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faketkさんのプロフィール

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ブログタイトル
Blog FakeTK
ブログURL
https://blog.goo.ne.jp/faketk
ブログ紹介文
某社会学者のブログです。いまは主に読んだ書物の情報をお伝えしています。
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392回 / 365日(平均7.5回/週)

ブログ村参加:2020/05/16

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faketkさんの新着記事

1件〜30件

  • 日本人が知らない恐るべき真実 増補版

    安部芳裕,2012,日本人が知らない恐るべき真実増補版,晋遊舎.(6.14.2021)署名が怪しげではあるが、なかなかどうして、グローバリズムと金融資本のからくりを正確に把握できている良書だと思う。日本経済と、わたしたちの暮らしをこれ以上悪化させないための条件として、再生可能資源と蓄電池による地域自給エネルギー網の構築、消費税率の低減と累進課税、資産課税の強化、グローバル企業本位の自由貿易の規制強化等が必要だろう。世界経済の崩壊―。著者がブログやサイトで警告し続けてきたことが、今、現実となって目前に迫っている。世界はお金を中心に回る。世界を動かしているのは「お金」と「暴力」である。その中心に位置して「世界」を動かしているのは、まぎれもなく「お金」であり、そのマネーシステムの暴走に世界中がなす術もなく翻弄され続け...日本人が知らない恐るべき真実増補版

  • 【旧作】もう一つの社会心理学【斜め読み】

    ケネス・J・ガーゲン(杉万俊夫・矢守克也・渥美公秀監訳),1998,もう一つの社会心理学──社会行動学の転換に向けて,ナカニシヤ出版.(6.13.2021)社会心理学における論理実証主義の不毛な研究史を振り返り、言葉と共同主観により構成される「生成的理論」を提唱する。生成的理論は、文化を根底から支える有力な信念・常識的了解を相対化し、旧来の現実了解法を見直し、従前の生活様式に根本的な疑問を投じ、それに基づいて、新たな行為パターンを生成・提案する能力をもつ。(p.226)認識の言語論的転回と、知識の共同主観的構成とをふまえれば、至極まっとうな議論が展開されている。社会学における批判理論や意味学派が提示した論点とも重なり、なかなか興味深かった。【旧作】もう一つの社会心理学【斜め読み】

  • 【古典】集合行為論【再読】

    マンサー・オルソン(依田博・森脇俊雅訳),1996,集合行為論──公共財と集団理論,ミネルヴァ書房.(6.10.2021)本書は、いわゆる「フリーライダー」(費用を負担せずに便益のみを享受する者)問題を取り上げた書物としてよく知られているが、エミール・デュルケム等の中間集団論を継承し、労働組合、協同組合等の小規模集団のパフォーマンスの高さを指摘した点の方が評価されるべきだろう。誰しもが排除されない「公共財」の構築と運用にあたって、官僚制組織に任せてしまうのではなく、公正に選出された住民組織による自主管理をめざすべきであることを再認識した。経済学の枠をこえ、政治学や社会学の額域においてもたかい評価を得ている必読の文献。集団と、それを構成する個人との関係、また利益集団行動に有力な分析枠組を提供するのみならず、地域活...【古典】集合行為論【再読】

  • コピペと言われないレポートの書き方教室

    山口裕之,2013,コピペと言われないレポートの書き方教室──3つのステップ,新曜社.(6.9.2021)なぜ「コピペ」がダメなのか、書物、論文、ウェブページの情報をどう利用すべきかについての解説にとどまらず、「自分の意見を根拠づけて主張する力」の大切さを説く。短いが、大学初年次生にはとても役立つ内容だ。コピペと言われないレポートの書き方教室

  • 【古典】社会問題の構築【再読】

    J.I.キッセ,M.B.スペクター(村上直之・中河伸俊・鮎川潤・森俊太訳),1990,社会問題の構築,マルジュ社.(6.6.2021)本書は、ラベリング論から構築主義の社会学へ、その発展継承的展開に大きな役割を果たした作品である。その後の社会運動研究に、本書で具体的な例解とともに示された視点が、クレーム申し立てから運動の収束に至る、ダイナミックな運動過程の分析に生かされていることがわかる。【古典】社会問題の構築【再読】

