……非婚に対する偏見はまだまだ根深い。非婚は結婚の反対ではなく、多様な生き方のひとつ。自分の選んだ道に責任を持ち、時には弱音を吐いて傷つきながらも、自分を愛し、前に向かって進んでいく。本書には、非...私の「結婚」について勝手に語らないでください。

  • Z世代化する社会──お客様になっていく若者たち

    舟津昌平,2024,Z世代化する社会──お客様になっていく若者たち,東洋経済新報社.(9.19.24)PTAに言いつけますけど、いいんですか?気難しい表情の上司は存在がストレス。怒らない=見捨てられた。だから、いい感じに怒って。こんな若者たち、実は「誰か」を真似しているだけかもしれない。「近頃の若者は…」と嘆くあなたも「Z世代化」している!?ゆとり世代の東大講師がコミカルに語る衝撃の若者論!他者との微細な差異に敏感で、「みんなと同じはイヤだけど違うのもイヤ」ということであれば、これはなにもZ世代特有のものではなく、74年前、デイヴィッド・リースマンが『孤独な群衆』で描いた「他人指向型」の社会的性格、そのまんまではないか。みんなと同じでなければ不安という心理は、ビジネスの格好のエサとなる。こんな場面を目の当...Z世代化する社会──お客様になっていく若者たち

  • 二人キリ

    村山由佳,2024,二人キリ,集英社.(9.18.24)その女は愛する男を殺し、陰部を切り取り逃亡した――脚本家の吉弥は、少年時代に昭和の猟奇殺人として知られる「阿部定事件」に遭遇。以来、ゆえあって定の関係者を探し出し、証言を集め続けてきた。定の幼なじみ、初めての男、遊郭に売った女衒、更生を促した学校長、被害者の妻、そして、事件から三十数年が経ち、小料理屋の女将となっていた阿部定自身……。それぞれの証言が交錯する果てに、定の胸に宿る“真実”が溢れだす。性愛の極致を、人間の業を、圧倒的な筆力で描き出す比類なき評伝小説。作家デビュー三十周年記念大作!村山由佳さん「二人キリ」インタビュー性愛の極北に至ったはみ出し者の純粋さに向き合う村山さん、風よあらしよに続く評伝小説の大作であるが、事実をふまえながらも、想像力...二人キリ

  • 【旧作】セクシュアリティの障害学【斜め読み】

    倉本智明編著,2005,セクシュアリティの障害学,明石書店.(9.17.24)障害女性、介助、障害当事者運動、家族、専門教育など多角的な視点から「障害とセクシュアリティ」を論じた意欲作。障害者の性という窓を介して現代のセクシュアリティの一断面がみえてくる!差別、抑圧におけるインターセクショナリティ──交差性の問題を考える際、ジェンダーと障がいという変数は、見落とされがちであるけれども、もっとも身近にあって重要なものであろう。これまでとくに関心を集めてきたのは、障がい者のセクシュアリティに関することがらであった。しかし、障がい者のセクシュアリティをめぐる言説は、概して紋切り型のものに終わりがちであった。内容に目を移すと、障害者自身が書いた自伝はサクセスストーリーが多い。つまり結婚・(女性の場合)出産した障害...【旧作】セクシュアリティの障害学【斜め読み】

  • ルポ 定形外家族──わたしの家は「ふつう」じゃない

    大塚玲子,2020,ルポ定形外家族──わたしの家は「ふつう」じゃない,SBクリエイティブ.(9.16.24)東洋経済オンラインの人気連載「おとなたちには、わからない。」書籍化企画!!離婚家庭、同性カップル、非配偶者間人工授精(AID)など生殖医療で生まれた子……。現代の家族の形は「多様化」しています。父親と母親と子どもの組み合わせが「ふつう」だった時代は終わり。では、それで生まれ育った子どもの気持ちはどうでしょうか?本企画は両親の離婚、LGBT、虐待などなかなか他人に話せないけれど、意外と当事者の多い問題についてかつての子どもだった当事者に取材をし、具体的な事例を紹介する一冊。多様化する家族の形「ふつう」とはなにか。家族の形はますます多様化している。では、そこで生まれ育った子どもたちはどのように感じて、日...ルポ定形外家族──わたしの家は「ふつう」じゃない

  • 街場の親子論──父と娘の困難なものがたり

    内田樹・内田るん,2020,街場の親子論──父と娘の困難なものがたり,中央公論新社.(9.15.24)わが子への怯え、親への嫌悪。誰もが感じたことのある「親子の困難」に対し、名文家・内田樹さんが原因を解きほぐし、解決のヒントを提示します。それにしても、親子はむずかしい。その謎に答えるため、1年かけて内田親子は往復書簡を交わします。「お父さん自身の“家族”への愛憎や思い出を文字に残したい」「るんちゃんに、心の奥に秘めていたことを語ります」。微妙に噛み合っていないが、ところどころで弾ける父娘が往復書簡をとおして、見つけた「もの」とは?笑みがこぼれ、胸にしみるファミリーヒストリー。内田樹さんと内田るんさんの往復書簡集であるが、さすが、親子ともども鋭い。思わずうーんと唸るくだりがけっこうある。まず、樹さんは、親子...街場の親子論──父と娘の困難なものがたり

  • Z世代の闇──物質主義に支配される韓国の若者たち

    シンシアリー,2024,Z世代の闇──物質主義に支配される韓国の若者たち,扶桑社.(9.14.24)なぜZ世代は「お金は嫌い」と言いながら「お金持ちは好き」なのか?彼らの求める「公正さ」とは本当に「公正」なのか?累計70万部突破の著者が暴く、“Z世代のおそるべき本当の姿”なぜZ世代は「公正なのは投資だけ」と信じるのか?なぜZ世代には持論や信念がないのか?なぜZ世代は結婚や子育てに興味がないのか?なぜZ世代のポリコレは対立を生むのか?なぜZ世代は上の世代を憎みながら、同じ道を歩むのか?その答えは、ゆがんだ物質主義の支配にあった!「世界でもっとも憂鬱な国」韓国。個人主義、投資主義、支配主義、選択主義。通称「2030」が堕ちた歪な韓国社会。なにが彼らを狂わせるのか?Z世代が求める「公正さ」の正体と、その欺瞞を暴...Z世代の闇──物質主義に支配される韓国の若者たち

  • 今日の向こうは──きょうだいが語るきょうだいの精神疾患と私の人生

    横山恵子・仲田海人・やじろべえ・南の島のきょうだい・木村諭志,2024,今日の向こうは──きょうだいが語るきょうだいの精神疾患と私の人生,ペンコム.(9.14.24)精神疾患を発症したきょうだいと、そのきょうだいが語る幼少期から大人になるまでの人生とこころの記録。4人の体験談。姉は高校生の時に、突然こころを病み、その時私は中学生でした。姉の面倒を見なければいけないとしか思い描けていなかった未来。しかし、ほかのきょうだいが、きょうだい自身の人生を歩んでいることを知り、それだけが全てではないという思いに変わりました。4人が語るきょうだいのこころと記録。幼少期から大人になるまで。本書は、精神疾患(統合失調症)を発症したきょうだいをもつケアラー当事者、4人の経験談と考察により構成されている。精神疾患は外見ではそれ...今日の向こうは──きょうだいが語るきょうだいの精神疾患と私の人生

  • 言霊の幸う国で

    李琴峰,2024,言霊の幸う国で,筑摩書房.(9.13.24)芥川賞受賞後のLを襲う数々の災厄。ストーカー、女性差別、同性愛差別、外国人差別……あらゆる差別に抗する闘争と再生の書。渾身の千枚書き下ろし大長編!本厄の年に芥川賞を受賞したLこと柳千慧(りゅうちさと)を襲う災厄の数々――ストーカー、女性差別、外国人差別、同性愛差別、トランス差別……あらゆる差別に抗して生き延びるために言葉を紡ぎ厄を祓う闘争と再生の書!入魂の40万字書き下ろし大長編!そうですよね、文学で怒っていいんだ。文学シーンも社会。差別に抵抗し、みんなで仕事をするんだ。李さんが仕事をし続けてくれることは、すべてのマイノリティにとって希望になる!――山崎ナオコーラ(作家)記録せよ。記録せよ。記録せよ。私たちの生を。私たちの死を。私たちを憎むもの...言霊の幸う国で

  • 母は死ねない

    河合香織,2023,母は死ねない,筑摩書房.(9.12.24)「育てたい」「愛したい」それだけの願いを叶えることが、こんなにも難しい。注目連載待望の書籍化!一人として同じではない女性たちと、己自身の切なる声―自らも母としてあがくノンフィクション作家が聴き取り、綴る。「母」であっても、「母」でなくても河合香織『母は死ねない』刊行によせて本書は、母性愛を賛美した作品ではないけれども、わが子の存在を愛おしく思って、「子どものためにわたしは死ねない」と強く念じ、たとえわが子を喪ってもなおその生の痕跡を追い求める、そんな女性たちの想いが収められている作品だ。本当に母は死ぬないのだろうか。当たり前の子育てができないことに、普通ではないことに苦しみ続けてきた遺伝性難病の子をもつ母は、自死を選んだ。だが、彼女が母として劣...母は死ねない

