『たのしい保育園』滝口悠生|滝口さんの小説は迂遠でそれが心地良い
『たのしい保育園』滝口悠生 ★ 河出書房新社 2025.05.18読了 またしても滝口悠生さんの書くものの虜になった。久しぶりの新刊で、もちろん読むのを楽しみにしていたけど、やはり最高の読み心地で幸せ。心がぎゅうっとなる優しい物語だ。 ももちゃんが0歳児から3歳を過ぎたくらいまでの保育園に通った記録が、ももちゃんのお父さんを中心にして大人の視点で語られている。あくまでも保育園に通う園児たちが主役だから、保護者たちの名前は固有名詞ではなく「ももちゃんのお父さん」「ももちゃんのお母さん」「ふいちゃんのお父さん」みたいになる。保育園の先生は下の名前で表されている。 ひとつひとつの場面が、子どもたちの…
2025/05/30 07:57