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廃盤蒐集をやめるための甘美な方法
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一度やめると、その後は楽になります。
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187回 / 365日(平均3.6回/週)

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ルネさんの新着記事

1件〜30件

  • カツオドリがカモメに見える不思議

    ChickCorea/ReturnToForever(西独ECM1022)盛夏がやってきて、空が青くて気持ちがいい。そういう空の色を眺めていると、短絡的だが、このアルバムを思い出す。ECMの一般的なイメージに反して、このアルバムは夏になると聴きたくなる。「いまさら盤」の代表のようなアルバムだが、この時期を逃すと掲載する気も失せてしまうので、書いてみよう。冷静に考えると、これは不思議な音楽だ。よく聴くと、如何にも70年代のジャズらしく、かなり混濁した音楽が展開されている。エレピのフレーズはお世辞にも美しいとは言えず、時代の垢に塗れている。ベースも無軌道な早弾きをまき散らす。フルートの音は痩せていて弱々しく、あってもなくてもどちらでもいいような感じだ。ヴォーカルに至ってはおばさんのカラオケの域を出ていない。個々の要...カツオドリがカモメに見える不思議

  • メキシコ人が弾くセロニアス・モンク

    JuanJoseCalatayud/Trio3.14.16deJuanjoseCalatayud(メキシコAdvancedRecordsTAM10004)ラテン音楽には手を出さないと決めている。ただでさえジャズとクラシックの2足のワラジを履いているのに、これでラテンまで手を出すと破綻するからである。ユニオンにはラテン館があるし、ブログもあるけれど、そこには行かないし、ブログも見ない。人間、見ると欲しくなるから、見ないのが一番いいのである。ただ、ごくごく稀にジャズのエサ箱にラテン・ジャズのレコードが混ざっていることがあり、安くてジャズ色が強ければ物珍しさから手を出すこともある。大体はすぐに飽きて処分することになるので、そうなることを前提に、安いのだけに限定して拾う。メキシコのジャズ・ピアニストとしては有名らしい、...メキシコ人が弾くセロニアス・モンク

  • これ以外では聴けない珍しい組合せ

    TonyScott/Gypsy(米SignatureSS6001)ジュール・スタインが書いたブロードウェイ・ミュージカル"Gypsy"の楽曲を取り上げているのは珍しい。少なくとも、私はこれ以外には知らない。こだわりの人、トニー・スコットらしい選曲である。それを、マンデル・ロウ、ジミー・ギャリソン、ピート・ラ・ロッカという凄い顔ぶれで録音している。こういう組み合わせの演奏も、これ以外では聴いたことがない。50年代にバディ・デ・フランコと人気を二分し、ポール・ウィナーを争っていた実力は伊達ではなく、強者3人を従えた演奏はタイトで高度。ミュージカルの曲を楽し気に演奏するというレベルを大きく超えて、ソフトながらもしっかりとしたジャズを展開していて、すごく聴き応えがある。クラリネットは音量の問題から基本的にモダンジャズに...これ以外では聴けない珍しい組合せ

  • 幽玄な侘び寂び

    TonySccott/BothSidesOfTonySccott(米RCAVictorLPM1268)SideAは子守歌のように静かな演奏、SideBはミドル・アップな朗らかな曲調、という編集をしているのでBothSidesというタイトルになっている。ピアノレスで、バリー・ガルブレイスが和音を付けている。この人はこういうジム・ホールのような音数の少ない絶妙な伴奏を付けることもあれば、ジョージ・ラッセルの書く込み入った楽曲で核になるような演奏もできる天才肌の人。そのインテリジェンスがよく効いている。幽玄な雰囲気が漂う音楽で、引き込まれる内容だ。"CryMeARiver"や"Stardust"をこんな侘び寂びの世界観で演奏しているのは聴いたことがない。それが奇をてらったものではなく、素晴らしい音楽として仕上がってい...幽玄な侘び寂び

