ヴィクトリア朝の切り絵作家というめずらしい職業が描かれるミステリー「象られた闇」
まず「何て読むのだろう…」と本屋で考えてしまった題名 象られた闇 作者:ローラ パーセル 早川書房 Amazon 予想が当たって変に嬉しかったこの漢字「象る」の読み方は「かたどる」 切り絵作家が主人公というめずらしいミステリー。舞台がヴィクトリア朝ということで、馬車やドレスの時代なのもよいなあと思い読んでみた。 写真というものが世に出始めたものの、魂を抜かれる恐ろしい物という認識でまだまだ人々が受けいれにくかった時代、肖像画といえばもっぱら絵画だった。 それ以外に切り絵というものも肖像画としての需要があった。主人公のアグネスはその切り絵の肖像画を生業にしている女性だ。 とはいえ、売れっ子という…
2024/06/19 17:00