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2019/06/20

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  • 武道場のきずなー37(遠隔操作-11終了)

    賢樹さんの陳述が続く 弥賢樹こと三枝浩治さんの陳述が続く「実は、ロケットやミサイルの改造・製造に関わるようになり、外国に出張する時は、必ず多額の現金を持たされました。初期の頃、天津の精密機械工場で商談した時、現地の警察では無く軍の情報部が警備に来て、現場の士官から上官の窮地を聞き、助けを乞われた。自分が出張時に多額の現金を持つ情報が伝わって居たようだが、部隊の汚職を本部に察知されないよう内に穴埋めすれば、周りに処罰が及ばないことが分かった。自分の判断でこの泡銭で他人の窮地を救える、拉致以降初めて頼られる立場になった。横領者は兎も角、上官の左遷や部隊の解体が解消されるなら一歩踏み出すか!彼(シン…

  • 武道場のきずなー36(遠隔操作ー10)

    幼馴染の友人だった そうだったのだ、杉原修二局長は三枝浩治と小学校から中学まで一緒で、高校は違ったが、家が近いので付き合いは続いた。杉原さんは東京の国立で、理工好きの三枝さんは同じ国立の工科を選び、宇宙工学の研究室の終了時に区切りとして、三浦佳代さんとヨーロッパ旅行で拉致された。その詳細は誰も知らず行方不明の情報で、探しているのか居ないのか情報が無かった。杉原もショックで、入庁した役所の仕事に集中できない日々が続いた。当時は拉致そのことが、大きく報道されず、うやむやな報道で終始した。次第に忘れられ、親族だけがイライラして来た訳だ。その30年近い空白の間に、鈴由が生まれ育ち佳代さんは逝ってしまっ…

  • 武道場のきずな-35(遠隔操作ー9)

    デッキは和気藹々の交流会 「佐藤さんたちのお仕事も、可なり際どいですが今回はいい経験になりました」と安堵したように言う。「私も、このようなハッピーエンドな仕事なら嬉しいのですが、まだ少し有りますから」と、話しながら階段を昇る二人は驚いた。 デッキ上は和気藹々と歓談している。弥父娘もみんなの和やかな話を聞きながら、今日までの緊張した生活を思い浮かべ、気持ち和み自然な笑顔になって居る。シンディー船長もリャン船長と舷側越しに、商売上の情報交換など楽しそうだ。やはり前後に停止して居る、警備船や巡視艇の事が話題になって居る。佐藤領事官は2艘の乗組員とゲストを確認、「弥・賢樹さんと鈴由さんお疲れ様です、た…

  • 武道場のきずなー34(遠隔操作ー8)

    余計なお世話? シンディーが少しお節介だと思いながら「余計な事ですが、先ほど高雄から來る佐藤領事官と話し、使用するのは公船では無く民間船で、うちと同じです。佐藤さんに相談して考えて下さい、船のオーナーを知って居ますが、多分受け取らないでしょうが、燃料費の名目でなら経費になるでしょう」 シンディーも泣きたい気持だが「最終目的地まで頑張ってください」と浩治さんの手を握る。鈴由は涙を浮かべて、抱きつき「生きて居たら何処かで、又会いたいは~」..と言うがちっとも悲痛さが無い穏やかな表情に戻った。シンディーも~「きっとねっ~私もまだ発表して居ないが、日本に渡って向こうで暮らすことを進めているの、おそらく…

  • 武道場のきずな-33 (遠隔操作ー7)

    東進から北進に転換 香港海域から抜け本格的な外洋航海に入り、クルーザーは舵を北に切る。シンディ―二世号の操舵室は初めて向かう外洋を、レーダーの画面と海図を広げてコンパスを使いながら、前方を見つめている。大陸側にも気を配るが、タイペーの警戒網を突破するのも半端じゃない神経戦だ。マカオ近海の夜間航海は慣れているが、初めての北上は二人で操舵とナビゲートを交互に替わりながら進む。やはり機関士乗船の条件は、法律的にも正しく現実的だ。佐藤領事官チームが、高雄に移ったので琉球島の周辺の方がアクセスし易い。ただ大陸側の沿岸に近い方が深度が浅いので、操船し易いが監視の目も多く、東沙に近いと外洋の荒さが半端じゃな…

  • 武道場のきずなー32(遠隔操縦ー6)

    拓少尉怒なる 拓少尉が、飛び掛かるように体を乗りだし「何のまねだぁ公務中だっぞっ邪魔するなのかぁ」と怒鳴る。同行していたパトロール船の船長も大きな声で、「何で止めるんだぁ」と叫ぶ。ライトを点けたパトロール船の、制服を着た4~5人が慌ててデッキに出てきた。 軍の将校が怒っているのに仰天し、顔を引きつらせている」更に少尉が言葉を繋ぐ「お前たちの上部は、何をして居るんだ我々の業務が滞ったらお前たち責任を取れよ」と言うと、船長が「実は市民の通報で<不審船が居る>というので出動したのですが、今確認しました、メモの様な紙切れを見ながら、確かに受信して居ます<軍の幹部の方が民間船で移動中、パトルール船で警戒…

  • 武道場のきずなー31(遠隔操作ー5)

    最終目的地 少し待っていると、黄色のパーカーの女性が歩いて来たが、後ろにスーツケースを押した軍の制服の若い人、その後ろに身長のある田舎の娘がショルダーを肩に掛け荷物は無い、続いて背の高い中年の男性もショルダーを肩に、さらに後ろにも軍人がスーツケースを押して付いてくる。駐車場のワンボックスは地味な色の無名だが、運転席にカン社長が座っている。後ろにも地味なセダンが居るが、顔を出さない。劉華らしい女性は、4人をバスに乗せると後ろの車に素早く乗る。 追尾車両の確認 先に出たワンボックスは、おなじ街をぐるっと回って、ショッピングセンターの駐車場に入る。そこにはセダンが先行し、カン縫製会社の20人乗り位の…