  • V.Aは面白い

    V.A/JazzStudio2FromHollywood(米DeccaDL8079)西海岸のジャズメンによるスタジオ・セッションで、リーダー名義のない形でアルバム化されている。ハーブ・ゲラー、ドン・ファガーキスト、マーティー・ペイチ、カーティス・カウンスなどお馴染みの面々で、どういう演奏なのは聴く前から想像がつく。ガチガチのアレンジが効いたいつもの感じならスルーだなと思ったが、これがちょっと違う雰囲気だった。穏やかで高級な生地のような柔らかく上質な肌触りが心地よい。セッション系の演奏にありがちな自分の持ち場が来るとバリバリと演奏するような人は誰もおらず、みんなが上品な演奏に終始している。このメンツによる演奏では、これまで聴いたことがことがないような優美なムードだ。こういうのはやはりレーベルの違いによる影響だろう...V.Aは面白い

  • ジャズが本当に好きな人が作ったアルバム

    KurtRosenwinkel/AngelsAround(日本HeartcoreRecordsMOCLD-1028)この何年か聴くこともなく過ごしていたら、いつの間にか"ジャズ・ギターの皇帝"なんて呼ばれるようになっているらしい。何だかなあ。コロナの第一波時は新譜CDの店頭試聴ができなくなったのでCDを手に取ることもない日々だったけれど、最近は店頭でも試聴できるようになったので、気になるものは聴くようにしている。いろいろ聴いた中ではこれがよかったので、久し振りにこの人を聴いている。私の好きなモンクの"UglyBeauty"で始まる時点で合格なんだけど、そういう個人的な嗜好を除いても、このギター・トリオのいい意味でざっくりとした、荒々しさを上手く演出したような上質さはなかなか得難いんじゃないかと思う。ギター、ベー...ジャズが本当に好きな人が作ったアルバム

  • クオリティーの高さに驚かされる

    BillEnglish/S/T(米VanguardVRS-9127)ビル・イングリッシュと言われても、ケニー・バレルの"ミッドナイト・ブルー"でドラムを叩いていた人、くらいの知識しかない。ジャズのドラムは他の楽器と比べて個性の出にくい楽器なので、ドラマーのリーダー作は結局のところはドラムをメインで聴くというよりはバンド全体で聴くことになる。そうなると、参加しているメンバーによって内容が左右されることになるが、このアルバムは地味ながらも実力派が揃っているので問題ない。その中でも、セルダン・パウエルの好演が圧倒的で、これは彼の代表作と言ってもいいのかもしれない。ヴァンガードの中間派というイメージとは違う正統派のメインストリームを行く演奏で、デイヴ・バーンズの控えめなサポートのおかげもあって彼のテナーが非常に映える内...クオリティーの高さに驚かされる

  • "ジャズの街" に集まった Various Artists

    V.A/JazzCityPresents・・・・・(米BethlehemBCP-80)エサ箱のアーティスト名を書いた仕切りはたいていアルファベット順に並んでいるけれど、その末席に"V.A"というのがある。これはVariousArtistsの略で、誰かのリーダー作ではなく、複数のアルバムからの寄せ集めだったり、ベスト盤のようなアルバムがここには入れられることになるんだけれど、その性格上、再発盤が多いことや作品としての統一感がないことから、マニアからは相手にされない一画になっている。でも、それにしか収録されていない楽曲ばかりで構成された立派なオリジナル作品も中にはあって、それはそれで面白い。人気がない分野だからレコードが出回ることが少なく、見かけたら拾っておかないと今度いつ出会えるかわからなかったりするものだから、..."ジャズの街"に集まったVariousArtists