  • ジェンダー・クライム

    天童荒太,2024,ジェンダー・クライム,文藝春秋.(9.11.24)誰もが容疑者。誰もが当事者。性にまつわる犯罪……ジェンダー・クライムは連鎖する。土手下に転がされていた男性の遺体。暴行の痕が残る体には、メッセージが残されていた。「目には目を」なんと男の息子は、3年前に起きた集団レイプ事件の加害者だった――。次々現れる容疑者、そして新たな殺人。罪を償うべきは、あなたかもしれない。天童荒太の原点回帰にして、記念碑的作品!ある遺体から連鎖する“我々”の罪――『ジェンダー・クライム』(天童荒太)大学生の四人組にレイプされた同じく大学生の女性。廃人同様となった女性は、大学を退学し、故郷に帰る。女性の兄は、四人へ謝罪を求めるも、拒絶される。そんななか、犯人の一人(レイプの場に居合わせてはいたものの自らは犯行に加わ...ジェンダー・クライム

  • 「性の対象にするの止めない?」京都市の地下鉄の“美少女アニメイラスト”に嫌悪の声も寄せられる批判「一体何に発情してんだ?」

    「性の対象にするの止めない?」京都市の地下鉄の“美少女アニメイラスト”に嫌悪の声も寄せられる批判「一体何に発情してんだ?」人間のセクシュアリティは多様性に充ちているものであるのだから、他者の心身を侵害するのでない限り、アニメのキャラに萌えるのもカラスの勝手でしょうよとは思う。ただし、アニメのキャラになんの関心もない、わたしも含めた一般公衆の目に触れるところに出すな。不愉快だし、気持ち悪いんだよ。SNSのアイコンにアニメキャラ使ってる者に、気色悪いネトウヨやセクシストが多いのは偶然ではない。「てめえきっしょいだよ寄ってくんな!」と罵倒しそうもない幼女にしか萌えない、チキンなキモヲタ。不快なのは、ペドフィリアを連想させるからでもある。アイドルだの、JSだのJCだのJKだにJDだのに萌えるのも、根っこにあるのは...「性の対象にするの止めない?」京都市の地下鉄の“美少女アニメイラスト”に嫌悪の声も寄せられる批判「一体何に発情してんだ?」

  • クレイジー・ライク・アメリカ──心の病はいかに輸出されたか

    イーサン・ウォッターズ(阿部宏美訳),2013,クレイジー・ライク・アメリカ──心の病はいかに輸出されたか,紀伊國屋書店.(9.10.24)科学的知識の普及か?善意の支援か?治療のための研究か?それとも金儲けか?――アメリカ型の精神疾患の概念が流入して以後、各国で発症率が急増し、民族固有の多様な症候群や治療法が姿を消しはじめた……。日本のうつ病、スマトラ沖地震後のPTSDなど、4つの国を舞台に、精神疾患のグローバル化がそれぞれの文化に与えた衝撃と、その背景を追う。拒食症、PTSD、統合失調症、うつ病・・・これら米国の精神医学界が構築した疾病概念が、アジア、アフリカ諸国へ取り入れられ、ネイティブな疾病観念が塗り替えられていく過程を、冷静なタッチで叙述する。社会的な不安がある時代には、文化は心や狂気に関する新...クレイジー・ライク・アメリカ──心の病はいかに輸出されたか

  • 【旧作】男女共同参画社会をつくる【斜め読み】

    大沢真理,2002,男女共同参画社会をつくる,日本放送出版協会.(9.9.24)日本社会が直面するデフレと少子高齢化の悪循環。そこから脱却するためには、男性も女性もともに、仕事と家庭・地域活動を両立できるような環境を構築し、社会を活性化することが必要ではないか。税制・社会保障・雇用制度などの社会政策システムを「会社人間」と「内助の妻」カップルを優遇する「男性稼ぎ主」型から、性やライフスタイルに中立な「両立支援」型に改革することを提唱する。人が性別に縛られず個性と能力を存分に発揮できる社会のあり方を、持続可能な具体的改革案をとおして摸索する注目作。本書は、高度経済成長期から21世紀初頭までの、ジェンダー平等に関連する社会政策の流れを俯瞰できる一冊だ。1990年代後半以降の、男女雇用機会均等法の改正強化、介護...【旧作】男女共同参画社会をつくる【斜め読み】

  • 【旧作】男女共同参画社会へ【斜め読み】

    坂東眞理子,2004,男女共同参画社会へ,勁草書房.(9.9.24)男女共同参画社会の実現にむけて、今後なにをすべきか。行政のトップとして推進役を担ってきた著者が、逆風のなかで課題を明らかにする。男女共同参画社会基本法が1999年に成立し、今日あらゆる分野で女性が決定に参画し、社会的不平等をうけずに活躍ができる社会の実現がめざされている。著者は30年以上にわたって女性行政の最先端でこの動きを推進しつづけてきた。長い前史と最近の動きを当事者としてふり返りつつ、今何が問題なのかを現場から明らかにする。ジェンダーフリーをめぐるバックラッシュの強まるなかで、女性のチャレンジをいかす方途を考えぬく。本書は、旧総理府男女共同参画室長を務めた坂東さんによる、2004年時点でのジェンダー平等へ向けての政府の取り組みについ...【旧作】男女共同参画社会へ【斜め読み】

  • コロナと女性の貧困 2020‐2022

    樋田敦子,2022,コロナと女性の貧困2020‐2022──サバイブする彼女たちの声を聞いた,大和書房.新型コロナウイルスに翻弄される女性たち。現場を訪ね歩き、彼女たちの声を聞いた。不寛容な社会で、必死に生きる姿を感じとってもらいたい。渋谷のホームレス女性、生理の貧困、大学生にも生活保護、トー横キッズのリアル、高学歴風俗嬢ハル、夫がコロナに感染、在日ベトナム人の苦難、“親ガチャ”で失敗、炊き出しに並ぶ親子、ヤングケアラー少年の事件…渾身ルポ!リーマンショックの際は、製造業の現場と寮から放逐された男性派遣労働者の生存が火急の問題となったが、コロナ禍においては、飲食業、旅行・宿泊業等に従事する女性非正規労働者のそれが大きな問題となった。定額給付金以外に、持続化給付金や社協の生活福祉資金貸付制度(緊急小口資金)...コロナと女性の貧困2020‐2022

  • 勇気ある女性たち──性暴力サバイバーの回復する力

    デニ・ムクウェゲ(中村みずき訳、米川正子監修),2023,勇気ある女性たち──性暴力サバイバーの回復する力,大月書店.(9.7.24)コンゴの紛争で組織的レイプに遭った女性たちを治療するムクウェゲ医師。心身を回復し、社会の構造や矛盾を理解し立ち向かう意思と力を身につけるサバイバーの姿に学び、司法制度や男性性の問題も含め、性差別克服を探究する。2018年ノーベル平和賞、ヤジディ教徒のサバイバー、ナディア・ムラド氏と共同受賞。性暴力、性差別と闘うデニ・ムクウェゲ医師の実践記。コンゴにおいて、兵士やゲリラにレイプされた女性たちの惨状が、あまりにキツい。複数の男たちに拉致され、木に縛り付けられて、次々にレイプされ、最後は、膣内で、銃を発砲される、あるいは膣内に刃物を突き立てられる。ムクウェゲは、コンゴでの性暴力が...勇気ある女性たち──性暴力サバイバーの回復する力

  • ジジイも日傘w

    月イチの労組地区連合の会合。こんなときくらいしか電車に乗らないが、気を付けているのは、女性、よくに若い女性の隣には座らないこと。だって、逆の立場だったら、気色悪いかもしれないでしょ。見た目はともかく、電車では痴漢やら盗撮やら、街に出れば買春やら、さんざんジジイに不快な思いをしている人も少なくないのだから、潔白なジジイならなおのこと、若い女性にはできるだけ近づきたくないと思うものだ。シャワーも使わず異臭を漂わせるジジイもほんとうに迷惑。性別は選べないし、だれでも歳をとる。だから、ジジイの存在自体を無下に否定するつもりはないのだが、とにかく、迷惑をかけないように、気を遣い、おとなしくしてろ、ってことだ。それにしても、7,8月ほどではないが、暑い。事務所までは、博多駅の筑紫口を出て15分ほど。日差しが強烈なので...ジジイも日傘w

  • 母にはなれないかもしれない──産まない女のシスターフッド

    若林理央,2024,母にはなれないかもしれない──産まない女のシスターフッド,旬報社.(9.6.24)「子どもを産まない」その一言が言いづらい「なんで産まないの?」「次は子どもだね」「産んだらかわいいって思えるよ」「産んで一人前」友だち、親、同僚、パートナー、SNSの言葉に戸惑い、傷つく女性たち。女性たちの「産まない・産めない・産みたくない」を丁寧に聞きとったインタビューと著者自身の「産まない」を紐解くエッセイから見えてくる、日本の女性たちのリアル。あまりに変わるところのない、旧態依然とした価値観、慣習、制度には日々うんざりさせられるが、確実に変わったこともある。その一つが、個人のプライバシーに属することがらへの無遠慮が、とくに若い人からなくなりつつあることだ。例えば、「彼氏(彼女)いるの?」、「結婚して...母にはなれないかもしれない──産まない女のシスターフッド

