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2018/12/25

  • ヴィクトリア朝の切り絵作家というめずらしい職業が描かれるミステリー「象られた闇」

    まず「何て読むのだろう…」と本屋で考えてしまった題名 象られた闇 作者:ローラ パーセル 早川書房 Amazon 予想が当たって変に嬉しかったこの漢字「象る」の読み方は「かたどる」 切り絵作家が主人公というめずらしいミステリー。舞台がヴィクトリア朝ということで、馬車やドレスの時代なのもよいなあと思い読んでみた。 写真というものが世に出始めたものの、魂を抜かれる恐ろしい物という認識でまだまだ人々が受けいれにくかった時代、肖像画といえばもっぱら絵画だった。 それ以外に切り絵というものも肖像画としての需要があった。主人公のアグネスはその切り絵の肖像画を生業にしている女性だ。 とはいえ、売れっ子という…

  • 名優たちの演技にうたた寝せずに見れた不倫サスペンス「運命の女」

    不倫ものの映画はあんまり見ないのだけど、監督とキャストの顔ぶれとサスペンスということでずっと気になっていた映画。 運命の女 (特別編) [AmazonDVDコレクション] ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社 Amazon エロティックサスペンスという触れ込みであるにも関わらず、さほどエロさを感じなかったのは、個人的に好きなダイアンレインが可愛かったっていうのがあるかも。 不倫相手の若いにーちゃんと出会ってから、徐々に狂っていくダイアンレイン演じるコニーの状況がストーリーの主軸になっているので、確かにそういう場面はとても多いが、ナインハーフや危険な情事の方がよっぽどエロく感じる。 ダイアンレ…

  • UFOを撮影して儲けたいだけだったのに「NOPE/ノープ」

    「ゲットアウト」「アス」のジョーダン・ピール監督の新作ということで、見るの楽しみにしていた。 NOPE/ノープ [DVD] ダニエル・カルーヤ Amazon 期待通り、これまでの作品同様独特な世界観と体験したことのない怖さ。 アメリカの広大な土地にあるハリウッド牧場は、映画の撮影に馬を貸し出して収入を得ていたが、経営は厳しく大切な馬を売りながら生計をたてていた。 そんな牧場にある日事件が起きる。牧場主が空からの落下物に直撃し、死んでしまうのだ。 世間では飛行機の落下物とされたが、跡継ぎ息子であるOJは、実はその瞬間空に異様なものを目にしていた。 妹エムの強い圧しで、OJは自分が見た謎の飛行物体…

  • 興味深い特殊な仕事の人たちの映画と本3選

    特殊な職業の方々のお話を読んだり聞いたりするのは、とても楽しい。最近たまたま立て続けにそんな職業の本やら映画やらに出くわした。 ずっと勧められていながらようやく見た「南極料理人」これはもう究極の特殊なお仕事で、出てくるご飯も美味しそうなのだけど、個性的なキャラクターたちがとても良い。 南極料理人 堺雅人 Amazon 8人で過ごす一年間の共同生活は、想像を絶するものだけど、あっけらかんとした男同士感が意図せずとも勝手にコメディになっている感じで、女には絶対真似のできない世界だなと、うらやましさを通り越して妬ましくなった。 家族に反対されつつやってきた生瀬さん演じる元さんが、「やりたかった仕事が…

  • 楽しい知識と刷り込まれてる不安も解消「残念な理系の常識」

    「ざんねんな○○」というタイトルやサブタイトルがやたら目につくようになって、見ただけで手にとる気がうせていた。なのでこの本もスルーしようとしたのだが、理系のこういう知識本は好きなので一応パラパラとめくってみたら面白そうだったので、読んでみた。 日本人の9割が信じている 残念な理系の常識 (青春文庫) 青春出版社 Amazon サブタイトルどおり「日本人の9割が信じている」というのは、大げさでないかもしれない。もちろんこっちがある程度無知でないとそうはならないのだろうけれど「へえ~知らんかった」「え、そうなん?」と、本の思惑どおりの声を上げてしまった。 「バナナの皮はほんとうに滑るか」や「実はへ…