  • "ジャズの街" という地味なレコード

    GeneQuill,CharlieRouse/Jazzville'56(Vol.1)(米DawnDLP1101)Dawnレーベルには他レーベルでは聴けないようなタイプの音楽が何気に残っていて、マイナーレーベルとしての存在感が際立っている。"ジャズの街"と題された4枚のアルバムも地味ながらも地に足が着いた演奏が刻まれていて、じわじわと良いレコードだなという想いが湧いてくる。この第一作にはチャーリー・ラウズとジュリアス・ワトキンスのグループとジーン・クイルのクインテットの演奏が半分ずつ収録されている。両方いい演奏だが、特にジーン・クイルの演奏が抜群に良くて、他にはあまり録音が残っていないだけに、貴重な1枚だと思う。相方のディック・シャーマンはビッグ・バンドでの活動が主だったのでリーダー作が残っておらず、一般には知ら..."ジャズの街"という地味なレコード

  • より外縁に近い音楽

    RandyWeston/TheModernArtOfJazz(米DawnDLP1116)ランディ・ウェストンを語る時にセロニアス・モンクとの類似性が出てくるのは尤もな話だ。調子外れのリズム、不協和音、へんてこりんなフレーズ、そのどれもがモンクを彷彿とさせる。物真似をしている様子はなく、この人もモンクと同じ空間に生きているんだなという感じがする。ただ、よくよく聴いていくと、モンクよりも中心からずっと離れた外縁部に近いところにいるように思う。モンクは意外とジャズという音楽のコアの傍にいて、演奏面でもラグタイムなどの古いジャズがベースにあることからもそれが明確だ。それに比べて、ランディ・ウェストンはジャズというアメリカ音楽ではなく、第三世界の土着的音楽が根っこにあるような感じで、そういう器にジャズの要素をブレンドした...より外縁に近い音楽

  • 1 / 2,000

    CyColeman/S/T(米SeecoCELP402)新宿で安レコが2,000枚出る、というので見に行った。枚数が多いので2回に分けて、1,000枚ずつ出すという。1回目は空振りで出ぶらで引きあげたが、2回目に750円のこれを拾って来た。2,000枚探して、1枚。この2,000分の1という数値がこの趣味の実態を現わしている。世の中にはレコードが溢れているけれど、実際に買うレコードはそのくらいの比率でしかないのだ。これは時たま見かけるレコードで別に珍しい物ではないけれど、値段が今まで見た中では最安値だったので、拾って帰ることにした。サイ・コールマンはショー・ビジネスの人という印象で、誰もジャズ・ピアニストとは思っていないだろう。そのピアノもただのカクテル・ピアノ扱いされている。でも、実際に聴いてみると、そういう...1/2,000

  • 結局、みんなこれが好き

    KeithJarrett/MySong(独ECM1115)このアルバムをオスロのスタジオで録音した頃は、並行して"Byablue"や"Bop-Be"をニューヨークで録音していて、叙情派の側面が作品に色濃く出始めた時期だった。特に、ECMの方はガルバレクという傑出したサックス奏者のおかげで、そういう要素が前面に表出して、1つの完成形に至っている。キースのソロ演奏、特に観客を前にしたソロ・コンサートを聴いていると、フレーズの随所に美メロの断片が出てきて、あれがストック・フレーズなのか、それともその場で天から降って来たメロディーだったのかはよくわからないにせよ、これだけメロディーに溢れた音楽をやる人なら、このアルバムのような作品が生まれてくるのは当然だろうと思う。1つの断片、例えばここでは表題曲のメロディー、を核にそ...結局、みんなこれが好き

  • 不気味な暗示

    KeithJarrett/DeathAndTheFlower(米ABC-ImpulseASD-9301)この時期の代表作というのが定説になっているようだが、これがまったく面白くない。哲学的とか瞑想的と言われるが、そこまで切羽詰まったものは感じられない。まあ、如何にも評論家が評価しそうな音楽ではある。"至上の愛"をコルトレーンの最高傑作と言ってしまう、あのノリだ。時代背景もあったのだろうと思うので仕方ないのかもしれないが、「キース・ジャレット」の名前が無くても、本当に同じ評価がされていただろうか。音楽自体はこの時代の他のいろんなアーティストがやっていたタイプのもので別に変だとは思わないが、キースがこれをやる必要はなかっただろう、ということだ。これはこういうタイプの音楽しかできない人に任せておけばよかったのであって...不気味な暗示