  • 【古典】完訳 アウトサイダーズ【再読】

    ハワードS.ベッカー(村上直之訳),2011,完訳アウトサイダーズ──ラベリング理論再考,現代人文社.(6.5.2021)いまさらラベリング論を学びなおしても、たいした収穫はなかった。ただし、ジャズピアニストでもあるベッカーが、ミュージシャンたちのアウトサイダーとしての矜持を聞き取ったインタビュー記録は、とてもおもしろかった。2009年アメリカ社会学会大会懇親会(?)でのベッカーらの演奏。↓↓HowieBecker,DouglasMitchell,RobertFaulkner,andDonBennettJazzJamsessionatASAマリファナ・法・ミュージシャン。「ハイになってなぜ悪い!」。マリファナ喫煙の現場から禁止法の成立まで、「逸脱現象に登場するすべての人間ドラマを描く」シカゴ社会学者にしてジャズ...【古典】完訳アウトサイダーズ【再読】

  • 33歳ガン漂流ラスト・イグジット

    奥山貴宏,2010,33歳ガン漂流ラスト・イグジット,ポプラ社.(6.3.2021)本書は、奥山さんが末期がんで亡くなる前までの、三か月余のブログ記事等を収録したものだ。不謹慎なことではあるが、まだ元気が残っていたときの記事はあまり面白くなかったが、死期が近づき、歩くのもままならない状態に入ってからの記事は、緊迫していて、読みごたえがあった。メメント・モリ。人は、生まれた直後から、死へのカウントダウンが始まる。切迫した気にならないのは、「まだ先のこと」という気休めがあるからだろう。「幸福な死」も「不幸な死」もない。死は死でしかない。生もまたしかり。ただ、ホスピスを嫌った奥山さんが、死の直前まで物書きの仕事をやめなかったのは、正しい選択であったのだろう。オレを覚えていてほしい―。余命宣告期限プラス2ヶ月。ガンと闘...33歳ガン漂流ラスト・イグジット

  • 三体Ⅲ 死神永生(上)・(下)

    劉慈欣(大森望、光吉さくら、ワン・チャイ、泊功訳),2021,三体Ⅲ死神永生(上)・(下),早川書房.(6.1,2.2021)空前絶後の傑作SF小説、第3部、完結編が、やっと日本語に翻訳、出版された。仕事(遠隔授業)を縫うように、一日で上・下巻を読みとおす勢いだったが、午前1時半で断念。結局、一日半で読みとおした。奇想天外な話の展開と、わくわくするような天体物理学の蘊蓄、そして、大量虐殺描写の残酷さ。最後のこれがえぐい。一部では、ナノテクを駆使してつくられた極細ワイヤーが、「地球三体組織」のメンバーを、船舶ともども、切り刻んだ。二部では、「三体星人」が放った飛翔体、「水滴」が、「太陽系艦隊」を壊滅し、乗員は。宇宙空間に放り出され、あるいは爆発した艦船の原子炉の業火に焼かれ死んでいった。そして、本作では、太陽系全...三体Ⅲ死神永生(上)・(下)

  • へろへろ

    鹿子裕文,2015,へろへろ──雑誌『ヨレヨレ』と「宅老所よりあい」の人々,ナナロク社.(文庫版有)(5.31.2021)雑誌『ヨレヨレ』は、わたしも愛読していた。本書にも登場する、勤務先の卒業生は、かつて、「特養」の設立費用をねん出するため、寄付金集めに奔走し、わたしの研究室も訪れた。卒業生が職員として活躍しているのは、うれしいものである。軽妙洒脱、かなりおふざけがすぎる文章は、読む者をおおいに楽しませてくれる。お金も権力もない老人介護施設「よりあい」の人々が、森のような場所に出会い、土地を手に入れ、必死でお金を集めながら特別養護老人ホームづくりに挑む!へろへろ

  • 潜入 閉鎖病棟

    柳田勝英,2012,潜入閉鎖病棟──「安心・安全」監視社会の精神病院,現代書館.(5.30.2021)精神病院の閉鎖病棟での入院体験と、「医療観察法」批判をはさんで、特養での介護体験を綴る。監視・管理される側とする側の双方での経験が、考察と叙述に生かされている。もう少し文章力があればなあ、と少し残念に思った。潜入閉鎖病棟