  • 多様な社会はなぜ難しいか──日本の「ダイバーシティ進化論」

    水無田気流,2024,多様な社会はなぜ難しいか──日本の「ダイバーシティ進化論」,日経BPM(日本経済新聞出版本部).(9.6.24)口では多様性を唱えつつ、経営会議は「日本人男性ばかり」。こんな会社が日本にまだ多いのはなぜ…?安倍政権で最重要項目に掲げられたにもかかわらず、なかなかふるわない女性活躍の現状を分析。逃げ恥、男性育休、MeToo、「日本死ね」、あたしおかあさんだから、LGBT、ポテサラ論争、ゲス不倫等近年話題をよんだトピックをとりあげつつ、ダイバーシティが根付かない日本社会の、問題の深淵に迫る。日経女性面の人気連載を大幅加筆のうえ書籍化!MeToo、ゲス不倫、男性育休、LGBT、ポテサラ論争、五輪組織委、逃げ恥、♯わきまえない女、卒婚、生理の貧困、まだ結婚できない男、マタハラ、タラレバ娘、女...多様な社会はなぜ難しいか──日本の「ダイバーシティ進化論」

  • きっしょ

    W杯サッカーアジア最終予選、日本対中国。三苫くんの再三のドリブル突破を見られたのは良かったんだが、後半途中から伊東が出てきて、興醒めになった。結局、不起訴になったが、準強制性交等致傷(当時)加害疑惑はどうなったん?代表に復帰した伊東への大声援を耳にして、モヤモヤした。性加害について、あまりに甘すぎないか?画面に伊東が映るたび、吐き気をもよおした。わたし(一応性自認は男)が、中学生のとき、学校で日常的に性暴力を受けていた経験があるから・・・とも考えたが、自分が被害を受けていないからといって加害に寛容になるというのは、あまりに想像力がなさ過ぎ、ではないか。長年、フットボールを愛し続けてきたが、伊東が出場する限り、素直に日本代表を応援する気持ちになれそうにない。YouTubeMusicのプレイリストの楽曲が、7...きっしょ

  • あらゆることは今起こる

    柴崎友香,2024,あらゆることは今起こる,医学書院.(9.5.24)私の体の中には複数の時間が流れている。ADHDの診断を通じて小説家が自分の内側で一体何が起こっているかを考えた。ADHD(AttentionDeficitHyperactivityDisorder=注意欠陥・多動性障害)やASD(AutismSpectrumDisorder=自閉スペクトラム症)といった発達障がいは、社会が生み出したものである。1950年代前半期、まだ農家、商店、小規模工場経営等の自営業層とその家族従事者が就業者の半数を占めていたころまでは、「少し変わった子」が、他者とのコミュニケーションがさほど必要のない労働に従事して生きていくことはじゅうぶん可能であった。しかし、経済の高度成長とともに、自営業層の解体、就業者の被雇用...あらゆることは今起こる

  • この顔と生きるということ

    岩井建樹,2019,この顔と生きるということ,朝日新聞出版.(9.4.24)僕の息子は、顔がゆがんで生まれた──。顔の変形やアザ、マヒなど特徴的な外見のため、学校や恋愛、就職で困難に直面した人々を描くルポ。筆者の長男も、顔の筋肉が少なく、笑顔をうまくつくれない。悩める記者が見つめた、当事者の未来。外見の悩みとどう向き合う?どんな顔でも幸福な人生をおくるために。見た目の悩みに直面した人々の人生をたどるルポルタージュ。顔面に障がいを負った人びと・・・と言っていいのだろうか、究極のスティグマを負った当事者たちの言葉がぐさぐさ刺さる。海綿状血管腫により右の顔が腫れ上がった藤井さん。就職してから4年後に、医学系の大学に入り直し、看護学を学びました。博士となり、大学の教壇に立ちました。授業では、医者の卵たちに自分の体...この顔と生きるということ

  • ユニクロのウルトラストレッチジーンズ

    リーバイスの定番テーパードジーンズ「502」(黒)の一本に穴が空いたので、買わないといけないなあと思いつつ、デパートもショッピングモールも大大大っ嫌いだし、めんどうくさいしなあで、ユニクロのウルトラストレッチジーンズをポチってみた。30サイズでぴったし。なかなかいいやん。動きやすいし、カッコいい。半年で体重が8キロ落ちて57キロになったので、細身のジーンズも堂々と履けるようになった。そんなことより、なにかと思いどおりにならなかった自分の身体を、体重減というかたちで制御できているという快感が大きい。拒食症になったことはないが、身体の飢えを抑え込んで、どんどん痩せ衰えていく快楽はよく理解できる。痩せ衰えて、着心地の悪い身体を脱ぎ捨てるとき、死という究極の自由を獲得することができるのだろう。ユニクロのウルトラストレッチジーンズ

  • 【名作】母性という神話【再読】

    エリザベート・バダンテール(鈴木晶訳),1998,母性という神話,筑摩書房.(9.3.24)いわゆる「母性愛」は本能などではなく、母親と子どもの日常的なふれあいの中で育まれる愛情である。それを「本能」とするのは、父権社会のイデオロギーであり、近代が作り出した幻想である…。母性本能の神話性を18世紀以来の育児事情の変遷により論証し、母と子の関係や女性の在り方について再考をうながした問題提起の書。1980年、フランスで出版されるや多くの反響や批判とともに大論議をよんだフェミニズム歴史学の金字塔。いまでこそ、少なからぬ女性が、「子どもなんか産まなきゃよかった」、「子どもが憎い」といったことを口にするのも珍しくなくなかったが、本書(原書)が出版された1980年当時は、「母にはわが子を無条件に慈しみ無制限に自己犠牲...【名作】母性という神話【再読】

  • 【旧作】主婦症候群【斜め読み】

    円より子,1988,主婦症候群,筑摩書房.(9.3.24)男女、愛、結婚、夫婦、そして主婦へ…。ストレス、倦怠、変調、焦燥、不眠、疲労、憎悪…、主婦なるがゆえに起こる病状、主婦症候群―。悪妻進行症、夫妻中毒症、専業主婦自閉症、潜在的離婚願望症、主婦失調症、嫉妬妄想症、良妻賢母硬化症、神経性冷感症、恋愛免疫不全症、中高年母性固執症…。あらゆる主婦がかかる病い。だから、その役割と存在について、認識を深めるために。ベティ・フリーダンの『女性らしさの神話(邦題『新しい女性の創造』、1963)』は、第二波フェミニズムの嚆矢となった書物であるが、フリーダンが「名前の付けられていない問題」(TheProblemthatHasNoName)と呼んだ、抑うつやアルコール依存に苦しむ、中流階層の専業主婦が抱えた問題は、その後...【旧作】主婦症候群【斜め読み】

  • 佐々涼子さん死去 ノンフィクション作家「エンジェルフライト」

    佐々涼子さん死去ノンフィクション作家「エンジェルフライト」宣告された余命も含めて、ご自分の病気について告知をされていたんで、驚きはないが、「死」と向き合う作品を手がけてきた人なだけに、自らの死とどう向き合われたのか、できれば知りたかった。ご冥福をお祈りいたします。災害の現場や死をテーマにした作品で知られるノンフィクション作家の佐々涼子(ささ・りょうこ、本名渡辺有美子〈わたなべ・ゆみこ〉)さんが1日、悪性脳腫瘍(しゅよう)で死去した。56歳だった。葬儀は近親者で行う予定。横浜市出身。異国で亡くなった人の遺体や遺骨を遺族の元に届ける仕事に密着した「エンジェルフライト国際霊柩(れいきゅう)送還士」で2012年に開高健ノンフィクション賞を受賞し、のちにドラマ化された。14年には東日本大震災で被災した製紙工場の〝奇...佐々涼子さん死去ノンフィクション作家「エンジェルフライト」

  • 【旧作】女装する女【斜め読み】

    湯山玲子,2012,女装する女,新潮社(Kindle版).(9.2.24)「今日はバリバリ女装していくよ」男勝りな仕事着を脱ぎ捨て、女らしさ満開のドレスで“女”を装う―アタマもカラダも、女たちはすでに男がイメージする“女”ではない。エコに身を捧げる、勝負服は着物で決め打ち、目標はホノルルマラソン完走、ブログはスターダムへの近道、財布と情報をバーターする親孝行…現代女性を消費の面から10のキーワードで痛快に読み解く。リアルな女の実態を知るための必読の書。いまさらボーボワールではないが、「んー女でも男でもいいんだけどアサインドジェンダーは男だし女に変えるのめんどうっちいしなーとりま男の着ぐるみするべ」というジェンダーアイデンティティの持ち主であるわたしにとって、女は女装する人間で男は男装する人間であるのはごく...【旧作】女装する女【斜め読み】

