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つくつくにっし http://tukutukutukutuku.blog.fc2.com

「花より男子 」の二次小説です。つくしと司の未来予想をふわりと書いております。

えりりん
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2018/08/23

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  • http://tukutukutukutuku.blog.fc2.com/blog-entry-180.html

    マキノ!いたいた。ここで待ってろ。いいな?キャ~!何々?今の人って、F4じゃない?ねぇねぇそうでしょ?マキノさん?…そう。そう答えて、首を少し傾げた。体が何だかくすぐったい。今、声をかけて来てくれたのは、F4の一員である美作さん。一つ年上で先輩でもあるこの美作さんがわたしと彼を結び付けてくれたの。この人のお陰…。お知り合い?そうなの?羨ましいわ〜。そんな風に言ってくる者もいる反面、フン!ただ遊ばれている...

  • 募る思いは誰に届く7

    司と三澤を乗せた高級車は滑るようにエントランスに入り込んだ。三澤はタブレットから少しだけ目を離し、隣を見た。ゆったりとした後部座席のシートの隣には眉間に皺を寄せ瞑想をしている男の姿。三澤はタブレットをパシッと仕舞い込み、瞑想を続けている司をじっと見た。「旦那様もお嬢様方とご一緒にホーム・メイドのお菓子をお作りになられてはいかがでしょうか?」三澤の言葉にギョッとしたように目を見開いた後、瞬時に目を細...

  • ぽかり

    ぽっかりと心に穴が空いてます。こんな風に自分がなるとは思いもしてませんでした。その日は午前中の仕事を終え、可愛い子猫ちゃんたちを何時もの場所に送り届ける日でした。ほんの少しだけと思い、駐車した車の中でうたた寝してました。スマホのタイマーをかけて、15分だけと思って。タイマーの時間になり鳴り響いたスマホのアラームを覚醒しきれてない体でスライドさせたんですね。あと5分だけ…そう思って、そのまま再度目を閉じ...

  • 募る思いは誰に届く6

    司を乗せた高級車は道明寺邸の高い平垣に沿った道を進んでいた。「つくしが目を覚ましたとの連絡はまだ入ってないな?」「はい。まだ、入っておりません。お嬢様方はすでにお菓子作りに取り掛かっているそうですが」「…そうか」司は車内の天井を見つめながらそう答えた。そんな司を見た三澤は、右耳に付けているイヤホンを外して、隣に座っている司の方を見た。イヤホンからは仕事のことからプライベートのことまでの幅広い情報が...

  • 募る思いは誰に届く5

    道明寺邸の広大な敷地の周りはもちろんだが、塀で囲まれている。そして、その塀の内側は道路の街路樹宜しく大きな木々が屋敷を更に囲っているのだった。邸まではまだ距離があるというのに、その木々たちの青葉が建物の隙間から見えてきた。西門邸を出てすぐの頃は、運転手を交えて少しばかりの会話をした。その後はと云うと、とりわけ何を話すわけでもなく各々の役目を遂行していた。運転手は快適な運転に従事していた。司は座り心...

  • 募る思いは誰に届く4

    西門邸の門から司と三澤が出てきた。運転手は満足そうにしている司の顔を見て安堵した。きっといろいろな事が上手くいったに違いない。道明寺邸から出発したばかりの頃の二人はピリピリしていたものだ。その時は司が発する圧倒的な負のオーラで車内が充満していた。お嬢様方が邸を訪問すると聞いてからは、車内の空気が和らいだ。今の旦那様の体からは圧倒的な負のオーラは感じられない。まぁ、完全に払拭されているとまではいかな...

  • 募る思いは誰に届く3

    道明寺邸を出発してから10分ほど経った。数十メートルはある平垣に沿って車を進める。暫くすると、大きな門が見えてきた。門の前には西門の御弟子さんが待機しており、道明寺の車列が門に到着すると、一礼をして出迎えた。「夫人は西の棟におります。案内いたします」そう言うと、弟子は正面玄関口ではなく、大きな庭の方へ足を向けた。西の棟は総二郎が中学生の頃から使っているところで、完全なプライベートエリアだ。玄関口には...

