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脳内ライブラリアン https://medibook.hatenablog.com/

脳神経内科医のブログ。医療、健康、統計、哲学、育児・教育、音楽などで学んだことを深めて還元するために記事にします。

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2020/05/02

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  • 【統計応用・医薬生物学】ノンパラメトリック法・ウィルコクソンの符号付き順位検定【統計検定1級対策】

    引き続きノンパラメトリック法の検定についてみていきます。 ウィルコクソンの符号付き順位検定とは ウィルコクソンの符号付き順位検定は1標本の検定に使われるもので、対応するデータの差が正のときに1、負のときは0として(ここまでは符号検定と同じ)それにデータの差の大きさの順位を掛け合わせることで検定を行うものです。 符号検定と異なり、データの分布が中央値に対して対称でないといけない点が注意が必要です。 具体例で考えてみる 符号検定の記事で使ったのと同じ例を出してみます。 3人の被験者に対して、降圧剤を内服前後の収縮期血圧の変化を見てみると以下の表のようになりました。これに対してウィルコクソンの符号付…

  • 【統計応用・医薬生物学】ノンパラメトリック法・符号検定【統計検定1級対策】

    2016年、2019年と出題されているノンパラメトリック法の検定について簡単にまとめておきます。 符号検定とは 符号検定は1標本に対して行われるノンパラメトリック検定です。ある対応するデータの差が正であれば1、負であれば0として、それをデータの数だけ足し合わせたものを検定統計量とします。差が明らかにあるのであれば、は大きくなるはずなので、差がないとした帰無仮説下での、その確率を計算して有意かどうか調べます。 具体例で考えてみる 実際の例をみるとより分かりやすいので、適当な例を出してみます。(この試験にノンパラメトリック法が適切かどうかはひとまずおいておきます) 5人の被験者に降圧剤を内服しても…

  • 【統計応用・医薬生物学】RMST法の期待値と分散【統計検定1級対策】

    引き続き生存時間解析の話ですが、2019年の過去問ではRMST法の問題が出ていたので、期待値と分散の導出について簡単に説明します。 RMST法ってそもそもなんやねんということは過去に一度記事を書きました。 medibook.hatenablog.com 範囲にも書いてないし、公式の教本にも書いてないのに問題が出されるとかもはやどうしたらいいんでしょうか笑 まずは期待値の導出についてです。 生存時間の確率変数をT、観察期間をτとすると、被験者の生存時間XはX=min(T, τ)で表現されます。つまり、観察期間中にイベントが起きればTとなりますし、観察期間中に起きなければτでカウントされるわけです…

  • 【統計応用・医薬生物学】Cox比例ハザードモデルと尤度関数【統計検定1級対策】

    生存時間解析の勉強を進めて、今回はCox比例ハザードモデルについて過去問に対応できるように知識をつけていきたいと思います。 ハザード関数と生存関数の知識が前提に必要なので、わからなかったらこちらをどうぞ。 medibook.hatenablog.com 目次: Cox比例ハザードモデルとは? 生存時間解析における尤度関数を考える Cox比例ハザードモデルにおけるβの推定 Cox比例ハザードモデルとは? Cox比例ハザードモデルは回帰分析の一種で、生存率に関係してくる因子を説明変数、ハザード関数を目的変数として設定するモデルです。 例えば、あるi番目の被験者について、生存率に関係する3つの説明変…

  • 【統計応用・医薬生物学】カプラン・マイヤー推定値の信頼区間・Greenwoodの公式【統計検定1級対策】

    今回はカプラン・マイヤー推定値の信頼区間を知るための分散の求め方をやってみようと思います。この分散の式はGreenwoodの公式と呼ばれています。 統計検定1級の教本にも紹介されていますし、導出の過程はほどほどの難しさなので、出題されてもおかしくはないのかなと思っています。 カプランマイヤー推定値と関連する内容なので、わからない人はこちらの記事も参考ください。 medibook.hatenablog.com 目次: Greenwoodの公式とは Greenwoodの公式の導出 ①生存関数の対数を取る ②二項分布に置き換えて考える ③デルタ法を使う 参考文献 Greenwoodの公式とは グリー…

  • 【統計応用・医薬生物学】カプラン・マイヤー推定値とネルソン・アーレン推定値【統計検定1級対策】

    今日も統計検定1級の統計応用・医薬生物学分野について頻出の内容をまとめてみようと思います。 追加した内容は以前まとめた記事に載せていきます。 統計検定1級の出題範囲と過去の記事・お役立ちサイト・参考書をまとめてみた【統計検定1級対策】 - 脳内ライブラリアン 今回は、生存関数の推定値であるカプラン・マイヤー推定値(あるいはカプランマイヤー曲線)とネルソン・アーレン推定値についてです。 過去問では2016年、2019年とカプランマイヤー曲線を書かせる問題やネルソンアーレン推定値について、答えさせる問題が出題されています。 カプラン・マイヤー推定値とは カプランマイヤー推定値は生存関数S(t)を推…

  • 【統計応用・医薬生物学】ハザード関数と生存関数の関係性を整理【統計検定1級対策】

    統計数理もだいぶ勉強は進んできたのでぼちぼち統計応用の分野の勉強も進めようかと思っています。 そこで2018−2019年の過去問をようやく買ってみて統計応用・医薬生物学分野をみてみたのですが、思った以上に難しそうでした、、、。自分の知識のばらつきかもしれませんが、2016−2017年は背景の深いことがわからなくてもできそうな感じでしたが、2018−2019年の問題は解答の道筋が分からなくて困りました。 これはやばいと思ったので、統計応用・医薬生物学分野の対策を考えるというニッチすぎる記事を書いていきます。統計検定1級自体でもニッチな気がしますがね。 実際の臨床研究と結びつく部分が多いので、数理…

