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2018/12/24

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  • 「清水あかね処女歌集『白線のカモメ』(ながらみ書房・2020年)」を読む(其のⅠ)

    〇 逢いたくて逢いたくなかったひとと逢う火星が地球に近づいた夏 「逢いたくて逢いたくなかったひと」とは、この地上での恋愛関係にある相手である。作者は、その相手と地球に近づいたか生徒は違うというのであり、人間世界のの男女が、くっ付いたり離れたりする関係と、火星が地球にくっ付いて来たり離れて行ったりする天体現象とを対照化しているのである。 〇 明るければいよいよ暗む液晶を手のひらに持ち冬のバス...

  • 今日の二十余首(爺婆の徳島旅行)

    ⁅001⁆ 一睡の夢も三夜にて婆様はまた横須賀に帰ると抜かす!⁅002⁆ 徳島に一泊旅行に出掛けるがたった三日で婆様は帰る!⁅003⁆ 徳島のホテルで〇いて騙すけどたった三日で帰るぞ婆様!⁅004⁆ 騙す方も騙す方だが騙されたふりして騙す婆様も婆様?⁅005⁆ キタさんは山好きだから徳島で婆様の山に登って来たの?⁅006⁆ だからさぁ……婆様と共に徳島の観音霊場巡りを遣った!⁅007⁆ 写真では分からない...

  • 今日の二十余首

    〇 便船は午後の三時に発つと云う時間潰しに何処かへ行こう〇 三時まで時間潰しをするならばCAFEへ赴きお茶でもしたい〇 暇なれば何処か素敵なCAFEに寄り婆様と共にお茶してみたい〇 以前から気になっていたCAFEなれば「風車の丘」でお茶してみたい〇 ちゅう訳で婆様を連れて多度津市の「風車の丘」に赴く爺様〇 多度津市の「風車の丘」に立ち寄るは斯かる理由があるからなのだ〇 風通しのすご...

  • 「蒼井杏処女歌集『瀬戸際レモン』書肆侃侃房 2016年)」を捲る(其のⅠ)

    〇 ああこれは、いやなわたしだプルタブをしゅぱっと引けば手首にちって〇 ああこれはいわゆるひとつのしみじみと真昼のサドルがあったかいこと〇 青空を押して回転ドアを出る 見るものすべてに檸檬の付箋を〇 空壜が笛になるまでくちびるをすぼめるこれはさびしいときのド〇 あ、この曲、なんだったっけな、パーカーの短いほうのひもをひきつつ〇 あたしもうだめかも なんて かめパンの首・尾・...

  • まままま

    〇 マヨネーズのふしゅーという溜息を星の口から聞いてしまった〇 まんなかの頁にてのひらおしあてて糸綴じノートをひらいてゆくの〇 磨かれた駅のステンレスのごみ箱のへこみに映った今夜のわたし〇 水としおとおくはなれたキッチンのどの海の肉もパエリャにちぢんで〇 むしのいい夢だったこと豆をむくひとつぶひとつぶひとつぶひとつぶ〇 めすばとが歩いて逃げるおすばとがふくらんで追う ねむた...

  • なななな

    〇 夏草に影を落としてぼうと立つ指切りしたのにね ゆび きり〇 七色のボールペンには七本のばねがあるのでしょうね、雨〇 なにをしてもおこられるときわたくしは夢の中でもプリンをこぼす〇 (なんでわたしこんなところにいるんだろ)って夢からはやく覚めたらいいのに 〇 に、してもひざにだれかの耳をのせ穴をのぞいてみたい夜長だ〇 拝啓のつづきをひねもす考えて潮騒になる窓辺のラジオ〇 ...

  • たたたた

    〇 体温が足の裏から逃げてゆくわたしでなければうまくゆくんだ〇 縦向きの見本見ながら横向きに落ちてくるのを待つ缶コーヒー〇 たぷん、と音が胃でしてわたくしは陸橋のぼる魚になった〇 タラップをおりてゆくときてのひらをひらいた場所から雨になります〇 だってもう消えたい湯ぶねの靴下のゴムのあとをたどって〇 地球壜の画像をさがすわたくしはむかしあるところかたまりでした〇 ちみし...

