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  • ほら探日記Ⅱー13 失踪の真実 3

    保来孝太郎は冬の札幌に飛ぶ。しかし、札幌と一口にいっても広い。何を手がかりに探せば良いのか途方に暮れる。 そこで佐田の行動を分析してみた。確か彼は、戦死したと記載されていたという。しかし、現実に生きているのなら、貴子と同じく脱走兵となる。 兵隊が脱走すればその懲罰は重...

  • ほら探日記Ⅱ-12 失踪の真実 2

    繭の館の一件が終わって何年かして、保来孝太郎は桜谷貴子に呼び出された。 「あの伍長の佐田を見つけた。今住んで居る住所を探し出して欲しい」 「貴方に、戦時中耐え難い苦痛をもたらした、あの軍人の伍長ですか」 「そうよ。私の執念が遂に彼奴を見つけたのよ」 桜谷貴子は、執拗に佐...

  • ほら探日記Ⅱ-11 失踪の真実 1

    信次郎の父・保来孝太郎が失踪してから、和枝はずーっと心配していたし、気にしていた。 今、元気で生きていると聞いて、長い間背負って来た荷物を降ろしたかのように気分が軽くなった。 色々な考えがあったにせよ、孝太郎を一人置いて、彼が立ち上げた保来興信所を勝手に辞めてしまった...

  • ほら探日記Ⅱー10 魔法の言葉 2

    数日後。保来はかなり酔って帰宅する。 「まあ、こんなに酔って。珍しいじゃない」 木村和枝が出迎えた。 半分抱えられながら、保来はキッチンに向かった。 「ゴメン。和ちゃん、水くれる?」 椅子にドカッと座ると、保来は水を要求する。 そこに、バスタオルで身体を包んだままの...

  • ほら探日記Ⅱー9 魔法の言葉 1

    飛び出した魔法の言葉 ある日、久し振りに岩田が事務所に顔を出した。 「お、新人かい?」 平河彩音を見つけると、イタズラっぽく声を掛けた。 「ご依頼ですか?」 「ご依頼って言うほどの用件では無いけどよ、信ちゃん居るかい? おっと、ここの社長さんの事ね」 岩田が彩音を知...

  • 愈々歌に近づく

    主となるメロディーは完成。 歌詞は完成していないが、頭の中には言葉が幾つか浮かんでいる。 私、とても歌が上手いと皆さんから皮肉られているので歌いたくない。 そこで、YouTubeにアップロードして歌ってくれる人を募集した。 でも、肝心のメロディー動画を観て貰えなければ無意味...

  • ほら探日記Ⅱー8 愛猫ラグ 3

    翌日。彩音は一晩考えたが答えが浮かばなかった。取り敢えず、彼女は依頼人にラグの姿を見掛けたとの報告をする。 「そうだったの。母の家の近くに居たんだ。なら、時間を作って私もそちらに行くわ。鍵開けて、家の中に餌を置いとけば、ラグは中に入って行くんじゃ無いかな」 「そうですよね...

  • ラグについて

    ラグという名の猫は、実は私が飼っていた猫の名です。 海外出張で連れて行けないというご夫婦から譲り受けた猫。 最初は少しも慣れてくれず、狭いところに潜り隠れていて、我が家でありながら見つけるのも大変だった。 水と餌を欠かさず与え続けていたら、2ヶ月ぐらいしてやっと私の前に姿を...

  • ほら探日記Ⅱ-7 愛猫ラグ 2

    ペットというのは、懐いてくれると無性に可愛くなってくる。その、ペットの持つ魔性が母の心を掴んで離さなくなる。 何時しかラグが、我が子達よりも可愛くなってしまい、ラグの姿を見ないと気分が滅入って仕舞う迄になっていた。 なので、旅行は勿論、散歩さえもしなくなってしまった。...

  • ほら探日記Ⅱ-6 愛猫ラグ 1

    愛猫(あいびょう)ラグ 保来信次郎と木村和枝は、保来探偵事務所改め、保来探偵社に社名変更する。 事務所なんて、法律や会計などを扱うみたいで格好よく無い。探偵社の方が格好良いからそれに社名を変えるべき、との彩音の言葉に従ったのだ。 社名変更は少し面倒だが、若い彩音の...

  • ほら探日記Ⅱ-5 繭の館突入 2

    保来は、再び念を押すように貴子に語り掛ける。 「本当に、何処に居るのやら見当も付きません。生きているのやら、死んで居るのやら。消息だけでも分かれば、私達の気持ちも落ち着くことが出来るのですが。桜谷さんには全く心当たりが無いのでしょうか?」 「何も分からないというのは、嘸か...