  • 時代物に馴染みがなくてももお勧めできる時代ミステリー「木挽町のあだ討ち」

    時代物に馴染めない人にも勧められる小説だなあという感じです。 木挽町のあだ討ち 作者:永井 紗耶子 新潮社 Amazon ここんとこ「なんじゃこりゃ」という時代物に当たる回数が増えていたので、こんなにわかりやすく読みやすく、小気味よい時代物に出会うと嬉しくなる。 遊郭や芝居小屋などを舞台にした時代物やミステリーが好きなので、読んでいて楽しかった。 ある年の冬、江戸の芝居小屋の側で美しく壮絶なあだ討ちが行われた。父を殺した下男をみごと討ち取った若侍の菊之助。 その派手なあだ討ちの一件は、菊之助が美青年であったことも相まって、民衆の注目や喝采を浴びた。 菊之助はあだ討ちを成し遂げ、国に帰って念願ど…

  • 前作を見てから見た方が絶対いい「インシディアス 赤い扉」

    とりあえずインシディアスシリーズは、日本未公開であろうと何であろうと見なければ。と、気合をいれて挑んだが…感想を述べるのがとても難しい作品だった。 インシディアス 赤い扉 パトリック・ウィルソン Amazon まず、怖さを味わいたいだけならおすすめしない。というのも、過去のストーリーをベースにしているため、前作を見ていないと内容がたぶん頭に入ってこない。 見ていても、「あれ、どんな展開だっけ…」と思う部分が多々あるので、けっこう戸惑う。なので、見ている人と見ていない人とでは評価が極端に分かれるだろうし、見ている人の中でも分かれると思う。 かつての恐ろしい出来事から10年後、ランバートファミリー…

  • 新しいタイプのエクソシストはおぞましさよりもエンターテインメント感豊富

    このタイプの悪魔祓いホラーはパターンが決まっているので、意外性やジャンプスケアはそれほど無いが、時代劇が持つような定番ホラーの独特の世界観が楽しめる。 ヴァチカンのエクソシスト Russell Crowe Amazon ラッセル・クロウ演じる実在したエクソシストアモルト神父の活躍を描いたストーリー。 イタリアの田舎町にある古い教会を改築して売却するため、アメリカからやってきたファミリー。母親とティーンエイジャーっぽい姉と弟の三人は父親を亡くしてお金に困っている様子。 その弟が、ある日突然おかしくなる。家族はお約束のように医者に見せるが、精神の異常を疑われて激怒しつつ戸惑う。 日ごと異常さを増し…

  • ビクトリア朝時代の不気味で優雅な幽霊たち「英国クリスマス幽霊譚傑作集」

    本でも映像でも怪談特集が組まれるのは、日本ではだいたい夏っていうのが一般的だけど、イギリスではクリスマスということになるらしい。 英国クリスマス幽霊譚傑作集 (創元推理文庫) 作者:チャールズ・ディケンズ,ほか 東京創元社 Amazon といってもイギリスは年中通して怪談大好きなお国柄だけど、クリスマスはやはりあのディケンズの名作「クリスマス・キャロル」の影響が大きく、そこに敬意を表してという感じのようだ。 この本の冒頭に登場するディケンズの詩のような一編「クリスマス・ツリー」は、解説によるとクリスマスを飾る怪談アンソロジーを編む場合、しばしば冒頭を飾る定番ものであるらしい。 とはいえ、何も知…

  • 「ダダ」ってこんな可哀想な話だっけ

    初代ウルトラマンの宇宙人「ダダ」といえば、見た目が怖い、不気味というので有名なキャラクターだが、先日改めて鑑賞するとけっこう可哀そうな話だった。 BANDAI(バンダイ) ウルトラ怪獣シリーズ 83 ダダ バンダイ(BANDAI) Amazon 地球人の標本を持ち帰るという仕事で、単身地球にやってきたダダ。彼はさっそく条件に合う地球人を集め始めるが、そのやり方がいささか荒っぽかった。 たちまち世間の注目を浴び、あろうことかウルトラ警備隊のキャップを巻き込んでしまい、当然ウルトラマンが出てくることになる。 ウルトラマンの強さを実感したダダは、自分の星に通信をおくり、「無理です」と報告するが、上司…