  • デックス愛に溢れた佳作

    VasilisXenopoulos/TheMusicofDexterGordon(AVJProductions0006)デックスに捧げたアルバム、となれば聴かずに済ますわけにはいかない。特に、私の好きな"Tanya"と"Tivoli"が入っているところに、このサックス奏者の本当のデックス愛を感じとった。初めて聞く名前で、何者なのかはわからない。でも、ネットで"Tanya"をちょい聴きして、これは"買い"だとわかった。若者らしからぬ、デックス譲りの重厚なテナーの音が素晴らしく、惚れてしまった。素直にデックス愛を披露している純朴さがいい。ワンホーンを主軸にしているところも潔くていい。ちゃんとオリジナル曲を書いているところもエライ。10代の頃に最初に買ったレコードが"Go"だった、というのも泣かせる。"Tanya"は...デックス愛に溢れた佳作

  • 非アメリカンなメランコリー

    KeithJarrett/Byablue(米ABC-ImpulseAS-9331)ヨーロピアン・カルテットの雰囲気にかなり寄せたような印象があるアルバムで、他のどれとも似ていない。このカルテットの引き出しの多さには感心する。デューイ・レッドマンがガルバレクのような音色で吹いているせいかもしれない。サックスが多重録音されていたり、と作りにもそれっぽいところがある。録音の質感もECMを意識したかのような雰囲気がある。ピアノ・トリオで演奏される"Rainbow"はやはりスタンダーズのようで、バンドの後期のアルバムになるとこういう要素が目立ってくる。"宝島"なんかと比べると同じグループの音楽とは思えず、目まぐるしいスピードで音楽が変化していたようだ。この変化の様子が持ち味の1つだったのかもしれない。ECMが好きな人なら...非アメリカンなメランコリー

  • 現代のジャズの匂い

    KeithJarrett/Shades(米ABC-ImpulseAS-9322)のっけから王道の明るい現代ジャズで始まり、面喰う。このカルテットの現代ジャズを予言する感覚には驚いてしまう。こういうのを聴いていれば、イマドキの新譜なんて買う必要はないんじゃないか、と思ってしまう。1曲目と2曲目の境目に気付かず、気が付くとA面が終わっていた。現代の感覚でこれを聴くと、50年近く前に今のジャズと変わらない音楽を既にやっていたんだ、という感慨に打たれるが、発表当時に聴いた人々はどういう感想を持ったのだろう。こんなのはジャズじゃない、と多くの人が感じたんじゃないだろうか。フリー・ジャズの影響がある、とかいう見当違いな評論もあったのかもしれない。このグループへの評価が低いというのは、結局のところ、昔のジャズから離れられない...現代のジャズの匂い

  • ブートレグとは信じられない内容

    StanGetz/TheCanadianConcert(カナダCan-Am1300)いつも素敵なK'sJazzDaysさんのブログで目から鱗が落ちたので、これまたユニオンで探すと、あるある、ちゃんと転がっている。昔からよく見るお馴染みのブートだが、聴くのはこれが初めてだ。ブートは廃盤狂たちが嫌って見向きもしないので、当然3ケタ盤。1965年3月のヴァンクーヴァーでの録音で"コンサート"というタイトルだが、観客の拍手はなく、ゲッツ自身が曲ごとにナレーションを付けているので、ラジオ放送用に収録されたものなのではないだろうか。さしずめ、リスナーが聴衆ということなのかもしれない。ゲイリー・バートンがいた時期で、ピアノレスのカルテットの演奏だが、とにかくゲッツの演奏が素晴らし過ぎる。繊細でありながら太く大きな音で、浮遊す...ブートレグとは信じられない内容