  • しししし

    〇 下の名を知らないままで手を振って歩いて帰って竹輪をかじる〇 シャンプーの入った耳をとんとんと世界中をうらがわにして〇 新品の靴下につくピンセットみたいなあれを集めています〇 STAINLESS STEEL JAPANの字を見ているわたしをみつめているスプーン 〇 スポンジにふくませたみず はなびらの切手をまっすぐはるのでしたよ 〇 そうでした 秘すれば花で物干しに首のないシャツきちんとならべ...

  • 今日の二十首(雑纂

    ⁅001⁆ 論調の変わり目よそに国葬の閣議決定いそぐ政権⁅002⁆ サル痘を運搬せしは「官僚」か?「政府関係者」との報道なれど?⁅003⁆ 如何せんタマがキモいよ新参の「松野・中条・猪瀬・青島」⁅004⁆ 比例区の超2%で横並び「社民・参政・NHK党」⁅005⁆ 往時には五十数万居たけれど今は半減青息吐息⁅006⁆ 遅れたと言えど三秒!然れどもそれを論拠に奈良警批判?⁅007⁆ 胸に覚えのある奴は遊説なんか...

  • 今日の二十首(金毘羅宮の参道の石段)

    ⁅001⁆ み仏に再訪誓ってのち僕は妻に逢うため琴平駅へ⁅002⁆ み仏は西方浄土におわしまし我の眠れる夜に顕わる⁅003⁆ 駅までは車飛ばせば五分だが歩いて行けば約二十分⁅004⁆ 歩きにて金刀比羅宮へ近づくと金倉川に架かる橋見ゆ⁅005⁆ 右に見ゆる雅びな橋は金倉川に架かれる鞘橋ですよ⁅006⁆ 銅きで両妻唐破風!上屋根千鳥破風の鞘橋は国の有形文化財なり!⁅007⁆ 君んちの近くにこんな立派な橋在る...

  • 今日の二十首

    ⁅001⁆ 蔵王にはスキーに行った思い出が宿泊施設がめっちゃおんぼろで⁅002⁆ リフトから下りるタイミング失って悪童たちに笑われちゃった⁅003⁆ 吹く風に散りたる銀杏の葉を踏みて学生寮に帰った彼よ⁅004⁆ 栢の木に栢の木の葉が芽吹くころあなたに逢いに行きたい吾ぞ⁅005⁆ あんなにも観光客が来ていたがコロナ禍以来鳴く閑古鳥⁅006⁆ 唯一の顧客であった彼の孤老、背中丸めて食べてた生蕎麦⁅007⁆ ...

  • 「佐竹游処女歌集『草笛』(現代短歌社・2014年)」を読む(其のⅠ)

    〇 異端者を名告る愉悦も異端者の謗りを受けてたちまちに消ゆ 自らが異端者であるが如くに振舞って「愉悦」に浸るのは似非異端者であり、異端者の誹りを受けて怯むのも似非異端者である。 その孰れにしろ、異端者的存在として生き続けるためには、異端者としての自覚的な振る舞いが必要とされるのであるが、評者が自らを振り返り見ても、そうした自覚的な生き方をするためには、本人は勿論、周囲の人々の協力と犠牲が伴うの...

  • 「佐竹游処女歌集『草笛』(現代短歌社・2014年)」を読む(其のⅢ)

    〇 のぼる日に朝の大気はゆるみたり正方形に薔薇はひらきぬ〇 ヒグラシを聞かせてをりぬ魂を運ぶ舟なるわがししむらに〇 皮膚に皮膚重ぬるときにつぶれたる空気小さき声をあげたり〇 冬枯れの欅の枝と枝の間金糸のごときものかがよへり〇 星冷ゆる夜には君と野兎のやうにひとつになつてねむれる〇 ほそき頸なげだしねむる猫の仔をくづさずにわが膝よりおろす〇 頬と頬ふれつつわれら眠りけり魂...

  • 「佐竹游処女歌集『草笛』(現代短歌社・2014年)」を読む(其のⅡ)

    〇 さまざまなわれを束ねてわれはあるわれのひとりが草笛を吹く〇 思想にも鮮度はありて三年(みとせ)前買ひし評論すでに古びぬ〇 してるのにしてないふりをしてゐてはしてゐることをしかと語れず〇 詩のこころ乏しきわれに神は見す夕空を焼く銅の雲〇 死へ死へと駆け出しさうになるわれをリノリウムの床に捩ぢ伏せてゐる〇 食卓に皿ならべゆく朝の日をひとりびとりに頒たむがため〇 順接の接...

