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2020/05/16

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  • 私が私として、私らしく生きる、暮らす

    河合明子・日髙愛,2023,私が私として、私らしく生きる、暮らす──知的・精神障がい者シェアハウス「アイリブとちぎ」,クリエイツかもがわ.(8.31.23)障がい者の自立・自律生活を可能にする住まいとして、数多くのグループホームがつくられてきたが、それが、たんに、大規模施設を小規模ユニットに分解しただけで、障がい者の自由と自己決定を損なうものであれば、あまり意味がない。本書では、このグループホームをシェアハウスと呼ぶ。なるほど、健常者と同様の自由と自己決定が保障されているのであれば、名ばかりのグループホームとは一線を画すシェアハウスと呼ぶのがふさわしい。障がい当事者のグループホ-ムはかくあるべしと思わせる、さまざまな地域移行支援のノウハウとアイディアが詰まった内容だ。元キャリアコンサルタントと作業療法士の...私が私として、私らしく生きる、暮らす

  • 学校では教えてくれない生活保護

    雨宮処凛,2023,学校では教えてくれない生活保護,河出書房新社.(8.29.23)生活保護のしくみと制度運用の変容、課題について、とてもわかりさすく解説している。生活保護だけでなく、社会保障全般についての理解を深めるうえでも有用な入門書だ。生きていくための最後のとりで、「生活保護」。制度をとりまく歴史や課題、他国の「生活保護」制度との違いなど、今知っておきたいリアルな実態と「死なないノウハウ」が詰まった入門書。目次第1章今、生活保護をめぐって起きていること第2章生活保護ってどんなもの?―生活保護問題に取り組む弁護士小久保哲郎さんに聞く第3章韓国の生活保護~政府の大キャンペーンで利用しやすい制度へ―大阪公立大学大学院准教授五石敬路さんに聞く第4章ドイツの生活保護~ケタ違いの使いやすさ―法政大学教授布川日佐...学校では教えてくれない生活保護

  • ソーシャルワーカーのための反『優生学講座』

    藤井渉,2022,ソーシャルワーカーのための反『優生学講座』──「役立たず」の歴史に抗う福祉実践,現代書館.(8.29.23)「相模原障がい者殺傷事件」と1930年代に出版された『優生学講座』を議論の出発点におき、周到な文献レビューを行いながら、優生思想と社会福祉制度の変遷を通歴史的に再構成した、たいへんな秀作。社会福祉の研究と実践に役立つ、必読の文献だ。障害者に「傷痕」を与えてきた優生思想の歴史を、いま、福祉現場はどう問い直すことができるのか。社会福祉本来の役割である「個人の幸福の保障」を取り戻すために、戦前・後の障害者福祉政策の歴史を専門とする著者が、現場と同じ目線にたって丁寧にひも解く一冊。目次第1章狭い現場から少し距離をとって見つめ直す第2章「隠さない」実践第3章入所施設と向き合う第4章反「スケー...ソーシャルワーカーのための反『優生学講座』

  • 機能不全家庭で死にかけた私が生還するまで

    吉川ばんび,2023,機能不全家庭で死にかけた私が生還するまで,晶文社.(8.26.23)虐待と家庭内暴力からのサバイバーである著者は、死と隣り合わせの過酷な人生を歩みながら、心理療法の助けを得て、正しく親と決別し、回復へと向かう。不眠とフラッシュバックに苦しみながらなんとか生き延びることができた虐待被害当事者による貴重な記録であり、過去の記憶に苦しむ人々に宛てた実践の教本でもある。アルコール依存の父、過干渉の母、家庭内暴力の兄という機能不全家庭で育ち、「生きづらさ」からの解放をテーマに言論活動を続ける著者が実体験で語る、貧困・虐待家族のリアル。幼少期に受けた傷からどう回復するか。負の連鎖をどう断ち切るか。マインドフルネス、認知行動療法、スキーマ療法など心理療法の効用についても掘り下げる、実録ノンフィクシ...機能不全家庭で死にかけた私が生還するまで