  • まるで映画「頬に哀しみを刻め」の壮絶バイオレスに酔った

    2023年のミステリーで話題だった海外ミステリー。謎解き系ではなく、こんな感じのゴリゴリのバイオレンスは普段あまり読まないので、読み切れるかなあという不安はすぐにどっかへ行ってしまった。 頰に哀しみを刻め (ハーパーBOOKS) 作者:S・A コスビー ハーパーコリンズ・ジャパン Amazon 主人公、黒人のアイクと白人のバディ・リーはかつてムショ経験のある初老のおっさん。2人には親とは正反対の真面目で優しく優秀な息子たちがいるが、彼らはカップル。 息子たちの考え方や生き方を拒絶し、対立して傷つけあってきたお互いの親子。そんな中、息子たちが惨殺される。 彼らが殺されることによって初めて顔を合わ…

  • 冒頭の豪華で華麗なスプラッター場面が有名「ゴーストシップ」

    幽霊の怖さというよりは、どちらかというとグロさが際立つホラー。 ゴーストシップ (字幕版) ジュリアナ・マルグリース Amazon ストーリーは題名そのままのシンプルな幽霊船ストーリー。突如現れた無人の船に乗り込んでしまったメンバーたちが、恐ろしいものを目撃し、恐ろしいめに合っていくお話。 複雑でない分、どんな風に怖がらせてくれるのかというのがこの手の映画の見どころになる。 海難救助船の乗組員たちに内々に依頼されたのは、突如現れた奇妙な船の調査。なんとその船は40年前に遭難したまま行方不明だった豪華客船だった。 メンバーたちは、その船のお宝を手に入れようと乗船するが、そこで待っていたのは恐ろし…

  • 「ほの蒼き瞳」で1830年代のドレスの素敵さと夜の暗さで冬を実感

    ネットフリックスの映画って今まで馴染めないものが多かったのだけど、これは個人的にしっくり来た。 【大判】映画ポスター 海外版 ほの蒼き瞳 (68.5 cm x 101.5 cm) APMPS-GB89365 [U.S. Made Poster] アメリカンプレミアム Amazon 「陸軍士官学校の死」という傑作ミステリー小説が原作の映画。読んだのは随分前で、毎度のごとく内容はうろ覚えだったが、面白かったことに間違いはないので、映画でその面白さを再認識したくなって見てみた。 1830年のニューヨーク州の冬が舞台。ウエストポイントの士官学校で、1人の士官候補生が死体となって発見される。状況から首吊…

  • 「パール」と「X」は人の感情を爆発させてむき出しにしたいろんな意味でエロくてグロいレトロホラー

    映画館で予告を見た時から「見に来るぞ」と決意していたのに、上映期間があまりにも短くて、気が付けば終わっていた映画。「X(エツクス)」の続編ということで、しっかりそちらも見て気合入れていたのに。 Pearl パール [DVD] ミア・ゴス,デヴィッド・コレンスウェット,タンディ・ライト,マシュー・サンダーランド Amazon 1900年代前半が舞台のレトロ感たっぷりのスラッシャーホラー。主人公パールは、農場で両親と暮らしているが、異常なほど厳格な母親と病気で車椅子に座ったきりの父親の世話をしながらのしんどい生活だ。 パールの夢はダンサーとして映画に出ることだが、夢を見ることさへ許さない母親への反…

  • 臨場感たっぷりの師匠の面白トークが聞ける「まくら」

    〝まくら〟とは落語の本題に入るまえに話してくれるお話のこと。挨拶でもあり雑談でもあり、本題に入っていきやすいようにお客さんの心をつかむ楽しいトーク。 ま・く・ら (講談社文庫) [ 柳家 小三治 ]価格: 764 円楽天で詳細を見る そのまくらばかりを集めためずらしい本。著者…というべきか、お話を聞かせてくれるのは柳家小三治師匠。 子供の頃、テレビで普通に落語が流れていたので、結構よく見た。名前も顔も全然覚えなかったが、本の写真を見て「あ、知ってる」と、今回初めて小三治師匠というお名前だったのだなと知った次第。 エッセイみたいだけどエッセイじゃないのは、やっぱり臨場感。ほんとにありきたりな表現…

  • 時代物怪談が怖いという長話と「数えずの井戸」

    古典的な日本の怪談が怖い。幼い頃、怖い話をせがんだ姉弟に父親が話したのはいきなりの四谷怪談だった。内容どうこうよりも、お岩さんの怖さは壮絶だった。 加えて、じいちゃんばあちゃんの家のテレビでしょっちゅうかかっていた怪談ドラマも凄かった。毎回違うストーリーだったのだが、記憶に残っているのはほぼ時代物であったこと。 いったい何のドラマだったのか今だにわからないが、小泉八雲の怪談みたいなものだったのかな。幼いながらに怖い話は好きだったのでついつい見てしまっていたが、女の人が夜中に目を覚ますと側に死んだ坊さんが座っている場面を見てトラウマが決定的となった。 以後、大人になるまで四谷怪談はもちろんのこと…

  • 小説と映画で「64」の世界再び!

