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狩場宅郎
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2019/06/16

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  • 宮殿を建てた

    イザナミの自伝 5 海の中にオノゴロ島ができた。 イザナギは天の浮橋を伝ってゆっくりとオノゴロ島に降りていく。わたしもイザナギについて天の浮橋を降りていった。 そこは海のしずくが固まっただけの、何もない島だった。 ここで何をすればいいのだろうか・・わたしは何とも言いようのない不安に襲われた。 すると、そのわたしの気持ちを察してか察せずか、イザナギはわたしのほうを振り返り、いった 「イザナミ、大丈夫か?」 その顔・・・自分も不安で仕方ないのだろう。しかしそれをわたしに感じさせまいとしているのがよくわかる。 わたしも努めて明るく振舞っていった 「ええ、大丈夫よ・・でも、これから何をすればいいのかし…

  • 島ができた!

    イザナミの自伝 4 わたしたちは、天の浮橋に建って地上世界を見下ろしていた そこは、ただ茶色のどろどろとした海が一面に広がっているだけだった。ここに国を造れ・・と言う命を受けたわけだが・・・ 国を造れと言われてもどうすればよいのだろう・・・さっぱりわからない イザナギの方を見た・・彼も難しい顔で地上世界を見下ろしている。彼もどうすればよいのか見当もつかなかったのだろう。 このまま、どれほどの時が経ったのだろうか・・・ このままではらちが明かない・・・そう考えたわたしは、 「イザナギ・・」と声をかけた 「ん・・・」イザナギはわたしのほうを振り返る。 「ほら!」わたしは、アメノミナカヌシの大神から…

  • 天沼矛を賜る

    イザナミの自伝 3 「国を造れ・・と言われましても・・・どのようにすればよろしいのでしょうか・・・」 わたしの隣にいたイザナギが口を開いた・・・おずおずと・・・やっと喉の奥から絞り出したような声だった すると、アメノミナカヌシの大神は一本の矛を取り出した。 その矛は勾玉で飾り立てられて不思議な光を放っていた 「ここに天沼矛(アメノヌボコ)がある。これをもって降りてゆくがよい」 厳かに仰せになる しかし、わたしは動けなかった・・・イザナギも同じだったろう。身体がすくんで、身動き一つできなかった。 すると、続けてアメノミナカヌシの大神が仰せになられる 「そんなに緊張せずともよい。この矛を手に取って…

  • 国を造れ

    イザナミの自伝 2 わたしはある日、イザナギとともにアメノミナカヌシの大神に呼び出された 一体何の用だろう・・・わたしはイザナギとともにアメノミナカヌシの大神のもとに向かった イザナギはわたしと同時に産まれてきた男神で、りりしい青年だった アメノミナカヌシの大神の神殿に出向いたわたしたちは、おずおずと大神の前に進み出た。大神の傍らにはタカミムスビの大神、カミムスビの大神も控えている。別天津神(ことあまつがみ)と言われる、わたしたちのようなヒラの神とは違った崇高な神格をもつ神々だ。 わたしは緊張で心臓が張り裂けそうだった・・・それはおそらく、イザナミも同じことだったろう・・・ 「イザナギ、イザナ…

  • イザナミの自伝 プロローグ

    イザナミの自伝 1 わたしの名はイザナミ。令和の今をさることはるかな昔、高天原に産まれた女神である。 その昔、この世には天も地もなかった。そんなあるとき、混沌としたこの世に一人の神が生まれた。それがアメノミナカヌシの大神である。 それからまた時が過ぎた。天と地が分かれ、しかしこの世はまだ水に浮く脂のように、あたかもクラゲのように漂っていた。 そんな世の中でも、次々と神々が産まれて来た。そう、葦が力強く芽を出し伸びていくように・・・ そんな、次々と生まれてきた神々の中で、最後に産まれてきたのがわたし、イザナミである ちなみにわたしは女神であるが、わたしと同時に産まれてきた男神がいる。神々は最初の…

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