『石灰工場』トーマス・ベルンハルト 飯島雄太郎/訳 河出書房新社 2025.04.14読了 少し前に、東京・目黒にある東京都庭園美術館を訪れた。展示されていたのは戦後西ドイツのグラフィックデザインである。作品からドイツ人の几帳面さ、丁寧さを改めて感じ、そういえば最近ドイツ文学を読んでいないなと思いこの作品を読むことにしたのだ。とはいえ、ベルンハルトはドイツ語圏の作家だが実はオーストリア人だったのを解説を読んで思い出した…。トーマス・ベルンハルトの作品は『凍(いて)』しか読んでいない。当時オーストリア作家と認識していたようなのに知識がちゃんと更新されていなかった。まぁ、言語が同じなので、オースト…