小説・アキラの呪い(21)
前話はこちら。 kuromimi.hatenablog.com *** 住人が増えてからも、私の毎日は大して変わらないだろうと思ってた。あんたと父さんは驚くほど家族として馴染んだじゃない?疑問を持つのもバカらしくなるくらいにね。私はそれを見て安心してたの。さっきも言ったとおり。でも少し不思議な気分にもなった…。まるで私だけが輪から外れたみたいに。今はあの時の気持ちがなんだったのかわかる。あれは疎外感だった。 私とお母さんは家族とは言えなかった。でもあんたたちが来て、家族になってくれた。でもそれは同時に私にも家族ができるってことだとは思えなかったの。だって血が繋がってるわけでもない、他人なのよ?…
2024/11/26 21:17