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2020/05/16

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  • 唯幻論始末記

    岸田秀,2019,唯幻論始末記──わたしはなぜ唯幻論を唱えたのか,いそっぷ社.(6.30.23)岸田秀さんの『ものぐさ精神分析』シリーズは、高校生のときに夢中になって読んだ。その何巻目かの本の帯に「快刀乱麻を断つごとく」とあったのを記憶しているが、当時、そのスピード感あふれるスリリングな筆致と、国家をも精神分析の対象とする独創的な発想とに魅了されたものだ。その岸田さん、これは最後の著作だそうで、これは読まないわけにはいかない。さすがに歳をとられたせいか、かつての畳みかけるような筆致はかげをひそめてはいるが、唯幻論のおおもととなった個人史が詳細に書かれていて、たいへん興味深かった。岸田唯幻論の入門書としておおいにお勧めしたい。一九七七年に『ものぐさ精神分析』として出版されて以来、熱狂的な支持と一部の反対・批...唯幻論始末記

  • 【旧作】くるいきちがい考【再読】

    なだいなだ,1986,くるいきちがい考,筑摩書房.(6.24.23)本書も、きだみのるの『気違い部落周游紀行』も、ポリコレが席巻しつくしたいまとなっては、新装版が発行されることもないのだろうが、なんとももったいない気がする。「きちがい」をめぐる人々の恐怖と不安は、なにごとも「平均」から乖離することを怖れ、嫌悪する心理と通底している。サヨクを嫌悪し、アベシンゾーを支持して、コロナワクチンを嬉々として接種する人々の気持ち悪さを思い起こさせてくれる内容である。正常って、なんだろう。異常って、なんだろう。だれが、“やつはクルッテイル”と決めるのか。―ある人間をクルッテイルとするのは世の中の「常識」である。本書は、クルイ、キチガイという言葉をつくった「常識」そのものを問い直す。目次序章医者は正常異常の判定者か第1章...【旧作】くるいきちがい考【再読】

  • プリアンプのオペアンプ交換を試す

    パソコンはBTOでCPUやメモリを選べるのに、オーディオ製品で使用するパーツが選べないのはおかしい、そう思わないこともないが、オーディオ製品業界の常として、のれん(ブランド)代も含めて、パーツや開発費用より一桁上の粗利が上乗せされている(これをぼったくりとも言う)わけだから、欧米や日本の有名メーカーがBTOなぞを始めてみすみすそうしたうまみを手放すはずがない。ところが、中国、深圳の新興オーディオ製品メーカーは、そうしたユーザーの志向にも応えてくれる。具体的には、BTOとまではいかなくとも、プリアンプ(半導体)の交換が容易にできることをうたったプリアンプがそうだ。これが、その製品なのだが、早速、秋月電子からオペアンプ、LT1028ACNを取り寄せて、交換。もとから付いているNE5534もけっして悪くなく、リ...プリアンプのオペアンプ交換を試す

  • 【旧作】ファストフードが世界を食いつくす【再読】

    エリック・シュローサー(楡井浩一訳),2001,ファストフードが世界を食いつくす,草思社.(6.22.23)マクドナルド等のハンバーガーのパティは、食肉処理場の流れ作業で製造されるが、その処理現場での労働の過酷さ、多発する労災事故(とその隠蔽)に驚く。プレイランドや広告で子どもを惹きつけ、味覚をファストフード嗜好に仕立て上げて、一生、ファストフードの奴隷とし、健康を破壊する、食中毒、環境破壊の問題ともども、看過できない問題だ。現在の食肉処理場の実態が気になる。新たなルポルタージュが読みたい。拡大と成長をつづけるファストフード産業。だが、その成功をもたらしたマクドナルド方式によって、アメリカではさまざまな分野に荒廃が広がりつつある。労働力を使い捨て、食の安全を切り捨てる。あるいは香料の魔術でわれわれの健康を...【旧作】ファストフードが世界を食いつくす【再読】

  • 【旧作】脳内汚染【再読】

    岡田尊司,2008,脳内汚染,文藝春秋.(6.17.23)少なくとも、ゲーム依存を原因とする犯罪、非行が増えてきた事実はないし、岡田さんも認めるとおり、既存の研究では、攻撃性や暴力衝動が強いからゲーム依存になるのか、ゲーム依存が攻撃性や暴力衝動を強めるのか、明確にはなっていない。それでも、乳幼児期において、刺激の強い映像に曝されるのはとても危険なことであるし、同様のことは、発達障がい当事者の児童についても言える。「ゲーム脳」だの「スマホ脳」など、短絡的な、危機を煽る言説は絶えることはないが、それらすべてをトンデモ扱いすることは適切ではないだろう。攻撃的なゲームやインターネットに溺れる子どもたちは、仮想と現実の区別がつかなくなり、麻薬と同様の中毒症状を呈し、脳の前頭前野の発達を妨げられる―医療少年院の勤務医...【旧作】脳内汚染【再読】

  • 資本主義が嫌いな人のための経済学

    ジョセフ・ヒース(栗原百代訳),2012,資本主義が嫌いな人のための経済学,NTT出版.(6.15.23)本書は、右派と左派が陥りがちな経済についての誤謬を正す啓蒙書だ。支持できない見解も多々あったが、経済現象における「意図せざる結果」についての議論はなかなかおもしろかった。世の中の不正や不公平に疑問を持つ人は誰でも、多少なりともアンチ資本主義だ。だが、左のリベラルから右のリバタリアンまで、資本主義を批判する人々は、ほとんどの場合誤っている。経済学的な疑問について考えるときに起こる間違いを示し、正しく資本主義とつきあうための経済学入門。目次第1章資本主義は自然――なぜ市場は実際には政府に依存しているか第2章インセンティブは重要だ……そうでないとき以外は第3章摩擦のない平面の誤謬――なぜ競争が激しいほどよい...資本主義が嫌いな人のための経済学