  • 【旧作】女と男の未来学──共学家庭科が暮らしを変える【斜め読み】

    桑畑美沙子編著、熊本県家庭科サークル,1994,女と男の未来学──共学家庭科が暮らしを変える,農山漁村文化協会.(9.2.24)ゴミや環境問題、女と男、性、老い、家族、地域の食べものなど身近な生活事象を素材に、自立した生活者を育むダイナミックな授業実践13章。男性教師3人も執筆。共学で家庭科は生活の哲学を学ぶ教科に変わる。「家庭科」が男女共修になったのは、中学校が1993年、高校が1994年のことであったが、共学化の背景には、日本政府が1985年に女性差別撤廃条約を批准したことがある。男女共修化までの長い道のり…かつての「男女別の技術・家庭科」に見え隠れする政財界の思惑と性別役割分業に基づく日本社会女性差別撤廃条約批准の結果生まれた制度としては、なにより1985年に成立(1986年施行)した男女雇用機会均...【旧作】女と男の未来学──共学家庭科が暮らしを変える【斜め読み】

  • Arsenal 1 - 1 Brighton

    PremierLeagueArsenal 1-1 Brighton三笘薫、圧巻ドリブルでチャンス演出!アーセナル戦で魅せた衝撃のパフォーマンス3:02サカの絶妙のパスにカイ・ハバーツ、技ありのループ。アーセナル先制。4:14デクラン・ライス、ヨエル・フェルトマンにちょっかい出してイエロー2枚で退場。アーセナル10人。4:30ベン・ホワイトに抑えられていた三苫くん、久しぶりに縦にえぐる。エグっ。4:45ジョアン・ペドロ、こぼれ球を押し込む。アーセナルのチームとしての完成度の高さに目を見張った。ウーデゴール、トロサール、サカの速攻アタックは強力だ。アーセナルが退場者を出して、ブライトンはやっと互角に戦えるようになった。アーセナル、今季はシティを抑えて優勝できるかもな。Arsenal1-1Brighton

  • 【旧作】脱・結婚──女と男のしなやかな関係を求めて【斜め読み】

    善積京子・柳原佳子・服部範子・西川美紀・志村明子,1985,脱・結婚──女と男のしなやかな関係を求めて,世界思想社.(9.1.24)わたしより一回り年長の女性社会学者による論稿集。柳原さんは、わたしの元同僚で、残念ながら、病気を患われ若くして事故死されてしまったが、本書には彼女のブリリアントな論稿が収録されている(柳原佳子「若い女性の現在」)。与えられた「女らしさ」への疑問と、もう一方で自分自身が望む自分らしさの喪失といったアイデンティティの危機は、三〇代の主婦だけをおそう事態ではない。それは若い女性がなかば無自覚なままに陥っている事態でもある。たとえば一〇代の女性がその行為の動機と結果についてほとんど自覚しないままに犯してしまう「暴力」や「性」や「モノ」へのこだわりや、それらの非行の発覚によって自己の内...【旧作】脱・結婚──女と男のしなやかな関係を求めて【斜め読み】

  • マチズモを削り取れ

    武田砂鉄,2021,マチズモを削り取れ,集英社.(8.31.24)路上、電車、学校、オフィス、トイレなど、日本の公共空間にはびこる〈マチズモ=男性優位主義〉の実態をライターが徹底調査!ジェンダーギャップ指数、先進国でぶっちぎりの最下位――「関係ない」はもうありえない。夜道を歩くことの恐怖、通学・通勤中の痴漢被害、発言権を奪われる不条理……最も身近な日常の場面から、変わらないこの国の「体質」をあぶり出す。わたしは、隠れXジェンダー、クエスチョニングであり、つねに、周囲が期待する「男役割」を裏切ることで、なんとか精神の均衡を保ってきた。そんなわけなので、威張る、恫喝する、威圧する、大声を出す、暴力をふるう、といった男男した振る舞いには、徹底して抗ってきた。本書では、不快きわまりない男男した振る舞いの数々が俎上...マチズモを削り取れ

  • 植民人喰い条約 ひょうすべの国

    笙野頼子,2016,植民人喰い条約ひょうすべの国,河出書房新社.(8.30.24)「NPOひょうげんがすべて(ひょうすべ)」と「知と感性の野党労働者党(知感野郎)」が政権を握った国・にっほん。そこでは人殺しの〈自由〉、弱者を殴る〈平等〉、餓死と痴漢強姦の偏りなき〈博愛〉がまかり通っていた――。千葉県S倉市に住む埴輪詩歌は、「指導教授」でもある最愛の祖母・豊子をひょうすべに殺される。母が営む花屋は世界企業に潰され、父は「少女遊郭」に入り浸り死んだ。やむなく詩歌は少女遊郭の「ヤリテ」見習いに入るがたちまち馘、そこで出会った夫も、人喰いの餌食に。時は流れ、権力者からの求愛、世界を揺るがす手紙がもたらされたのだが……詩歌の〈生〉とは何であったのか!?地に堕ちた自由と民主主義を問い直す、予言的物語。文学の一つの役割...植民人喰い条約ひょうすべの国

  • ロマンティックあげない、じゃじゃ馬にさせといて

    米国の映画、ドラマを中心にしたポップカルチャーの話題を縦糸に、フェミニズム、セクシャルマイノリティの観点を横糸に、軽妙でありながらざっくり編み込んだ好エッセイ集。松田青子,2016,ロマンティックあげない,新潮社.(8.29.24)女の日常に忍び寄る違和感を斬りまくり。海外ドラマ、ファッション、舞台、ゴシップ……。新鋭作家のアンテナ全開共感エッセイ。日常に溢れる「小さな違和感」をプチプチ退治。注目の新鋭作家による爽快エッセイ!テイラー・スウィフトのギラギラした目に夢中。ポニョは果たしていい名前なのか。岩館真理子のワンピースを探して。フィギュアスケートのおかしな実況。パスタセットにバゲットは必要か。「写真はイメージです」の不思議。どうしてハートをあげるのは女の子だけ?共感度満点のクセになる49篇。目次進め!...ロマンティックあげない、じゃじゃ馬にさせといて

  • スタッキング可能

    松田青子,2013,スタッキング可能,河出書房新社.(8.28.24)松田青子さんの作品は、「フェミ文学」と言う枠に収まりきれない魅力に満ち溢れている。松田さんは、ポップでクールな文体で、思いっきりシュールな世界を垣間見せてくれる希有な作家だ。それでも、醜悪なオヤジ社会を痛烈に皮肉る、その感性にとても惹かれてしまう。学生時代の夏合宿の夜、『わたし』がオセロで勝つと、負けず嫌いだなあと言った同じサークルに属していた男。どうして普通にオセロをしていただけで、そしておまえに勝っただけで、負けず嫌いになるのか。おまえがオセロ弱いだけだろ。お好み焼き屋で、『わたし』が率先して取り分けないと、えっ女のくせに取り分けないなんてびっくりしたと言った、同じゼミに属していた男。論外。そいつの一言に普通に意見を言おうとしただけ...スタッキング可能

  • 【旧作】なぜフェミニズムは没落したのか【斜め読み】

    荷宮和子,2004,なぜフェミニズムは没落したのか,中央公論新社.(8.28.24)『アンアン』等の80年代雑誌文化は「フェミニズムのようなもの」だった。「女の時代」と言われたあの頃の空気は、なぜ退潮したのか?林真理子、上野千鶴子らに焦点を当てて検証する。荷宮さんは、「フェミニズムのようなもの」は支持するが、「フェミニズム」、とくに1980年代のそれは支持しない。支持しないどころか、とくに上野千鶴子さんを蛇蝎のごとく嫌悪する。「フェミニズムのようなもの」を支持する一部の女たちは、どうしてこうも上野さんを嫌うのか、その謎がいくばくかは解けたような気がする。荷宮さんにとっての「フェミニズムのようなもの」とは、以下のようにきわめてシンプルなものである。〈「フツーの女=ブスで無能」「フツーの男=ゲスで無能」という...【旧作】なぜフェミニズムは没落したのか【斜め読み】

  • 【旧作】「母性」を解読する【斜め読み】

    グループ・母性解読構座編,1991,「母性」を解読する,有斐閣.(8.27.24)出生率1.53ショック!「女性よ、母になれ」コールへの大反撃。旧優生保護法、母子保健法改悪反対運動を経て、1986年より開催された「母性解読講座」を元にした論稿集。女性には、わが子を慈しみ、自ら望んで惜しみなく自己犠牲を払わんとする母性本能が備わっているなどということはまず耳にすることはなくなったが、抑圧の方便としての「母性」イメージが消えたわけではなく、豪華な、またいまとなっては懐かしい人たちによって編まれた論稿は、現在においてもなお、なかなかに読み応えがある。とくに、佐藤文明さんの「戸籍と母性」は出色の内容だ。戦後の戸籍改革はダブルバインドの中で進みます。父性による家族コントロール(「家」=戸籍)を守ると同時に、個人の尊...【旧作】「母性」を解読する【斜め読み】