  • 武道場のきずなー30(遠隔操作ー4)

    人知れず密かに動く 台北に飛んだ佐藤領事官は、高雄に移動し領事館代わりの交流協会へ顔を出す。地元に顔の利く庶務の木村君を連れ出し「民間で、融通の利く海上運送のスぺシャリトを紹介して下さい」と頼んだ。「官民両方から信頼されているボート屋さんを知って居ますが」と惚けたことを言う。「なんですか?そんな奴は信用できないのじゃないですか?」と質すと「大丈夫です、内の仕事を任すことが有りますが、香港や沖縄の武富島・宮古島あたりまで、物でも手紙でも届てくれますよ」と言う。「それじゃ宅配やより早いか?人はどうです?」とカマを掛ける。「それはダメですよ、密入国の手伝いになるでしょう」と、真面目に応える。 「分か…

  • 武道場のきずなー29(遠隔操作ー3)

    (シンディーの移住作戦ー10) 丹東出発 浩治さんは、早速LINEで台北の佐藤さんに「列車に乗った」とトークする。球春も、劉華に同じようにトーク「ノートに無い数字です」と書いて「2hr+4hr+8hr.です」と送信する。昨日までのトークで、丹東・瀋陽・北京西の乗り換えと特急列車を手配できたことをトークした。列車の乗車時間は14時間だが、近づいたらリアルタイムでLINEトークでするので上手く行くだろうと楽観的だ。通常の通信回路は、新幹線ではエラーになるが宇宙から來る電波は別物で、明確に伝わる。 添乗の士官は、二人のお客がスマホで通信するのが不思議だが、まだ聞く訳にはいかない。少佐から出すぎたこと…

  • 武道場のきずなー28(遠隔操作ー2)

    (シンディーの移住作戦) 鴨緑江を渡る 麗・浩治親娘は公用車で、鴨緑江横断橋を渡り河口警備所前で車を降り、待機して居たシン少佐の指揮する中型輸送車寄ってくる。K運転手は隣国の将校が敬礼して、浩治さん母娘に挨拶し将校が自ら車のドアを開けて、輸送車に案内する。部下も士官で、素早く二人の荷物を受け取り車の後ろに積み込む。付き添う車両の兵隊4名は、二人を守るように銃口を下に向けて周りを監視する。橋梁警備の兵隊は、声も出せず緊張したまま固まって居る。 Sとの付き合い 14~5年前から付き合って居るから、浩治さんとは会話を交わさなくても、気持ち通じ最近は丹東に駐在し、主に対岸の民族を監視する部隊だ。地方配…

  • 武道場のきずなー27(遠隔操作ー1)

    (シンディーの移住作戦ー8の続き) 新たな展開 劉華とシンディーは、今後の作戦を練りながら(LINEで暗号文が来たら直ぐ二人で共有、解読する)(二人も危機に瀕して居るから、現金は二つに分けて分散保管する)(マカオにも深圳にも被害が及ばないように、事案は二人でけ秘守しする)(少し時間が掛りそうだから、シンディーの知り合いの特殊チームに打診する)ことを約す。 裏事情に探りを入れ、知り合いの信頼できる東京の事務所に電話(もちろんスマホだ)すぐ反応があり、後でメールすることを話す。それも2重カバーのあるサイトを使い、匿名で「ミツエダ」のレスキューの事案が進行中だと」伝える。マカオで裏取引を遣った、杉原…

  • 武道場のきずなー26(シンディーの移住作戦ー7)

    シンディーの出番 シンディーがマカオの有志や母親と日本に行き、今後の重大事を決めて帰った。仕事はキャシー・ニールに任せていたが、全て卒なく処理し肩の荷を降ろしホッとしていた。キャシーから、連絡の入っていた妹分の呉・劉華が難題にはまっているので、マカオに呼んで直接聞く事にした。隣国の友達で麗・宮春が、政府のトップ機関で機密の宇宙船の部品調達で、ターリエンに出張中にAー6版位のノートを渡され、中身を読んで仰天したことまで聞いたが~。 ターミナルの待合室に顔を出すと、呉・劉華は落ち込んだ顔でベンチに座っている。「よっつ」と言いながら右手を上げるが、劉華は頷くように首を振って応えるだけ。道場では、いつ…

  • 武道場のきずなー25(シンディーの移住作戦ー6)

    零細国の上級志望 麗・浩治さんの勤務は、研究所兼工場も連なりオフイスも用意されている。仕事をして居る同僚?は、民族的にバラバラで公用語は英語だが、国内の人間は監視警備員で周りとも話は厳禁で逆らえば夜の間に抹消の運命だ。浩治さんの仕事は、外国で製造設計したドローイング(図面)をベースに、自国のプランに書き換えるだけだ。図面を書くのは学生時代に設計事務所で研修して以来だ。図面デザインのテーブルは、本格的なプロ仕様だがよく見るともmade in japnのようだ。 拉致された当初は、結構きつい製造工場に配置され勤務時間が長かった。作業の実態を試して居るような雰囲気で、質問や視線を感じていた。学生時代…

  • 武道場のきずなー24(シンディーの移住作戦ー5)

    拉致された三枝さん ワゴン車で食事をし、七色マフネシャーン丘陵から離れ2時間近く知らない街をグルグル走り、打ち合わせをした。 「先ほど佐藤さんからパスポートとビザを頂き、娘の写真も間に合ったようで、有難うございます。今すぐにでも行動したいのですが、娘と共同で我々の人生を弄んだ、あの国の悪行にケジメを付けたいと思います、少し待って頂けますか?」 「本体は先日1500Km位の飛行は確認しましたが、複数の弾頭部分のカバーが材質が弱くエンジンテストで破損し、急遽隣の国へ製造依頼しましたが。ただ先方も自国の宇宙船関連を優先で、娘が出張して昨夜のLINEでは目途が付いた様です。一週間か10日位で再試験出来…

