煩く、暑かった庭から、涼しい邸の中に入る。邸の全体を空調が効いていて、外から戻るとスッとする。道明寺邸は、勿論と云うか、廊下や厨房の細部まで、空調が効いている。あぁ~、身体が生き返る。ずっと太陽に曝されていたのだから、たまったもんじゃない。捲っていたブラウザの袖を下げる。『暑いので、30分置き位には交代して下さいね』等と言ってくれるが、そんな事は出来るわけがない。何故って?いつ、何時(なんどき)危険...
「…若奥様、みのり様ならここですよ。どうなさいました?」みのりはエアートランポリンの脇で使用人の一人に抱き抱えられていた。みのりは、少し赤い顔をして咳き込んでいる。噎せているように見えるけど…。あたしの姿を見るなり、「まんま~~!!」と泣きながら、激しく咳き込んだ。「まぁまぁ、お咳が出てしまいますね」使用人はそう言いながら、みのりの背中を軽く擦る。やっぱり、噎せているように思える。あたしだって、普通...
「…何か、ニオイますね…」桜子が美しい顔を歪める。今、つくしと桜子は道明寺邸の庭の一角を、子供用(?)のプールで占拠しているのだ。足でシャカシャカと空気を入れて膨らませる事なんて到底できないような超巨大サイズ。(家庭用ではないと思われる)ウォータースライダーやエアートランポリンまで付いている。(どう見ても、日本の
ま、眩しい…。というか、暑い…。思わず、窓のカーテンを閉める。(朝、起きれるように、あたしの頭上にあるカーテンは何時も開けている。因みに、ここには人が出入りしない所だからね)たぶん、6時を少し過ぎたかな?置時計で確認。(文字盤にダイヤとか、サファイアが埋め込まれているらしいんだけど、見にくいのよね)はずれた…。5時53分ごろだった。あ~、もう少し眠りたいわ…。今日は土曜日だし、司は…。横を見る。可愛い…。見...
「つくし、このタマがいない間、変なものを口にするんじゃないよ」「大丈夫ですよ。タマさん…。子供じゃないんですから…」大きな声できっぱりと言い切れないのが何とも…。「分かるもんかい。お前さんは自分の限界を弁えてないからね…」そう言われて、つくしは首を竦める。まぁ、昨日の今日だから仕方がないか…。(別に変な物を食べた覚えはないけどさ…)昨日の夕飯時は頭が朦朧としたのと、吐き気が襲ったのよね…。吐かなかったけど...
夕食はあたしと子供達の三人だった。ここ最近のいつもと同じだもの。寂しがることはないわよね?司はきっと忙しいに違いないんだから…。そう自分に言い聞かせる。でも、子供達はそんな事は考えないよね?当たり前か?それが普通よね…。「パパ、帰ってこないの?」「来ないの?」ひいろの質問に、みのりが空かさず被 せてきた 。「今日も一緒にいられると思っていたのに… 」「みぃちゃんも~」新庄さんから、一緒に食事は取れない...
『つくしちゃん、ゴメンね。つくしちゃんが疲れているって、タマさんから聞いていたんだけど…』「あたしですか?昨日、今日と体調は万全です。というか、あの時は心配させてすみません」司が出社して暫くしてから直ぐに、プライベートルームに牽いている電話にお義姉さんから連絡が入った。『何、謝っているの?義妹を心配するのは当然でしょ?』パーティーで意識が朦朧とした後からはタマさんがあたしにベッタリと張り付くように...
今日の朝は何時もよりゆっくりと感じられた。そして、幸せな時間に充ち溢れていた。いつもは毎日朝から動き回り、あっという間に家を出る時間になる。ひいろは英徳の幼稚舎に。みのりは道明寺ホールディングスの社員達向けに開園した保育園に行く支度をしなければならない。(あたしの会社のマンションの一階に開園してるの!)勿論、自分の支度も。仕事をすることを選んだ。自分で作り上げた会社から、すんなり身を引く事ができなか...
コンコン重厚な扉の向こうから扉を叩く音。司が入室の許可を下す。暫くしてから、黒淵眼鏡をかけ、髪の毛をきちんと七三に分けた男が入ってきた。「失礼いたします」司は持っている書類から目を離し、男をチラッと見てから、また書類に目を移した。男が話す前に司が話しかける。「西田…。お前の今の顔からして、
司は黒いストレートの艶のある髪を指に絡めている。 髪を絡め取られている女性は司を見て、少しだけ口を尖らせるも、微笑みを絶やすことはない。それどころか、司の耳元で何かを囁いている。司は話を聞きながら頷き、微笑みを返している。凄く楽しそうに笑い、相手の顔に指を指し、何やら、からかっている風に見える。実は今、司の両脇には美しい美女が二人佇んでいる。司も美しいという形容詞が似合うが、両脇に佇んでいる二人の...
「司…?」 凄く驚いたのだろう。つくしは、大きな瞳をさらに丸くしている。俺をじっと見つめるつくし。大きな瞳がまた潤んできた。瞳に涙を湛えながら、微笑んでいる。平坦ではなかったこれまでの道のり。きっと、つくしも俺と同じような想いを懐いたのだろう。暖かく、少し甘酸っぱい風が二人の間を流れる。そして、そのまま見つめあい二人でしっかりと手を取り合い…。って、そんな風になると思うだろ?現実は少~し、いや、だい...
只今、家族揃ってのランチ。俺たちが作ったポテトサラダ。(レシピはつくし特性の作り方。しっかりと子供達も受け継いでいる)昨日貰ってきたチャーシューで作る、チャーシュー丼。メンマと白髪ねぎ添え。きゅうりとトマトのカクテルサラダ。アサリの味噌汁。子供達と(うちのシェフも)考えたメニュー。白髪ねぎとかアサリの
お父様…違うって…お母様は…いつもはね…クスクス…パパったら…ママが怒るよ…アハハ…今、何時だろう?いつもなら、頭上にある出窓のカーテンは開けており、太陽の光が差し込むことで身体を眠りから覚醒するようにしていた。今朝はガーデンをしっかりと閉め切り、太陽の光を遮断していたのもあってか、覚醒しきってない。いや、カーテンだけのせいだけではない。司の意識が少しでも覚醒仕掛けると、身体を引き寄せられた。
ようこそおいで下さいました( 〃▽〃)朝起きて携帯を見ると、ログインできな~い(/。\)と萎れそうなメールが…。モヤモヤは身体に良くないですよね?これなら解読可能となるはずです(σ≧▽≦)σつくしちゃんの飲んだカクテルは
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