  • 募る思いは誰に届く2

    朝の太陽の柔らかな光が降り注ぐ窓越しに腰掛け、巨大な家族写真を愛しい眼差しを向けている。そう思ったのも束の間、使用人がコーヒーをテーブルに置く頃には、先程の表情とは大分異なり、恐ろしく歪んだものに変化していた。この写真を眺めながらこのような表現をすることがあっただろうか?三澤だけでなく、周りにいる使用人たちも、司の怒りとも恐れとも言い難い苦悩の表情をなぜするのか分からないでいた。「おい、車の用意は...

  • 募る思いは誰に届く1

    「俺だ。西門家にこれから訪問すると伝えろ」

  • えりりんこのにっし*負けんなよ急げぇ

    皆さんお久しぶりです。世間ではコロナだ、何だと世間を引っ掻き回してます。えりりんもコロナくんに引っ掻き回されている人間の一人でございます。きっとコロナくんは、『ニシシシッッ。人間め~、どうだぁ~?驚いたか~?!』って、高笑いしているんでしょうねプンプン(  ̄ー ̄)ノえりりんは気のおけないお仲間たちと久しぶりLINEでトーク。『集まる?集まっちゃう?』『いいね~』『ストレス溜まりまくりだよ~』『キュウキュウし...

  • チョコレートはセピアに染まる(後編)

    司はあたしが寝ている間にいつの間にか出掛けていたらしい。「すんげぇ匂いだな」甘い食べ物が苦手な司はそう言って苦笑している。なぜか手にはワインを携えている。「買って来ましたの?」「ひいろに云われたシャンパンを買ってきたぞ」手に持っているシャンパンを高らかに掲げる。「わざわざ、司が買ってきたの?」思わず聞いてしまった。…へぇ。いつも何か欲しいものがある時は邸の者に頼む司がねぇ?あたしの問に、司は少しだ...

  • チョコレートはセピアに染まる(中編・つくしへの癒し)

    目覚めてから、先程の恐ろしい出来事は夢だと分かった。ひいろとみのりも無事だという事も。それでも、溢れだす涙が止まらなかった。きっと、少し疲れているのだと、どこか冷静なあたしは自分に言い聞かせる。司はそんなあたしを慰めようと身体を擦ってくれる。司のあたしを見る瞳はどこまでも優しく、夢で見ていた冷徹な様相はまるで感じられない。それはいつもの司で、いつもあたしに仕掛けてくる手の動き。大きな手のひらで撫で...

  • チョコレートはセピアに染まる(前編)

    つくしは、実家のマンションの階段を上がった。その階段は少し急配になっている。コンクリートの階段を上がり終えると視界が開け、左手に隣のマンションが見える。そのマンションの三階には同じ年の頃の女の子がいて、顔を会わせると挨拶をしたりしたものだった。マンションは今や改装されていて、クリーム色だった外壁は少しダークなグレー色に塗り替えられている。そういえば、ここに来ても、その彼女の姿を見かけることがなくな...

  • えりりんこのにっし*チョコ・チョコしてる

    皆さんの、一番の鬼さんは誰でしたか?つくしちゃんは幾つになっても受難(?)が続きますねぇ?まっ、皆さんもそれを期待(?)してますよね?そんな事を言ってるとつくしちゃんがキャンキャンと怒りそうですけどね。しかし、早いもので二月も半ば。あっという間に、バレンタインデーですよ。うほっ~い!!(えりりんはチョコ大好き(#^.^#))ところで、天使ちゃん、神さんたちは誰かにチョコを渡しますか?えりりんはですね。この祝日...

  • さて、鬼は誰でしょう

    「ねぇねぇ?豆を撒くのと、鬼になるのとどっちがやりたい?」つくしは男性陣に向かって声をかけた。声を掛けられた男性陣のうち、一人を除いた二人は揃って同じ事を同時に口にする。「「どっちもやりたくねぇ」」祝日の昼下がり。冷たい風が頬を掠めるも、太陽の光が照らすことで、寒々とした空気を暖かいものへと変えている。つくしは急ぎ足で白を基調としたモダンな造りの建物に入った。八畳ほどのスペースに小さなカウンターが...

  • えりりんこのにっし*司くんどうだった?