  • ジロジロ見ないで

    高橋聖人・茅島奈緒深,2003,ジロジロ見ないで──“普通の顔”を喪った9人の物語,扶桑社.(5.29.2021)顔に負った腫瘍、アザ、火傷、あるいは「無毛」は、究極のスティグマと言えるだろうが、当事者たちがそれとどう立ち向かっていったのか、たいへん興味深かった。本書の出版前に自殺した、「脱毛症」当事者の阿部更織さんの話は、けっこう胸に刺さった。この本に登場する9人は、顔に手術や治療で治すことのできない、アザや病気、ヤケドを負っている。彼らは、ただ見た目が“普通と違う”というだけで、人から好奇な視線を向けられてしまう。彼らを取りまく環境は、とても厳しいものだ。学校での生活、就職、恋愛など。私たちが、当たり前のように経験するさまざまな出来事でも、彼らはイジメに遭ったり差別を受けている。そんな辛い現実に苦しみ、考え...ジロジロ見ないで

  • ソーシャルワークの社会的構築

    レスリー・マーゴリン(中河伸俊・上野加代子・足立佳美訳),2003,ソーシャルワークの社会的構築──優しさの名のもとに,明石書店.(5.29.2021)一方的に、他者のプライバシーに立ち入り、権力を行使するソーシャルワーカー。しかし、その権力は、当たり前のように忘却される。アメリカ合衆国におけるソーシャルワークのテキストから、そのためらわずに行使され、忘却される権力のあり方が、明るみにされている。1890年代から現代までのアメリカにおけるソーシャルワークの歴史が、ソーシャルワークの「援助と調査」という2つの矛盾を自明化してきた過程を具体例を挙げて分析。「ソーシャルワークとは何か」を問いかける。ソーシャルワークの社会的構築

  • 介助者たちは、どう生きていくのか

    渡邉琢,2011,介助者たちは、どう生きていくのか──障害者の地域自立生活と介助という営み,生活書院.(5.26.2021)全身性障がい者が、大規模隔離施設や親もとから独立し、自立生活を営むために、24時間稼働可能な介助人を確保することは、自立のみならず、自らの生存を賭けた闘いであった。すべての「健全者」に障がい者の介助を要求する、先鋭的な社会運動が終焉したあと、運動は、行政に介助者へのじゅうぶんな労賃の保障をを要請する社会運動(「裏の運動」)と、会員制で有償の介助者を確保しようとする現実的な自立生活運動(「表の運動」)に分岐したが、1990年代、両者は歩み寄り、介助人の生活保障と障がい者の介助ニーズ保障とをともに充たす社会運動、生活運動に発展する。運動内部で介助人として葛藤してきた筆者が、日本社会における障が...介助者たちは、どう生きていくのか

  • 後期近代の眩暈

    ジョック・ヤング(木下ちがや・中村好孝・丸山真央訳),2019,後期近代の眩暈──排除から過剰包摂へ新装版,青土社.(5.23.2021)ICTの発展と、製造業の拠点たる工場の海外移転を含むグローバルなアウトソーシングにより、人口のごく一部の富裕層、ワーキングプアに堕とし込まれるアンダークラス、そしてアンダークラスへの転落に怯える中層、下層へと、社会は分解した。アンダークラスの、「階級政治」、「アイデンティティポリティクス」両面での「排除」は、同時に、当のアンダークラスが、「セレブリティ」に憧れ、消費文化に「過剰包摂」されてしまう事態にも通じている。ウェルフェアソサイエティからワークフェアソサイエティへの転換は、中間層、下層による、社会福祉の恩恵を受ける(と思われた)アンダークラスへの憎悪の現れであり、中間層、...後期近代の眩暈

  • 「べてるの家」から吹く風

    向谷地生良,2006,「べてるの家」から吹く風,いのちのことば社.(新装版有)(5.22.2021)「べてるの家」が立地する北海道浦河町は、元漁師町で、アルコール依存症者が多かった。アルコール依存症の父親による虐待、あるいはDVにより、こころがぼろぼろに傷つき、統合失調症等の精神疾患を発症する、その人自身も、精神疾患に加えて、父親と同様にアルコール依存症に堕ちていく、そんな人々が多い土地柄であった。本書で、このような事情があることを知り、このような条件不利地域が、いまや障がい者福祉の先進地域となっていることを、いっそう感慨深く感じた。北海道浦河町にある「べてるの家」は1984年に発足した。精神障害をかかえる当事者による地域貢献、社会進出を旗印に「商売」として日高昆布の産地直送、紙おむつの宅配に挑戦。93年には、...「べてるの家」から吹く風