  • フェミニズムと社会福祉政策

    杉本貴代栄編著,2012,フェミニズムと社会福祉政策,ミネルヴァ書房.(8.27.24)DV、女性ホームレス、ボランティア等の新しい課題をふまえ、今後求められる政策を提言。社会福祉学に交差するフェミニズム、女性学、ジェンダースタディーズの重要性は、「社会福祉の受け手も担い手も女性(が多数)」という現状から鑑みて、いくら強調しても足りないくらいである。本書に収録されている論稿は、多岐の領域にまたがるが、なかでも、一時保護所に身を寄せたDV被害者が、自らの来し方を筆記し、それを元に援助者と対話しながら今後どうするかを「自己決定」していく、「構築的なソーシャルワーク」、「フェミニスト・ソーシャルワーク」に大きな可能性を感じた。本章では,自己決定という切り口で,その前提となる自己に関する人類学的視点をベースに,福...フェミニズムと社会福祉政策

  • 【旧作】ジェンダーと福祉国家──欧米におけるケア・労働・福祉【斜め読み】

    メリー・デイリー、キャサリン・レイク(杉本貴代栄監訳),2009,ジェンダーと福祉国家──欧米におけるケア・労働・福祉,ミネルヴァ書房.(8.26.24)私的領域と公的領域においていまだ継続する男女間の不平等。福祉国家はこのジェンダー関係をどのように形成してきたのか。本書は、欧米の8か国を取り上げ、ケア・仕事・福祉(制度)という3つの観点から、ジェンダーと福祉国家間の因果関係を理論的、実証的に解き明かしていく。イエスタ・エスピン=アンデルセンの比較福祉レジーム論が日本に紹介されたのは、欧米に遅れること10年の、2000年前後だった。福祉国家の態様を、自由主義レジーム(米国、カナダ、1980年代以降の英国、アイルランド等)、コーポラティズム=保守主義レジーム(ドイツ、フランス、オランダ、ベルギー等)、社会民...【旧作】ジェンダーと福祉国家──欧米におけるケア・労働・福祉【斜め読み】

  • 【旧作】女性福祉を学ぶ──自立と共生のために【斜め読み】

    橋本宏子,1996,女性福祉を学ぶ──自立と共生のために,ミネルヴァ書房.(8.26.24)女性一人ひとりが自分自身の人生を創るためには自立できる生活基盤の整備が必要です。すべての女性にとって幸福で生きやすい社会づくりを目指して様々な女性問題を福祉の目で見直します。本書が出版された当時は、それなりに意義があった内容だったのだろう。社会福祉にジェンダー視点が必要なのは、以下の理由による。〇貧困は、シングルマザーとシングル高齢女性において、もっとも深刻であること。〇暴力、性搾取の被害者において、女性が多数を占めること。〇社会福祉の対象者、福祉サービスの供給者のいずれにおいても、女性が多数を占めること。これらの動向をふまえた、社会福祉におけるジェンダーの主流化が必要なのであるが、ここ30年近くの歩みは遅々として...【旧作】女性福祉を学ぶ──自立と共生のために【斜め読み】

  • 【旧作】フェミニズムのパラドックス──定着による拡散【斜め読み】

    江原由美子,2000,フェミニズムのパラドックス──定着による拡散,勁草書房.(8.2524)『装置としての性支配』(1995年)につづく第5論集。90年代後半から今日までのフェミニズム、ジェンダー論を中心とした著者の代表的な仕事を収める。「女の時代」と呼ばれた80年代から一転して90年代のフェミニズムは、普及と拡散という事態に直面し、フェミニズム離れという現象すら起きている。少子化、晩婚化、経済不況の深刻化のなかでフェミニズムがかかえている課題を明らかにする。総論から各論へ、女性全体の問題から個別の問題へ、という時代の変化の意味を探っていく。性の商品化、性暴力、自己決定、セクハラなどの問題群をど正当な地位を獲得すればするほど進む若い世代のフェミニズム離れ。それはなぜか。近代主義的な言説の孕む幾重もの屈折...【旧作】フェミニズムのパラドックス──定着による拡散【斜め読み】

  • Brighton 2 - 1 Manchester United

    PremierLeagueBrighton2-1ManchesterUnited昨晩は、久しぶりに、フットボール観戦。今季のプレミア配信元は、U-NEXT。ブライトンVSマンU。HIGHLIGHTS BrightonvManchesterUnited PremierLeague0:08三苫くんのここしかないという絶妙のアシストにウェルベック。1:12ディアロの技ありのゴール。同点。1:27ガウナチョのシュートをザークツィーが押し込むも、オフサイド。こんなオフサイドは初めて見た。1:46アデイングラのクロスにジョアン・ペドロがヘッド一発。ブライトンがマンUを2-1で下す。ビルドアップでの駆け引き。ブライトンの鬼プレスをワンタッチパスで華麗にかわすマンU。ブライトンのGK、ジェイソン・スティールからの正確無比...Brighton2-1ManchesterUnited

  • 貧困女子のリアル

    沢木文,2016,貧困女子のリアル,小学館.(8.24.24)なぜ、こんなに辛いの?30代女子の本音社会的に注目されている貧困女子はシングルマザーなどが多かったが、ここにきて、短大や大学を卒業した30代女性たちが貧困状態に陥っていることが表面化してきた。街金での借金、親からのDV、男性への依存など、悲惨な現状はネットや雑誌でも話題になり、反響は大きい。学歴があるのに、なぜお金に困るのか、なぜ人生を捨てたような日常になってしまうのか。親や上司の世代には理解しがたい驚くべき現実、そして意外と共感できるという同世代の女性たち。社会問題としての貧困女子を浮き彫りにする。DIME増刊『SuitsWOMAN』のサイトで大反響を巻き起こした「貧困女子」を、追加取材でさらに深掘り。就職氷河期世代とはいえ、ごくフツーの大卒...貧困女子のリアル

  • 日本の貧困女子

    中村淳彦,2019,日本の貧困女子,SBクリエイティブ.(8.24.24)東洋経済オンラインで1億PV突破の人気連載「東京貧困女子。」が、2019年ノンフィクション本大賞にノミネート!働く単身女性の3人に1人が年収114万円未満。そこから家族、地域、制度の三つの縁をなくした女性たちが最貧困女子に落ちていく。都心に比べ地方の女性たちはその三つの縁が保たれていることによって、セックスワークで日銭を稼ぐほかないそんな状態に陥る女性は比較的少ないといわれているが、それは果たして本当か。地方消滅が叫ばれ、都会以上に貧困化が進む地方において、彼女たちが孤立に陥ったときどんな現実が待っているのか。その実態を明らかにする。「日本はもはや後進国である」最底辺に生きる女性たちの現状とは。働く単身女性の3人に1人が貧困状態とい...日本の貧困女子

  • シングル女性の貧困──非正規職女性の仕事・暮らしと社会的支援

    小杉礼子・鈴木晶子・野依智子・(公財)横浜市男女共同参画推進協会編著,2017,シングル女性の貧困──非正規職女性の仕事・暮らしと社会的支援,明石書店.(8.23.24)本書は、2015年、「横浜市、大阪市、福岡市を中心とする地域に在住し、非正規職で働いている35~54歳で子どものいないシングル女性」(p.193)を対象に実施されたウェブアンケート調査、「非正規職シングル女性の社会的支援に向けたニーズ調査」の結果をふまえて編まれた作品である。「貧困の女性化」が深刻化するなか、これまで、シングルマザーの貧困を対象とした書物は数多く出されてきたが、「シングル・子なし・非正規職」女性の貧困に焦点を合わせた研究は数少なかっただけに、このような試みにはそれ相応の価値がある。企業収益と、中高年男性の雇用と賃金とを維持...シングル女性の貧困──非正規職女性の仕事・暮らしと社会的支援

  • オンナを降りない女たち オトコを降りる男たち

    亀山早苗,2012,オンナを降りない女たちオトコを降りる男たち,新潮社.(8.23.24)出産しようと中年になろうとキレイなままの「美魔女」たち。バブル時代に青春を謳歌し、「恋愛至上主義」が蔓延るなかで大人になった彼女らは“年相応に老いる”ことさえ拒むのか。降りようにも降りられない「オンナ」という道はいったいどこへと至るのか。それを見る男たちの本音とは?男女の心と体の深淵を追求し続けてきたルポライターによる、これ以上ない赤裸々なレポート。亀山さんはわたしよりいっこ上、ほぼ同世代である。「国民皆婚」の最後の時代に思春期をおくり、バブル期を頂点に、異性愛強制規範、「恋愛至上主義」に突き動かされ、だれもが発情していた、あの世代。ラブバラードに、ユーミンに、「金曜日の妻たちへ」、「東京ラブストーリー」にと、発情を...オンナを降りない女たちオトコを降りる男たち

  • Boys Keep Swinging♪

    YouTubeMusicで、久しぶりに、DavidBowieのLodgerを流す。BryanFerryほどではないとしても、DavidBowieは、高校生のときからいつもそばにいた(つもりの)ミュージシャンだった。男であることからの逃亡と、かといって女になろうとは思わない、そんな宙ぶらりんのジェンダー・アイデンティティの支えの一つ、それがDavidBowieだった。ブライアン・イーノを迎え、ヨーロッパのダークサイドを荒涼とした音世界で見事に描ききった、Low、Heroesに続く、やや地味ではあるが、あっけらかんとした解放感に浸れる、それがLodger。BoysKeepSwingingのビデオクリップを見て、振り付けを真似したことを思い出す。体重が四ヶ月で6キロ落ち、50キロを切るのも視野に入ってきた。50...BoysKeepSwinging♪

