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  • 高解像度と高感度のアルマ望遠鏡だから分かってきた! 宇宙誕生後6億年の銀河の成り立ちや星々の生死、そして宇宙の物質循環のこと

    今回の研究では、アルマ望遠鏡を用いて宇宙誕生後6億年の時代に存在する若い銀河を、これまでにない高い解像度でとらえることに成功しています。そして、アルマ望遠鏡がとらえたチリと酸素の電波画像から分かったこと。それは、暗黒星雲と散光星雲が互いに入り混じり、また活発な星々の誕生と超新星爆発によって作られた巨大な空洞“スーパーバブル”と見られる構造でした。宇宙初期の天体において星々の生と死にかかわる星雲の姿が、これほど精細にとらえられた例はなく、銀河の誕生にかかわる重要な手掛かりが得られると期待されています。この研究は、名古屋大学大学院理学研究科田村陽一教授、筑波大学数理物質系橋本卓也助教たちの国際研究チームが進めています。遠方銀河の観測138億年前の宇宙誕生から間もない頃に、星や銀河はどのように形成されたのでしょ...高解像度と高感度のアルマ望遠鏡だから分かってきた!宇宙誕生後6億年の銀河の成り立ちや星々の生死、そして宇宙の物質循環のこと

  • 28日の種子島、高層風の風速は問題なかったけど風向きが… 30分前に中止になったH-IIAロケット47号機の打ち上げ

    2023年8月28日(月)に予定されていたX線分光撮像衛星“XRISM”と小型月着陸実証機“SLIM”を搭載したH-IIAロケット47号機の打ち上げ。三菱重工業とJAXAによると、高層風が制約条件を満たさなかったので、打ち上げの約30分前に中止を決めたそうです。ただ、台風9号と台風11号により、種子島はしばらく天候が悪い予報…なので、新たな打ち上げ日時は未定になっています。射点に立つH-IIAロケット47号機(Credit:Mynavi)晴れていても打ち上げを延期する理由ロケットを打ち上げるには、様々な制約条件をすべて満たす必要があります。今回、H-IIAロケット47号機の打ち上げで問題になったのは、飛行安全系・射場系における高層風の条件にありました。これは、“射点近傍で破壊した場合に、落下破片などによる...28日の種子島、高層風の風速は問題なかったけど風向きが…30分前に中止になったH-IIAロケット47号機の打ち上げ

  • 複雑な有機分子を成長させる役割を担う分子“メチルカチオン(CH3+)”を発見! 宇宙で生命体形成のカギになる分子です

    東京大学は6月27日、陽イオン“メチルカチオン(CH3+)”を宇宙で初めて発見したことを発表しました。有機生命体の形成につながる複雑な有機分子の成長において、カギになる分子と考えられているのが“メチルカチオン(CH3+)”です。その場所は、惑星系の形成が進行中のオリオン星雲にある天体“d203-506”。ジェームズウェッブ宇宙望遠鏡を用いた国際的な観測による発見でした。この研究成果は、フランス国立科学研究センターのオリヴィエ・ベルナさんを筆頭に、日本からは東京大学大学院理学系研究科天文学専攻の尾中敬名誉教授が参加した、ヨーロッパ宇宙機関/Webb、TheSpaceTelescopeScienceInstitute、NASAなどの50名以上の研究者が参加した国際共同研究チームによるものです。(左)ジェームズ...複雑な有機分子を成長させる役割を担う分子“メチルカチオン(CH3+)”を発見!宇宙で生命体形成のカギになる分子です

  • 着陸は“降りやすいところに降りる”から“降りたいところに降りる”へ! “SLIM”が挑む月への高精度ピンポイント着陸と二段階式タッチダウン

    JAXAの小型月着陸実証機“SLIM(SmartLanderforInvestigatingMoon)”は、8月の28日に種子島宇宙センターから打ち上げられることになっています。その名称からも分かるように“SLIM”の目的地は月面です。これまで、月面への到着に成功している着陸機(ランダー)はいくつかあります。でも、着陸場所に、ここまでこだわっているランダーは他にありませんでした。“SLIM”は、将来の月惑星探査に必要なピンポイント着陸技術を研究・実証する計画なんですねー月面上空を航行する“SLIM”(イメージ図)。(Credit:JAXA)“降りやすいところに降りる”着陸から“降りたいところに降りる”着陸へこれまで、惑星表面や月面への着陸は、地上からの軌道決定に依存していました。ランダーの姿勢や天体表面ま...着陸は“降りやすいところに降りる”から“降りたいところに降りる”へ!“SLIM”が挑む月への高精度ピンポイント着陸と二段階式タッチダウン