  • 武道場のきずなー23(シンディーの移住作戦ー4)

    呉・劉華のお友達 深圳の八極拳の師範代 呉・劉華さんが、隣国の友だちが政府高官に出世し、国の機密計画に携わり試験中の大型ロケットが故障、隣国のターリエン(大連)に喫緊で部品を発注し、何回か工場を訪ねているらしい。今回は、是非劉華さんに会ってお話したいとLINEで着信した。 近代都市大連(ターリエン)は欧米の風景だ! その女性は麗・宮春(レイ・キュウシュン)と言い、20代の美人で八極拳は劉華に引けを取らないくらい上達し、空手と柔道は自宅で父親に習い格闘技はプロ級らしい。 深圳大学に短期留学中、大学の要請で八極拳の研修を「呉武道場」を指名され、劉華より年が下だが気が合い友達付き合いで、稽古した。遅…

  • 武道場のきずなー22(シンディーの移住作戦ー3)

    新たな展開 麗・宮春(レイ・キュウシュン)は若いのに結構重要な部門を任されているのは、大学の電子工学部をトップで卒業、父親の所属する航空管理部門に配属。4年の経験で、ロケットを周回衛星に格上げする計画に関わっていた。 最もこの事業は国際的にも、周辺国のやじ馬にも機密のプランだ。 当所は、中東の親交国に製造依頼した部分が地上テストで破損、急遽中国へ発注したが~・・・ 何回かターリエン(大連)の工場と打ち合わせ、国のトップ介在して制作を承諾したが進捗が鈍い。 ターリエンの工場は、自国の宇宙計画が優先で麗宮春たちのオーダーは後回しなっている様だ、同行しているスタッフが<我が国の担当が若い女性のには、…

  • 武道場のきずなー21(シンディーの移住作戦ー2)

    倉敷にご挨拶 天童で新幹線に乗る前に、岡山の爺ちゃんに電話 <夕方岡山に行きます>と岡山着の「のぞみの」の時間を伝え、詳しくは話さないが、いつものことでしっかり通じている。 母の実家は新幹線の新倉敷駅から可なり離れており、いつも岡山駅を使うので大体の時間を言ったが、いつものようにベンチに爺ちゃんが座り、スマホをいじくっている。 ひときわ目立つシンディーが、大きい声を出して「爺ちゃん」と手を振る 周りの人たちは一斉に指さす方に視線を移す。 爺ちゃんは、照れながら立ち上がり「ようっと」言いながら近寄って来た。2年前と比べ白髪増えたようだが薄い所はなく身体もシャキッとしている。まだ現場に出て作業の監…

  • 武道場のきずなー20(シンディーの移住作戦ー1)

    二人で親族会議 前週マカオの来客で、ドタバタと忙しい日を送ったが斉藤くんが”容疑者逮捕„の知らせを持ち、被害者のKくんの自宅と、山本建築を訪問して、謝罪した知らせがあった。 二階堂警部とマイケルの二人が、早朝に古川駅から東京に送り返されたことを二人は不審に思い、マイケルがシンディーに事情を聴こうとトークした様だ。 シンディーが、世間話の積りで天童の温泉や庄内地方を観光していることを”トーク”してバレたらしい。幸子さんの事を話した訳でもないが、マイケルが何か裏があると感じLINEで何度もトークするので、まさるに天童へ送って貰ったことをトークした様だ。 シンディーもマイケルを意識して居るようで、邪…

  • 武道場のきずな-19(山形のお友達ー6)

    署轄と真剣勝負 山形県警察本部の理事官斉藤俊二が、未可決の事案を時系列的に話、至近の経緯をまさるにタッチする。 まさるは、同期の斉藤理事官と久しぶりに会う機会が出来ましたが、事案にこだわりは有りません。偶々第三者的な被害者が、知人で有るため友人の捕捉を話します。 <天童市在住のK被害者と行動を共にしていた女性が、現場で事件を目撃し意識障害に陥り、社会生活を絶たれた女性から話を聞き。 6年前の「人間将棋」のイベントの日に、発生したことを知りました。 事件以降の目撃者山本幸子さんの症状と、その学友(リー・シンディー嬢)が私の知人で、川渡の道場の宿泊施設に逗留することになりました。 山本さんとシンデ…

  • 武道場のきずな-18(山形のお友達ー5)

    リー家の決心 シンディーは、ほんの2~3分で車を離れ、丁寧に頭を下げている。 さっきまで話あって居てた全員が玄関に出て、シンディーが何を話しているのか気になり眺めている。 そんなこと気にせず、スキップするような歩き方でシンディーが戻って来た。 「シンディー柏木さんにプロポーズでもして来たの?」と幸子さんが責めるような口調だ。 「そうですね、そうかも知れませんねぇ 」とニャケた顔をする。 「なんてことするの!川渡に彩音さんや壮太くんが居るのに!」と怒り出す幸子さんだ 「幸子待ちなさいよ、シンディーさんに詳しく聞いてから怒りなさいよ」と窘める伸子さんも、不安そうな顔だ。「だって~あんなにお世話に成…

  • 武道場のきずな-17(山形のお友達ー4)

    まさるは留守を師範代の高田さんに頼み、彩音さんと壮太にはいつものように弓道場を頼み、シンディ―母娘をワンボックスで天童に送ることにした。 斉藤くんが、明日天童に顔を出して理事官の本気度を示し、タガを締め直すことを考えている様だ。 シンディーのトラベルプランナー シンディーは昨夜のうちに、リュー所長たちの乗り継ぎチケットをリザーブ、彩音さんのプリンターを借りてスケジュール表を作成して、若し時間調整つかない場合のサブプランも作り、説明していた。 まさるの車と、榊原さんの車が同時に出発、古川から高速道路に入り途中まで前後して走行し、まさるのスマホをシンディーが持ち榊原さんのスマホをリュー所長が持って…