  • 女のからだ──フェミニズム以後

    荻野美穂,2014,女のからだ──フェミニズム以後,岩波書店.(8.22.24)一九六○~七○年代の女性解放運動のなか、「女のからだ」をめぐる諸問題――性・生理・生殖・妊娠や中絶を、恥や非難を恐れず語り、知識を獲得し、女たちは自らの意識変革を経験した。市場商品と生殖技術の溢れる選択肢という新たな難問に立ちすくむ今こそ、「からだをとりもどした」あの時代を振り返ってみよう。女性解放運動/フェミニズムの諸潮流の中でも、1970年代に全米から展開した「女の健康運動」は、男性医師の管理下にあった性や生殖を女の手に取り戻す、生身の実践だった。日本ではウーマン・リブの優生保護法改定反対運動、さらには生殖技術をめぐる議論へつながっていく。意識変革の時代を振り返り、女のからだの現在と未来を考える。男の目線と欲望により客体化...女のからだ──フェミニズム以後

  • 日本のフェミニズム──since1886性の戦い編

    北原みのり編著,2017,日本のフェミニズム──since1886性の戦い編,河出書房新社.(8.22.24)女性たちは何を願い、何と戦ってきたのか?廃娼運動、売春防止法、リプロ、レズビアン運動…その歴史の原点から、わかりやすく解説するガイドブック決定版!論稿のみを見れば、フェミニズムの入門書としてはけっして悪くはないのだが、フェミ界隈の醜い分断を感じさせる内容であり、読後感は最悪だ。日本の女性学を牽引してきた「アカフェミ」の論者は、執筆陣からことごとく排除されている。巻末の「ブックガイド」からも、「アカフェミ」がてがけた重要文献はことごとく抜け落ちており、賞味期限の切れたどうでも良い本が並ぶ。笙野頼子は、インタビューで、上野千鶴子さんへの罵詈雑言を吐き散らかす。批判は大いにけっこうだが、公共の場で糞便を...日本のフェミニズム──since1886性の戦い編

  • 【旧作】クロム・ハート、LOVE ASH【斜め読み】

    桜井亜美,2003,クロム・ハート,幻冬舎.(8.21.24)本当のあたしなんて、何の価値もない―。家でも学校でも自分を殺して優等生を演じる十七歳の憧子。自分とは対照的に奔放なクラスメート宙へ想いを寄せていたが、宙が親子ほど歳の離れた女とホテルに入るのを目撃してしまう…。憧子はどんなに傷ついても錆びない心=クロム・ハートを手にすることができるのか!?文庫書き下ろし最新小説。桜井作品のなかでもとびっきり秀逸な作品。そりゃ、自己嫌悪にさいなまれるわなと納得する、主人公の憧子の狭小、卑俗な感情と、卑劣な振る舞い。それに振り回されて心身を傷つけられる人びと。場面がめまぐるしく展開し、ノンストップでスリリングなストーリーが疾走する。近年ヒットした小説群がみな凡庸に思えてしまう、そんなスゴい作品だ。桜井亜美,2000...【旧作】クロム・ハート、LOVEASH【斜め読み】

  • 【旧作】14【斜め読み】

    桜井亜美,1999,14,幻冬舎.(8.21.24)十三歳のカズキは、妄想の世界にいる唯一の親友BJとしか会話ができなかった。学校でイジメられ、家では母親に殴られ、同級生の少女に性的興奮を感じて悩むカズキに、BJは「世界を破壊しろ!」と言い続ける。そして十四歳になった時、彼は儀式を開始した。「そうです。僕が、酒鬼薔薇聖斗です」悲惨な事件の光と影を照らし出す、衝撃の問題作。1997年に発生した神戸連続児童殺傷事件の犯人、「酒鬼薔薇聖斗」こと、「少年A」の心象風景に迫る。「少年A」に本作で描かれている妄想が実際にあったのかどうかはわからないが、「透明な存在の不透明な悪意」(宮台真司)がいかにして生まれ、膨らんでいったのか、手に取るようにわかる内容になっている。その後、長崎男児誘拐殺人事件(2003年)、佐世保...【旧作】14【斜め読み】

  • 【旧作】エヴリシング、ヴァージン・エクササイズ、サーフ・スプラッシュ【再読】

    桜井亜美,1997,エヴリシング,幻冬舎.(8.20.24)いつも見る、あの空を飛ぶ夢。そこで一緒に風をつかまえ、飛翔する「彼」は誰なんだろう。突然の自殺で、恋人トモヤを喪った女子高生サキは、トモヤの「ほんとうの心」を探して、街を彷徨う。そして出会った、トモヤの生き写しのようなユウキ。ユウキこそ夢で見る「彼」なのか?現在形の少女の切なさを描く。物語は、冒頭、主人公、サキが、恋人、トモヤの自殺した姿を目撃するところからはじまる。トモヤのヒトクローン、ユウキとの出会い、逃避行、そしてトモヤの失踪(死)へと物語は進行する。桜井作品の中では珍しくベタな筋書きではあるが、じゅうぶん、楽しめる内容だ。桜井亜美,1998,ヴァージン・エクササイズ,幻冬舎.(8.20.24)十八歳になる前に、ヴァージン・ブレイクしたいと...【旧作】エヴリシング、ヴァージン・エクササイズ、サーフ・スプラッシュ【再読】

  • 【名作】カラーパープル【再読】

    アリス・ウォーカー(柳沢由実子訳),1986,カラーパープル,集英社.(8.19.24)16歳の黒人娘セリーは、名も知らないミスター**のもとへ嫁がされ、夫の暴力の下で毎日を耐えていた。愛する妹も夫に襲われ、彼女は失意のまま、アフリカへ渡った。……黒人社会の中に巻き起る差別、暴力、神、性といったすべての問題にたち向い、やがては妹との再会を信じ、不屈の精神を糧にするセリー。女の自由を血と涙で獲得しようとする女性を描く愛と感動のセンセーショナル・ノベル。ピューリッツァ賞、全米図書賞受賞。ペーパーバックスで既に400万部を突破した。ある奴隷少女に起こった出来事は、白人男性の黒人女性に対する、虐待、暴力、抑圧、差別を描いた名作であるが、本作は、黒人男性の黒人女性に対するそれ──白人男女の黒人女性への加害行為も描か...【名作】カラーパープル【再読】

  • 【旧作】ガール【再読】

    桜井亜美,1997,ガール,幻冬舎.(8.18.24)幼い頃、炎天下の車中に取り残され意識不明に陥ったことがトラウマとなり、人を愛することができない女子高生〈ユーリ〉。傷つくことを恐れ、彼女はただ“もの”になることに憧れていた。テレクラ、援助交際、オヤジ狩り――。現実に翻弄されながらも、少女は真実の愛を求める。『イノセントワールド』の著者が放つ衝撃の第二弾!『イノセントワールド』で衝撃のデビューを果たし、1990年代後半期を疾走した桜井亜美。ここのところ、旧作を再読したうえで処分するため再読しているが、本書も、当時の熱量を懐かしく思い起こさせてくれる作品だった。ネグレクト(炎天下での車内放置)、性虐待、いじめ(暴行)等、本作の登場人物たちも深刻なトラウマをかかえている。存在のキズにさらに塩を塗り込むかのよ...【旧作】ガール【再読】

  • 【名作】スピリチュアル・シングル宣言──生き方と社会運動の新しい原理を求めて【再読】

    伊田広行,2003,スピリチュアル・シングル宣言──生き方と社会運動の新しい原理を求めて,明石書店.(8.18.24)家族単位が企業や国などの根本原則となっている日本で、自立した個人を基本にする「シングル単位論」を提唱し、社会・政治制度改革を提案する。人権、平和、セクシュアリティ、南北問題などを考え、新しい関係、生き方を作り上げていく出発点となる論考。わたしは、学生時代、市川浩さんの身体論、廣松渉さんやピーター・バーガー等の物象化論を読んで、デカルト以来の心身二元論に疑問をもち、また、人間の、言語化される以前の、感情、衝動、情動、直感、身体の感触、感応等を理性、知性以上に重視すべきではないか、そうした問題意識をもちつづけてきた。善なる、あるいは美しい事象、人の振る舞いに触れたときの、あの、胸打たれ、身体で...【名作】スピリチュアル・シングル宣言──生き方と社会運動の新しい原理を求めて【再読】

  • 【旧作】きっと変えられる性差別語──私たちのガイドライン【斜め読み】

    上野千鶴子・メディアの中の性差別を考える会編著,1996,きっと変えられる性差別語──私たちのガイドライン,三省堂.(8.17.24)新聞用語のどこがひっかかるか。こうだったらいいな、女たちからの対案集。アメリカの性差別語ガイドライン運動も紹介。本書は、「1996年におけるメディアの現在を記録する第一級の史料」(上野、p.221)であるが、この時代、いかにも「昭和」っぽい家父長制とセクシズムが言語表現にモロ現れており、隔世の感がある。言葉は状況を定義する力の源泉である。言葉は、特定の価値規範を強制し、強化する。したがって、差別や抑圧をなくしていくためには、それらに加担する言葉を使わないようにしなければならない。もちろん、過剰なポリコレ(PoliticalCorrectness)の機械的な適用は、かえって、...【旧作】きっと変えられる性差別語──私たちのガイドライン【斜め読み】