  • 惑星は微惑星の衝突で形成されるんだけど、その微惑星を微粒子の衝突合体のみで形成することは難しいようです

    今回の研究では、惑星の材料物質である原始惑星系円盤内の固体微粒子の塊について、様々な大きさでの衝突挙動の数値シミュレーションを実施。シミュレーションには、国立天文台が運用する総コア数2160で構成された“計算サーバ”が用いられました。その結果、明らかになったのは、塊が大きい場合には2つの塊が衝突合体する確率が低下すること。固体微粒子が衝突合体を繰り返すのみでは、微惑星のようなサイズにまで成長することは難しいことを確認したそうです。この研究成果は、7月6日に海洋研究開発機構(JAMSTEC)、東京工業大学(東工大)、東北大学、国立天文台(NAOJ)から発表されました。この研究は、海洋研究開発機構付加価値情報創生部門数理科学・先端技術研究開発センター計算科学・工学グループの荒川創太YoungResearchF...惑星は微惑星の衝突で形成されるんだけど、その微惑星を微粒子の衝突合体のみで形成することは難しいようです

  • 銀河系外縁部の星形成領域は100億年前の宇宙初期に似ている!? 重元素の低い環境ではどのような星が生まれるのか

    約100億年前の重元素量の低い宇宙初期では、どのような星が生まれていたのでしょうか?このことを調べるため、今回の研究で注目したのは、銀河系の外縁部にある星生成領域“Sh2-209”でした。それは、銀河系外縁部は、宇宙の初期と似た性質を持つことが知られているからです。すばる望遠鏡の多天体近赤外撮像分光装置を用いた撮像観測によって、約100億年前の宇宙に似た環境では、どのような星が生まれるのかが調査されています。銀河系の外縁部で、様々な質量の星を含む大星団の詳細な“人口調査”がされた初めての観測例になるようです。図1.この研究の調査対象になった“Sh2-209”。銀河系の外縁部では稀な大規模な星形成領域になる。すばる望遠鏡の多天体近赤外撮像分光装置“MOIRCS”による画像。青、緑、赤はそれぞれ近赤外線のJバ...銀河系外縁部の星形成領域は100億年前の宇宙初期に似ている!?重元素の低い環境ではどのような星が生まれるのか

  • 物質と反物質は必ず同じ数がペアとして生成されるはず… それでも宇宙に物質が溢れている理由を銀河の配置から探ってみる

    私たちが住む宇宙は物質に満ちていて、反物質はほとんど存在しません。このことは何を示しているのでしょうか?それは、宇宙の初期段階では物質の方が反物質よりも多く生成された時代があった可能性です。でも、人類はこの非対称性を理論的にも、実験的にも説明することには成功していないんですねーそもそも、本当にそんな時代があったのかどうかも分かっていません。今回の研究で示しているのは、宇宙に存在する銀河の配置をもとに、宇宙の初期段階にそのような時代があった可能性です。この宇宙における物質の生成という非常に根源的な対象に切り込んだ研究として、今回の成果は重要なものと言えます。この研究は、フロリダ大学のJiaminHouさんたちの研究チームが進めています。図1.銀河の配置は一見するとランダムのように見える。でも今回の研究では、...物質と反物質は必ず同じ数がペアとして生成されるはず…それでも宇宙に物質が溢れている理由を銀河の配置から探ってみる