  • "Blue" の系譜

    PaulHorn/SomethingBlue(米Hi-FiJazzJ615)いつも楽しいsenriyanさんのブログで教わったアルバムで、探してみるとあと1歩で安レコ、という美品が転がっていた。さすがはユニオンである。探しに行くと、かなりの確率で見つけることができるのだ。聴いてみると、なるほど、という感じだ。冒頭の曲は"SoWhat"そっくりのコード進行に沿ってベースがズンズンと重低音で響き、リードを取る管楽器がモードの旋律を取る、完全に"KindOfBlue"のスタイル。あのアルバムのように静謐で落ち着いた雰囲気ではなく、演奏は倍速くらいのスピードがあるし、楽器の構成も違うので、そのことに気が付く人がどれほどいるかはわからないけれど、明らかにマイルスのアルバムにインスパイアされている。そして、その演奏スタイル..."Blue"の系譜

  • スタンダーズの到来を予感させる感性

    KeithJarrett/BopBe(米ABC-ImpulseIA-9334)これは非常に素晴らしいアルバムだ。展開されている音楽の感性がまるで現代ジャズそのもので、感覚的には何十年も先取りした感じなのが驚異的。楽曲毎の変化が無軌道に感じられないのは、新鮮な感覚で1本のスジが通っているからだろう。デューイが抜けたピアノ・トリオによるタイトル曲の"BopBe"と"BlackberryWinter"は後のスタンダーズ・トリオそのもので、非常にメロディアスで情感が溢れる佳作。スタンダーズが最も良かった頃の雰囲気があって、ここでも大きく先取りした感性が発揮されている。これは聴いていてうれしい演奏だ。また、ヘイデンの代表作である"Silence"が取り上げられており、短い演奏ながら心に残る。ペトルチアーニが名演を残してい...スタンダーズの到来を予感させる感性

  • 手の届かない大人の世界

    FrancisAlbertSinatra&AntonioCarlosJobim(米RepriseFS1021)キースのアメリカン・カルテットを集中して聴いているが、同じ系統ばかりでは飽きるので、気分転換にまったく違う雰囲気のものを。シナトラの最盛期はキャピトル時代で、リプリーズ時代になるとかなり落ち着いた雰囲気になるが、そんな中でこの巨匠とのコラボを残している。テーマはボサノヴァだが、それは露骨なものではなく、しっとりと落ち着いた深い雰囲気の傑作に仕上がっている。クラウス・オガーマンのオーケストレーションはシックで知的で大人のムードで満点の出来。そういう重厚な背景の中、シナトラは巧くコントロールされた歌唱で静かに歌っていく。ボサノヴァのリズムは隠し味的な使い方で、あくまでもシナトラの大人の世界が描かれている。ボ...手の届かない大人の世界

  • 寄せ集めの悲劇

    KeithJarrett/Backhand(米ABC-ImpulseASD-9305)この時代の代表作と言われている"死と生の幻想"と同日に行われた録音で、明るい色調の楽曲がこのアルバムにまとめられた。2枚組としてリリースしてもよかったのかもしれないが、それでは重いと判断されたのかもしれない。結果的に"死と生の幻想"は名盤とされ、こちらは忘れられる存在となった。その理由は、A面に収録されている、メロディーの無い、延々とエスニックなリズムが10分間続くような楽曲のせいだろう。聴いている側からしてみると、「一体、これは何ですか?」と問いたくなる。規模の大きなアルバムの中で出てくるならその意味もわかるだろうが、単発のアルバムの中ではこの楽曲の存在理由は希薄だ。B面には出来のいい演奏が収められているので、おそらくはこれ...寄せ集めの悲劇

