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ことばを食する https://www.whitepapers.blog/

私の主観による書評、ブックレビューです。小説のほか美術書、ノンフィクションなど幅広く扱います。ベストセラーランキングもチェックします。

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2019/05/27

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  • 終着駅の春

    家を出て車で2時間半、豪雪地でもある福井県大野市(越前大野)は、盆地にある古い城下町です。北陸自動車道福井北ICから、岐阜方向へ中部縦貫自動車道に折れます。30分ほど山間部を貫く道を走ると目の前が開けて、大野市に着きます。 人口3万人弱の静かな市。市街地を囲む山頂に越前大野城があって、気候次第で「雲上の城」になります。一部のファンには知られていますが、外国人観光客が訪れることも少なく、市街地には寺院群や、お洒落なお店と昭和そのままのお店が同居しています。 (越前大野城公式HPから) 名物の一つが、地元の和菓子店・伊藤順和堂の「いもきんつば」。餡の代わりにサツマイモを使ったきんつばで、昼過ぎには…

  • タケノコのこと

    わたしがよく使う田舎の県道は、途中1キロほど竹林の中を通ります。毎年4月下旬から5月の連休明けまで、その区間にタケノコ直売所がいくつも開店し、風物詩になっています。今年もシーズンに入りました。 直売所はどれも屋根と売り台があるだけ、形ばかりの粗末な小屋です。竹林を所有する農家のばあちゃんたちが、朝から土の付いたタケノコを台に並べて売っています。背後の竹林では、じいちゃんが黙々とタケノコを掘っていたり。 タケノコご飯、昆布と一緒にした味噌煮。それから...。 春の味覚としてこの時期、食いしん坊には外せないご馳走です。年金が主たる収入である高齢者は、高級店の料理などとうてい無理ですが、旬の味で季節…

  • 女性たちの心に棲む永遠の「女の子」? 〜「赤毛のアン」モンゴメリ

    みなさんご存知「赤毛のアン」(モンゴメリ、村岡花子訳、新潮文庫)。わたしは漠然と、少女向けの児童文学だとイメージしていました。ところが予想外に分厚い文庫本を手にしてみれば、500ページ超の長編。しかも続編を含めシリーズ11作という、堂々たる大作ではありませんか。 1908年の出版以来、世界中で1世紀以上も読み継がれ、2025年の今年はNHK Eテレでアニメ化もされたお化けのような小説です。これに比べるなら、日本だけでも年間どれだけの小説が刊行され、虚しく消えていることか。 国籍や歳月を超えて、乙女心を鷲掴みにする少女なのですね。アンは。 カナダのとある島が舞台です。孤児院から男の子を引き取るは…

  • 写実絵画はなにを語るか 〜画集「増補|磯江毅|写実考」

    高齢者の仲間入りをしたわたしが、趣味で油絵を始めたのは、パンデミックのコロナ禍に世界が震撼した2020年春でした。気づけば5年になります。この間、仕上げた油彩は数枚、鉛筆などの素描(デッサンやクロッキー)20点くらいか。どれも「これ以上続けてもきりがないから筆を置いた」というのが実態です。 毎日のように描いているのに、自分でもあきれるほど寡作ですが、まあ、そんな楽しみ方もあるだろうと割り切っています。 絵画は乱暴に言えば、抽象から具象までいろいろな世界があります。年齢を考えると、自分がどんな絵を目指すか、試行錯誤する時間は残されていません。ごく自然に目指したのは具象の、しかも写実でした。 個人…

  • 春の譜 2025年 〜赤毛の女の子のことなど

    今年も桜の季節がやってきて、3月末からSNSやテレビのニュースに、見事な映像があふれています。日本人は桜が好きですね。もちろん、わたしも。うちの庭にも1本の桜があって、開花を毎年楽しんでいます。 30数年前、地元に陶芸館が建設されたとき、市が周囲にソメイヨシノを植栽しました。たまたま仕事で、建設途中の陶芸館を訪ねたわたしは、打ち捨てられた1本の苗木を見つけました。現場の人に尋ねると、生育が悪い苗木なので使わなかったとのこと。 廃棄するくらいなら...と言ったわたしに 「植栽指定された場所は植え終わった。もらってもらえるなら、むしろ棄てる手間が省けるよ」 こうして、うちに桜が1本やってきたのです…

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