  • 銀河の集団が作る大規模構造はどうやってできたの? この謎に挑むJAXAのX線分光撮像衛星“XRISM”はH-IIAロケットで8月26日に打ち上げ

    延期されていたJAXAのX線分光撮像衛星“XRISM”と小型月着陸実証機“SLIM”の打ち上げ予定日が、2023年8月26日(土)に決定したことがJAXAならびに三菱重工業から発表されました。発射場は種子島宇宙センターの大型ロケット発射場で、H-IIAロケット47号機に搭載され打ち上げられます(打ち上げ予定時刻は日本時間の午前9時34分57秒)。打ち上げ予備期間としては、8月27日~9月15日までが予定されていて、予備期間中の打ち上げ時刻は打ち上げ日ごとに設定されます。当初、“XRISM”と“SLIM”の打ち上げは2023年度初めに予定されていました。ただ、2023年3月に発生したH3ロケット試験機1号機の打ち上げ失敗の原因が、H-IIAロケットにも潜んでいる可能性があったんですねーその調査の必要性から、...銀河の集団が作る大規模構造はどうやってできたの?この謎に挑むJAXAのX線分光撮像衛星“XRISM”はH-IIAロケットで8月26日に打ち上げ

  • ジェームズウェッブ宇宙望遠鏡がとらえた宇宙空間に浮かぶ“はてな(?)マーク”の正体は何か 2つの銀河の相互作用が原因かも

    NASAのジェームズウェッブ宇宙望遠鏡が、宇宙空間で光輝く“はてな(?)マーク”形の物体をとらえました。“はてな(?)マーク”は2つの銀河の相互作用によるものの可能性がある。(Credit:NASA/ESA/CSA/JosephDePasquale(STScI))7月26日に公開された近赤外線分光画像に写っているのは、“ハービック・ハロー天体46/47”と命名された2つの若い恒星。この天体は銀河系の“ほ座”から1470光年離れていて、まだ形成期にあり、互いの周りを回っていました。この2つの恒星は、1950年代から地上の望遠鏡や宇宙望遠鏡で観測されていたもの。でも、その画像の背後にある“はてな(?)マーク”形については、まだ詳しい観測や研究が行われていませんでした。どうやら、その形状や位置から“はてな(?)...ジェームズウェッブ宇宙望遠鏡がとらえた宇宙空間に浮かぶ“はてな(?)マーク”の正体は何か2つの銀河の相互作用が原因かも

  • 太陽よりも高温な恒星を公転する巨大ガス惑星を理解するにはどうすればいいのか? 比較対象になる表面温度が8000℃の褐色矮星“WD0032-317B”を発見

    極端な高温に晒された巨大ガス惑星では、大気を構成する分子が分解して、非常にエキゾチックな化学成分を示すと考えられています。でも、このような条件が揃っている惑星が発見されたのは、これまでに1例だけだったんですねーそこで、今回研究の対象になったのは、巨大ガス惑星ではないものの、それに非常に近い性質を持ち、約8000℃もの高温に晒された褐色矮星“WD0032-317B”でした。8000℃と言えば太陽の表面よりも高い温度。“WD0032-317B”の存在は、高温の惑星環境を研究する上で、良い観測対象になる可能性があるようです。この研究は、ワイツマン科学研究所のNa'amaHallakounさんたちの研究チームが進めています。図1.白色矮星を公転する褐色矮星のイメージ図。白色矮星は褐色矮星よりもはるかに重いが直径は...太陽よりも高温な恒星を公転する巨大ガス惑星を理解するにはどうすればいいのか?比較対象になる表面温度が8000℃の褐色矮星“WD0032-317B”を発見

  • 主星の近くを公転する巨大ガス惑星“ホットジュピター”は孤独ではなかった! すべての惑星系の形成過程を書き換えることになるかも

    太陽以外の恒星を公転する惑星として、観測史上初めて発見された惑星のタイプは“ホットジュピタ-”でした。ホットジュピターは、木星ほどの質量を持つガス惑星が、主星の恒星から近い軌道(わずか0.015~0.5au程度:1天文単位auは太陽~地球間の平均距離)を、高速かつ非常に短い周期(わずか数日)で公転する天体。主星のすぐそばを公転し表面温度が非常に高温になるので、灼熱の木星型惑星“ホットジュピター”と呼ばれる。系外惑星の発見初期に多く見つかっていた。太陽系のガス惑星(木星や土星)は、地球よりも太陽から遠く離れているので表面温度が高温になることはありません。でも、ホットジュピターは木星ほどの質量を持つガス惑星が、恒星から近い軌道を高速かつ非常に短い周期(わずか数日)で公転する天体。表面温度が1000℃以上に加熱...主星の近くを公転する巨大ガス惑星“ホットジュピター”は孤独ではなかった!すべての惑星系の形成過程を書き換えることになるかも