  • すべてのものが哀しみに生きている

    KeithJarrett/Mysteries(日本コロンビアYQ-8510-AI)このカルテットの演奏を聴いていると、70年代の半ばにジャズを演ることが如何に困難だったか、を思い知らされる。懐かしきハード・バップに戻るわけにはいかず、フリー・ジャズの空虚さを目の当たりにした後で、これから果たして何をやるべきか。そこには大きな壁があったに違いない。キースのように美メロが書ける人なら、ロックの世界でいくらでも成功できたに違いない。大金を稼ぐことは容易だっただろう。にもかかわらず、まったく金にならない音楽をやり続けた、その心の中にあったのは一体何だったのか。私がジャズという音楽が好きなのは、この音楽のすべてに通奏低音のように流れているそういう音楽家たちの心根のようなものに惹かれるからかもしれない。本当に金にならないこ...すべてのものが哀しみに生きている

  • 日常を描いたアルバム

    KeithJarrett/Expectations(米ColumbiaKG31580)いつも楽しいsenriyanさんのブログきっかけで探していた本盤、安レコが転がっていたので拾った。今回、初聴きだ。キースはアルバムが多く、熱狂的なファンでもない私は未聴のアルバムが多いので、何かのきっかけを利用してボチボチ聴いていくというゆるいスタンスでいる。このアルバム、どうやら評判の方はあまり芳しくないようだが、そうなると俄然興味が湧いてくる。キース・ジャレットのアルバムを身銭を切って買うのは、大抵の場合、あの耽美的な世界にどっぷりと浸りたいからだろう。だから、そういうつもりでこのアルバムを聴くと、「金返せ~」となるのは無理はない。そういう気分でレビューすると、当然辛口にもなるだろう。しかし、私の場合は最初からどういう内容...日常を描いたアルバム

  • ノスタルジックな物語性がもたらす厚み

    KeithJarrett/TresureIsland(米ABCImpulseAS-9274)キース・ジャレットの賢いところは、自分の中にある複数の音楽衝動をレーベル毎に上手く仕分けることができたところだろう。それが上手かったので作品の内容には混乱が見られず、アルバム単位で見るとどれも非常にわかりやすい。この整理整頓術の巧みさが他のアーティストたちとは決定的に違った。こういう戦略をとった人は、ジャズ史上、彼が初めてだったのではないだろうか。この時期のキースは、アメリカン・カルテット、ヨーロピアン・カルテット、ソロ・ピアノの3つを巧みに使い分けていた。これらの用語は周囲が勝手に持ち出したものだけれど、自然とそう命名されてしまうくらいに作品毎の性格が明確だったのだ。羅針盤は壊れ、何でもありだったあの70年代に、ほとん...ノスタルジックな物語性がもたらす厚み

  • R.I.P Johnny Mandel

    OscarPeterson/BluesEtude(米LimelightLM82039)普段は買わないことにしているオスカー・ピーターソンのレコードを拾ったのは、"いそしぎ"が入っているからだ。ジョニー・マンデルが亡くなったというニュースを先週聞いたところで、悲しい気分の中で見かけたから拾う気になった。私がジャズのスタンダードの中で最も好きなのがこの人が作曲した一連の傑作群で、その独特の切ないメロディーは聴くたびに心の中に何かを残していった。これらの楽曲の演奏であれば、それが誰が演奏しているものであっても、好きになった。特に好きな演奏家や歌手ではなくても、マンデルの楽曲であれば、それは心に染みた。ピーターソンは原曲には出てこないコードを取り入れて、より物悲しい雰囲気に仕上げている。こういうところは手慣れたもので、...R.I.PJohnnyMandel

  • 時代からこぼれおちた翳りの美

    PhineasNewbornJr./HarlemBlues(米ContemporaryS76634)エルヴィンが入っているのが珍しい。エルヴィンは共演者の演奏をよく聴いて、その人に1番合う演奏をする人だったそうだが、ここでも確かにフィニアスのピアノをよく聴き、上手く彼を乗せるサポートをしているのがわかる。そのおかげで、音楽に躍動感がある。フィニアスの演奏は初期の頃と比べるとすっかり様子が変わっている。多少食い気味で突っ走る若々しさや猛々しさは消え、ブロック・コードで主題を処理したり、間を長く取ったリフを多用するなど、まるで別人のようなプレイになっている。フィニアスやオスカー・ピーターソンのような技術力の高いピアニストはスタンダードのメロディーを崩す際に似たような傾向を見せるが、ここでのそれは以前よりもテンポを抑...時代からこぼれおちた翳りの美