  • 今日の二十首(浄土真宗本願寺派・仏厳寺にて)

    ⁅001⁆ 仏厳寺の池に咲いてる古代蓮の元気の無さがとても気懸り⁅002⁆ 塀沿いの溝に滅茶苦茶咲くはずのピンクや白い花が咲かない⁅003⁆ 古代蓮の花はもちろん心なしか花托も何故か元気無さそう⁅004⁆ 茶色くて丸い花托は澱粉を豊富に含み食用に帰す⁅005⁆ 食感はトウモロコシの如くにて食物繊維を多量に含む⁅006⁆ 「カルシウム・カリウム・ビタミンⅠ」などと栄養豊富な蓮の花托よ!⁅007⁆ 住職の話に...

  • 今日の数十首

    ⁅⁆ 体調がすこぶる良いとは言えぬけど一時的なる気鬱にあらむ⁅⁆ 婆様に心配させたくないからと元気なふりをしてる爺様⁅⁆ 実家にて母の介護をしていたが爺様の様子が気になる婆様⁅⁆ 爺様のからだ気遣い婆様が七月三日に粟島に来る⁅⁆ 母親の介護を止めて婆様が七月三日に粟島に来る⁅⁆ 婆様はベターハーフの爺様の身をば案じて粟島に来る⁅⁆ 爺様の健康気遣う婆様の顔の皴など気遣う爺様⁅⁆ 婆...

  • 「『日本の美しい花暦・一年中楽しみたい』(三才ブックス・はままっぷ」を読む

    〇 ネモヒィラの爽やかさうな絨毯の上でダンスをするチューリップ (香川県・国営讃岐まんのう公園)〇 建物とチューリップとがマッチしてドイツの田舎のやうな優しさ (岡山県・岡山農業公園ドイツの森)〇 ムスカリとコラボしてゐるチューリップ!いろんな色のおべべが素敵! (東京都・国営昭和記念公園) 〇 山茶花は公園などの身近なる場所で見らるる有り触れた花 (富山県・富山県中央植物園)〇...

  • 「岡部桂一郎遺歌集『坂』(青磁社・2014年)」を読む(其のⅠ)

    〇 青梅のひと日ひと日を太りゆく九十を過ぎて判ることある〇 あしたより雨ふりつづく森のみゆ終るいのちをわれは疑う〇 頭から尾までの遠ささびしからん曇りのしたを縞蛇およぐ〇 あの坂をのぼって家に帰りたい 汽笛がぽーっと鳴っている坂〇 あの坂を登って由紀子が帰るなり枯れたすすきが揺れいるところ〇 雨よりも雪に感情あるごとくわれに向いて雪ふりやまず〇 生き死にのことにふるるな...

  • 「岡部桂一郎歌集『竹叢』(青磁社・2007年)」を読む

    〇 あおあおと一月の空澄めるとき幻の凧なか空に浮く〇 飴ン棒口にくわえて幼かるわが過ぎし日のまた還り来よ〇 大いなるガラスに向かいあゆむわれ 映り近づき静かに消えぬ〇 掛け違うつぎのボタンを探す手のしばらく遊びいたる暗がり〇 「かなかな かな」死はなつかしき声で鳴く 近づきてまた遠ざかりゆく〇 「黒龍」の五勺の酒を呑みしかばほのぼのとして街をゆくかな〇 五時すぎの道に現...

  • 「岡部桂一郎第四歌集『一点鐘』(青磁社・2002年・著者八十七歳)」を読む(其のⅤ)

    〇 俳諧はこれもと人の喜笑により出でし思えば立ちあがりけり〇 白鳥座に一つの星の潰ゆとぞ読みたるのちの二夜また三夜〇 箸そえて皿にのりたるいなり寿司麻の実まじるいなり寿司これ〇 春風になびき仰向く竹群は青しなやけき幹の集まり〇 馬鈴薯と南瓜ひとつの籠にあり仲良くあらず自然豊けし〇 不思議なる音して去年の雪が降るきょーん、きゃーん、きゃーん、きょーん〇 浮遊する感じの白き...

  • 「岡部桂一郎第四歌集『一点鐘』(青磁社・2002年・著者八十七歳)」を読む(其のⅣ)

    〇 大正のマッチのラベルかなしいぞ球に乗る象日の丸をもつ〇 立ったまま笑いころげる葱坊主黙って風の通る葱畑〇 短針を静かに追いて長針の重なる時に人の吐息す○ 近づけば見えなくなるぞ伝説に立つ木はさびしその名箒木○ 竹林に立つ竹の精ことごとく垂直をせり鴉鳴きたり○ 定型の古びし紙に躍り出よ月夜の蛙,雨夜蟋蟀〇 手に触れし涙のしずくあるように月の雫はゆずり葉の上 ○ 東名高...