    この映画が公開されたのが2016年ということで、もう7、8年くらい前になるのだけど、出演者の顔ぶれがとにかくすごいので、見たいとは思っていた。 64-ロクヨン-前編 通常版DVD 佐藤浩市 Amazon 見よう見ようと思いつつ、その前に原作を再読しておさらいをしようとしていたが、これも読もう読もうと思いつつ、長い年月がたちました。 先日古本フェアで偶然見つけたとても状態の良い「64」。前回読んだのは確か図書館の予約待ちだったので、手元になかったのだ。 64(ロクヨン)(上) D県警シリーズ (文春文庫) 作者:横山秀夫 文藝春秋 Amazon しかし、読み始めたものの「え、ほんとにこれ読んだっ…

  • 孫と遊びたいがために仕事を辞めたいFBIの特殊捜査官「ブラック・ライト」

    ここんとこほんわか映画やドラマばっかりみていたので、脳がスピーディーで迫力のあるものを欲しだした。 ブラックライト リーアム・ニーソン Amazon 今年公開されたリーアム・ニーソンのアクション映画。リーアム・ニーソンといえば、「トレイン・ミッション」「96時間」の強すぎる只者ではないお父ちゃんのイメージなのだが、しばらくお会いしない間に、強すぎるおじーちゃんになっていた。 見た目ももちろん老けてはいるが、設定そのものが「孫ともっと遊びたいのでFBIの極秘任務の仕事を辞めたい」というおじいちゃん。 主人公のトラヴィスは、FBIとはいえ、長官から直に雇われている特殊な存在。彼の仕事はFBIの潜入…

  • 切なさと気持ち悪さと爽やかさを残すSFホラー「クロニクル」

    ずっと以前に見て面白かったという記憶があるので、久しぶりに見てみると、やっぱり面白かった。 クロニクル (字幕版) Michael Jordan Amazon 当時ホラーという認識で見たのだけど、どちらかというとSFで超能力もの。この映画はカメラ目線のモキュメンタリ―なのだけど、まったくそういう記憶がなかったので意外だった。 ある出来事に遭遇してしまったために、超能力を手にいれてしまった三人の高校生。ストーリーはその中のアンドリューの記録映像を中心にして展開していく。 手を動かすだけで、物を動かせることに気づいた三人は、女子のスカートをめくったり、スーパーでぬいぐるみを動かしたりといたずら程度…

  • キャラクターだけで腹いっぱい!刑事ドラマ感に溢れた「リバー」

    1人1人のキャラクターが強烈なので、頭の中で俳優さんとか有名人を当てはめて読んでいくと楽しい。 リバー (集英社文芸単行本) 作者:奥田英朗 集英社 Amazon リバーとは栃木県と群馬県を流れる渡良瀬川。その河川敷で若い女性の死体が発見される。 十年前にも同じ手口の事件が起こっていて、容疑者は捕まったものの決めてを欠いて不起訴処分で釈放。 今度の事件もそいつの仕業なのか、それとも模倣犯なのか―—。警察も市民も凍り付いている状況の中、第二の死体が――。 本格推理とかではなく、警察小説。栃木と群馬の警察の方々が、コツコツと事件を捜査していく状況がストーリーの軸になっている。 と同時に、なんとかし…

  • どんな決断をくだすのか「ウーマン・トーキング」

    まさに題名どおり女たちが話しているだけの映画、ということでいったいどんな感じなんだろうと見てみた。 ウーマン・トーキング 私たちの選択 ケイト・ハレット Amazon テーマは閉鎖的なコミュニティ、女性蔑視、そして性暴力。重たいテーマ満載でありながら、女性たちの議論の中にいつの間にか加わって、気が付けば真剣に耳を傾けていた。 自給自足の生活を続けていたある村では、女性たちがたびたび薬をもられてレイプされる。しかし、それは悪魔の仕業と言われ、あるいは妄想として抑え込まれる。 宗教的教えとコミュニティの圧力で、薄々何かしら気づきながらも耐えざるを得なかった女性たちだったが、ある出来事をきっかけにし…