    お越し頂いている天使ちゃん、神さんたち、司くんのバースディスペシャル小話はどうでしたか?誕生日の主役は勿論司くん。それなのに、話の全編で鍵を握っているのはあきらくんという内容でお送りしました。題名をあれやこれやと考えていたらですね…。あっ、誕生日だけど司くわを出演させないってのはあり?司くんとつくしちゃんのラブラブなバースディ話じゃないけど?まっ、いいか?許してね~❤️ってね。とまぁ、ちょっぴり(?)...

  • 主役は俺様だぞ?!(後編)

    麗しい女性がビーチチェアーに腰掛け、トロピカルジュースに手を伸ばす。その女性は、目の前で繰り広げられている出来事に苦笑していた。カラフルな水着に身を包んだキュートな親友たちが、様々なポーズで写真を撮られているからだ。このプールは大河原家の所有するリゾート型の宿泊施設に併設されているプール。大親友となった女友達四人で来ている。いや、無理矢理連れて来られて、滋が用意した水着に着替えさせられていると行っ...

  • 主役は俺様だぞ?!(中編)

    「せ~んぱい。どこに行くんですか?」?!!「うおっほ~い。…あぁ、もうビックリした…」目の前には前髪を綺麗に横に流し、睫毛の一本一本の先端にまで手入れの行き届いたとびきりの美女が、つくしに向かって微笑みかけていた。「…桜子か。あぁ驚いた…。授業終わったの?」「えぇ。先輩の受ける講義も終わりましたよね?どこかで先輩の話を聞きましょうか?」整い過ぎるほどの綺麗な顔で心配そうに見つめられる。「えっ?何々?あ...

  • 主役は俺様だぞ?!(前編)

    英徳学園大学にある一番の広さの大講堂。その講堂では学園経済・経営学部の講義が行われている。人気のある教授の講義だからなのか、あるいは受講する側に別の思惑があるからなのか、この曜日のこの時間の講義には取り分け多くの人が集まってくる。講義を受ける学生は携帯電話の電源をマナーモードにするのは礼儀というか、当然の行為だというのに、講義が40分を過ぎた頃に、一人の携帯電話が鳴り響いた。ジリジリジリジリジリジ...

  • えりりんこのにっし*再びやっとこさ

    皆様、いかがお過ごしでしたでしょうか?お正月のお話をあげた後、全く活動出来ず…。はぁ~何だか、お忙しくなったのですよ。お疲れサマーが夜になるとグワァーンとやって来てですね。すぃ~と睡魔に襲われてですね。そうかそうか、睡眠時間もさぞかし少ないのか?う~~ん六時間は死守してますけどね…。頭の中がホケ~としてしまってですね…。それでですね。『願い事』はこれにて一先ず終了とします。えっ?そうですよ。旧作では...

  • 願い事43R

    花より男子の二次小説です。ど素人の作品ですが、よければ遊びに来てくださいませ

  • 前髪の決まり手(後編)

    あたしの顔を覗き込む麗しい青年。困り果てたあたしの顔を見てとても可笑しそうに笑う。「る、類~?…うん、もう…」あたしは少し頬を膨らませ、ちょっとだけ睨む。あたしのその仕草に、ますます笑いが止まらなくなっている。クックックッおかしなもので、類が相手だと笑われているというのに全くイヤな気持ちがしないんだな。これが…。それでも、笑いを止めさせるために少しだけ恐い顔を作って話しかける。「本当に止めてよ…。急に...

  • 前髪の決まり手(中編)

    本当に妙な空気感。浅井百合子の一言は本来なら、言われたあたし自信が嫌悪感を抱くのが普通というか、当然。なのに、あたしはと云うと全くその通りと、むしろ感心してしまって、無意識に頷いて微笑んでいたらしい。「さすが、牧野さん。懐が広いですわ。とんでもない失礼な発言でもその様に心から微笑まれるのですもの。ねぇ?皆さん?」リーダーがあたしに向かって小鳩のような拍手を送りながら近づく。(学部が違うから名前がわ...

  • 前髪の決まり手(前編)

    今日の前髪は?家から出る前に自身の身だしなみをチェックするために鏡の前に立ってみる。う~ん…これで…よし!前髪が直ぐに決まってくれるとテンションあがるよね?もう一度鏡を覗く。うん!これでオーケー。鏡のあたしに笑いかけてみる。『今日一日良いことがありますように』って。最近は自分自身にお願い(?)するんだ。う~ん、何か違うか…。願掛けみたいなものかな…?そうするとね。何か良いことが起きるような気がするからさ...