  • ロシアが47年ぶりに月探査機を打ち上げ! “ルナ25号”は月周回軌道投入され月面着陸は8月21日の予定

    8月11日に打ち上げられたロシアの無人月探査機“ルナ25号”が月周回軌道への投入に成功したそうです。ロシアの月探査機打ち上げはソ連時代以来47年ぶりのこと。23日頃に月の南極付近に着陸する予定です。月探査機“ルナ25号”を搭載したソユーズ2.1bロケットの打ち上げ(ロスコスモスのライブ配信から引用)。(Credit:Roscosmos)47年ぶりの無人月探査機打ち上げ日本時間の8月11日8時10分、ロシアの無人月探査機“ルナ25号(Luna25)”を載せた“ソユーズ2.1b”ロケットが、ロシアのボストチヌイ宇宙基地から打ち上げられました。“ルナ25号”は、上段ロケットのフレガートMによって予定通り月に向かう軌道へ投入。その後、月周回軌道に投入するためのエンジン噴射を日本時間の2023年8月16日17時57...ロシアが47年ぶりに月探査機を打ち上げ!“ルナ25号”は月周回軌道投入され月面着陸は8月21日の予定

  • 129億年前の宇宙に存在する銀河を調べて分かった! 大質量ブラックホールと親銀河の関係は近傍宇宙と初期宇宙で大きく変わらない

    銀河とその中心にある大質量ブラックホールの関係性は、いつ始まり、お互いにどのように影響を与えて成長してきたのでしょうか?このことを明らかにするには初期の宇宙に存在する銀河の観測が必要でした。今回、研究チームは、ジェームズウェッブ宇宙望遠鏡を用いて、約129億年前の宇宙に存在する2つのクエーサーを観測。その結果、中心に活発な大質量ブラックホールが潜む銀河の姿をとらえることに成功したそうです。このことは、6月29日に東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構(KavliIPMU)、東京大学大学院理学系研究科、愛媛大学、国立天文台(NAOJ)により発表されました。この研究は、KavliIPMUのシューヘン・ディン特任研究員、ジョン・シルバーマン教授、北京大学カブリ天文天体物理研究所の尾上匡房カブリ天体物理...129億年前の宇宙に存在する銀河を調べて分かった!大質量ブラックホールと親銀河の関係は近傍宇宙と初期宇宙で大きく変わらない

  • あらゆる方向から伝わってくる背景重力波の証拠が得られたかも! 中性子星の一種を利用したパルサータイミング法で低周波重力波を検出する

    周波数が非常に低く、宇宙のあらゆる方向から伝わる重力波“背景重力波(GravitationalWaveBackground)”の証拠が得られたとする研究成果が6月28日に発表されました。この研究は、北米ナノヘルツ重力波観測所“NANOGrav(NorthAmericanNanohertzObservatoryforGravitationalWaves)”に参加するアメリカ・カナダの190名以上の研究者で構成されたNANOGravコラボレーションが進めています。背景重力波の証拠が得られたとするNANOGravコラボレーションの研究成果のイメージ図。(Credit:NANOGravcollaboration;AuroreSimonet)時空間の歪みを遠くまで波のように伝える重力波時空間の歪みを遠くまで波のよう...あらゆる方向から伝わってくる背景重力波の証拠が得られたかも!中性子星の一種を利用したパルサータイミング法で低周波重力波を検出する

  • ★ ボーイングの新型宇宙船“スターライナー”の有人飛行試験は2024年3月以降になるようです

    ボーイング社の商業用旅客機“ストラトライナー”や“ドリームライナー”に連なる名前が付けられた開発中の有人宇宙船“スターライナー(CST-100Starliner)”。スペースシャトルのような翼は持たない、スペースX社の“クルードラゴン”と同じカプセル型の宇宙船です。NASAによると、“スターライナー”による有人飛行試験は2024年3月以降に実施される見込みのようです。ボーイングの新型宇宙船“スターライナー”、有人飛行試験“CFT(CrewFlightTest)”で使用される機体の組み立て作業の様子。2023年1月19日撮影)。(Credit:Boeing/JohnGrant)無人飛行試験を終えて有人飛行試験へ“スターライー”はスペースX社の“クルードラゴン”とともに、NASAのコマーシャルクループログラム...★ボーイングの新型宇宙船“スターライナー”の有人飛行試験は2024年3月以降になるようです