  • 繰り返される戦いの虚しさが予想以上にずっしり来た歴史「トロイ」「新少林寺」

    世界中戦いだらけで、ほんと心底嫌になりますが。たまたまこの映画を見た直後に、ハマスによるイスラエルへの攻撃が起きて、戦いの虚しさとか、何前年たっても変わらない人の愚かさとか、今この瞬間も歴史の一部であること、トロイや少林寺で死んでいった兵士や庶民が決して他人事ではないことを実感させられた。 「トロイ」 トロイ [DVD] ブラッド・ピット Amazon ブラピ演じる不死身の勇者アキレスが有名なこの映画。気になりつつも上映時間3時間に恐れをなしてなかなか手が出なかった。 オーランド・ブルーム演じるトロイの王子パリスが、スパルタの妻ヘレンと不倫関係になり、挙句の果てに連れて逃げてしまうという己勝手…

  • ワニの恐怖より日本人にはリアルな恐怖「クロール 狂暴領域」

    サメやらワニやらのパニックホラーは、単純明快な食われる怖さ。でもそこにプラスアルファが加わると、見ごたえのあるストーリー展開になる。 クロール ―凶暴領域― [DVD] カヤ・スコデラリオ Amazon 夏に見たロストバケーションは、サメとの戦いもさることながら、海の美しさとサーフィンの楽しさで見せてくれた。 今回は、巨大なワニとの戦いなんだけど、プラスアルファは川の美しさではない。川の怖さだ。 ハリケーンが襲ってきたフロリダで、競泳選手のへイリーの元に姉から電話がかかってきた。避難命令が出ているにも関わらず、実家の父と連絡がとれないという。 様子を見に行くため、帰りに実家に立ち寄ろうと車を走…

  • 眉間にしわ寄せて自給自足に挑むいち子が良い「リトル・フォレスト」

    以前に夏秋バージョンを見てから、そのうち冬春バージョンも見なければと思いつつ、月日がたって、今ようやく見た。 リトル・フォレスト 冬・春 三浦 貴大 Amazon 夏秋を見たのが、リアルに夏だったこともあり、案にたがわずいろんなことをしたくなって、いろんなものを食べたくなって、平和な気分になったが、今回の冬春バージョンは、まだまだクソ暑い今だったこともあり、雪みてもさほど入りこめなかった。 ただ、年末や正月の行事なんかは見てて引き込まれるけど。考えてみれば、まだぎゅんぎゅんに半そで着て過ごしてるけど、あと二か月もたてば年末だ。日本はほぼ夏になってしまった。 リトル・フォレスト 夏・秋 橋本愛 …

  • 予想外なサスペンス感「エクソシスト3」と「ザ・ライト エクソシストの真実」

    今年の夏にミーガンの予告でヴァチカンのエクソシストを見て、面白そうだったので見に行く予定だったのだが、気が付くと公開期間が終了していた。短! その腹いせではないが、エクソシスト系の映画を配信で立て続けに見た。と言いつつも、元祖エクソシストも一回しか見ていない。 元祖エクソシストは、予告だけでトラウマになって、長い間見ることがなかった。意を決してテレビで見たときは、怖いというよりおぞましかった。また、悪魔という日本人には理解しがたい存在も、怖さとして受け入れにくかった。 ゆえに、悪魔祓いのエクソシスト映画はいまいち見たいとは思わなかったのだが――予想外に、ちょっと変わった視点から描いたこの2本は…

  • 「バーレスク」という店でおしゃれなショーを見せてもらった

    ここ何年か、ディズニー以外のミュージカル映画を見ていない。嫌いじゃないのに見る気がしなくて。だからあの「ラ・ラ・ランド」すら見ていない。 映画配信でも無意識に素通りしていたのだけど、迫力のある歌声に手が止まった。もちろん題名は知っていたけども、これも途中で飽きるかなあ~と思いつつ…… バーレスク [AmazonDVDコレクション] [Blu-ray] シェール Amazon アメリカの田舎町から出てきたアリは、ロサンゼルスにあるラウンジ「バーレスク」のショーに魅せられる。自分もここで歌いたい!と願い、ウェイトレスとして働き始めた。 時にはうざがられながらも、辛抱強く経営者であるテスに自分をアピ…