  • えりりんこのにっし*やっとこさ

    明けましておめでとうございます(〃∇〃)まだ、ギリギリセーフですかね?今年のお正月は皆さんはどんな風に過ごしましたか?えりりんは、久しぶりに長い休暇をとれましたよ。本当に今年は絶妙な日にちでしたよね?!えりりんと同じく、長~~いお休みを満喫していた天使ちゃん、神さんがいたことでしょう。えっ?そんなに長い冬休みなら書けたはず?そうですな。おっしゃる通りですよ。時間はあるが、体は一つ。えりりんは、せっせ...

  • クリスマスは大混乱(後編)

    遅くなったけど、あれから道明寺家のちょっとしたゴタゴタはどうなったのか皆さんにお話しますね。ほら、今年のクリスマスは雪が降るような寒さになることはなかったでしょ?その為かどうかは分からないけど、今後数年うららがサンタクロース神話を維持する為の重大な鍵の一つになったのよね。「サンタクロースがママとパパにプレゼントを渡していたんだよね?」あたしにこっそりと話してきた。うららの言葉を受けて、ひどくビック...

  • クリスマスは大混乱(中編)

    コロニアル調の宮殿を思わせる大きな邸に、黒塗りの国産高級車が到着した。その車の後ろには警護車が続いている。この邸の玄関は、ホテルの入り口のような大きなエントランスとなっている。使用人が数名が車の到着に合わせて列を成していた。「お帰りなさいませ。奥様」その中の一番の古参の使用人がこの邸の女主人に言葉をかる。声を掛け終え、腰を綺麗に45度に曲げると、それに続き残りの使用人も同じように腰を綺麗に曲げた。...

  • クリスマスは大混乱

    「チャレンジしたいです。サンタさんお願いします。そう書いてあるよね?」雪の結晶をモチーフにした綺麗な便箋に書かれている文字をつくしはゆっくりと読み上げた。この手紙は他でもない、つくしの可愛い息子の立樹(りつき)がサンタクロースに宛てた手紙である。「ちゃんとカタカナが書けてる。ふふっ。文字のバランスも良くなってきているわ。ほら、見て」「お前さ。大丈夫か?」「大丈夫じゃないわよ。だからこうして貴方にいち...

  • 願い事42(R)

    脱力したつくしの身体に司はほんの少し指を滑らせる。その度に身体が痙攣をするかのようにヒクヒクと波打つ。力のまだ入りきらない細い手首を司は愛しいそうに撫でた。それだけで、まだ先程の強烈な余韻が残っているのだろう。身体がまたビクンと大きく波打つ。そっと手を取り、ゆっくりと大きく身体を撫でた。「あぁ…。つかさ…。ダメ…。もうちょっと待って…」すがるような目で訴えてくる。俺の身体におずおずと手を伸ばしてくる。...

  • 願い事41R

    花より男子の二次小説です。ど素人の作品ですが、よければ遊びに来てくださいませ

  • 願い事40(R)

    首筋に走る太い血管。道明寺が少し首をかしげると浮き出てくる。二の腕や腕に浮き出てる血管もあたしとはまるで違う。お風呂上がりは用意してあった浴衣にお互いに着替えた。その男らしい腕があたしに向かってくる。あたしはその腕を、両手ですがるように掴んだ。大きな手で優しく体を撫でられると、あたしはそれだけで、心が満たされていつも幸せな気持ちになるの。それから、お互いの唇か触れるか触れないかのところで顔を近づけ...

  • 願い事39

    「今日はここに泊まるの?」「あぁ、そうなるな」丘の傾斜を利用して建てられている、レストランの駐車場の脇にあるコテージ風の宿泊施設。今晩はここで一夜を空かすことになる。ここの予約を入れたのも進だ。『おじさんたちと夕飯を頂いて最終の新幹線で先に帰ることになったから』『えっ?急に?』『俺のバイト先から電話があってさ。俺も稼がないとだろ?そのレストラン良かったでしょ?道明寺さんに宜しくね』『電話を変わろう...