  • ほら探日記Ⅱ-4 繭の館突入 1

    案内されたのは畳敷きの和室。ご丁寧に縁側まである。外見は洋風な建物。玄関も洋風な立派なドア。なのに、この一角だけ和風の造り。 何となくバランスが悪い。 貴子は、高価そうな座椅子に座り、座敷机の下に足を投げ出している。その対面に信次郎と和枝が座る。 当然正座。ふかふか...

  • 新曲 蝶の舞い

    大空ひろしメロディーです。 若い人達のような音楽は創れません。 ゆったりとした曲調です。クラッシックとニューミュージックを合わせたような感じなのかな? 時間があったら聴いてください。

  • ほら探日記Ⅱ-3 魔法の言葉を・・・ その3

    平河彩音は想像以上に良く働く女性だった。家事も積極的に手伝うし、事務所も同じようにマメに掃除してくれる。 まるで家族の一員かのように、屈託の無い振る舞いをする。 そんなこんなで、益々保来信次郎の仕事が無くなった。 「彩音ちゃんの両親は躾が良かったんだね」 彩音のセッ...

  • ほら探日記Ⅱ-2 魔法の・・・ その2

    保来は、彩音と一緒に住むのを思わず想像してしまったが、和枝は冷静だった。 「何故、私が社長と一緒に住んでいると知ってるの?」 「だって、探偵事務所に勤めるんですもの。その位は事前に調査し、知って置かないと」 結構抜かりが無い。 それに、言葉遣いが少し馴れ馴れしくなって...

  • 目指す先は 2

    何が起こったかは分からぬままに時間は過ぎて行く。お腹が空いて来た。誰の家だか分からないが、取り敢えず何かを食べたい。 六畳一間に土床の台所。一応煮炊きが出来そうな簡単なかまどがある。台の上に菜切り包丁と板まな板。 その他、水が入っている少々大きめの瓶。その他は何も無い...

  • ほら探日記Ⅱ-1 魔法の言葉・・・ その1

    魔法の言葉を持った少女 何時もの様に保来が事務所で電話番をしていると、ドアの外を行ったり来たりする少女の姿が目に入った。 (何かの調査依頼か? 若い子の場合は結構切羽詰まった問題の場合が多いからな) 保来は、若い子の来訪を好まない。 保来と目が合うと、少女は観念した...

  • ほら探偵日記26 PCの中の二人 その5

    季嶋夫婦の間には孝治という息子が授かった。孝治が8歳の時、白血病に掛かり子供専門の病院に入院する。 一進一退の病気との闘いが続く。その間、何度か家に帰れる時もあった。しかし、両親の必死の願いや祈りも、症状の好転には繋がらなかった。 父親は、闘病中の息子の為にも出張先の...

  • ほら探日記25 PCの中の二人 その4

    用紙に、恐らく自分で描いたのであろう背景や人物。その人物の顔には、プリンター印刷した物を切り取ったと思われる父親と息子の顔写真が貼り付けられている。コマ送りの様に変わる紙芝居風な絵には、二人の会話が挟まれている。 病床の絵には 「病気に勝ったら、ケンタの好きな釣りに一緒...

  • ほら探日記 PCの中の二人 その3

    警察は事件性は無く自殺と処理した。自殺の原因は、「子供を病気で亡くし、悲観した故に」となっている。 事実、妻もそれを証明するように、夫は我が子の死亡に尋常では無い哀しみを抱いていたと証言している。 季嶋満子には、数年前から母親の介護が必要となっていた。そんな中で、何よ...

  • ほら探日記 PCの中の二人 その2

    保来は休憩も取らず、一路夫が住んでいるというアパートへと車を走らせた。アパートは、街外れの田んぼ近くに建てられていた。2DKで家族でも住めるタイプ。一人で住むには十分余裕がある。一階に二部屋、二階も二部屋の箱形。それと同じ造りの建物が平行に二棟並んでいる。 「季嶋さん!」...

  • ほら探日記 PCの中の二人 その1

    PCの中の二人 或る日、浅羽刑事から電話が掛かって来た。彼とは、職業上で幾度か関わっているので当然顔見知りではある。ただ、仕事とは関係なく木村和枝に言い寄る浅羽を、保来は毛嫌いしていた。 「至急、動いて欲しいんだけど、あんたなら何時でもオーケーだろう」 失礼な物言い...