  • おしゃれでかわいいホラー「ラストナイト・イン・ソーホー」

    おしゃれでかわいいホラー・サスペンスといっても、そこはやっぱりホラーなのでラスト近辺はなかなかスラッシャーだけど。 ラストナイト・イン・ソーホー [DVD] トーマシン・マッケンジー Amazon デザイナーを夢みてイギリスの田舎町からロンドンにやってきたエロイーズは、念願の専門学校で勉強を始める。しかし寮生活の人間関係に馴染めず、一人暮らしをする決意をした。 探し当てた部屋は、古めかしくて、大家は厳しそうなばあちゃんだったが、エロイーズは満足し、パブでアルバイトも始めることに。 しかしある夜、彼女は夢の中で60年代の繁華街ソーホーに出向き、そこでサンディという同じような年代の歌手を夢みる少女…

  • 脳が暴走するとこんなにカッコよくなるのか「LUCY/ルーシー」

    アクション映画だとずっと思っていたが、SFだった。アクション付きの。 LUCY/ルーシー (字幕版) スカーレット・ヨハンソン Amazon 冒頭いきなり、スカーレット・ヨハンソン演じるルーシーがホテルの前で男と口論している。怒りで喚きちらしながらも仕方なく臨時の運び屋を引き受け、ホテルに入っていくのだが、そこで恐ろしい目に遭遇することになる。 怒りの次は不安、そして究極の恐怖、最初から冷静なルーシーをまったく見せてはいない。常に感情丸出しの場面が続くのは、以後、感情を徐々に失っていくことになるルーシーを、きっと強調するためだ。 マフィアにつかまり、ヤバい薬を体の中に埋め込んで運ぶという恐ろし…

  • ジャンプスケアも薄気味悪さもそなえた「スマイル」

    なんとも薄気味の悪いホラー映画でした。 スマイル Sosie Bacon Amazon 精神科医のローズは、ある若い女性患者を診察する。彼女は始終取り乱していて、普通の人には見えない人物たちが見えると怯えていた。 しかもその人物たちはみんなゾッとする笑いを浮かべて近づいてくると。明らかに妄想を見ているらしき彼女をなだめようとするローズだったが、女性が突然激しい恐怖に襲われ、部屋の中を逃げ惑い始める。 そして恐ろしい事件をローズは目の前で目撃してしまう。それがきっかけでトラウマになってしまったかのようなローズだったが、恐怖はそこから始まった。 常軌を逸した出来事が、彼女自身や彼女の周りで起こり始…

  • 楽しかったあ!お腹が空いたあ!「シェフ 三ツ星フードトラック始めました」

    この映画空腹状態で見ると死ぬなぁ。特にチーズトロトロのサンドや肉好きには。 シェフ 三ツ星フードトラック始めました (字幕版) ジョン・ファヴロー Amazon 有名レストランの料理長だったカールは、自分の作りたい料理を作ろうとして、オーナーと衝突しクビになる。心配した元妻の勧めで妻の故郷マイアミに帰ったカールは、キューバサンドに出会い、一大決心をする。 「フードトラックでサンドを売りながらロサンゼルスまで帰る」陽気な弟子と小学生の息子パーシーが加わり、楽しく美味しい夏休みの人生を変える旅が始まる。 とにかく料理が美味しそうという評判は聞いていたが、確かに本当。肉やこってり系なので、まさにアメ…

  • 斬新すぎて笑いながら高評価「ジェイソンX13日の金曜日」

    子供の頃、初めてばあちゃんの家で「13日の金曜日」を見て以来、すっかりジェイソンの虜になってしまい、新作がテレビで放送されるたびに欠かさず見てきたが、次第に飽きてきた。 この手のスラッシャーホラーはワンパターンなので仕方ないが、その元祖ともいうべきジェイソンはやはり時折思い出す存在で、先日もふと「ジェイソンはどうしているんだろう」と思い、何か見ようとシリーズを調べたら面白そうなのがあった。 ジェイソンX 13日の金曜日(字幕版) ケイン・ホッダー Amazon 殺戮を繰り返すパターンは同じなのだが、なんと舞台が宇宙になってしまっていた。400年後の地球は、有毒な星としてもはや人が住めない場所に…