  • 願い事38

    沈みゆく夕日を見ながら食事を取る。野積の入り口にあるレストラン。コテージ風の作りになっていて、昼の暖かい時間はオーブンテラスでの食事も取れるらしい。このレストランを予約してくれたのは進だ。おじさんに何処か良いとこあるって聞いたら、この場所がかなりの人気店だと教えて貰ったらしい。何とか予約が取れたって言ってた。(進は、最初に連絡入れた時には、土曜日と日曜日は基本的には予約は受けていなくて、来店した順...

  • 願い事37

    寺泊のアメ横の駐車場の後ろには、防砂林があり、そこを過ぎると一面の砂浜になっている。コンクリートで砂浜と防風林の境が造られている。二人はそこに腰を下ろした。「ちょっと寒くなってきた。道明寺も少し食べてよ」つくしは司の了承を得る前に口元に持っていく。「何味だ?」「味噌」またまた言うけど、ラーメンじゃないからね。「どう?何か、チーズっぽい味がするよね?」「だな。後味で味噌の風味が鼻から抜けるな。甘ぇけ...

  • 願い事36

    「道明寺、どっちがいいかな?」「お前の好きなもの2つ選べ。どうせ、どっちも食うだろ?」その言葉に口を尖らせるつくし。「俺はこっちがいい。お前は?とか無いわけ?あぁ、いいわよ。両方頼むねからね?おじさん、つぶ貝といか。あっ、ホタテも買っちゃお」弥彦山にはスカイラインといって、車で九合目まで登ることが出来るドライブ用の道路が整備されている。スカイラインを海側に降りるとそこは野積地域。左に行くと寺泊とい...

  • 願い事34

    あぁあったかい…。身体の奥に沁みてくる…。この人の腕の中にいると本当に全てのものからあたしを守ってくれる気がする。強く抱き締めてあたしの髪にずっとキスを落とし、そして髪を撫でてくれる。大丈夫だ俺は必ずお前を迎えに来るお前と生涯を共に過ごす〈本当に?〉本当だいいか?必ずだここで誓ってもいい俺はお前と共に生きるずっとそう言ってあたしを抱き締めてくれた。あたしは恐れ多くも、神々の想いと自分自身を重ねてしま...

  • 願い事33

    現在から遡ること凡そ二千四百年前。遥か悠久の古(いにしえ)のお話。天照大御神(アマテラスオオミカミ)の曾孫にあたる天香山命(アメノカゴヤマノミコト) は初代天皇である神武天皇の命を受けてこの越後の広大な大地の開拓を託されたのです。最初に訪れたのは日本海海岸線に沿った野積と呼ばれる地域です。弥彦山を隔てて日本海側の地域となります。そこで製塩の方法、網を使った漁猟の仕方、酒造の方法をもたらしたと記されてお...

  • 願い事32

    「うちのリビングぐれぇの広さはあるな」そう言って、絨毯の上に座り長い足を伸ばす男。ご祈祷料を納めた人たちは一同に控え室で待機するようだ。何組か一緒に呼ばれて神殿に通されるらしい。控え室では幾つものテーブルが整然と置かれており、そこでそれぞれの家族が寛いでいる。七五三のご一行様。厄払いの夫婦。(何で解るかというとね。厄を払うぞ!!って言ってるから)など様々な人達がテーブルを囲い寛いで待っている。因みに...

  • 願い事31

    「…道明寺のバカ。…アホ。ウー、フウー」「悪い…」あたしったら…。こんなことで泣くなんて…。「心配したのか?」「うん…もう…やだ。ウー、エヘヘ…」道明寺はあたしの顔を覗き込み、まるで世話の焼ける子供みたいだと云わんばかりの顔をする。そして、子供をあやすようにポンポンと頭を撫でてくる。「ねぇちゃん、大丈夫?折角だからしてもらおうよ?」「だ、大丈夫!して貰いましょう?うん。そうしようよ。みんな、行こう!」みんな揃っ...

  • 願い事30

    深緑の中の石畳を歩く背の高い青年。終始、隣にいる彼女を見ては目を細めている。特徴的な髪型はさすがに隠してはいる(ニット帽を被っている)が、神社と云うこともありサングラスは外している。「田舎だと騒がれなくていいな。お前とこうして手を繋いでても騒がれねぇ」「うん」そうなんだよね。ここに天下の道明寺司が堂々と彼女連れで歩いているなんて誰もが思わないからさ。(うっほいーーー!!自分でカノジョって言っちゃって...