  • 現代数理統計学の基礎 5章 問11

    淡々とまた解いていきます。 問11は互いに独立でない場合けれど、今日分散が0に収束するときの、標本平均の確率収束を考える問題です。 他の問題でも用いられますが、確率収束を示す場合、収束する値との差を十分小さい値εを用いるか、平均二乗収束を使う方法が多いです。 今回は平均二乗収束を用います。 を示せば良いので、まずこれを展開していきます。 という感じでの形に近づけていきます。何が良いかと言えば前者は互いに独立な時は0(本問ではρ)になりますし、後者は分散になるので期待値からの変形が容易です。 こういった使い方は同じく5章の問8や2017年の統計検定1級問1などにも共通しますので重要だと思われます…

  • 現代数理統計学の基礎 5章 問12

    二項分布を変数変換したときの、確率収束及び分布収束の問題ですね。 今まで解答の意味がよくわからなかったのですが、確率変数がn→∞となるときにどう動くかは、前提として二項分布の母比率と標本比率の話がわかっておいた方が良さそうであることに後で気がつきました。 標本比率は母比率に確率収束する 母比率は二項分布におけるpのことです。それに対して標本比率は今回の設問の設定においてで表されます。n回施行のうち、回が成功と出るわけなので、意味はよく分かります。 で、そのものがn→∞のとき、どうなるかはわからないのですが、標本比率であれば、母比率に確率収束することが分かります。 というのも、はそもそもベルヌー…

  • 現代数理統計学の基礎 5章 問10(2)

    続いて分布収束の問題です。 不偏分散と母分散を用いた式が分布収束することを示す問題ですね。 パッとみた感じ、(1)で示したように不偏分散の期待値が母分散と一致しており、分散がでしたので、中心極限定理を使えばいけそうな雰囲気がします。 不偏分散のままではそうは言えないので、バラすところから始めます。(1)で用いたの形に持ち込むところがポイントかと思われます。 ここからどうせ0になるであろうの部分は外へ括り出して変形していきます。 さてこれもそれぞれn→∞になったときどうなるかみていきます。 ①まず{}内にある第1項と第2項です。 の期待値と分散は(1)で示したようにとでした。 はn→∞のときとな…

  • 現代数理統計学の基礎 5章 問10(1)

    さて、戻りまして5章の問題をぼちぼち解いていきます。 統計応用の方も対策を進めたいので、並行してやっていきたいところですね。 問10は確率収束、分布収束の問題です。 まずは(1)から。 (1)はn→∞のとき、不偏分散が母分散に確率収束することを示す問題です。 不偏分散、標本分散ともに一致推定量と呼ばれており、n→∞のときに母分散に一致することが知られています。それを証明する問題ということですね。 さて、まず式を変形していくわけですが、目標として分散の式に近い形態の を目指しつつ変形します。 *と毎回書くのが面倒なのでとします なので不偏分散を以下のように変形していきます。 前半の項と後半の項を…

  • 現代数理統計学の基礎 7章 問10(3)

    さて、(3)は一様最強力不偏検定を示す問題です。 公式の解答を見ると が一様最強力不偏検定である から唐突に始まってます。 それを導出していくというより、これが一様最強力不偏検定であることを示す感じになってますね。問題の意図がそれでいいならまあ仕方ないのですが、、、。 なので同様に、一様最強力不偏検定の示し方と先程の検定がそれで良いのかどうかを書きます。 昨日書いた記事はμの値を一般化したものなので、やり方は本当にほぼ一緒です。なので、コピペしまくります。 medibook.hatenablog.com まず棄却域をRとして検定関数を以下で定義します。 一般性を失わないので、とします。 次に帰…

  • 不偏検定とその証明についてできるだけわかりやすく【統計検定1級対策】

    今回は初見では意味が分かりづらかった不偏検定、一様最強力不偏検定とその証明について、正規分布の場合を例に記事にまとめておこうと思います。 不偏検定とは? 不偏検定(unbiased test)とはざっくり言うと、仮設検定のうち、以下の条件を満たすものを指します。*1 有意水準≦検出力 さらにこの条件を満たす不偏検定の中で検出力が最大となるものを一様最強力不偏検定(UMP unbiased test)と言います。 この話だけ聞いても、なぜこの概念が大事なのか、具体的にはどういうことなのかが分かりにくいので正規分布の例で説明してみます。 なぜ不偏検定が大事なのか ここからは平均μ、分散1の正規分布…

  • 現代数理統計学の基礎 7章 問10(2)

    7章問10は一様最強力検定が存在しないことを示す問題です。 複合仮説でも片側検定であれば、成り立ち得ますが、両側検定だと成り立たないことは本書中でも、棄却域を示す式が異なることで説明されていました。同様の方法で示します。 まず、対立仮説はのときとのときに場合分けできます。 のとき 一様最強力検定は(1)の棄却域拡大前と同様なので となります。 次にのとき 途中までは(1)と一緒なのですが、最後の変形の部分で異なってきます。 ですが、今回は対立仮説がであることから となります。ある値Cより小さいということは正規分布において左端(値が小さい方)の1ーα%分位点に当たるので一様最強力検定は となりま…

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