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  • 星蝕詠嘆集/Eclipse Arioso【Second Edition】販売開始

    '19年にだした処女歌集を再編集し、123ページに凝縮してリリースしました。よろしくお願いします。 www.seichoku.com 跋文より この歌集のオリジナルをだしてから、それを苦々しくおもっていた。あまりに自作について甘く、厳しさがないことをだ。今回、改訂版をだすにあたって40ページちかく削った。いまのわたしにとってほんとうに必要な、ほんとうに読んで欲しい歌に限定した。懐古趣味的な歌、イメージがあきらかでない歌、自己主張のような歌などを省いた。この本がどういった評価を受けるかはともかく、あれから4年経ってより自覚的に詠むようになったわたしが撰んだのが今作である。いくつか語法的なまちがい…

  • これからの方針

    ○文藝⇒短歌への一本化⇒文藝活動そのものからの離脱 小説はみな終わらせ、リリースしたので次は詩を終わらせる。いま詩集を書き下ろしているのだが、それを来年には完成させて第5詩集『夜の雷光』としてリリース予定。 短歌は来年、書き下ろしで第2歌集と、未刊行歌集、そして全歌集をだして休止する。歌誌『帆』については現在、制作中の第3号の進捗状況によっては、これも休止する。いずれにせよ、文藝活動そのものを休止するために活動するつもりだ。 ○音楽 今年はまだ一回しかライブをやっていない。いまは電子音楽をやるべく機材の蒐集と、モジュラーの練習をしている。しかし、KORG volca2台を使ってライブや録音をや…

  • 黒犬の眼球

    慈悲とつれあって深夜のスーパーを歩いた あるいは慈愛とつれだって萩の花をばらまいて歩いた おれたちにとっての幸運が猫のしっぽであったような、 あるいは取り残された者たちの最後のワルツであったような、 そんな心持ちで郊外を歩いたんだ まだうら若いきみの心臓にはどうやらとどかないようだが いったいどれほど距離をおれたちは歩いたのだろうか 慈悲はいう──おまえに救いがないと 慈愛はいう──おまえに愛はないと ひるがえったマントに黒犬の眼球を光らせて、 おれたちのまえをいまきみが通り過ぎてゆくんだ。

  • ブコウスキーの朗読を聴く

    for an album "Radio Bukowski" by Guilherme Lucas え? なんだって? おれは──英語がわからない。 ね、──そうだっていったろ? 聞えるか? なら水をくれ、 水でいい、 ふつうの水でいい、 炭酸水でも、 天然水でもない、 水道水に氷だ 氷はなくたっていい だから、 水でいいって、 早くしてくれ 水だよ つづり? そうか、 ならw/a/t/e/r だ え? 英語わからない ビールはいらない ほかの客とはおなじじゃない 金はだす 水をだして くれよ。 だっておれは詩──人なんだよ。 それであんたは何──人なんだ? くそっ、なんて熱い水なんだ! hot…

  • 天使たちの戯れ

    どうしたものか、現実がむきだしにされた食卓で、 顔の見えない相手と朝食を摂っている 現実はどうもおもすぎる おれは虚構の度合いをもっと深めたい だってそれがおれ自身の生き方だからだ もっと深いところまでうそでありつづけたい ふと手にとった短篇小説を窓のむこうに落とした けっきょくおれにできるのは手放すか増やしつづけること きのう拾った猫はもういない この場が好かなかったみたいで 取り残された毛布はまだ温かいという事実 なにもかもためらいのなかでしか機能しない事実 人語を忘れてけものになりたい 過去を殺して生き直したい あるいはそういった願いすらも抹殺するなにかを おれは探してさ迷っているのか …

  • なまえ (overwriting)

    あたらしい夢のなかで眼醒めることができたなら もうきみのことを懐いださなくともいられるかも知れない でも、ひとのない13番地に立つたびにきみを懐いだす いままで読んで来た悪党たちのなまえを算えるたび じぶんのなまえがわからないくなる どうしたものかきみとは まともに話すこともできなかった それまでの経験がまるでうそでしかなかったかのようにきみに牙を剥き、 そしてそれまであったほんのわずかな望みさえ手放してしまったんだから もはやもどり道のないところできみのなまえに疼きつづける、 きみのことばに疼きつづける、 きみがきみだけがほんとうの疵痕 あとはほんの失敗、ささやかな失態 なにも失ってなどいな…

  • 窓をあける

    羽根を忘れて取りにもどったのは11時半で、 きみのいない室から、やはりきみのいない室へ移動した きみのいない台所で、きみの指紋のないコーヒーを淹れた 少しばかり息を吐き、そしてじぶんがひとりぼっちだという事実 赦されないことをしてしまった幾年もの時間 こんな日にかぎって身動きがとれない おれの射程のなかにはもうきみがいない だのにこうしてぶざまにきみをおもいつづける、おれをきみは笑ってくれるだろうか なにもかもが見えなくなった室で、病に魘されたじぶんを見つめる こいつには希望も展望もない、ただただ老いてしまうことに恐怖しながら、 おなじステップのなかで腐ってしまうだけなんだ もう終わりだ、終わ…

  • 鰯の顔

    * 日干しする鰯の顔にぎらついたわれが映った両の眼の真昼 それは否 これも否かな ひとびとが遠く離れる夜中の気分 立ち昇る狼煙のごとく葬儀屋の建物がまた軒を閉じゐる 人間の家が心のなかになくきみのことばに滅ぶ祝祭 色が迸る 輪郭を突き破っては光りを信ず 声残る 星の残りを数えたる明けぞら見つむふたりの人間 手袋の片方失くす夜の駅 われが時代の喪失にとり 悲しみの家のなかにて人間のサイズが変わる きょうは2インチ ここでまた逢いましょうといえぬまま20年後の食卓に就く 灰色の唇ばかり人間を失いながら立つ道すがら 愛も死も厭いてオーデン詩集閉づまたも失う人間の道 肉体の居心地わるき秋の昼また一篇の…

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