  • 【旧作】ことばは届くか【斜め読み】

    上野千鶴子・趙韓恵浄(佐々木典子・金賛鎬訳),2004,ことばは届くか,岩波書店.(8.17.24)強烈な個性と洞察力で日韓のフェミニズムを拓くふたりの往復書簡.70年代から現在までの女性・若者・大学・家族の激変を知的自分史から省察し,日韓の同時代の差異とそこからのヴィジョンを親愛のエールをこめて分かち合う.本書は「境界で語るtalkingattheEdge」のタイトルで、雑誌『世界』に連載された、上野千鶴子氏と趙韓恵浄氏の往復書簡に、両氏の「あとがき」の手紙を一通ずつ付け加えたものである。同じ儒教文化圏にありながら、かたや「敗戦国」にしてナショナリズムが抑制された日本と、かたや「植民地」から脱して、民主化とナショナリズムの高揚が矛盾することなく進行した韓国。この差異をふまえ、「従軍慰安婦」問題にて、日韓...【旧作】ことばは届くか【斜め読み】

  • 爆笑ビデオクリップ三題

    長年ネットで遊んでると、ゲラゲラ笑うしかない、秀逸なビデオクリップに出会う。そのなかでも、特選の三つ、である。ジョン・レノンイマジン審査員爆笑【爆笑必至】韓国ドラマー演歌の演奏でヘビーメタル並みのアクション!Gregorius:NMKY(liveonTV)あー、おなかいたいw爆笑ビデオクリップ三題

  • 最後の講義 完全版 上野千鶴子──これからの時代を生きるあなたへ 安心して弱者になれる社会をつくりたい

    上野千鶴子,2022,最後の講義完全版上野千鶴子──これからの時代を生きるあなたへ安心して弱者になれる社会をつくりたい,主婦の友社.(8.16.24)最後の講義完全版上野千鶴子これからの時代を生きるあなたへ安心して弱者になれる社会をつくりたい 上野千鶴子主婦の友社NHK人気番組「最後の講義上野千鶴子」を未放映シーンも入れた完全版として書籍化。すべての女性に勇気を与える1冊です。本書は講義録であるが、上野社会学の真髄をさくっと把握することができる、格好の入門書となっている。主婦とはなにか、アンペイドワークとしての家事・育児・介護労働、市場経済と家族、環境、ケアの社会化等々、多彩な研究テーマにみえても、上野センセの問題意識は、首尾一貫したものであることがわかる。受講生との対話も良い。「実りある学び」ってこうい...最後の講義完全版上野千鶴子──これからの時代を生きるあなたへ安心して弱者になれる社会をつくりたい

  • 「許せない」がやめられない──SNSで蔓延する「#怒りの快楽」依存症

    坂爪真吾,2020,「許せない」がやめられない──SNSで蔓延する「#怒りの快楽」依存症,徳間書店.(8.15.24)「許せない」がやめられないSNSで蔓延する「#怒りの快楽」依存症 坂爪真吾徳間書店スマホの画面の向こうには、匿名の歪んだ正義が渦を巻く。ジェンダーをめぐる炎上、ナイナイ岡村「風俗発言」、「テラスハウス」出演者攻撃…。24時間「許せない対象」を探して怒りを求める。これがサイバー空間の異常実態だ。ミソジニスト、インセル、ツイッターフェミニスト、ツイッタークィア、表現の自由原理主義者等による、SNS、とくにツイッター(現X)上での怒りの応酬を分析する。自分を、神のような超越的ポジションに置いて、怒りで燃えさかる人びとを皮肉たっぷりに観察、分析する、その「あんたなにさま?」と言いたくなる、ポジショ...「許せない」がやめられない──SNSで蔓延する「#怒りの快楽」依存症

  • 子どもと女性のくらしと貧困──「支援」のことばを聞きに行く

    中塚久美子,2024,子どもと女性のくらしと貧困──「支援」のことばを聞きに行く,かもがわ出版.(8.15.24)子どもと女性のくらしと貧困 中塚久美子かもがわ出版著者の中塚さんは朝日新聞の記者。本書は、シンママ大阪応援団代表理事、大阪社会保障推進協議会事務局長の寺内順子さん、シェアリンク茨木理事の辻由起子さん等による、生活に困窮する女性への支援活動を取材し、とりまとまられたものだ。DV夫から逃れてきたものの、自立して生活するあてのない女性たちを伴走しながら支援する民間の活動、その経緯と実態とを知ることができる。生活に困窮する女性と子どもへの支援のあり方、そのモデルとなる実践から学べるところは大きい。目次第1部「何も聞かない」から始める「いま」に寄り添う独りぼっちにさせない第2部「安心して困れる世界」をつ...子どもと女性のくらしと貧困──「支援」のことばを聞きに行く

  • デスクライト

     デスクライトLEDクランプ式Hapfish24W幅広スタンドライト電気スタンド卓上【ダブル光源・光セ...🌌【幅広ダブルヘッド設計】78cm超ワイドダブルヘッドデザインで、このLEDデスクライトはデスク全体を照... HuizhouLedsunLightingCo.,Ltd.眼精疲労の軽減、机上スペースの有効活用のため、購入。ねらいどおり。読書もタイピングも格段にラクになった。「墓じまい」「仏壇じまい」変化するお墓事情多様化する「弔いのカタチ」わたしの実家はすでに墓じまいしているので、楽ちん。少子化、無子化により、「先祖代々の墓」の維持はますます難しくなる。そもそも、遺骨を父系親族の「先祖代々の墓」に埋葬し、子孫が維持、管理するなど、明治期にはじまった奇妙な風習に過ぎない。「死んだあと、なんで夫、夫の先...デスクライト

  • 外岡秀俊という新聞記者がいた

    及川智洋,2024,外岡秀俊という新聞記者がいた,田畑書店.(8.14.24)外岡秀俊という新聞記者がいた 及川智洋田畑書店東大在学中に「北帰行」(文藝賞)により鮮やかなデビューを果たし、作家の道を嘱目されながら、新聞記者として生きることを選び、朝日新聞社に入社。以後、四十数年にわたるジャーナリスト人生を余すところなく伝えるオーラル・ヒストリー。ジャーナリズムが病み廃れた現代にあって、健全なメディアを取り戻す方策を示唆する言論人必読の書!朝日新聞で健筆をふるった名新聞記者、故外岡秀俊の記者、編集局長のオーラル・ヒストリーを、後輩の記者が聴き取る。わたしは、学生時代から朝日新聞、朝日ジャーナル、Aera等を愛読していた。朝日新聞が安倍シンゾーと癒着しているのではないかという疑念から、4年ほど前に、M新聞に変...外岡秀俊という新聞記者がいた

  • ミシンと金魚

    永井みみ,2022,ミシンと金魚,集英社.(8.13.24)ミシンと金魚(集英社文庫) 永井みみ集英社暴力と愛情、幸福と絶望、諦念と悔悟…認知症を患う“あたし”が語り始める、凄絶な「女の一生」。第45回すばる文学賞受賞作。認知症を患うカケイは、「みっちゃん」たちから介護を受けて暮らしてきた。ある時、病院の帰りに「今までの人生をふり返って、しあわせでしたか?」と、みっちゃんの一人から尋ねられ、カケイは来し方を語り始める。父から殴られ続け、カケイを産んですぐに死んだ母。お女郎だった継母からは毎日毎日薪で殴られた。兄の勧めで所帯を持つも、息子の健一郎が生まれてすぐに亭主は蒸発。カケイと健一郎、亭主の連れ子だったみのるは置き去りに。やがて、生活のために必死にミシンを踏み続けるカケイの腹が、だんだん膨らみだす。そし...ミシンと金魚

  • 性と法律―─変わったこと、変えたいこと

    角田由紀子,2013,性と法律―─変わったこと、変えたいこと,岩波書店.(8.13.24)性と法律――変わったこと、変えたいこと(岩波新書) 角田由紀子岩波書店DV防止法、児童虐待防止法、セクハラに関する規定など、近年、当事者側の声から生まれた法律等がある一方、民法、刑法、売春防止法等は、長年、変わっていない。離婚、親権、賃金差別、性暴力…四〇年近く弁護士としてさまざまなケースに携わってきた著者が、性をめぐる法の問題点を明らかにし、未来に向けて提言する。弁護士としての経験と、数多くの判例にもとづき、性差別、性暴力における被害者の人権擁護の問題、現行の法制度の問題点を考察する。職場での性差別の残存は、日本の経済社会の活力低迷、その一因である。性差別に基づいた雇用策は、実際のところ会社に利益になるのだろうか。...性と法律―─変わったこと、変えたいこと

