『夏日狂想(かじつきょうそう)』窪美澄 ★ 新潮社[新潮文庫] 2025.07.03読了 明治・大正・昭和という日本の近代化文明の発展と共に生きた野中礼子。彼女は多くの人を愛しそして愛され自分の力で物書きになった。強くしたたかに、しかし真っ直ぐな心で全力で生き抜いた礼子をそっと抱きしめたい。 野中礼子が長谷川泰子、水本が中原中也、片岡が小林秀雄をモデルにしているらしい。私はこの3人の関係性も長谷川泰子さんという方が「魔性の女」みたいな呼ばれ方をされているのも知らなかった。男を手玉のようにしたというけれど、実際にどうだったのかは正直わからない。窪さんは、礼子はただ恋愛をしただけではないのかと思い…