  • 母という呪縛 娘という牢獄

    齊藤彩,2022,母という呪縛娘という牢獄,講談社.(8.26.23)母を殺害し、遺体を解体して遺棄した娘。母と娘の間になにがあったのか、著者は、懲役10年の実刑判決を受けた女性と面談し、往復書簡を交わしたうえで、その真相に迫る。読後にざらざらした後味の悪さが残る作品だ。殺人は正当化できないとしても、毒親から逃れようとした女性を探偵を使って探し出し連れ戻す、虐待加害者であった毒親、その気分が悪くなるほどの毒々しさは、加害者には母親を殺すしかなかったのではないかと思わせるにじゅうぶんなものだ。殺害された母親の言動が下手なホラー小説を読むより怖ろしい。おすすめである。2018年3月、滋賀・守山市野洲川の河川敷で、両手、両足、頭部を切断された体幹部だけの遺体が発見された。遺体は激しく腐敗しており、人間のものか動...母という呪縛娘という牢獄

  • 人間関係のモヤモヤは3日で片付く

    田房永子,2022,人間関係のモヤモヤは3日で片付く──忘れられない嫌なヤツも、毎日顔を合わせる夫も,竹書房.(8.25.23)若いときは、他者の言動について思い悩み、ああでもないこうでもないと他者の胸の内を推し量っては疲れ果ててしまう、そんなことがけっこうあったように思うが、そんなとき、この本があれば、どんなに救われていたことだろう。本書の内容は、自らの怒りの感情とどう折り合いをつけていくかという点でも、とても参考になるだろう。“あの人”に気を取られ、「自分の時間を無駄にしない」ための11の解決法。自分も相手も必要以上に傷付けず適切な関係を持てるようになるために。目次悲しみを押し殺した結果、あとで忘れられなくなったモヤモヤ攻撃してくる人への恐怖のモヤモヤ相手は何も悪くないのにモヤモヤアプリ上で揉めて、何...人間関係のモヤモヤは3日で片付く

  • だれも私たちに「失格の烙印」を押すことはできない

    キム・ウォニョン(五十嵐真希訳),2022,だれも私たちに「失格の烙印」を押すことはできない,小学館.(8.24.23)重度の障がいをもち生まれてくることは、「不当な生」(wrongfullife)なのか。骨形成不全症当事者である著者が、自らの経験とさまざまな社会思想を参照しながら、徹底的に考え抜く。障がい当事者への「合理的配慮」という言葉遣いの背景にある、健常者の傲慢にあらためて気付かされた。障がいのあるなしで、他者の幸福を勝手に判断することの愚かさにも気付かせてくれる良書である。すべての生には価値があり、美しい韓国のベストセラー日本上陸!2018年「今年の人権書」受賞ソウル大卒の弁護士、俳優、そして骨形成不全症のため車いすユーザーの著者が、障害者や人とちがった容姿や性的指向の人々など「失格の烙印」を押...だれも私たちに「失格の烙印」を押すことはできない

  • 道一つ越えたら崖っぷち

    ポムナル(古橋綾訳),2022,道一つ越えたら崖っぷち──性売買という搾取と暴力から生きのびた性売買経験当事者の手記,アジュマ.(8.21.23)本書は、すさまじい性搾取の実態が克明に記録された作品である。本書が類をみない作品であるのは、これ以上の悲惨はないとさえ思える体験を、そのときの自らの心情ともども、事細かに再現している点にある。性虐待と性暴力、そして性搾取の背景にある家父長制の正体を見極めるのにも役に立つ貴重な記録だ。性売買経験当事者が書いた本。ソウルオリンピックの1988年から20年間、性売買を経験してきた女性。同僚の女性たち、暴力と搾取まみれのひどい雇い主や斡旋人、借金のシステム、性売買の集結地「ガラス部屋」、買春男たちの姿態、すべてを振り返り綴っている。脱出後トラウマと闘いながら著者は同様な...道一つ越えたら崖っぷち