  • 武道場のきずな-16(山形のお友達ー3)

    まさるの同期が身近に居た まさると役所の入庁が同期だった斉藤くんは、20分位で折り返し返事が来、仕事が安定している様だ。 オクラ入り状態の案件をほじくり返し、事情も把握したようだ。 県警本部の捜査関係理事官に赴任して半年だが、地方のシガラミをかき分け事実の探求に腐心している様だ、何事にもアクションが遅くイラつくことが多いこぼす。 所轄と地元のマルボウもべったりで、この事案も配下のパシリの傷害事件として重きを置かないようだった。本部に報告があっても、捜査の進展は無くウヤムヤニ処理した様だ。 被害者の困窮など対応せず、両親が市内の教職勤務で上の方で話を付けたのか分からず不審を感じ、斉藤くんが責任を…

  • 武道場のきずな-15(山形のお友達ー2)

    シンディ―が絶句 シンディ―は、受話器を持ちながら顔色を青くして「うん」と「そう・・・」と会話に成らない通話をして居る。 ユーリンと彩音さんが傍に寄り添い、顔を覗き込む。受話器から漏れてくる声ははっきりして、そんなに深刻じゃないように聞こえる。 「わたしは今、榊原さんと柏木さんの家にお世話に成って居ますが、幸ちゃんのお話をこちらの人たちに話しても良いですか?」と聞いた。 「はい、分かりました。そうします・・・外出は大丈夫なの?・・・はい分かりました・・少しまってね、うん・・・」と言いながら、4~5メートル離れて、興味津々のみんなに「明日の午前中にここで逢いたいと言うの、大丈夫でしょうか?」とシ…

  • 武道場のきずな-14(山形のお友達)

    シンディ―のお友達探し シンディ-がスマホのアドレスを見ながら、山形県にお友達がいると言う。 ユウリンがシンディ―のスマホを覗いて、電話番号を書き出し彩音さんに見せる。 「あぁ天童か~あの辺は、サクランボと将棋の駒が名産だったなぁ」と祖父が口をはさむ。 その脇で、まさるも何かありそうだ。「サクランボか~」と考え込む。 「まさるは、ボケる年でも無いだろうに~」と祖父が笑う。みんなも関心を示して、まさるを見ている。 「あっそうだ、サクランボ繋がりだね、寒河江出身の斎藤だ」と思いだし 「斉藤も警視になって、何処かの県警に移動したようだが~山形だったかな」と言いながら、自分のスマホの住所録をタップして…

  • 武道場のきずな-13(東京から川渡へ)

    流麗なはやぶさで 3時間の東京見物だが、ハイヤー会社の献立が良く渋滞のないコースを無駄なく走り、途中でティータイムもとり、昨日まわりきれなかった部分を効率良く走り昼前に東京駅に到着。 今朝のホテルでの挨拶は、5分位で済みお偉いさんもコーヒーを楽しみ、昨夜の話の続きの様な雰囲気で義理を果たし、ホッとしたひと時だ。 東京駅では、二階堂・マイケルの両警部が、カジュアルファッションでショルダーバックを肩にかけニンマリした顔で待って居た。 発車前のはやぶさ リューさんやシンディーのお荷物を、受け取り座席に運ぶ姿は駅のポーターの様に機敏でシンディ―は目を丸くして、その動きを見ていて気づいたようだ。 二人も…

  • 武道場のきずな-12(料亭でディナー)

    香港マカオに出張ったメンバーも含め20名近い宴会だったが、非公式といえ本庁の次長や領事局の局長など、通常はほとんど面識が無いメンツが同席するので、周りが緊張して居る。 杉原領事局長は、佐々木次長と入魂なので軽く手を挙げて挨拶する。 周りの雰囲気がほっと和み、その場の関係者は来客への気配りに気配り出来、笑顔が広がる。 宴は神田警視が司会進行、杉原さんが出張時のリーダーだったので歓迎の挨拶、佐々木次長を紹介、本庁から多人数押しかけ迷惑を掛けたことを詫びる。 続いてリュウ―所長が、最初だけ日本語で (有難うございます)挨拶続いて中国語で話を始め、シンディーが日本語で通訳。 リュウー所長が、シンディー…

  • 武道場のきずな-11(お出迎え)

    顔を伏せながらお出迎え やはり出発は別々になったが、羽田には殆ど同着のJAL便で調整したようだ。 シンディーは粘り強くJAL支店のプランナールームで、羽田の着便を逆算で書き出し上海からの飛行時間が短いのに気づき、香港のファミリーを先着することも考慮した。 香港羽田便の方が多いので、手際よく予約できた、リューさんが上海の慰労会に出発前にプランシートと、上海羽田間のチケットも渡すことが出来た。 リュウ―さんのお嬢さんも同行するので、杉原さんに連絡同意を得てファミリー旅行が始まる。 今回は勇退した人の来日だが、現役時代んなら省庁はそれなりの対応が必要だ。 杉原局長と神田警視も同行し、二階堂警部がハイ…

  • 武道場のきずな-10(マカオの知人たちが大挙)

    マイケル妙に興奮 「師匠大変です、シンディーが遊びに来るようです!」とLINEでトークまさるが惚けて「何処からそんなデマ情報が入ったんだ!」と強い口調で返信する。 「先程、神田警視が「海外情報局」の杉原さんから(マカオの所長さんが勇退し日本に遊びに来るので、一緒に接待してくれ)と連絡が有ったそうです」 「それで出張したメンツが揃って、挨拶することになったのです」と興奮気味だ。 「それは良かったね、それでシンディーはどうしたの?」と聞くと 「それが良く分からないんです、叔父さん夫妻とかいろいろな人がご一緒のようで、杉原さんの役所だけじゃ賄いきれないようで、応援を頼むと言う事でした」 「それじゃ君…