  • ワンパターンのホラーの続編を覆す「エスター ファースト・キル」

    劇場で見ようと思っていながら見逃した。早々映画配信に飛びつく。 予想では同じキャストでは無理があるのではないか。前作の終わり方が続きっぽいので、そこからまた新たな狂気と悪事が始まり、結局同じパターンなのではないか。 エスター ファースト・キル イザベル・ファーマン Amazon であったが、見事に裏切ってくれた。これは面白い。ファーストキルってことで、エスター誕生の秘密を明かしてくれる。基本的にやっぱりこれは、確かに続編であって、前作を見てないと値打ちがない。 ある町で行方不明になっていたエスターという少女。その事実を見つけたのが、悪賢い主役の狂人エスター。 彼女は予想通り、その家族にエスター…

  • 海の美しさと怖さの臨場感たっぷり「ロスト・バケーション」

    猛暑続きの毎日で家にこもりがちな中、せっかくなので夏のバケーション感を感じさせてくれる映画を見ようと選んだのがこちら。 ロスト・バケーション [DVD] ブレイク・ライブリー Amazon サメに襲われる映画なので、内容は全然爽やかではないが、特筆すべきはその海の描写の美しさ。主人公はサーファーなので、透きとおった海の美しさに加え、波やサーフィンの動きのある映像は見ているだけで、夏気分をたっぷり味わえる臨場感。 どこまでCGだろうが本物だろうが、どうでもよくなってくる。なんせ美しいのだもの。 主人公は医学生でありながら、母の死をひきずり、医者への夢も投げ出そうとしている女性ナンシー。鬱々とする…

  • 「ザリガニの鳴くところ」シンプルだけど濃密な文学ミステリー

    小説には無い映画の良さは、その時代の雰囲気を視覚的に楽しませてくれること。1960年代が舞台ということで、レトロなファッションが新鮮だった。主人公が着ているワンピースやシャツの小花柄がかわいい。 ザリガニの鳴くところ (字幕版) デイジー・エドガー=ジョーンズ Amazon 湿地で暮らす大家族だったカイアは、6歳の時に独りぼっちになる。それでも自然と共に暮らす術を身に着けていた彼女は、数少ない親切な近隣の夫婦の手を借りながら、大人の女性になるまで暮らし続けていた。 映画の冒頭は、一人の男性の死体が湿地帯で発見されたことから始まるが、すぐさま疑われたのが「湿地の少女」と蔑まれているカイアだった。…

  • SFみたいな特殊設定のミステリー「方舟」

    しっかり「やられたあ!」感を満足させてくれたミステリー。 方舟 作者:夕木春央 講談社 Amazon 軒並み評価の高い作品だったので、期待値を上げ過ぎないように挑んだが、それでもしっかり楽しませてくれた。 外からの往来が絶たれた状況で事件が起きるクローズドサークルだが、この作品の状況はかなり特殊。ある意味SFのようだ。 語り手である主人公は、大学時代の友人たちとの旅先で、朽ちかけた地下建築を探検することになる。何に使われたかわからない不気味な地下3階のその建物は、徐々に水没していてるようだった。 そこで起こる予期せぬ地震。それによって、彼らは建物内に閉じ込められてしまう。誰にもしられていないこ…

  • 「完璧な家」でラストはざまあみろという気持ちになる

    読んだとたんに「これは絶対映像化されるな」と思ったサイコサスペンス。 完璧な家 (ハーパーBOOKS) 作者:B・A・パリス ハーパーコリンズ・ ジャパン Amazon ジャックとグレース夫妻の家で催されたホームパーティーの場面から物語は始まる。弁護士でハンサムなジャック、料理の腕も抜群で夫に心から愛されているグレース。 非の打ち所がない完璧な幸せを手に入れた夫婦として見られている2人だったが、そこには地獄のような秘密があった。 ベストセラーでありながらも、宣伝用に紹介されているこの本のあらすじや解説はとても薄い。しかし読み始めるとその薄さがわかってくる。詳しく書けないのだ。 ホームパーティー…

  • じじばば予備軍も要注意の「じじばばのるつぼ」

    帯に書かれている「TPO無視時事」「レジで世間話ばば」などの目次だけで、どういう本なのかわかる。しかも群さんのエッセイだ。面白くないわけがない。 じじばばのるつぼ (新潮文庫) 作者:群 ようこ 新潮社 Amazon 予想通り、ちまたに溢れる困ったじじばばや笑えるじじばばの言動を、作者の体験を踏まえて面白く読ませてくれる。 ほとんど誰もが「ああ、いるいる」と納得するじじばばたちが登場して、全国共通のものなんだと実感させられ、笑いながらため息ももれたりする。 「ばばのファッション」や「ラブホじじ」なんかは、すげえなあと感心するだけだが、他人に迷惑をかける言動は身近で体験したりすると、ほんと困るし…