  • 「岡部桂一郎第四歌集『一点鐘』(青磁社・2002年・著者八十七歳)」を読む(其のⅢ)

    〇 逆立ちをすれば頭に血がのぼる両の手のひら大地支えて〇 里芋の畑の上に月が出て逝きたるものはもう帰らない〇 渋柿の皮をいくつか剥き終えてその親柿の枝にかけたり〇 種は土に落ちて育ちしそのところ杳き記憶を故郷という〇 「主よわれを憐み給え」オルガンの楽佇ち聞けば心荒れゆく〇 しんかんという音なれどわが心しんかんという月の音きく〇 しんかんとせる身めぐりのほの暗さ畳に落ち...

  • 「岡部桂一郎第四歌集『一点鐘』(青磁社・2002年・著者八十七歳)」を読む(其のⅡ)

    〇 顔映る鏡の奥の伐木の音のかすかにこだましている 〇 柿の木を人来て切れり柿の木の影がのこった日曜の塀〇 かすかなる冬の愁いはふるさとの泥の干潟に日を拝む蟹〇 紙きれをいたぶりながら引いてゆく風立ちにけりこの路傍感〇 黄の蝶が来たりて遊ぶ単線のレールは深きトンネルに入る〇 今日かぎり精一杯の表情に赤々燃ゆるダルマストーブ〇 首長きガラスの瓶の立つ窓に藍いろふかき空し...

  • 「岡部桂一郎第四歌集『一点鐘』(青磁社・2002年・著者八十七歳)」を読む(其のⅠ)

    〇 生死のけじめはないよなんとなく猫いて大き満月が出る〇 一円のアルミの硬貨落ちている畳の冬陽路傍のごとく〇 一合のコップに酒の盛りこぼれ受け皿浸すときの豊かさ〇 一枚の葉書をかいてポストまで 大きな春があとついて来る〇 一輌の貨車切り離されて遠ざかる枯野の夢はなお続くなり〇 いつしかに枯野にしずか囲まれて身うごきできぬ車見えおり〇 浮き浮きと団扇うちわ太鼓の音きこゆ皇...

  • 「岡部桂一郎選集『鳴滝』(短歌新聞社・1981年)」を読む

    〇 えらいこと何もでけへん お情けで生きているねん わい乞食やねん〇 構造の奥よりあまた紙きれの風に舞いつつ道に出てゆく〇 人類も平和もくそもあれしまへん木の浦部落夏の夕ぐれ〇 大師橋界隈昼にさしかかり一玩具店愁いみちたり〇 手のひらを反せば没り陽 手のひらを覆えば野分 手のひら仕舞う〇 のびあがる沖の白波悲しむなここ余部のあかつきの雨〇 春の風通りてゆけば紙袋おもむろ...

  • 「岡部桂一郎第二歌集『木星』(木馬社・1969年))」を読む(其のⅡ)

    〇 寒々とぬれたる木立 物質の重さたたえて暁にたつ○ 沈む日を見つむるなかれ魂焦げる匂いはげしき冬の野なれば〇 障子に電柱の影さしているわが四十の昼さがりにて〇 上空より撒かれしビラをひろう手よ見さだむるごと機は旋回す〇 ただひとつ昏れゆく心ぽったりと土に椿のくれないは落つ○ たなびける夕鱗雲この部屋にコードつたいて電燈ともる〇 大寒のにごる日の昏れ思わざる地下の穴より電...

  • 「岡部桂一郎処女歌集『緑の墓』(白玉書房・1956年)」を読む(其のⅡ)

    ○ しばしばも来る夢にしてまおとめの乳に針刺すわがおこないよ○ 銃殺の音ならなくに落つる日が野の上に低くとどまれるとき○ 数条のレール光れる暁の薄明のなか紙ひとつ飛ぶ○ 砂の上に濡れしひとでが乾きゆく仏陀もいまだ生れざりし世よ〇 戰いの痣を額にして悲しかる面短躯の人土に立つ〇 ただれたる沒り日の空に梯子たてり色人のわれはれて〇 鳥獣の声も絶えたる現生に山々そびゆ新しき物質と...