  • 武道場のきずな(マカオから来客)

    シンディーの来日予定 ユウリンが自宅に戻ると、榊原さんが道場から出てきて 「マカオからお客が来るかもしれないよ」 「誰ですか、まさかリー・シンディーさんじゃないでしょうね?」と聞くと「そのまさかだよ、入出管の所長と香港の叔父さんも一緒なんだってさ」 「最初、LINEで(来月の10日頃東京に行くの!)って来たんだが冗談だと思って、折り返し(どうぞ)とトークすると(いろいろ連れが居るんだけど、お邪魔しても良いですか?)と言うので詳しく聞いてみたよ」 「それは賑やかなツアーですね」とユウリンは顔色も変えず、笑っている。 入出管の所長が上海で引退のセレモニーが有り、終わると時間が有るので(東京に行きた…

  • 武道場のきずな(回想からリアルに)

    榊原さんの学生時代 榊原さんの学生時代の回想を書いてきましたが、台北から深圳に回遊するまで。 回想部分は、記憶が曖昧でユーリンさんとの出会いが重大なポイントで、義父に会社の経営を教わるつもりが̻刺客襲われ、言葉を交わす暇もなく無念の別れ。 ユーリンと結婚して敷地内に住みながら、義父の災難を察知できず榊原さんは斬鬼に堪えず、警備部門の主任の伝で、街を仕切っていた人物に会い危ない橋を渡って義理を果たす、家族ともども香港に移住、海上輸送を本格的に起業。 顧客としていた企業の高級クルーザーを譲渡され、リニュアルしてパワーを上げ装備もGPSや衛星電話など、外観に手を入れず密かに改造し拠点をマカオに転居、…

  • 武道場のきずな(榊原さんの回想ー8深圳の街へ)

    ここからは「カンソンシさんは日本人だった」に繋がるストーリーです。 深圳も長沙と同じように、市の中心は近代的なビルが割拠したように聳え立つ近代都市だ。長沙のションさんに教えらた情報の通り、ビル街から3街区くらい離れた街並みは、人でが多く秋葉原と同じように、電気関係の小売店が並んで知る。 東京では下宿と大学の空手道場か、柔道場しか知らないが時には電気街の秋葉をブラつくのが、趣味みたいなものだ。 衝動買いで、無線機の制作や模型の自動車の組み立てキッドを購入したが、開封しても進んでいないのが、衣装ケースに詰め込まれている。 友人が来て散らばって居る工具を見て 「何を造って居るんだ!」とクローゼットを…

  • 武道場のきずな(榊原さんの回想ー7中国の歴史を堪能)

    ションさんの家族は、兄弟・親族の関係が良く上海の家族の話を自慢げに話す、榊原さん旅もリューさんの心使いで、ホテルを引き払い道場に宿泊、語学研修が柔道の指導で 上海滞在が長くなったことを話す。 「兄たち家族は、世話好きで会社も好調、私たちもバックアップして貰い、ようやく軌道に乗って世代交代もスムーズに済んだところです」と嬉しそうだ。 ションさん家族とランチをして、長沙の街をドライブしながら歴史のある寺院や歴史館を回る。メィンは現代的に進化して居る、長沙の発展ぶりを披露したい様だった。 国立湖南大学の礎は「嶽麓書院の甍」がその歴史を今に伝えて居ますね(^^♪ 確かに歴史ある古の建造物は、当時の繁栄…

  • 武道場のきずな(榊原さんの回想ー6大陸を南下~長沙の街へ)

    心残りだが 当初は、3週間程度の語学研修が2カ月半にお世話になった。 居心地が良く、上海語も地元のネイティブな人達とも十分会話が出来るようになった。 方言を学びながら、子供たちと身体をぶっつけ合い、あんうんの呼吸で過ごす時間はチェンユー講師のレクチャーと相まって、自然な形で言葉になる。まだ他の方言を体験して居ないので、不安を感じるがチェンユーさんは 「榊原さんさんは、広東語を最初に習っているので、応用がきくし英語もマスターして居るので、漢字で覚えるより理解度が違うのです」と、話して居た。 ワン館長の復帰は決まらないが、この間の神田さんの練習い子供たちと信頼感が良くなり、榊原さんが居なくとも、来…

  • 武道場のきずな(榊原さんの回想ー5職住食が至近でラッキー)

    地元の有力者の実力? リュウーさんのお陰で、ホテル代が戻り住食が無料で天国の様な日々、語学の教室も近くこの上が無い便利な境遇だ。 チェンユーさんも、休憩時間に道場を訪ねアドバイスしてくれるので、仕事をしながら学習お出来るのが効率的だ。 チェンユーさんは、八極拳(カンフー)を習って居て、体は華奢に見えるが相当な技前の様だが、柔道場では披露せずひたすら上海語の教授に専念して居る。 柔道の初・二段の初心者は夕方から参加するので、榊原さんが見て戸惑うことが多い。段級の審査が異なるのかレベルが違い、所変われば??が替わり何しろ受け身が出来ていない。 兎に角全ての現状を受け入れ、段位に拘らず柔道の打ち込む…

  • 武道場のきずな(榊原さんの回想ー4中学時代を顧みて)