  • 短編小説を入れました。

    短編小説 撃退 アッシ国の本土から少し離れた孤島・福の島。 その島を巡り、アッシ国とサイ国が領土主張して争っていた。 主権はアッシ国にあるとなっている。が、サイ国はそれを認めず、領海付近に武器を装備した船を送り込む。 現場を離れて制服組に配属された柵(さく)優(ゆ...

  • ほら探日記 紫陽花の庭 その2

    山は秋の訪れが早い。十月下旬頃の季節は、紅葉狩りの客で実家の旅館もとても忙しくなる。今はその少し前に当たり、旅館もそんなに混んでいない。 信次郎の仕事は探偵業だが、元を正せば旅館の主となる立場。当然、我が儘も許される。 「一週間でも二週間でも好きなだけ居て良いですよ。お...

  • 機械には融通が無い

    ロシアが日本の北方領土でなにやらきな臭い事をしているようだ。 北方領土返還交渉、安倍さんに期待したが冷静に見れば却って後退した感がある。 拉致被害者返還も1ミリも進んだ気配が無い。 安倍さんは仲の良い自由主義国では活躍したが、難しい相手には歯が立たなかったようだ。 さて、そ...

  • ほら探日記 紫陽花の庭 その1

    紫陽花の庭事件 一人の中年女性が事務所に遣って来た。 「こちらでは、人も捜して頂けるのでしょうか?」 探偵社を訪れるのは始めてかな、とも見える。 「勿論、それも仕事の内ですから。こちらにどうぞ。依頼内容を伺うだけなら無料ですから、遠慮せずに話して下さい」 保来は応...

  • ほら探日記 商魂 その2

    実は、週刊誌が発売される前に、保来信次郎にも週刊誌からの取材があった。 「保来探偵さんは何故、ほら探偵と言って名刺を渡すのですか?」 週刊誌の記者が訊ねる。 「父が子供の時、『ホラ』とか『ホラ野郎』とかのあだ名を付けられた。ホラは大袈裟な嘘とか誇張した自慢とかに訳される...

  • ほら探日記 商魂 その1

    商魂 一ヶ月後、岩田が探偵事務所に遣って来た。 「おう、岩ちゃん。調査代はいつ頃振り込んでくれるのかな?」 「それどころでは無いのよ。テレビのワイドショー、観た?」 「観てないけど、それがどうした?」 「例の三輪家のからくり屋敷。お化け屋敷として公開してるんだって」 「...

  • 完成です

    この曲はYouTubeにアップロードした読み聞かせ短編小説「ポン太」の BGMとして作曲したのを楽器や多少の編曲をして単独アップした曲です。 短編小説 ポン太 画像がMusicとなっている! 今初めて気が付いた。 直しておきます。 自分のすることは何処か抜けると言うかおかし...

  • タイムスリップバージョン

    今はサバイバルゲームとか、シムシティのような都市シュミレーターゲームなど様々なゲームがある。 殆ど無から何かを作り上げて行くゲームはそれなりに面白い。 大きな枠で括ればRPGもその一つに入るかも知れない。 だが、似たような物が沢山有るので食傷気味でもある。 そこでタイムマシ...

  • ほら探日記 幽霊屋敷 その7

    保来信次郎の怖がりには理由があった。 彼の住んでいる地域は山間の僅かな土地に群がるように建てられた温泉宿街。多くの観光客が行き交う場所だが、一方で、温泉施設に関係する人達が住み着いている土地。その人数は少なく、比例して子供の数も少ない。 学校も、歩いて行ける距離には無...

  • ほら探日記 幽霊屋敷 その6

    もう、有無を言わせずの強引だ。次は必ず、岩田にお供をさせる為の確約をさせようと、保来は彼を探偵事務所に呼び出した。 「この間は逃げやがったな」 「のっぴきならない事情を、信さんもご存じでしょ」 「知らん! とにかく話の流れから、次の満月の夜にまた行かなければならない」 「...

  • VR時代

    今や仮想空間を身近に体験できる時代になった。 少し無理すれば、VRゴーグル・VRヘッドセットなどを手に入れられる。 しかも、高いスペックを求めなければスマートフォンよりも安い。 我が駆け出しプログラマー息子も、仕事と関係があるようで会社勤めしてから 直ぐにこのような物を買っ...

  • 雪に沈んだ都会

    今日は寒かった。 なので、妻が暖かグッズを色々引っ張り出して自分にくれた。 最近お目に掛からなかった思いやり? まるで雪でも降りそう。おっと、雪が降ってとても寒かったからそうしてくれたんだっけ。 我が家では「愛している」なんて会話は一切無かった。これからもありえないだろう。...

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