  • 願い事29

    つくしと司は、一の鳥居を潜り、石畳を歩いた。暫くすると、少し開けた場所に出た。その場所には、参拝する前に身体を清めるための手水舎が建てられていた。「ねぇ?このお水で清めるんだよね?」「そうだ。手順は知ってるか?」「て、手順なんてあるの?」思わず、目の前で柄杓を手にしている父親を見る。「えっ?!へえっ?!手順?手を洗って、うがいするんじゃないのかい?ねぇ?ばあちゃん」思わぬ注目を集めた晴男は直ぐ様、...

  • 願い事28

    弥彦神社は弥彦山の麓に創建されている。境内は樹齢400年から500年の老杉や子古欅に囲まれていて、鬱蒼としている。それだけで荘厳な雰囲気を醸し出している。つくしたちは弥彦公園を後にして、その足で温泉街を歩きながら、弥彦神社の一ノ門の前に来た。司は鳥居の前で斜め左方向を見て軽く一礼をする。「ここで、お辞儀するの?」「神仏の建造物に入る時の礼儀だ」「へぇ…。知らなかった」つくしも慌てて頭を下げる。二人揃って...

  • 願い事27

    つくしは醤油の芳ばしい匂いに誘われて、小さな小屋の中に入った。そこには、大きな鍋で板状に切った大ぶりの蒟蒻が出汁醤油で煮られていた。甘酒やおこわ。それに粉菓子や団子などが並べられている。散策している人達の小腹を満たすには丁度よい。「蒟蒻にしようっと。道明寺もいるよね?それとも甘酒にする?」「あっ?俺はいらねぇ」「いらねぇは認めません」最後はつくしが言葉を被せてきた。「一緒のものを見て、一緒のものを...

  • 願い事26

    弥彦駅近くにある。弥彦公園。小高い山そのものが公園として整備されていて、滝や渓流、高台やトンネルなどがあり、山の木々と美しく調和している。ツツジや花菖蒲などがいたるところに植えられ、四季折々に美しい花たちを見ることが出来る。秋はもみじ谷と呼ばれている渓流に沿って植えてある紅葉と、そこに掛かっている観月橋と弥彦山の配色と背景がとても綺麗で、この秋の見所の一つになっている。小さな子供連れの家族から、シ...

  • 願い事25

    「この道を真っ直ぐ行くと大鳥居があるんだよ」「あれか?」「そうそう。あの鳥居」弥彦神社を目指し、弥彦山の御神廟を仰ぐ道に建立している高さ30mはある大鳥居だ。天気が凄くいいから、空の蒼さと山の木々の秋色のコントラストが光で映える。大鳥居の向こうに弥彦山を仰ぎ見ると、木々の一本一本が山を作り上げているのがわかるほど。「山の上の方から色づいてくるんだね」「本当だな。それに、あそこの山以外は平野か」主要道...

  • 願い事24

    朝の食卓の匂いだ。お味噌汁に卵焼きのコラボした匂い。ふはぁ~これぞ、ザ・日本の食卓だよね。いい匂い。食欲がそそるよ。海苔に納豆も自家製の梅干しもあるし、キュウリとレタスのサラダもある。(きゅうりもレタスもおばあちゃんが朝から採ってきてくれたの)あっ、のッぺもあるよ。(給食を作るくらいの大きな鍋で煮たからね。叔父さんは片手鍋に入れて持って帰ったんだ!)あとは、もう一品なんだけど。まだかな?楽しみ~。「道...

  • 願い事23

    朝か…。ゆっくりと瞬きをして、大きく息を吸い込んだ。畳の匂いと、両サイドからの寝息と寝言。太陽がまだ完全に顔を出しきってないからだろうか。障子窓越しだということもあり、辺りはまだ薄暗い。天井は…。牧野家なのに高けぇんだよな。(仏間から続くこの居間は、天井が高く造られており、今までの牧野家のような圧迫感は全くない。ここも牧野家なのにな)ククッ改めて、今置かれている状況が可笑しくて仕方ねぇ。俺の両サイドに...