    「受け身」の重要性 この後も受け身の予定組んでいたが「何かやりたいことが有りますか」と聞いてみる 「未だ「技」を練習して居ないのですが、何カ月位かかりますか?」と聞く子がいた。 リューさんを、眼で追ったが車を取りに行ったらしく、姿が見えない。 「基本的には「受け身」を習得すると怪我や、事故が少なくなりますが、皆さんは入門して何日位ですか?」と聞くと 「約2カ月くらいになりますが、先生方はもう少し基本形を遣りましょうと言われますが「受け身」の先に進めないのです」と不満そうだ。 「そうですね日本では、小学生も大人も同じです最初に遣った「受け身」を3カ月ぐらいやって、体が柔道に慣れてくる6カ月くらか…

  • 武道場のきずな(榊原さんの回想ー3上海で柔道師範代)

    リューさんの気配り 日本語教室の、リュー・チェンユーさんのお父さんは、キエンという名で若いころ日本に留学して、今も日本ビイキで榊原さんを親身になって世話をしてくれた。 中国語を学ぼうとホテルに泊まって、教室に来るのは大変だろうと気にかけ、教室が終わる時間を見計らって会いに来た。 「榊原さん、未だ上海に滞在しますか?」と聞く。 「えぇ~日本で学びましたが、現地では通用しない部分が多いので修正して頂いています、これから一か月は掛かりそうですね」 「それは丁度よかった、チェンユーの所に来ない時間は暇でしょう?」と単刀直入に聞いてくる。 「はいっ 前日に習った部分を復習したり、街を散歩したりしています…

  • 武道場のきずな(榊原さんの回想ー2台湾から上海へ)

    ご両親のお招き チェンユーのご両親は、お二人とも初対面ながら親しみ易く、奥様が紅茶を淹れ「疲れたでしょう、どうぞ」と勧める。 紅茶や中華菓子に、ケーキも用意してあって榊原さんが誘いにのることを想定して居た様だ。 お父さんのリュウ―・キエンさんは、話したくて省がない風で、話始める。 日本の大学に留学、奥さんも中国から同じ大学に留学して居て、中国語が話せるので意気投合して付き合っていた。 卒業後、父の会社を継ごうと考えて居たが、本国の政治情勢が不安で平穏な日本の会社を選択、就職を打診すると、3か国の言葉に堪能で柔和な人柄が好感を得られ、即内定が決まる。 ご両親は日本へ留学して居た 未だ結婚して居な…

  • 武道場のきずな(榊原さんの回想ー1)

    ここからは「M&SSの再起動ー42(決着は頼もしい後輩に任せた)」の続きです チャン騒動も機動車出動で終着 めおと道場の隣に建設中の、榊原道場は直接道路から見えないように、雑木と孟宗竹を配し、母屋の脇から道場に通じる形に変更した。 耳を澄ませば独特の掛け声が聞こえ、めおと道場は柔道場と奥に弓道場なので、午後から夕方は塾生が賑やかだ。 仙台に下宿して居る修仁(シュウレン)くんと恵姫(ハウメイ)さんも、土日にはお稽古に参加するので、平日より賑やかな声が聞こえ、楽しそうだ。 祖父が押すベビーカーに乗せられた裕太くんは、白樺林の散歩より八極拳のお稽古が気になるようで、声のする方に顔向けようとする。まだ…

  • カン・ソンシさんは日本人だった-8(旅客運搬業の社長になる)

    香港・マカオは行政区が同じ イギリスから返還時、国務院香港マカオ事務弁公室が設けられ、香港・マカオ特別行政区を設定、交通の便はフェリーだけだが、24時間就航で便利だ。 香港・マカオの住民は西洋文化を継承した生活が根付いているので、通常の生活には支障がなく西洋文化も謳歌している。 カンさんたちの仕事も、厳しい法規制の下ギリギリの妥協点を見つけて、相互に”目配り〟”気配り〟の中で上手く運用されている。 カンさんは貿易会社の交通部門で、クルーザーの管理運用を担当した経緯から、起業し現在も交流があり、海上移動や顧客の接待などで便宜を図り優遇されている。 同業先輩のショウさんと分担しながら、専属ではない…

  • カン・ソンシさんは日本人だった-7(不定期の旅客運搬業)

    榊原修二(カン・ソンシ)は家族3人で深圳と香港マカオの真ん中付近の漁村に移住し、ショウ・ボッツ船長のクルーザーで海上旅客運搬業の手伝いをしながら、免許を取ったりノウハウを将来の夢のために教わっていた。 ユウリンさんは漁村で、生まれて初めて肉体労働を経験して居た。 漁港近くの加工所で、魚を割いて干したり、ボイラーで蒸したりいろいろ初体験で、元々体育系で体を動かして来たので、違和感なく働く喜びを実感していた。 シュウジンくんは、加工所の従業員用保育室に預けて、地元の子供たちと一緒に遊んでいる、保育の担当者を配置しているので安心だ。 深圳の高級マンション育ちが、浜辺の保育所は別世界のようで真っ黒に日…

  • カン・ソンシさんは日本人だった-6(東シナ海は深った)

    元取締役キンはフェリー乗り場で検問に会い、拘束されたようだ。殺人教唆の罪だが中国本土とは協定が無いので、引き渡す必要が無いと言う判断で、近いうちに釈放されそうだという情報が入った。 実行犯を引き取ったのが今朝なので、香港から離れずにチョウさんの持ち船の艀に、クルーザーを舫いゆっくりしていた時、情報が届いた。 フェリーから(ワゴン車が降り漁港の方に回った)とスマホで短いメッセージが届いた。船長のシュウさんが飛び出し、チョウ・カク・カン・シンと4人が続きクルーザーに飛び乗る。 早朝の漁港は、寮に出る漁船とその家族などがワイワイ居るので、ワゴン車が岸壁近くにいても不審がらず、自分たちの仕事を遣ってい…

  • カン・ソンシさんは日本人だった-5(社長夫妻が襲われる)