  • 福祉先進国における脱施設化と地域生活支援

    河東田博編著,2007,福祉先進国における脱施設化と地域生活支援,現代書館.(5.20.2021)本書は、オーストラリア、ノルウェー、オランダ、アメリカ合衆国、スウェーデン、そして日本社会における、知的障がい当事者の入所施設からの解放の経緯と現状を明らかにしている。もっとも興味深かったのは、脱施設化、地域生活移行を経験した日本の障がい当事者とその親、施設職員のインタビューだった。過剰な規則による管理に自由を奪われた生活より、自由が保障された生活が良いに決まっている。遅々としてすすまぬ日本社会における脱施設化と地域生活移行の現状に、苛立ちさえおぼえる。福祉先進国における脱施設化と地域生活支援

  • 福祉先進国に学ぶしょうがい者政策と当事者参画

    河東田博監修,2006,福祉先進国に学ぶしょうがい者政策と当事者参画──地域移行、本人支援、地域生活支援国際フォーラムからのメッセージ,現代書館.(5.16.2021)本書は、スウェーデン、オランダ、オーストラリア、そして日本社会における、脱施設化、地域移行の経緯と現状(当時)を詳細に把握できる内容となっている。興味深かったのは、どの国においても、、グループホームで、大規模「施設」同様の過剰な管理が行われていたり、知的障がい当事者のプライバシーが尊重されていない問題があるという点だ。日本社会における脱施設化と地域生活移行も、二歩進んでは一歩後退する、という遅々たる歩みではあるが、「施設慣れ」した障がい当事者と家族に、より自由で、自分のことは自分で決められる生活のゆたかさを経験してもらう機会を保障していく必要があ...福祉先進国に学ぶしょうがい者政策と当事者参画

  • ピープル・ファースト:当事者活動のてびき

    ビル・ウォーレル(河東田博訳),2010,ピープル・ファースト:当事者活動のてびき──支援者とリーダーになる人のために,現代書館.(5.16.2021)本書は、パターナリスティックな保護を受け、自己決定権を奪われがちな知的障がい者への支援のあり方を問いなおし。障がい当事者の力を最大限に生かしていく活動のありようを提示した書物である。知的障がい者は自己決定能力に欠けるという決めつけは、健常者のとんでもない思い込みでしかないことに気付かされる。支援者の役割は、当事者を信頼し、当事者から学び、当事者が自分たちでやれるように支援し、リーダーを育てていくことである。リーダーは、メンバーをしんらいし、グループのまとめ役として、メンバーやしえん者にたすけてもらいながら、グループのせわをしていく人のことである。この本は、当事者...ピープル・ファースト:当事者活動のてびき

  • 【旧作】障害者運動と福祉【斜め読み】

    目黒輝美,2000,障害者運動と福祉,恒星社厚生閣.(5.11.2021)イギリス、リーズ大学に提出された学位論文の和訳に加筆した地味な本である。スウェーデンにおいて、聴覚障害者が、健常者の押し付けた「口語法」を拒絶し、「手話」によるコミュニケーションとそれによる障がい者アイデンティティの構築をめざした経緯は、聴覚障がい者のために開学したアメリカ合衆国、ギャローデット大学の存在ともども、なかなか興味深かった。【旧作】障害者運動と福祉【斜め読み】

  • 【旧作】障害者運動と価値形成【斜め読み】

    田中耕一郎,2005,障害者運動と価値形成──日英の比較から,現代書館.(5.9.2021)「障害」の「医学モデル」から「社会モデル」へ、慈善から消費者権利、そして市民権の行使へ、こうした転換は、日英の障害者運動に共通したものであった。障害者の権利保障を要求しながらも、「健常者」中心社会への「同化」を拒むところに、「アイデンティティの政治」としての障害者運動の独自性があるように思った。「障害者権利条約」の成立に結実する障害者運動の展開が、詳細に論じられており、良い勉強になった。障害者運動は健常者文化に何をもたらしたか。“障害”を否定する支配的価値への抵抗・告発から、アイデンティティの再構成を経て、新たな価値の創生へ。【旧作】障害者運動と価値形成【斜め読み】

  • 障害者と笑い

    塙幸枝,2018,障害者と笑い──障害をめぐるコミュニケーションを拓く,新曜社.(5.8.2021)研究テーマとしては、とても重要でおもしろいと思うのだが、いかんせん、内容が本題からずれてしまい、延々とTVメディア論が展開されているだけで、うんざりした。もとは国際基督教大学に提出された博士論文らしいが、指導、審査にあたった教員にもおおいに責任がある。さて、「障害者を笑えるか?」という問いについてだが、なんでもかんでも、硬直的なPoliticalCorrectnessの基準に従って、表現を萎縮させるのはよろしくない。コンテクストにもよるが、「障害者を笑う」ことはあっても良い。わたしが子どものころは「小人プロレス」がまだTVで放映されていた。脳性まひ者のプロレス興行は細々と続けられているようだが、TV放映やネット配...障害者と笑い