  • 星の赤ちゃん“原始星”が誕生してから惑星はいつ頃から形成されるのか? 周囲に広がる円盤とより進化の進んだ原始惑星系円盤の違い

    星の赤ちゃん“原始星”が誕生してから、惑星はいつ頃に形成されるのでしょうか?この問への理解を深めるため、今回の研究で対象にしたのは、地球の近傍に位置する星形成開始から1~10万年程度の初期段階にある19の原始星。アルマ望遠鏡を用いて、これまでにない高い解像度で周囲の円盤を観測し、円盤の詳細な構造を系統的に調べています。その結果分かってきたのは、原始星周囲の円盤では、星形成の比較的後期段階にある原始惑星系円盤と比べると、惑星形成の兆候は見られないか、見られても原始惑星系円盤ほど惑星系形成は進んでいないこと。惑星系形成は、中心の恒星の形成開始10万年後から100万年後ぐらいにかけて急速に進むようです。この研究は、台湾中央研究院の大橋永芳さんを中心とする国際研究グループが進めています。原始星周辺の円盤のイメージ...星の赤ちゃん“原始星”が誕生してから惑星はいつ頃から形成されるのか?周囲に広がる円盤とより進化の進んだ原始惑星系円盤の違い

  • 星形成を抑制する激しいガスの運動って何? 棒渦巻銀河には星の材料があるけど星が誕生しない場所がある

    今回の研究では、野辺山45m電波望遠鏡やアルマ望遠鏡などを用いて、近傍宇宙の複数の棒渦巻銀河における、分子ガスからの星の生まれやすさ(星形成効率)の詳しい解析を行っています。その結果、明らかになったのは、棒渦巻銀河では棒部の星形成効率が渦巻き腕に比べて系統的に低いことでした。このことは、棒部では何らかの理由で、星形成活動が抑制されていることを示していました。さらに、研究チームが発見したのは、分子ガスの速度幅が大きい領域ほど抑制の度合いが大きいこと。これは、棒構造に由来するガスの激しい運動が要因で、星形成が抑制されていることを示唆しているようです。この研究は、東京大学大学院理学系研究科付属天文学教育センター所属の前田郁弥研究員と京都大学、会津大学、北海道大学からなる研究チームが進めています。渦巻銀河と棒渦巻...星形成を抑制する激しいガスの運動って何?棒渦巻銀河には星の材料があるけど星が誕生しない場所がある

  • ふたご座流星群の元になるチリはどのようにして放出されたのか? 彗星ではない母天体“フェートン”と過去の天体衝突

    ちょうど、“ペルセウス座流星群”観察のタイミングですが、今回は、“ペルセウス座流星群(8月)”や“しぶんぎ座流星群(1月)”と共に三大流星群と呼ばれている“ふたご座流星群(12月)”のはなしです。チリを放出して流星群の原因を作っている天体を母天体といい、この母天体の軌道と地球の軌道が交差していると流星群が出現することになります。そう、地球が母天体の通り道を毎年同じ時期に通過する際に、通り道に残されたチリが地球の大気に飛び込んでくるんですねーチリは上空100キロ前後で発光、これが流星群です。ただ、“ふたご座流星群”の場合は、母天体が彗星ではなく“フェートン”という小惑星…彗星のように表面活動の活発な天体は、その公転軌道上に大量のチリを放出します。では、小惑星の“フェートン”からは、どのようにして流星群の元に...ふたご座流星群の元になるチリはどのようにして放出されたのか?彗星ではない母天体“フェートン”と過去の天体衝突