  • 【旧作】アベンジャー型犯罪【再読】

    岡田尊司,2009,アベンジャー型犯罪──秋葉原事件は警告する,文藝春秋.(6.11.23)2008年6月8日に秋葉原で起こった無差別殺傷事件を「アベンジャー(復讐者)型犯罪」の一つとして位置づけ、犯罪の背景要因を、親の過剰な期待と挫折経験、インターネットをとおした自己愛の肥大、グローバリゼーションによる雇用の劣悪化等にもとめる。一つの読み物としては、けっこうおもしろい内容だ。新しい概念である「アベンジャー(復讐者)型犯罪」について、日本で初めて論じた画期的な著作。FBIアカデミーの国立暴力犯罪分析センター報告書など多くの研究を踏まえ、近年続く凶悪事件を詳細に分析。精神医学だけでなく、犯罪病理学の専門家でもある著者が、発達科学、自己愛心理学、サイバー心理学、神経科学、社会学、経済学などの多面的な観点から問...【旧作】アベンジャー型犯罪【再読】

  • マインド・コントロール

    岡田尊司,2016,マインド・コントロール(増補改訂版),文藝春秋.(6.10.23)本書には、催眠術や行動主義心理学等において探求されてきた、驚くべき洗脳の技法が余すところなく紹介されている。騙しの手口にひっかからないためにも、これらの技法について知っておくことは有益だ。評価の高さが十分理解できる内容である。理性的な若者をテロリストに変貌させる技術は、国家レベルで長く研究されてきた。アマゾンで部門1位のロングセラー、待望の新書化。「本書は21世紀の必読書である。」――佐藤優氏(作家・元外務省主任分析官)推薦!問題は、カルト宗教やテロ集団だけではない。自己愛と孤独の現代、マインド・コントロールの罠に落ちる人は、ますます増えるだろう。古くから暗示や催眠術として存在したマインド・コントロール。その後、心理療法...マインド・コントロール

  • 【旧作】人間はどこまで動物か【再読】

    アドルフ・ポルトマン(高木正孝訳),1961,人間はどこまで動物か──新しい人間像のために,岩波書店.(6.9.23)人間の子どもは、「生理的早産」の状態で生まれてくるがゆえに、長期にわたって大人の全面的なケアを必要とする。また、本能が弱体化し、「世界に開かれた」存在である人間は、強く「文化」に依存するわけであるが、これは、社会化による子どもも含めた人間の可塑性を示すものであろう。現在は品切れのようだが、60年以上にわたって読み継がれてきた堂々の古典である。【旧作】人間はどこまで動物か【再読】

  • 慟哭の谷

    木村盛武,2015,慟哭の谷──北海道三毛別・史上最悪のヒグマ襲撃事件,文藝春秋.(6.4.23)筆者の木村さんは、元北海道の営林署勤め。ヒグマに並々ならぬ関心をもち、惨事を生き残った人々に聴き取りをし、本書にまとめあげることができたのも、職業柄、いつヒグマと遭遇するかわからない状況下にあったからだろう。ヒグマに人々が撲殺あるいは食い殺される場面は、さすが迫真の描写である。1915年12月、北海道三毛別の開拓地に突如現れた巨大なヒグマは、次々と村人を牙にかけていく―獣害史上最悪となる8名の死者を出した「三毛別事件」の真相とは?生存者の貴重な証言をもとに元林務官の著者が執念で綴った戦慄のノンフィクション!著者自身のヒグマ遭遇体験なども収録した特別編集版。目次第1部慟哭の苫前三毛別事件惨劇の幕明け通夜の亡霊大...慟哭の谷

  • 僕らの社会主義

    國分功一郎・山崎亮,2017,僕らの社会主義,筑摩書房.(6.3.23)國分さんと山崎さんが、イギリスの初期社会主義の可能性について存分に語る。本書は、マイルド・ソーシャリズムが、ディーセント・ワークや地域福祉の実現にとって大きな可能性をもつものであることを教えてくれる。社会が危機に瀕した時代にはいつも、大きな原則「グランド・セオリー」が必要とされてきた。ならば今こそ、それが語られるべきなのではないか?二一世紀現代にも似た一九世紀イギリスでは、数々の社会改革運動が起こった。当時の社会運動家たちが思い描いたのは、有産階級以外の人々も美的に豊かな生活を送れる社会だ。そこにあったのはマルクス主義一辺倒になる前の「あったかもしれない社会主義」だ。「豊かな生活」とは何を意味していたのか。自らがアクティヴィストでもあ...僕らの社会主義

  • 現代貨幣理論 MMTとは何か

    島倉原,2019,現代貨幣理論MMTとは何か──日本を救う反緊縮理論,KADOKAWA.(6.3.23)政府にとって、租税は、貨幣を成立せしめるものであって、社会保障費などの財源となるものではなく、国債もまた、財源調達手段ではない。また、租税は所得を再分配し、国債は金利を調整するためにある。なるほど。本書は、国家の財政を、家計や企業会計と同様に考えるのはまちがいであることを明確に教えてくれる。「財務省が今、最も恐れるMMT。本書こそまさしく、その本格的入門書だ!」――藤井聡(京都大学大学院教授・前内閣官房参与)「貨幣」と「財政」の真実の姿を暴き出し、世界を揺るがせている経済理論・MMT(ModernMonetaryTheory)。2019年8月、待望の邦訳が刊行されたランダル・レイ『MMT現代貨幣理論入門...現代貨幣理論MMTとは何か

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