  • つながりの作法

    綾屋紗月・熊谷晋一郎,2010,つながりの作法──同じでもなく違うでもなく,NHK出版.(5.6.2021)自らの障がいと対峙し、「生きづらさ」の根底にあるものを探求した、とても良い本である。障がい当事者の日常の実践は、健常者がつくった構成的現実に風穴を開け、根底から構築しなおす力をもつ。路上でのたうちまわって自己を開示した脳性まひ者、横田弘さんや、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の国会議員、舩後靖彦さんを想起してみよう。本書は、障がい当事者が構成的現実を変えていく可能性というよりは、構成的現実の抑圧をかいくぐって、他者とつながり、生き延びていく作法を、自らの当事者運動の経験から模索したものである。自閉症スペクトラムの当事者である綾屋さんの苦悩と生き延びようとする意思は、生きづらさを抱える健常者のそれらと響きあい、...つながりの作法

  • LEAN IN

    シェリル・サンドバーグ(村井章子訳),2018,LEANIN(リーン・イン)──女性、仕事、リーダーへの意欲,日本経済新聞出版社.(5.6.2021)シェリル・サンドバーグは、アメリカ合衆国のビジネス界においてもっとも成功した女性の一人として知られている。世界銀行、グーグル、そしてフェイスブックで気づいたキャリアからして、いささか脳天気な、と言って悪ければ、陽気で楽天的なヤッピーらしい人生観が語られている。ナオミ・クラインが嫌いそうな女である。随所に鼻につくところはあるが、素直に、これから仕事に就き、人生を歩んでいく女性たちへの、心強く響く応援メッセージとして評価しても良いだろう。フェイスブックのCOOが書いた大ベストセラーの話題作、ついに文庫化。シェリル・サンドバーグが、あなたのポテンシャルをすべて引き出し、...LEANIN

  • 出る杭は打たれる

    アンドレ・レノレ(花田昌宣・斉藤悦則訳),2002,出る杭は打たれる,岩波書店.(5.5.2021)自ら、過酷な中小企業のマニュアル労働の現場に身を投じ、理不尽な労働慣行や、企業への労働者の隷従に毅然として立ち向かったフランス人司祭の記録。信仰が現実のなかで生かすべきものであるとすれば、レノレさんの実践は、まさにその理想を体現したものと言えるであろう。御用組合に牛耳られた大企業よりも、中小企業の方が、労働者による蜂起と自治への可能性が開かれていることを、本書は教えてくれている。フランス人司祭が1970年の夏,日本に赴任.下請けの労働現場で働きはじめた.労働慣行や組合活動に不合理を感じながらも,危険できつい仕事に励む.そして,労災事故,組合結成….自由と自立した精神の大切さを身をもって示し,91年に日本をたつ.繁...出る杭は打たれる

  • 原発労働記

    堀江邦夫,2011,原発労働記,講談社.(5.5.2021)過酷で危険極まりない原発労働。日記というかたちで述べられるその実態は、想像を超えるものであった。複雑怪奇な原発、とくに原子炉建屋とタービン建屋の内部での定期点検の作業は、読んでいて気が遠くなるほど複雑で困難極まるものだ。下請け企業と「親方」(手配師)による何重もの賃金のピンハネ、杜撰な被爆と安全の管理。おそろしく稼働コストが高く、作業員の健康と命を蝕む原発が、いかに理不尽な存在であるのか、本書が克明に明らかにしている。「これでは事故が起きないほうが不思議だ」。放射能を浴びながらテイケン(定期点検)に従事する下請け労働者たちの間では、このような会話がよく交わされていた―。美浜、福島第一、敦賀の三つの原子力発電所で、自ら下請けとなって働いた貴重な記録、『原...原発労働記

  • わが亡きあとに洪水はきたれ!