  • 原始惑星のコアだった可能性がある小惑星へ! 打ち上げ準備が進められるNASAの小惑星探査機“サイキ”は2023年10月出発予定

    打ち上げ準備が進められているNASAの小惑星探査ミッション“Psyche(サイキ)”の探査機。2023年7月25日(現地時間)、アメリカ・フロリダ州のケネディ宇宙センター近くにあるアストロテック・スペース・オペレーションズの施設で、探査機“Psyche(サイキ)”本体に太陽電池アレイ取り付けられているところです。“Psyche”の日本語表記について、小惑星はラテン語の読み方の“プシケ”、NASAのミッションおよび探査機は英語の読み方の“サイキ”を用いています。NASAの小惑星探査ミッション“Psyche(サイキ)”の探査機への太陽電池アレイ取り付け作業の様子(2023年7月25日撮影)。(Credit:NASA/KimShiflett)ディスカバリー計画で14番目のミッション小惑星探査ミッション“Psyc...原始惑星のコアだった可能性がある小惑星へ!打ち上げ準備が進められるNASAの小惑星探査機“サイキ”は2023年10月出発予定

  • 自転速度が減速し続けている地球には、自転周期がほとんど変化せず1日が約19時間の期間があった

    現在の地球は、約24時間で1回転する自転運動をしています。ただ、地球の自転周期は少しずつ減速し続けていると考えられているんですねーなので、過去の地球は、より速く自転していたはずです。また、その減速率は一定だとこれまで考えられてきました。ところが、今回の研究で明らかになったのは、今から約20億年前~約10億年前までの10億年間は、自転速度がほとんど低下せず、1日は約19時間でほぼ固定されていたこと。興味深いのは、この期間は地球史における“退屈な10億年(BoringBillion)”と呼ばれる期間とほぼ一致していることでした。この研究は、中国科学院のRossN.Mitchellさんとエバーハルト・カール大学テュービンゲン校のUweKirscherさんの研究チームが進めています。地球の自転にブレーキをかけてい...自転速度が減速し続けている地球には、自転周期がほとんど変化せず1日が約19時間の期間があった

  • 結晶化が始まっている白色矮星“HD 190412 C”はダイアモンドになりつつある? 新たな熱が発生しない“死んだ星”が加熱される理由

    “白色矮星”は“宇宙最大のタイヤモンド”と例えられることがあります。ただ、現在の宇宙に存在する白色矮星は、全体がダイヤモンドのように結晶化しているわけではありません。なので、この例えは厳密に言えば誤りなんですねーでも、今回の研究で観測したのは、地球から約104光年の彼方に位置する白色矮星“HD190412C”で、ダイアモンドの結晶化が始まっている証拠でした。この研究を進めているのは、サザンクイーンズランド大学のAlexanderVennerさんたちの研究チームです。白色矮星の結晶化が、直接の観測結果から確かめられたのは、今回が初めてのことでした。2004年には“BPM37093(ケンタウルス座V886星)”という白色矮星の約90%が、結晶化していると推定した研究結果が発表されていました。でも、これは星雲の...結晶化が始まっている白色矮星“HD190412C”はダイアモンドになりつつある?新たな熱が発生しない“死んだ星”が加熱される理由

  • “ユークリッド”が初期テスト画像を初公開! ヨーロッパ宇宙機関(ESA)の近赤外線宇宙望遠鏡

    2023年の7月1日に打ち上げられたヨーロッパ宇宙機関(ESA)の近赤外線宇宙望遠鏡“ユークリッド”は、観測を行う太陽-地球系の第2ラグランジュ点(L2)に7月28日に到着していました。今回公開された画像は、機器をチェックし、どのように微調整を行うかを確認するために撮影されたもの。“ユークリッド”が撮影した最初のチェック用の画像ですが、非常に鮮明に映し出されているのが分かります。“ユークリッド”が6億画素カメラでとらえた可視光の宇宙。(Credit:ESA/Euclid/EuclidConsortium/NASA,CCBY-SA3.0IGO)“ユークリッド”は約6億画素のカメラを搭載し、可視光を記録するとともに、検出された銀河の赤方偏移を決定するための近赤外線分光計と光度計を備えています。膨張する宇宙の中...“ユークリッド”が初期テスト画像を初公開!ヨーロッパ宇宙機関(ESA)の近赤外線宇宙望遠鏡