  • 願い事22

    グラスに注がれたお水をクイッと飲み干す。飲むときに上下に動く喉仏さんの動きといったらもう…。何とも言えない…。飲んだ後少し下唇を親指で拭う時があるんだけど、その仕草の色っぽい事…。周りの空気がそこだけ何かの色に染まっている…。たまんない…。そう思うのは、少しお酒を飲んだからかな?どう言ったら良いのかな?いかにも手触り抜群のフワフワ、フカフカのタオル地で引き締まった強靭な肢体を纏っているんだよね…。そこか...

  • 願い事21

    パシッパシッハイッホイッ畳の上にある美味しそうなお菓子(一つ一つで綺麗に単包されているもの)が、目にも止まらぬ早さで奪い取られていく。「道明寺、あんたやる気あんの?」つくしは有名菓子店処のマドレーヌの菓子を手に取りながら、隣にいる司に声をかける。「あぁ?やる気って…、お前なぁ…」司の覇気のない返事に従兄妹たちが挙って司に質問を浴びせる。「司兄ちゃんって、見た目によらず、もしかして…」「もしかして何だ?...

  • 願い事20

    「ベッドはどちらに運びましょうか?」引っ越し専門の運搬の人?それにしては随分と動きがエレガント。道明寺に対して、丁寧にお辞儀をしてから作業に当たっている。ホテルマンみたい…。「ホテルマンじゃねぇけどな…。そのベッドは牧野の婆さんの部屋に運んでくれ」あまりの思いがけない出来事に、知らず知らずに声に出していたみたい…。そう言われたホテルマン?、それとも運送業者の人?はおばあちゃんに部屋を確認している。お...

  • 願い事19

    司と牧野の叔父の篤男が連れだって玄関を出ると、SPの斎藤がスッと側に寄り、声をかけてきた。「司様、どちらに?」司は眼球を少しだけ斎藤に向けて、右手を上げた。「問題ない。下がってろ」司の言葉に軽く頭を下げる斎藤。「少しも離れたところに待機させて頂きます。司様の御身は何万何千の者の人生までをも背負って居られるのですから…」「…斎藤、いいから下がれ」先程よりも低く、そして威圧的な物言い。その言葉を受けて、齋...

  • 願い事18

    道明寺と二人で、みんなが集まるのを待つ。(といっても、2、3分なんだけどね。なんだか、今日一番に緊張きたかも…)あたしたちの目の前に叔父さんと叔母さんが。テーブルの横にはおばあちゃん。パパとママはあたしたちの斜め後ろに背筋を伸ばして正座をした。みんな、なんとなく畏まっている。なのに、道明寺だけは何だか威厳たっぷり。進は、最初は座っていたけど、従兄弟たちを誘って居間へと移動した。一同が顔を揃えた。つく...

  • 願い事17

    「お母さん、お母さん…、ちょと、ちょと…」従兄弟は興奮した様子で、叔母さんにこっそりと問いただそうとしている。(口元を手で隠してこっちを見ているけど、興奮していて、質問が丸聞こえなんですけど…)「お母さん…。もしかして、もしかして、もしかしたらだよ!つくしねえちゃんの彼氏って、何年か前に…。同じ道明寺なのかな?ほら、港で刺されたのがテレビで流れて…。それで、大騒ぎしたのに、次の日には報道されなくなった…。...

  • 願い事16

    新潟のお刺身は割と大きめに切り分けられている。日本海に近いだけあって新鮮なのよ。弥彦山を降った先は日本海だもんね。「このお刺身って、いつもおばあちゃんが頼んでくれている所のお刺身?」「おぉ、そうらてば!よぅ、覚えていてくれたの~?」こどもの時におばあちゃんの家に来ると、必ず仕出し屋さんに注文してくれていたの。そして、焼き鮭も。幅が5センチほどの大きさで切り分けられていて、蒸し焼きにされている。(生の...

  • 願い事14

    「俺は夢を見ているのか?」道明寺が食べ物を、目の前にしてボソッと呟いている。「そう思うだろ?お前ら…」そう話を振られた斎藤さんたちも、『はい』と直ぐに返答出来るわけもないから、苦悶の表情をしている。クスクス道明寺のあんな唖然とした表情なんて見ること自体がレアでしょ?可笑しくて堪らない。見たら、みんなも唖然とするかもね?大皿で盛り付けられている様々な刺身!!分厚いカツ!大きい海老フライ!鮭の焼き物!...