  • 「岡部桂一郎処女歌集『緑の墓』(白玉書房・1956年)」を読む(其のⅠ)

    ○ 哀恋はまたかえらめや薄明を街路樹に沿い緋の自動車くる〇 色のコスモポリタンとなるなかれくらがりに灼けし鐵の匂いする〇 うちむかうベアトリーチェにあらなくに陰の柔毛とわが暗き影と〇 うつくしき心をもてる人々にま白き飯は喉くだりゆく○ 愁いおびし灰色の壁つらなりてくれないに塗りしドラム罐ある〇 おさな子の声のする窓ものきざむ窓みな灯るとき無縁なり〇 おどおどと夜のランプが...

  • 「川俣水雪処女歌集『シアンクレール今はなく』(静人舎・2019年)」を読む(其のⅠ)

    〇 紫陽花は今年も咲けどいま在らば七十歳の高野悦子よ 高野悦子は、1949年1月2日栃木県那須郡西那須野町(現・那須塩原市)で出生。西那須野町立東小学校、西那須野町立西那須野中学校、栃木県立宇都宮女子高等学校を経て、立命館大学文学部史学科日本史学専攻に入学する。3年生だった1969年6月24日未明、山陰本線二条駅―花園駅間で上り貨物列車に飛込み死亡した。 死後、20歳の誕生日から自殺にいたるまでの内面の葛藤を...

  • 「片岡絢処女歌集『ひかりの拍手』(柊書房・2009年)」からの抜き書き

    〇 朝のホームに並ぶサラリーマンの顔死んだあとよりつまらなさうな〇 クレームの電話やうやく片付けて疲れた人がこつちを見てる〇 仕事終へ駅までの道わたくしが居なくても在る街が広がる〇 死んぢやつてからでは遅いお土産に今日はケーキを買つて帰らう〇 「住民票一通三百円です」ともう千回は言つてるだらう〇 地下水が雲となり雨となるやうにゆるやかに我らまためぐり会へ〇 なぜかまた怠...

  • 「片岡絢第二歌集『カノープス燃ゆ』(六花書林・2022年)」を読む(其のⅠ)

    〇 愛されてゐたのだずつと陽は照らす気付かなかつたわたしを照らす〇 赤ん坊の小さな服を陽に干せり 大きくなあれ 大きくなるな〇 あぢさゐの奥へ奥へと入りて思ふ 婚姻制度はばかみたいだな〇 あの人といふより私をみるときのあの人の目に会ひたいだけだ〇 会へずとも君の姿は目の裏に印刷されてゐるのだと言ふ〇 哀れなり片手に握るこんな板が君の言葉でひかるのを待つ〇 いたみもて世界...

  • 今日の四十七首(哀悼!安倍晋三元総理大臣!)

    ⁅001⁆ 一昨年(おととし)に凌霄花の剪定を手抜きしたのはコロナ禍の所為?⁅002⁆ 二階家の屋根まで延びた凌霄花(のうぜん)の枝払いには難渋したぞ!⁅003⁆ 爺様がサボった所為で延びたのだ!「難渋した!」とはご挨拶だね!⁅004⁆ 本年は島に到着して直ぐに屋根まで伸びた枝を払った⁅005⁆ 太枝を断ち切ったから脇枝が下屋の屋根へと延びて行ってる⁅006⁆ 脇枝が葦簀代りになれば佳し!夏の陽射しを遮る為...

  • 「『相良宏歌集』(白玉書房・1956年)」を読む

    〇 相眠る墓をねがひし愚かさの白じらとして夜半にさめをり〇 相病みて我より広く生きしさへ淋しき春の霙みぞれふるなり〇 暁にさめつつ思ふ君の死を緩衝として保つ生命か〇 脚あげて少女の投げし飛行機の高きコスモスの中にとどまる〇 淡あはと霙に白む窓の下つめたき耳をしきて眠らむ〇 暗室の厚きカーテンに身を支ふ人に馳せ寄る君のこゑなり〇 生垣の高きに沿ひて去る見つつはや恃めなき思...

  • 今日の一首

    〇 笹の葉はさらさら風にそよぐともいまさら婆と共寝などせぬ! 鳥羽散歩〇 七夕の笹の葉さらさらさやぐとも吾はさらさら君に背かず ...