  • 仕事と人間―70万年のグローバル労働史

    ヤン・ルカセン(塩原通緒・桃井緑美子訳),2024,仕事と人間―70万年のグローバル労働史〔上〕・〔下〕,NHK出版.(8.13.24)仕事と人間(上)70万年のグローバル労働史 ヤン・ルカセンNHK出版 仕事と人間(下):70万年のグローバル労働史(2) ヤン・ルカセンNHK出版本書は、人類70万年の労働の歴史を叙述する大部の書物であるが、無味乾燥な学術書としての性格が強く、歴史学の専門家でない限り、忍耐強く読みとおすのは、困難だろう。歴史書といえど、例えば、ジャレド・ダイアモンドの一連の作品の場合、史実を貫く問題群が明確に措定されており、読者は、起承転結のあるストーリーとして歴史を理解する楽しさを味わえる。また、大部の書物と言えば、ダイアモンドに加え、ロバート・パットナムや、本書でも言及されているトマ...仕事と人間―70万年のグローバル労働史

  • 家族という病2

    下重暁子,2016,家族という病2,幻冬舎.(8.12.24)家族という病2(幻冬舎新書) 下重暁子幻冬舎幸せな家族を幻想し、理想の夫婦像、親子関係を築かねば、とストレスを高じさせる日本人。本書では、家族のしがらみや囚われの多い日本の実態を一刀両断。「欧米人は日本の家族が理解できない」「子供を無理心中に巻き込むおかしさ」「なぜ不倫で女ばかりが責められるのか」といった日本独特の家族の謎に迫るほか、「年を取ることは個性的になること」「親の介護を楽しむ極意」「男の本音を見抜く方法」「自分を家族から解放する」等々、家族という病を克服し、より充実した人生を送るヒントを示唆。60万部突破のベストセラー『家族という病』、待望の第2弾。1936年生まれの下重さんが、男社会のマスコミで働き続けるのは、たいへんなことだったろ...家族という病2

  • Reodoeer ブックスタンド

    久しぶりにブックスタンドを新調。Reodoeerブックスタンド書見台筆記台ブックレスト譜面台読書台本立て6段階調整折り畳み式竹製【サイズ】長さ:34cm幅:23.5cm本を載せる部分:2.9cm重さ:900グラム前後(素材の特性により多少... Reodoeer集中して読書するには良い商品だと思う。ただ、かさばるのが難点。「体臭が苦手すぎる」男性に対する不適切投稿の女子アナ、事務所が契約解除本人も謝罪契約解除は明らかにやり過ぎ。ポリコレやキャンセルカルチャーに過剰に迎合するのは、愚の骨頂。夏場、他人の体臭に不快感をもつのはだれしもあること。配送業務などに従事する人は、汗だくになっても仕事中はシャワーなど浴びられるわけもなく、そんなたいへんな人には、臭くとも、「ご苦労さま」と感謝し、スルーするのが大人。そん...Reodoeerブックスタンド

  • 査読

    某学会より、久しぶりに投稿論文の査読を依頼される。学会には不義理をしどおしなので、断るわけにもいかず、引き受けた。なにごともあとに引き延ばすのがいやな性格ゆえ、ちゃちゃっと添削を済ませる。対象論文はPDF文書。当初は、タブレットPC(BooxNovaAir)で読み込んで、ペン入力しようとしたんだが、情報量が多い文書への手書き入力は無理ゲーだった。タブレットより多少は作業領域が広がるノートパソコン(Dynabook)でペン入力することも考えたが、面倒っちくなって、結局、出力した紙原稿に手書きし、それを画像に撮って送信した。当の原稿は、いまいち言いたいことがわからないけれども、よく勉強してますねえタイプのものだったが、過去、ことごとく日本語表現として破綻している論文を数多く目にしてきたので、それらと比べると今...査読

  • 性暴力を受けたわたしは、今日もその後を生きています。

    池田鮎美,2023,性暴力を受けたわたしは、今日もその後を生きています。,梨の木舎.(8.11.24)性暴力を受けたわたしは、今日もその後を生きています。 池田鮎美梨の木舎性暴力被害者自身による9000日の記録。性暴力被害サバイバーの手記は、けっこう目をとおしているのだが、本書には、類書にはない深みがある。「治療されるべきは被害者ではなく社会。」という想いのもと、辛い思いをしながら、刑法を変えるべく奮闘する池田さんの姿は尊い。池田さんは、中学生のとき、親友を自殺で喪っている。親友は、性暴行を含めた陰惨ないじめによりこころを病み、自殺した。そして、池田さん自身、二度にわたって性暴力被害に遭い、PTSDに苦しむ。性暴力を裁く刑法上の犯罪(現在は不同意わいせつ罪と不同意性交等罪)要件の一つに、「暴行または脅迫」...性暴力を受けたわたしは、今日もその後を生きています。

  • 子どもへの性加害──性的グルーミングとは何か

    斉藤章佳,2023,子どもへの性加害──性的グルーミングとは何か,幻冬舎.(8.10.24)子どもへの性加害性的グルーミングとは何か(幻冬舎新書) 斉藤章佳幻冬舎子どもへの性加害は、心身に深い傷を残す卑劣な行為だ。なかでも問題なのが、顔見知りやSNS上にいる〝普通の大人″が子どもと信頼関係を築き、支配的な立場を利用して性的な接触をする性的グルーミング(性的懐柔)である。「かわいいね」「君は特別だ」などと言葉巧みに近づく性的グルーミングでは、子ども本人が性暴力だと思わず、周囲も気づきにくいため、被害はより深刻になる。加害者は何を考え、どんな手口で迫るのか。子どもの異変やSOSをいかに察知するか。性犯罪者治療の専門家が、子どもを守るために大人や社会がなすべきことを提言する。子どもへの性加害の問題は、深刻だ。思...子どもへの性加害──性的グルーミングとは何か

  • レンアイ、基本のキ、なぜ妻は突然、離婚を切り出すのか

    著者の打越さんは、DV、離婚の家事事件を数多く手がけてきた弁護士。現在は、立憲民主党所属の参議院議員。打越さく良,2015,レンアイ、基本のキ──好きになったらなんでもOK?,岩波書店.(8.9.24)レンアイ、基本のキ――好きになったらなんでもOK?(岩波ジュニア新書) 打越さく良岩波書店つき合った途端「オレの言うことをきけ」と言う彼。「好きなら相手に合わせるのが当たり前」と思う私。「恋愛って相手を束縛することなの?」「一方だけが我慢するのっておかしくない?」。様々なケースから不幸せにならない二人の関係のあり方を考えていく。デートDVに陥らない恋愛の形とは?巻末には相談窓口を付す。高校生を主たる読み手として想定し、編まれた啓発書。デートDVや、それにつながりかねない、相手の自由の束縛の問題について、コミ...レンアイ、基本のキ、なぜ妻は突然、離婚を切り出すのか

  • きっしょ(笑)

    自分の娘くらいの年齢の女の子の尻を追っかけ回しているじじい、おやじほど、きっしょいものはない。Omochiさんの一連のツイート。きしょいきしょい思いながら、こういうネタを見つけてゲラゲラ笑ってんのは、悪趣味ではあるけれど。笑きっしょ(笑)

  • 南海トラフ地震臨時情報に関する情報まとめ

    南海トラフ地震臨時情報に関する情報まとめ【地震速報】宮崎日南市で震度6弱1週間ほど同程度の揺れ注意現在、気象庁が、「巨大地震注意」を発表しているが、16時43分に発生した日向灘M7.1が前震となって本震が発生するかどうかは、気象庁も含めて、だれにもわからない。東日本大震災時にも、2011年3月11日の本震発生前に、3月9日にM7.3、10日にM6.8の前震があった。東北大学の地震学者が、これらが前震ではない旨の発表をした直後、本震が発生した。直下型地震と比較して予測が立ちやすいとされるプレート境界型地震ではあるが、日時を指定しての本震発生の予測など不可能である。南海トラフ大地震は確実に発生する。[NHKスペシャル]もしも南海トラフ巨大地震が発生したら?シミュレーションCGとドラマで解説 MEGAQUAKE...南海トラフ地震臨時情報に関する情報まとめ

  • 女性学・男性学〔第3版〕──ジェンダー論入門

    伊藤公雄・樹村みのり・國信潤子,2019,女性学・男性学〔第3版〕──ジェンダー論入門,有斐閣.(8.8.24)女性学・男性学--ジェンダー論入門第3版(有斐閣アルマ>Interest) 伊藤公雄有斐閣ジェンダー論の決定版テキスト最新版!女と男をトータルに論じた好評の入門書。恋愛、労働、育児など生活のいろいろな場面に焦点をあてた本文、女と男をめぐる名言・迷言集、マンガ、学問の営みを解説した特別講義、コラム、参加・発見型学習のためのエクササイズなど、工夫された構成で迫ります。最新データを盛り込みますますパワーアップ。自分の専門か、それに近い領域での入門書や概説書には、どうしても辛口になってしまうのだが、そりゃそうだ、すでに知っていることや考えたことがあるものしか書かれていないのだから。性別格差、性差別や、性...女性学・男性学〔第3版〕──ジェンダー論入門

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