  • こんな凄い80代「インディージョーンズと運命のダイヤル」

    ハリソン・フォードのラストインディージョーンズということで、これはぜひ見届けないといけないだろうと、夏休みになる前に早々見に行った。 インディ・ジョーンズと運命のダイヤル (オリジナル・サウンドトラック) Walt Disney Records Amazon 一般的な老人と比べるのがそもそも間違いなんだろうけど、あの80代は驚異的。さすがにこれまでインディがやってきたスーパーアクション的な場面は、ヒロインであり補佐的な役目も担うおねーさんが努めていたけど。 ストーリー展開は、文句なしのいつもの冒険アクションの世界観。とにかく最初から若き日のインディーが出てきて、かつてのアクションをCG技術で見…

  • 自分らしく生きていいんだなと感じさせてくれた「アメリ」と「土を喰らう十二ヶ月」の日常

    アメリは小ジャレた女性が好きなイメージだったので、絶対合わないだろうなあと思って気になりつつも見なかった。 で、この年になってようやく鑑賞して、それはそれでよかった。 アメリ [Blu-ray] ジャメル・ドゥブーズ Amazon フランス映画は途中で寝てしまう確率が非常に高いが、この映画はしっかりラストまで見れた。出てくるのは変なキャラクターばっかりで、作りもの感いっぱいで面白いのに、変な現実感も感じる。 主人公のアメリも空想好きなちょっと変わった感性をもった女の子で、変化にとんだストーリーを持った映画ではなく、彼女の独特な日常感を楽しむ映画だ。 まるで童話のような展開にも関わらず、けっこう…

  • 読みだしたら止まらないというのは嘘じゃなかった「彼は彼女の顔が見えない」

    またまた謎かけのような題名で。前作「彼と彼女の衝撃の瞬間」同様、特にストーリーとは関係ないんじゃないかと思ったが、「ああそういうことか」とすぐにわかった。彼は相貌失念という脳の障害を持っていて、人の顔が認識できないのだ。 彼は彼女の顔が見えない (創元推理文庫) 作者:アリス・フィーニー 東京創元社 Amazon そんな彼(アダム)と彼女(アメリア)の夫婦は、結婚生活に危機を迎えていた。カウンセラーの勧めもあり、2人で旅行に出かける。 それは人里離れた古いチャペルを改造した不気味なホテル。しかも、大雪に見舞われ携帯も通じない、隔絶された状況に。 この2人に起こる奇妙な出来事を中心にして語られる…

  • 人生で見逃さないでよかった映画part3「ゲーム」

    見たのか見てないのか曖昧な映画の1つ。 あらすじを読むと、見たような気がするし、マイケル・ダグラスが主演の感じも記憶にあるようなないような――てことでちゃんと見てみることにした。 ゲーム ユニバーサル思い出の復刻版 ブルーレイ [Blu-ray] マイケル・ダグラス Amazon 投資家で成功を収めている富豪のニコラスは、48歳の誕生日に弟コンラッドと久しぶりに再会する。コンラッドは兄に一通の招待状を渡す。それはCRSというゲームに参加する招待状だった。 ちょっとした好奇心からこの会社を訪ね、流れるままに一日がかりの奇妙なテストを受けてしまう。 後日、彼が車で帰宅すると、自宅の前で突然人が落ち…

  • 「M3GAN/ミーガン」を堪能してきました!

    公開中の映画「M3GAN/ミーガン」を見てきました。チャイルドプレイみたいな映画なのかと思っていたが、さすがAI、おもちゃを超えた。 M3GAN (Blu-ray + DVD + Digital Code) Unbranded Amazon 友達として遊び、教育係としてしつけをし、姉妹のようにいつもいっしょにいる存在として開発されたAIロボットミーガン。 おもちゃとしての部類に入るアイテムだったが、チャイルドプレイのチャッキーのような無邪気さはもう無い。彼女はおもちゃでも人でも無いもの。 そこがこの映画の一番の怖さでもあるのだけれど、怖さにプラスしてどこかおかしい。そうだった、AIは優秀だけど…

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