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2020/02/19

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  • 掌編小説 「赤い唇の女」

    ーーーこれは雨の呪いのようなものだ。 ガラス窓の中の女が微笑った。わたしは決して笑っていないのに。手を頬に触れるが、そこには僅か強張りすら感じなかった。 初めに気がついたのは水たまりだった。幼い日のある雨の午後。暇を持て余して水面を覗き込むと、自分の影が写っていた。退屈極まりなかった。ーーーその影がひとりでに動き出すまでは。あの時影は言った。「退屈なの?」と。 それからこの呪いは続いている。こんな奇妙なことさえも、回を重ねるごとに驚きは失せていく。最初は怪しみ恐怖を感じていた気もするが、今では日常の一部に過ぎなかった。私は寒気を感じ、目覚めた。どうやら窓辺に腰掛けて眠っていたらしい。短い夢を見…

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