  • ハピネスエンディング株式会社

    トイアンナ,2023,ハピネスエンディング株式会社,小学館.(8.17.23)親に虐待されて育った人が、親の過ちを繰り返そうとしない場合、当然のことながら、親を正しく憎み、正しく軽蔑する。その憎しみが殺意にまで高じることもあるだろう。しかし、実際に殺してしまえば、長期にわたってムショ暮らしをしなければならないし、それ以前に、人を殺す際の圧倒的な不快感とその記憶に耐えられる人は少ないだろう。「ハピネスエンディング株式会社」は「模擬葬儀」を演出し、依頼者はそこで憎むべき親を葬り去り、罵り倒すことで、親と決別する機会とすることができる。本作に登場する依頼者たちが親から受けた虐待の中身、これがなかなかにエグい。このエグさが本作最大の魅力だ。大学2年生の智也は、ふとしたきっかけで「模擬葬儀」を行う「ハピネスエンディ...ハピネスエンディング株式会社

  • 黄色い家

    川上未映子,2023,黄色い家,中央公論新社.(8.16.23)あちこちで絶賛されている本作であるけれども、もとが新聞連載小説なんでしかたないのかもしれないが、主人公の心理描写が細かすぎて、601ページを一気読みするのは少し辛いものがあった。それと、桐野夏生さんの作品のような、毒、エグさがもっとほしいところだ。2020年春、惣菜店に勤める花は、ニュース記事に黄美子の名前を見つける。60歳になった彼女は、若い女性の監禁・傷害の罪に問われていた。長らく忘却していた20年前の記憶―黄美子と、少女たち2人と疑似家族のように暮らした日々。まっとうに稼ぐすべを持たない花たちは、必死に働くがその金は無情にも奪われ、よりリスキーな“シノギ”に手を出す。歪んだ共同生活は、ある女性の死をきっかけに瓦解へ向かい…。善と悪の境界...黄色い家

  • 社会サービスの経済学

    二宮厚美,2023,社会サービスの経済学──教育・ケア・医療のエッセンシャルワーク,新日本出版社.(8.14.23)二宮さんは、経済学者である以前に、日本共産党のイデオローグでもあるので、しかたないのかもしれないが、マルクスの『資本論』に拘泥しすぎで、かなり食傷してしまう。それでも、経済学の枠を大きく超えて、時代状況と切り結ばんとする意欲は、ハーバマス等の社会理論を旺盛に取り込んでいるところからも、よく伝わってくる。二宮さんは、ピースミールの知見の背景には、適切なグランドセオリーが必要であることを、あらためて教えてくれている。エッセンシャルワークが、米英日で、著しくその価値を貶められてきた背景には、この三カ国が、新自由主義のさながら草刈場となってきたことが大きく影響している。女性就業者が多数を占める対人サ...社会サービスの経済学

  • 新自由主義の廃墟で

    ウェンディ・ブラウン(河野真太郎訳),2022,新自由主義の廃墟で──真実の終わりと民主主義の未来,人文書院.(8.11.23)市場原理と伝統的道徳主義の徹底をはかるハイエク流の新自由主義が、社会的なるものと民主主義とを解体し、宗教右派、あるいは没落、窮乏化する白人男性のルサンチマンを取り込みつつ、さらにその勢力を拡充していった経緯が、詳細に論じられている。米国における社会民主主義への異常なほどの嫌悪、最高裁判決にみる反同性愛や反中絶(運動)の事実上の容認、さらには陰謀説とポストトゥルースの言論の横行、こうした動向を、ブラウンは、いささか錯綜はしているが、一貫した論理で説明している。本書の魅力はこの点に尽きるだろう。排外主義や権威主義、ウルトラナショナリズムにフェイクニュース…それらの根源はどこにあるのか...新自由主義の廃墟で

  • メディアは「貧困」をどう伝えたか

    水島宏明,2023,メディアは「貧困」をどう伝えたか──現場からの証言:年越し派遣村からコロナショックまで,同時代社.(8.9.23)第1部では、メディアの「議題設定機能」に着目し、2006年~2010年の「リーマンショック期」、2012年~2013年の「生活保護見直し期」、2020年~2021年の「コロナショック期」、以上の各時期において、テレビ・メディアが貧困をどう伝えてきたか、放送時間の計量と、主だった特集番組の検討をとおして、明らかにしている。第2部では、反貧困運動、生活困窮者支援活動を展開してきたキーパーソンが、それぞれ貧困問題にどう対峙してきたかを語る。「リーマンショック期」に可視化された貧困問題が、第二次安倍政権下において忘却され、「コロナショック期」において問題を報道する番組の放送時間は増...メディアは「貧困」をどう伝えたか