    【名著】わが亡きあとに洪水はきたれ!【再読】斎藤茂男,1990,わが亡きあとに洪水はきたれ!,筑摩書房.(5.3.2021)高度経済成長期、破竹の勢いで日本、そして世界経済を席巻した、日本の大企業群。日本人の物質的生活水準の上昇の裏側で、企業による想像に絶する労働者の弾圧が進行していたことを、本書は明らかにしている。とくに、日産自動車とその子会社における、御用(労働)組合による凄まじい暴力、いじめ、ハラスメントには、心底震撼する、労働運動をせん滅したあとには、QC運動等により企業への自発的な隷従が推進され、過酷な課業管理による身体と精神の破壊が進行することになる。1980年代以降の新自由主義思想による非人間的な労務管理以前に、すでにそれによる労働者の人間性の破壊が進行していたことは、本書を読めば明らかだ。この名...わが亡きあとに洪水はきたれ!

  • 「家族の幸せ」の経済学

    山口慎太郎,2019,「家族の幸せ」の経済学──データ分析でわかった結婚、出産、子育ての真実,光文社.(5.1.2021)本書は、家族にまつわる俗説、偏見を、経験的データにより一掃してくれる好著である。保育や幼児教育にたずさわる人はもちろん、家族に生きるすべての人におすすめしたい。「帝王切開なんかしたら落ち着きのない子に育つ」「赤ちゃんには母乳が一番。愛情たっぷりで頭もよくなる」「3歳までは母親がつきっきりで子育てすべき。子もそれを求めてる」出産や子育ては、このようなエビデンス(科学的根拠)を一切無視した「思い込み」が幅をきかせている。その思い込みに基づく「助言」や「指導」をしてくれる人もいる。親身になってくれる人はありがたい。独特の説得力もあるだろう。しかし、間違っていることを、あなたやその家族が取り入れる必...「家族の幸せ」の経済学

  • 家族と法

    二宮周平,2007,家族と法──個人化と多様化の中で,岩波書店.(5.1.2021)一般に「家族法」と呼ばれてはいるが、民法に「家族」なる言葉は登場しない。(旧民法にはあった。)存在するのは、親族間での義務と権利を定めた法律のみである。2013年に民法第900条が改正され、非「嫡出子」への相続上の差別が撤廃されたが、その他のことがらについては、本書に述べられているとおりである。法理の解釈、判例の解説が非常に詳しい。現行の家族法の問題点についても逐一指摘されており、優れた解説書となっている。改訂のうえ、再版されるのを望みたい。戸籍、結婚、離婚、親子、相続など「家族」に関わる法律はどんな仕組みになっているのか。また離婚の日常化や少子高齢化の進展、生殖技術の進歩などで「家族」の形が変化した今、どんな問題に直面している...家族と法

  • なぜフランスでは子どもが増えるのか

    中島さおり,2010,なぜフランスでは子どもが増えるのか──フランス女性のライフスタイル,講談社.(4.28.2021)フランスは、先進産業国のなかでいち早く出生率の回復に成功した国である。その背景には、子どもの保育、教育の無償化、手厚い医療保険、最低所得保障等があり、生活に余裕がなくとも子どもを生み育てることをあきらめなくてもすむ環境条件が整備されている。パックス(連帯民事契約)により、男女が、法律婚より敷居が低く、事実婚よりもパートナーシップを維持していくうえでの権利と義務が大きい関係性を選択し、子どもを安心して生み育てることができるようになったことも大きい。なお、本書では、移民の高出生率がフランス社会全体の出生率を押し上げているという俗説は、明確に否定されている。フランスは、スウェーデン等北欧諸国に次ぐ高...なぜフランスでは子どもが増えるのか

  • 【名著】日本社会の家族的構成【再読】

    川島武宜,2000,日本社会の家族的構成,岩波書店.(4.26.2021)江戸時代までの武士、地主、豪商等に由来する家父長制家族と、一般庶民の比較的平等な家族との二重構造が、明治期、1890年代以降の、皇国史観、天皇を家父長制家族国家、日本の家長とする擬制の成立により解消され、家父長制家族が日本の唯一の伝統家族としてまつりあげられた。ここいらへんの、学生時代に習得した歴史認識の基盤には、川島家族法制論があったことを懐かしく思い出した。一般庶民の比較的平等な家族の伝統が、スウェーデン型の「国民の家」としての福祉国家と、日本型の家父長制国家へと分岐する社会変動の比較をもくろんでいたことも、併せて思い出した。結局、手つかずのままなのであるが。本書も、重要な著作であるので、復刊してもらいたいものだ。【名著】日本社会の家族的構成【再読】

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