ハルヤマノカスミの自伝 6 異母兄のアキヤマノシタヒはわたしとの約束を守ることは無かった まあ、わたしとしてはそんな約束、どうでもいいことではあったのだが・・ しかし、あのアキヤマシタヒの態度には、腑に落ちないものがあった。 わたしは家に帰ると、母にその話をした すると母は、おおきなため息をついて 「我々は神の国に住んでいます。なので我々は神の国のしきたりによく従うべきなのです。なのに・・ アキヤマシタヒ殿が神の国のしきたりに従わず約束をたがえるというのは、人間社会に染まってしまったからなのだろうか・・・」 と言った。そして・・ 母上は、伊豆志河(いずしがわ)の中洲から一本の竹を取ってきた。 …