chevron_left

メインカテゴリーを選択しなおす

cancel
北欧の街角で https://note.com/lifeinsweden/

読み切り実話-海外生活の日常、海外就職、海外不動産、旅行、北欧インテリア関連、街角写真等。

第3回THE NEW COOL NOTER賞ーエッセイ部門特別賞、始まる世界部門賞拝受。 北欧にてIT業、時おり日本のテレビ海外ロケ補助、通訳・翻訳業に従事。

北欧の街角で
フォロー
住所
未設定
出身
未設定
ブログ村参加

2020/01/13

arrow_drop_down
  • ワインを独りで吞まないために

    コネという言葉には多少抵抗を感じる。 私がこちらに渡った当初は、コネなし、手に職無し、運なしの三拍子であった。東京では通訳・翻訳の仕事をしていたが、非英語圏であるこの国では、残念ながら英日通訳という職を介しては定収入は確保出来なかった。 コネ、あるいは手に職を持っていた人々の中には、この国に根を下ろした翌日に定職にありつけていた人もいた。 私がこの国に持って来たものは、若さとひとかけらのプライドのみであった。 しかし、コネというものはそれなりに作れるものである。 この国で大学の卒論を書いていた時のことである。スーパーバイザーを探す際に非常に難儀をし

  • ある商人の選択 森の奥の晩餐館

    「是非、案内したいところがあるの。きっと趣向に合うと思う」、と陽子さんは言う。 彼女は運動靴で深緑の森の中をグングンと歩いて行き、私はハイヒールで彼女の後ろを追った。 季節は夏の真っ盛り、足元は砂利真っ盛り。 途中、美しい庭園カフェを通り過ぎた。咲き乱れる花の中でシャンパン・グラスを傾けている人々のシルエットが眩しかった。 陽子さんは赤い煉瓦の建物の前で立ち止まった。 ストックホルムの南に住んでいる人たちにとっては、かなり有名なところであるらしい。この建造物はかつて、百年前にはどのような用途で利用されていたのであろうか。 それ

  • 他人の名前で生きる人々

    その晩、旧市街の地下鉄のプラットフォームに立っていた乗客は多くはなかった。携帯電話の時計は23時半を示していた。友人達との食事会の帰り道であったが、彼女たちは数分前に反対方向の電車に乗って帰って行った。 電光掲示板に依ると、私の乗る地下鉄は2分後に到着するということであった。 ふと、肩を軽く叩かれた気がした。 友人が戻って来たのかもしれない、と思い、後ろを振り返ってみた。 私のすぐ背後には一人の青年、いや少年が立って居た。肩を叩いたのは彼であろうか?まわりには他に誰もいなかった。 少年は私と目が合うと「日本人か?」、と英語で訊ねて来た。発音から判断したらスウェーデ

  • 海岸通り 注文の少ない料理店

    どの賑やかな町にでも、どんな商売を始めても繁盛しない地所というものがある。 私の住む地区にもそれが一か所ある。 海岸通りの美しいこの地区に引っ越して来てから三年が経った。 何かしらのお祝いをしようと、友人を誘って韓国焼肉、飲茶食べ放題レストラン(添付写真)にて、飲茶ならず無茶食いをすることに決めた。 最近ではレストランにて食事をする頻度は多くはないが、節目節目ごとに何かしらの記憶に残る行事を催していないと、月日だけが無為に過ぎてゆく。 体調を改善させる試みとして、最近数か月は毎日鳥のエサのようなものを食していた。こってりしたタレにどっぷりと付

  • 第3回THE NEW COOL NOTER賞~エッセイ部門賞 - 特別賞拝受の感謝絵葉書

    戴いたお祝い事に関しては、通常はなるべく無言でおりますが、企画をして下さった方々、審査員の方々のご苦労を考慮致しますと、今回は大騒ぎをしないわけには行きません。 表記のエッセイにて今回は第3回THE NEW COOL NOTER賞~エッセイ部門賞にて特別賞を拝受致しました。 受賞作の発表と頂いた講評に関してはこちらで詳しく記されています。こちらが、「THE NEW COOL NOTER」事務局長の一奥さんのnoteでもあります。一奥さんの興味深い人生に関する記事もこちらで拝読させて頂けます。 今回の応募作品の講評は、一奥さん、みこちゃん、洋介さん、ヒロさん、ゼロの紙さんに

arrow_drop_down

ブログリーダー」を活用して、北欧の街角でさんをフォローしませんか?

ハンドル名
北欧の街角でさん
ブログタイトル
北欧の街角で
フォロー
北欧の街角で

にほんブログ村 カテゴリー一覧

商用