  • なぜ? 膨張する赤色巨星に一度飲み込まれた領域内を公転する系外惑星は存在できるのか

    今回、研究の対象になっているのは、約530光年彼方に位置する太陽系外惑星“こぐま座8番星b(8UMib)”です。“こぐま座8番星b”の主星は赤色巨星に進化した“こぐま座8番星”。ただ、“こぐま座8番星b”が周回しているのは、本来なら膨張した主星に飲み込まれている軌道なんですねー今回、発表されたのは、この存在し得ない惑星についての研究成果でした。惑星はなぜ存在できているのでしょうか?この理由について研究チームが考えたのは2つの説でした。この研究は、ハワイ大学天文学研究所(IfA)のMarcHon博士を筆頭とする研究チームが進めています。合体前の連星を公転する“こぐま座8番星b”のイメージ図。(Credit:W.M.KeckObservatory/AdamMakarenko)赤色巨星を公転する系外惑星2015...なぜ?膨張する赤色巨星に一度飲み込まれた領域内を公転する系外惑星は存在できるのか

  • 全ての物質は重力場さえあればやがて蒸発する? ブラックホール以外でもホーキング放射が起こる可能性

    宇宙最速の光さえも抜け出せないと表現される“ブラックホール”は、永遠に質量を失わないように思えますよね。でも、実際には“ホーキング放射”と呼ばれるプロセスを通じて、徐々に質量を失っていくと言われています。今回の研究では、ブラックホールの特別な性質である“事象の地平面”が無くても、ホーキング放射が起こることを理論的に示しています。この考えが正しければ、ホーキング放射は重力場さえあればどこでも起こる現象であり、質量を失い蒸発する天体はブラックホールだけに限定されず、あらゆる天体がホーキング放射によって蒸発することになりそうです。この研究は、ラドバウド大学のMichaelF.Wondrakさんたちの研究チームが進めています。ブラックホールが少しずつ質量を失う現象“ホーキング放射”ホーキング放射は、1974年にス...全ての物質は重力場さえあればやがて蒸発する?ブラックホール以外でもホーキング放射が起こる可能性

  • 大きな銀河が小さな銀河の星々や星の材料を取り込むことで成長・進化するプロセスのワンシーンを撮影

    エリダヌス座の方向約5500万光年彼方に位置する渦巻銀河“NGC1532”。“NGC1532”は地球に対して真横を向けた位置関係にある、いわゆるエッジオン銀河のひとつです。奥の方に見える渦巻腕(渦状腕)は反り返るように歪んでいますが、これは中心部のすぐ上に写っている矮小銀河“NGC1531”との重力を介した相互作用の影響によるものです。渦巻銀河“NGC1532”に取り込まれつつある矮小銀河“NGC1531”。(Credit:CTIO/NOIRLab/DOE/NSF/AURA;R.Colombari,M.Zamani&D.deMartin(NSF’sNOIRLab))この画像を公開したアメリカ科学財団(NSF)の国立工学・赤外天文学研究所(NOIRLab)によると、“NGC1531”はやがて“NGC1532...大きな銀河が小さな銀河の星々や星の材料を取り込むことで成長・進化するプロセスのワンシーンを撮影

  • 大きさや質量が似ている地球と金星、なぜ環境が全く異なっているのか? 系外惑星“LP 890-9c”がヒントを与えてくれるかも

    その大きさや質量、太陽からの距離が地球と似ていることから、しばしば地球の双子星と呼ばれる金星。でも、その大気や環境は地球とは全く異なっていて、金星には二酸化炭素を主体とする非常に分厚い大気があるんですねー地上で90気圧にもなる二酸化炭素の大気は強烈な温室効果をもたらし、金星の表面温度は460度にもなっています。さらに、金星は大気も含めて非常に乾燥していて、地球上に生きているような生命が存在する可能性はかなり低いと考えられています。これほど環境が異なる金星と地球は、進化においていつどのように道を違えたのでしょうか?岩石惑星が恒星の近くで水と生命を維持できる限界の距離はどれくらいなのでしょうか?今回は、このことを理解する上で重要な知見をもたらしてくれそうな太陽系外惑星についての研究成果。ハビタブルゾーンの内縁...大きさや質量が似ている地球と金星、なぜ環境が全く異なっているのか?系外惑星“LP890-9c”がヒントを与えてくれるかも