  • テロルの原点

    中島岳志,2023,テロルの原点──安田善次郎暗殺事件,新潮社.(8.8.23)原敬暗殺、浜口雄幸銃撃、血盟団事件、五・一五事件、二・二六事件といったテロ、クーデターの嚆矢となった、朝日平吾による安田善次郎暗殺事件(朝日は暗殺の場で自害)の真相を追う。きわめて粗暴にして自堕落、自己中心的な言動から、家族からも知人からも疎まれて孤立し、天皇の赤子としての国民の安寧を期すべく財界の大物の暗殺を決行した朝日。誇大妄想的な天下国家観と、最底辺労働者の低家賃住宅建設を夢みた正義感との奇妙な同居は、自業自得とはいえ、たび重なる挫折と社会から排除されたうえでのそれであったことからすると、じゅうぶんに理解できるものだ。朝日の行為は、近年のジョーカー型、アベンジャー型犯罪を彷彿とさせるものであるし、安倍暗殺事件を受けて、本...テロルの原点

  • 鉛の塊 ジョーカーから奈良の暗殺者へ

    平井玄,2023,鉛の塊ジョーカーから奈良の暗殺者へ──怨みが義になる,現代書館.(8.7.23)安倍の暗殺を「民主主義への挑戦」と称する言説が笑止千万であることは言うまでもないとして、どいつもこいつも日和りやがって、「暴力は許されるものではない」という煙幕を張らないとものが言えない輩ばかりであったのが、なんとも情けないことであった。山上氏の行為が、抵抗権、すなわち「専制的な政府や権力が市民の基本的な権利を侵害する場合に市民がその政府に対して暴力的な手段で抵抗する権利」として容認できるか否かは別途議論すべきことであるが、平井さんが指摘するとおり、山上氏は、安倍を見事に仕留め、民間人になんの被害ももたらさなかった点で、やはり「義の人」と呼べるであろう。だからといって、山上氏の行為を全面的に賞賛するだけでは片...鉛の塊ジョーカーから奈良の暗殺者へ

  • 日本を腐らせたいかがわしい人々

    適菜収,2022,日本を腐らせたいかがわしい人々,ワニブックス.(8.2.23)あまりに安直な本のつくりについてはなんとかならなかったのかという思いはあるが、安倍晋三の周辺にいた連中の、愚劣きわまりない言動を振り返る資料としては役に立つ。本書でやり玉に挙がっている連中は、人間がどこまで劣化しうるものなのか、その観察の対象としては実に興味深い。元総理大臣が銃撃されるという衝撃的な事件から約半年。安倍氏は静かに見送られるのかと思いきや、「安倍的なもの」にすり寄っていた人々の様子がどうもおかしい。信じてきたものとカルトのつながりが注目されるや否や、この問題を「信教の自由」にすり替えたり、ありもしない話を創作したり、「静かに見送りたい」と言いながら巨額の税金を使う「国葬」を大声で支持したり……。この本では、今もテ...日本を腐らせたいかがわしい人々

  • 「おじさん」的思考

    内田樹,2011,「おじさん」的思考,角川書店.(8.2.23)内田さん、かなりむかしの著作であるが、飾り気のない語りのなかで鋭い洞察が展開されており、内田エッセイの醍醐味が味わえる作品だ。この文章展開は誰かを思わせるものがあるけれども、それが伊丹十三その人であることを、本作で初めて知った。わたしは、憲法9条は改正すべきという考えで、そこは内田さんと異なるわけだが、<「人類の滅亡」という悪夢の効用>を読んでさすがだ、と思った。そうなのよ、いつ核戦争が起こって、一瞬のうちに蒸発するかわからないなかで、その悲劇のありようをつねに意識することによりかろうじて悲劇は回避しうる。人類滅亡は最後の希望だと思うのは自分くらいだろうと思っていたので、少しうれしかった。ますます、日本は、核兵器不拡散条約(NPT)を破棄し、...「おじさん」的思考

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