  • 今日の十五首(七夕参院選)

    ⁅001⁆ 元凶はアベノミクスだ!スガだとかホソカワなどはアベの僕(しもべ)だ⁅002⁆ 「身を捨てて国と国民護る」など法螺こく者は全て政治屋⁅003⁆ 己が身を捨ててしまえば国民の命護れる筈もなかろう⁅004⁆ 比較していくらかマシな候補者の名をば記してポトンと入れむ⁅005⁆ 最善は存在しない!だからとて危険をせずに投票しよう!⁅006⁆ 「立候補するような者には投票したくない」と云うのも...

  • 今日の三十三首(「庭の千草」) 本暁改訂!讃岐国を含む日本全国、大公開! 乞う!ご高覧!

    ⁅001⁆ ベル型の可愛い花を下向きに咲かせているのはスノーフレーク!⁅002⁆ 下向きに花を咲かせて男性を騙すつもりか?スノーフレーク!⁅003⁆ 男なら誰も自分を可愛いと云ってくれると思いあがんな!⁅004⁆ 可愛いか可愛くないかはあくまでも主観的な判断なんだ!⁅005⁆ 赤いから毒々しいか?白いから可愛らしいか?差別をするな!⁅006⁆ 赤帯を巻いた男と黒帯を巻いた男が畳の上で!⁅007⁆...

  • 「片岡絢処女歌集『ひかりの拍手』(柊書房・2009年)」からの抜き書き

    〇 朝のホームに並ぶサラリーマンの顔死んだあとよりつまらなさうな〇 クレームの電話やうやく片付けて疲れた人がこつちを見てる〇 仕事終へ駅までの道わたくしが居なくても在る街が広がる〇 死んぢやつてからでは遅いお土産に今日はケーキを買つて帰らう〇 「住民票一通三百円です」ともう千回は言つてるだらう〇 地下水が雲となり雨となるやうにゆるやかに我らまためぐり会へ〇 なぜかまた怠...

  • 今日の一首

    〇 伊勢辰の千代紙買うて欲しいけどお家びんぼで買うてくれへん 鳥羽散歩〇 父ちゃんは喧嘩ばっかりしてるけど元は真面目な職人だった〇 六畳に親子三人暮らしてる父と母とは同じ布団だ〇 ねえ、あんた!美智子が目を覚ましてる!だから止めよう乳繰り合うの!〇 覚めてても覚めてなくても目を瞑り知らんふりして居るんだからね!...

  • 百首歌ヘのアプローチ(『鬼灯提灯殺人事件』編) 讃州限定大公開! お代は読んでのお楽しみ!

    ⁅001⁆ 婆様が職場放棄し母を棄て久方ぶりに島に來るとか?⁅002⁆ 骨折の母の介護に厭きたから夫(つま)の介護をしたくなったか?⁅003⁆ 来島は物見遊山と心得つ爺の気持を斟酌せざる⁅004⁆ 粟島の独り暮しが楽しみの夫(つま)の気持ちに逆らう帰島⁅005⁆ スケバンのミハラジュンコも泣いている「当てにしていた二票が失せた」⁅006⁆ スケバンの応援演説するなんて!前の総理のスガヨシヒデ氏!...

  • 今日の100首(四回目したか読者子?) 執筆途上!

    ⁅001⁆ 四回目したか皆さん?僕はした!〇接ではないワクチン接種! ⁅002⁆ 皆さんは四回目をもう済ませたの?〇交ならぬワクチン接種!⁅003⁆ 済ませたか。皆様方は?あれよあれ?参院選の期前投票!⁅004⁆ 我が国の二大商社も出資する「サハリン2」の譲渡命令?⁅005⁆ 香港は「中央による全面的な統治権を堅持すべし」と?⁅006⁆ 一月にしたばかりなのにまた値上げ!ヤマザキ製パン音を...

  • 「松村正直処女歌集『駅へ』(ながらみ書房・2001年)」を押し入れの底から掘り起こして(其のⅠ)

    〇 ああ君の手はこんなに小さくてしゃけが二つとおかかが三つ 「鮭おにぎりが二つ」と「おかかおにぎりが三つ」、しかも、彼女の掌が極めて小さかったから、彼女が握ったおにぎりも極めて小さいやつだ! そんな小さくて貧しいおにぎりでも放浪生活を続けて来た彼にとっては、とってもとっても嬉しかったに違いない! その気持ち、こんな僕にだって分かりますよ!〇 明け方の淡い眠りを行き来していくつの橋を渡っただ...

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