  • そろそろ観測スタート! ヨーロッパ宇宙機関の近赤外線宇宙望遠鏡“ユークリッド”が第2ラグランジュ点に到着

    ヨーロッパ宇宙機関の近赤外線宇宙望遠鏡“ユークリッド”のイメージ図。(Credit:ESA.Acknowledgement:WorkperformedbyATGundercontractforESA.,CCBY-SA3.0IGO)今年の7月1日に打ち上げられたヨーロッパ宇宙機関(ESA)の近赤外線宇宙望遠鏡“ユークリッド”が、観測を行う場所である太陽-地球系の第2ラグランジュ点(L2)に7月28日に到着しました。L2点は、地球から見て太陽の反対側、約150万キロ離れたところにあります。打ち上げ後、“ユークリッド”は約4週間かけてL2点に移動していました。L2点では“ユークリッド”より先に、位置天文衛星“ガイア”や“ジェームズウェッブ宇宙望遠鏡”が観測を行ってきました。WebbandGaiawelcomeE...そろそろ観測スタート!ヨーロッパ宇宙機関の近赤外線宇宙望遠鏡“ユークリッド”が第2ラグランジュ点に到着

  • 赤色矮星を公転する系外惑星“TRAPPIST-1 c”に金星のような厚い大気は存在するのか

    みずがめ座の方向約40光年彼方に位置する太陽系外惑星“TRAPPIST-1c(トラピスト1c)”は、主星の赤色矮星“TRAPPIST-1”を公転する地球や金星に似たサイズの岩石惑星です。この系外惑星について、金星のような厚い大気が存在することが期待されていたんですねー今回の研究では、ジェームズウェッブ宇宙望遠鏡を用いた観測で、“TRAPPIST-1c”の昼側表面の熱放射を調べています。ハビタブルゾーンの内側を公転する“TRAPPIST-1c”に大気は存在するのでしょうか。この研究は、マックス・プランク天文学研究所(MPIA)の大学院生SebastianZiebaさんを筆頭とする研究チームが進めています。地球サイズの系外惑星が7つも見つかっている惑星系“TRAPPIST-1”は表面温度が摂氏約2300度、質...赤色矮星を公転する系外惑星“TRAPPIST-1c”に金星のような厚い大気は存在するのか

  • JAXAとヨーロッパ宇宙機関の水星探査ミッション“ベピコロンボ” 探査機の水星周回軌道投入に向けて3回目の水星スイングバイを実施

    日本時間の2023年6月20日のこと、JAXAとヨーロッパ宇宙機関(ESA)の水星探査機“ベピコロンボ”が3回目の水星でのスイングバイを実施。探査機は水星の上空236キロの距離を通過したそうです。スイングバイのため水星に接近したベピコロンボ探査機のイメージ図。(Credit:ESA/ATGmedialab)減速するように水星を目指す探査機国際水星探査計画“ベピコロンボ”は、JAXAとヨーロッパ宇宙機関のそれぞれの周回探査機で、水星の総合的な観測を行う日欧協力の大型ミッションです。探査は、日本の水星磁気圏探査機“みお(MMO:MercuryMagnetosphericOrbiter)”とヨーロッパ宇宙機関の水星表面探査機“MPO(MercuryPlanetaryOrbiter)”の2機で行われる予定。この2...JAXAとヨーロッパ宇宙機関の水星探査ミッション“ベピコロンボ”探査機の水星周回軌道投入に向けて3回目の水星スイングバイを実施

  • NASA史上最長の稼働期間記録を持つ探査機“ボイジャー2号”との通信が中断… 回復は2023年10月の見込み

    惑星探査機“ボイジャー2号(Voyager2)”との通信が送信・受信ともに中断していることを、NASAのジェット推進研究所(JPL)が明らかにしました。通信の回復は2023年10月になる見込みです。深宇宙を航行する惑星探査機“ボイジャー”(イメージ図)。(Credit:NASA/JPL-Caltech)JPLによると、2023年7月21日に“ボイジャー2号”へ一連のコマンドが送信された際、不注意によりアンテナが地球から2度ズレた方向に向けられてしまったんですねーその結果、NASAの深宇宙通信網“ディープ・スペース・ネットワーク(DSN)”のアンテナと“ボイジャー2号”の間で行われていた通信は中断してしまうことに…現在、地球から約199億キロ離れた空間を航行している“ボイジャー2号”は、コマンドの受信もデー...NASA史上最長の稼働期間記録を持つ探査機“ボイジャー2号”との通信が中断…回復は2023年10月の見込み

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