    社長即死 奥さん重症 カン社長夫妻は、一階の寝室に忍び込んでいた賊に、先に戻った社長が浴室に行こうとしているところを後ろから一突きで倒された。 気配で奥さんが洗面所から顔を出して賊に気づかれ振り向きざま、刃物を後ろに突き出され避けきれずにわき腹を刺され「ギャッ」と声を出して倒れた。 SG(Security Guar)の主任は土足のまま、寝室に突進したが裏口から飛び出す黒い影を目にしたが、奥さんが気になり呻き声の洗面所と浴室の惨状を目にした。 社長の弟の専務はスマホで救急車をコールし、社長は息はなく奥さんは意識があるがかなりの重傷だ。 そこへ榊原くんたちが駆け付け、現場は専務とユウリンに任せ、S…

  • M&SSの再起動ー42(決着は頼もしい後輩に任せた)

    機動車の後輩をお出迎え 新築現場のプレハブ前に来てみると、ブルーシートが気になり捲って見たが変化はない。戻って道場のワゴン車に乗り込み、シートを斜めにして目を瞑る 何とも長い一日が過ぎ午前2時半だ。しつこい中国マフィアだ中東の国が関与しているのか、川渡がマークされたのかチャンの個人的な行動だったのか、心配の種が残る。 ウトウトしたときスマホが着信(いま古川を降りて西方に向いて走行中)とLINEで来た折り返し(お疲れ様、20~30分くらいです)と返信 ワンボックスのエンジンをかけ、静かに県道に出る。そろそろ祖父たちも戻るころだが国道の入り口までゆっくり走る。 国道も通行量が無く、クラウンがゆっく…

  • M&SSの再起動ー41(我が家の攻防)

    榊原さん受傷 まさるは倒れた不審者を回り込み、首筋に右手で脈を診る。 榊原さんに目をやり首を横に振る。 「少し力んじゃったようですね、自分の出血で思わず力が入りました」と頭を下げる。 まさるは冷静に、出血を留めましょうと榊原さんの左の手首から上着をまくり、自分のテッシュを10枚くらい抜いて傷口に当て、ハンカチで抑えるが滲んでくる。 「ちょっと待ってね、現場写真を残しますから」と、榊原さんの顔や腕の出血を撮る。続いて、うつ伏せのまま不審者を撮り、ひっくり返してデスマスクも撮る。 トイレやその階段、内部もスマホのライトを点けて建築現場と位置関係も撮る。 「こいつをシートにくるんで、家で応急処置をし…

  • M&SSの再起動ー40(真夜中の格闘)

    徹宵の出来事 二階堂氏から23時に連絡が入る「約1時間前に浦和から東北道に入り順調に走って居ます、今栃木に入ります、カーナビに柏木さんの住所を入力して、マップで確認しましたから、迎えは必要ありません。朝暗いうちに引き取りたいのですが、ご都合は良いでしょうか?」 チョット長いLINEで、すぐ返信する。 「やはり人目が有るから、早い方が良いでしょう常時スタンバイですから、連絡を気長に待って居ます。一応固縛して、猿轡と目隠しをして転がしてあります、事情聴取し、真偽は不明ですがコピーしてあります。所持品も確保しましたが現金が多く、216万ほど持って居ました」と報告する。 追伸:古川のインターを降りたら…

  • M&SSの再起動ー39(侵入者拘束)

    作戦変更 まさるは車に戻り榊原さんと詳細を詰め、行動開始。めおと道場は煌々とライトアップしているが、県道の両サイドは雑木林で人家が無く外灯の間隔が離れていて薄暗く尾行には都合が良い。道場の手前から、小道を入り裏側を通って白樺林に入りプレハブの裏で片膝をついて様子をみる。仮設のプレハブには明かりが点き、テレビ放送の音が聞こえて誰かいる感じ がする。榊原さんが出発前に気配りをして、不審者に在宅を知らす。 ターゲットは工事中の門に身を隠すように、うずくまって居たようだが動きだし、這う身を低くして近づいて來る。右手には何か持っているが拳銃ではなく、刃物かも知れない。工事中の現場は、残材や砂利が無造作に…

  • M&SSの再起動ー38(追跡開始)

    旧知の二人は作戦会議! 「それじゃぁ顔を出さずに事情を話て、情報を貰えますかね、特に私は面が割れていますから、動きが有ったら携帯に入れて貰えば好都合ですね、それとも旅館業規定違反で無理かな?」と榊原さんも思案する。 一旦帰って、道場の名簿から確認して、電話することにする。 柏木家と榊原家の夕食が終わり、みんなが居間で寛いで居る間に学習室に移動した二人は、鳴子のホテルに電話していた。まさるは携帯に電話し時間が有るか聞くと社長が 「師匠こんな時間にお電話を呉れるなんて、珍しいじゃないですか?」いつもの調子だ 「今 周りにどなたかいますかね?と言うのはこっちの都合でお願いが有るんですよ」と念を押す。…

  • M&SSの再起動ー37(不審者が不審な行動)

    追跡開始 片言の日本語を喋るらしく(駅までUターンですか?)と聞こえ、運転手と揉めて居るような声が聞こえた。 榊原さんが、今度は後ずさりながら工事中の自宅裏からさっきの場所に戻る。祖父に 「車を貸してくれませんすか?」と言うと、「良いよっ」とクラウンのキーをポーンとトスしてきた。 榊原さんが、造り掛けの門のコンクリートの陰からタクシーが去った方をしばらく見て居ると、タクシーがUターンしたらしく戻って来た。 身を低くしてタクシーはそのまま走り去る。 榊原さんは、めおと道場の駐車場のクラウンに飛び乗ると、タクシーを追いかける。交通量が少ないので、タクシーは視野に入らないが、まっすぐな国道にはそれら…

  • M&SSの再起動ー36(静穏な暮らしに暗い影)