  • 自分だけの名盤を探す

    PhineasNewbornJr./TheNewbornTouch(米ContemporaryS7615)既に評価が確立した定番の名盤ばかり聴いていても、音楽は面白くない。それは他人の価値観であり、自分には何の関係もない。言ってしまえば、ネットなんか見ているようではダメだ、ということだ。人間は見ると欲しくなる生き物で、ネットに載った音盤で自分が持っていないものだと、つい欲しくなる。でも、そういう他人の後をついて回るような買い方をしていても、心はいつも満たされず、渇いたままだ。フィニアス・ニューボーンJr.も定番の"HereIsPhineas"や"AWorldOfPiano"だけ聴いて済ませても、その良さはわからない。この人の場合は、話題にならない他のアルバムの方がずっと味わい深い。そういうことはネットには書かれ...自分だけの名盤を探す

  • 猫が不思議そうに見つめるもの

    LeeKonitz/Spirits(米MilestoneMSP-9038)非常に攻めた演奏を聴かせる。長いフレーズを悠々と聴かせるいつものプレイではなく、鋭利な短剣で次々と突き刺していくような強い意志が込められた演奏だ。音色への配慮などはお構いなしで、どんどん切り付けていく。収録された9曲のうち、5曲がトリスターノ作、1曲がウォーン・マーシュ作、残りがコニッツ自作というトリスターノの世界を描いたアルバムで、タイトルの"スピリッツ"というのはトリスターノのことを指しており、アルバム自体がトリスターノに捧げられている。1971年という時代に、既に忘れられたトリスターノの音楽を再び世に知らしめようとしたのだろうと思う。マイルストーン・レーベルに残した作品は皆コンセプチュアルで、プロデューサーのオリン・キープニューズと...猫が不思議そうに見つめるもの

  • 寂寥感に感じ入ることができれば

    LeeKonitz/StringsForHoliday~ATributeToBillieHoliday(独EnjaENJ-9304-1)ノンビブラートの穏やかな音色が伸びやかで心地いい。とてもリラックスして吹いている。最初から最後まで、歌心で溢れている。私が知っているコニッツのアルバムの中では、最も優しい音色で吹かれている。ウィズ・ストリングスといっても大編成ではなく弦楽六重奏がバックなのでイージーリスニングの雰囲気はなく、もっとジャズらしい仕上がりになっているのがいい。弦楽のアレンジも変に凝ったものではなく、適度に現代的で過度に甘くならず、ちょうどいい匙加減だ。音の隙間が多いので、コニッツのアルトがよく聴こえて全体のバランスもとてもいい。このアルバムの雰囲気はアート・ペッパーの"WinterMoon"に少し似...寂寥感に感じ入ることができれば

  • 仏盤で聴く "A Portrait Of Thelonious"

    BudPowell/APortraitOfThelonious"(仏ColumbiaS63.246)パリのスタジオでの録音だが、これはアメリカ盤がオリジナルということでいいだろう。ただ、家にあるのはモノラル盤で、ちょうどステレオ盤は聴いたことがなかったので、まあいいかと拾ってみた。フランス盤にはモノラルプレスがない。当然、元々はステレオ録音だろうから、自然なサウンドだ。品のいい適度な残響を纏っていて、良好な音場感。モノラルは芯のしっかりとした骨太な音楽を聴かせるが、こちらはもっと演奏の表情が明るい。ピアノの演奏の中に映るパウエルのいろんな表情がよくわかる。こういうところがさすがのコロンビアだろう。音楽をより音楽的に再生してくれる。ベースの音もクリアで輪郭がはっきりしていて、サウンドの中に埋没していない。ドラムの...仏盤で聴く"APortraitOfThelonious"

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