    香織さんのマイカーお披露目 裕太くんの名前を決める儀式は滞りなく済んで、スーザンとマイケルは香織さんの運転で栗駒の須川温泉を経由して秋田の方に行く予定。 香織さんが、お使いは道場のワンボックスや祖父の大型乗車なので「手ごろなSUVが欲しいなぁ」と漏らすと祖父が「そうか~古川に行くから好きなの選べよ」と、一緒に出掛けて買ってもらった。 東京の姉弟が連休なので、ドライブを誘った。山岳ドライブが初めてだが誘ってみた。 「香織さんの車に乗れるのかぁ」とマイケルが嬉しそうな顔になる。 「私は本庁の機動車を擦って、運転禁止中だからなぁ」とスーザンも興味を示す。 彩音さんも心配なのか外に出てきた。 そこにカ…

  • M&SSの再起動ー35(命名の日)

    今夕は命名式 次の三連休に、名護姉弟が恋人同士の様な雰囲気で新幹線から降りて来た、彩音さんの代理で親友をお出迎えだったが、まさるの愛弟子も一緒で現役の警視と警部だ、まさるが 「なんか良いペアリングだなぁ」と笑いながら古川駅に、お出迎えだ。 「実は今晩は、知り合いや家族が集まって、名前を付ける事にしたんだ」 「それは楽しそうだね、でも~お邪魔じゃないかしら」とスーザンが気を遣う。 「そんなことないよ、君たちが同席して呉れたら一層盛り上がりそうだよ」とまさるも期待している顔だ。 (めおと道場)では、退院した彩音さんと赤ちゃんの命名式の宴を予定して居て、さすがの彩音さんも完全な体調ではないが、赤ちゃ…

  • M&SSの再起動ー34(不法入国者Delete)

    シンディーにお礼 2日前に、香港とマカオで捜索活動で知り合いになった名護警視から、不法入国の2人を拘束し榊原さんに協力を求められたことを、シンディーにも連絡して置いた。 お礼したつもりが、逆に大きな情報を頂き、今回の事案がトラブルなく終息方向に舵が切れ一件落着になった。 その時シンディーから折り返しで、カク・ヘイジュンさんがショウ・ボッツとクルーザー購入で横浜に行き、そのバージョンアップで、横須賀の漁港に滞在している事をトークして来た。 榊原さん、何で連絡を呉れないのかぁとコボスと、シンディーは、カクさんの気持ちとして(堅気に進路変更したカンさんをそっとしておきたい)と言った。 でも、日本に来…

  • M&SSの再起動ー33(めおと道場の跡継ぎ誕生)

    誕生 入院当日から、先生と助産師さんからレクチャーを受け、香織さんにも手伝ってもらいマッサージやら足湯やら、手順通りなぞって合気道の稽古の感じ動いていると、胎児もなんのとなく、反応してくる。 兆しがあるので、先生が回診に来た時そのことを伝えると、助産師も準備に取り掛かり香織さんもそわそわと落ち着かない。 「香織さん、大丈夫ですよ本人が至って元気ですから、ゆったり構えて居て下さいね」と先生が気を使ってくれる。 その日の夕方分娩室に移動いどうした。 まさるも駅から様子を見ようと見舞うと、受付も閉まっていて奥の部屋が賑やかだ。 急ぎ足で来た看護師が 「こんばんは、もしかして柏木さまですか?」と声を掛…

  • M&SSの再起動ー32(密入国の事案もウヤムヤ)

    彩音さん先手入院 翌日は、まさるの出勤日で榊原(カン)さんも一緒に朝の新幹線で上京する。子供たちは警察庁に一緒に行けないので、ユウリンママとお留守番。 古川の須永先生が診療開始前に迎えに来行くと連絡が入り、前から用意してあるバック二つを香織さんにお願いして、少し早いが入院することにした。 留守番は祖父と、ユウリンさんと子供たちにお願いして、玄関に行くと既にワゴン車がバックで寄せてきた。 古川はまさるの父親の実家で、祖父の家だが川渡にいる方が多く、家族でその近くが須永先生の医院だ。香織さんと二人で須永先生の運転する中型のワゴンで移動。 須永先生は、ディータイムの診療中じゃ動けないので、診療開始前…

  • M&SSの再起動ー31(着いた所は桜田門の隣)

    でこぼこコンビの様なワゴン車3台 宵の口の東京は、眩いばかりの光の海だがチグハグナ3台のワゴン車のエンジンを止めたのは薄暗い地下駐車場だ。 前と後からすばやく降りたメンバーは、同じようなユニフォームで起立良、堺ナンバーのワゴン車を取り囲んでいる。 マルヨウのの三人は目隠しされて、縛られていたが同乗していた二人が猿轡を外して降りて行った。窓の外を見ると薄暗い所で、ジロジロ見る目が厳しく突き刺さる。 隣のワゴン車から、外国人の女性がみなと同じような服装で、堺ナンバーに近づき フランス語で語り掛けたが、目をキョロキョロしただけで、誰も返事をしない。 途端に、英語に切り替え「ノー・スピークか お前たち…

  • M&SSの再起動ー30(神戸から横浜へ直行)

    堺ナンバーのワンボックスは情報が変ったのか、名神から東名入っても高速道路のSEのランチは軽く切り上げ脇目も振らずひたすら北上。 指令が変ったのか、無警戒の速度で走っている。運転手は、一人で残りの二人は助手席ではなく後ろで寝ている様だ。 斎藤車は二人で交代で偶には追い越して、覗き見してみるが、今日はお喋りもせず、不機嫌な顔で前方を見ている。 名護警視が、関東エリアに入ったら横浜・東京とシーバースが多いから、もう一台出して絞り込んだらどうか?と言う案を出して、神田警視とNシステムを駆使して上りのSEで待機せることにした。 斎藤警部補の早坂巡査部長スマホをオンにして、待機の警備気動車はNシステムをリ…

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