  • 願い事14

    「誠に申し訳ございません!!」警官二人が真っ青な顔をして、同時に90度に腰を曲げて頭を下げた。(物差しが入っているの?って、思うくらいに真っ直ぐ!!)そして頭をすくっとあげる。「つきましては早速、県警本部長より直々に謝罪をさせて頂きますので、何卒お許し下さい!」警官二人がまた90度に腰を曲げて頭を下げた。(こういうオモチャなかった…?)玄関先で、かれこれ30分。色々と身元を聞かれたが、当初は信じて貰え...

  • 願い事13

    ここら辺は昔ながらの集落。何軒かの家々が道路沿いに立ち並んでいる。その家々の中でも、割と立派な石門が建てられている家の前に来た。つくしは思わずその光景を見て、「懐かしぃな…」そう呟いた。大きな松の木が植えてあるのが、平垣の外からでも分かる。つくしの言葉に司は首を捻った。「う~ん…」つくしは今は、数年前の頭の中の地図と現実のギャップを埋めようと懸命になっている。「…もうちょっと、先に行った方が良かった...

  • 願い事12

    「あっ、そこを右に…。そうです。ちょっと細いですけど。…すまんねぇ」「いえ、大丈夫です」チラッと隣を見て、そう返事を返すモデル風超絶イケメン男。ふほぉ~その超絶イケメンモデル男の斜め横の顔を間近で見て、晴男は思わずため息が出た。「運転している姿をこんな隣で見れるなんて…」乙女のような感想を思わず漏らし、頬を紅らめる晴男。ふはぁ~~思わず変な声を発する晴男。「…あ、ありがとうございます…」隣から聞こえる...

  • 願い事11

    車は弥彦山の方角。東を目指す。目的のラーメン店はインターチェンジを下りて、車で5分ほど。商業施設が立ち並ぶ大通りを抜け、住宅街に入ったところの一角にある。新潟に来る度に牧野家が訪れているラーメン店だ。「これから行くところは、僕が高校の時から通っているんだよ」三条市はカレーラーメン。燕市は魚介背油ラーメン。長岡市は生姜醤油ラーメン。新潟中央区のあっさり醤油。新潟西蒲区のこってり味噌。新潟のラーメンは...

  • 願い事10

    牧野…牧野…つくし…つくし…ねぇちゃん…ねぇちゃん…一斉にいろんな呼び声で呼ばれ、体を揺り動かされる。あれっ、ここどこだっけ?「おい、牧野つくし!起きろ!」司の低い声が車内に響き渡る。新潟に入り、一時間とちょっと。上越新幹線とほぼ平行に走行する関越自動車道の車道。左側を見ると、燕三条駅が見えてくる。駅の周辺に沿うように商業施設が立ち並んでいて、ビジネスホテルも何件が立ち並んでいる。目線をもう少し奥に向け...

  • 願い事9

    「 おい、牧野!」少しイライラしながらつくしを呼ぶ司。「「「はっ、はい!」」」牧野家の皆が一同に返事を返す。(つくし以外)「あっ、いや…その…。親父さんたちではなくて…。その…、つ、つ、つく、つく…」司は、『つくし』と名前で呼ぶこと自体が

  • 願い事8

    「道明寺さん、僕からですけど、いります?」司に豚まんを差し出す進。「……」「ここのサービスエリア限定なんですって。豚肉も越後の特産とか…。いらないっすね…」自分で話を振って、その話を終わらせる進。「道明寺さん、悪いね。何を買っていいか分からなくて、探しに行ったんだけどねぇ」晴男は買ってきた肉まんを口にしない司に向けて言葉を発した。「そ、そうなのよ。二人とも買うとき見つからないから…」千恵子は、公園内で...

  • 願い事7

    「つくし~~?!オーーイ。どこだぁー?!」晴男は、キョロキョロとつくしを探す。サービスエリアの中を一通り探してもつくしの姿が見えないので、建物の外に出てきた。「あっ?君たち、そういえば、串焼きの所で合ったね?」晴男は満面の笑みで話しかけた。 暫く、キョロキョロと探していると、見知った(?)人たちと出会った。何故か、出会ってしまうカップルさんたちだ。カップルは、背が低めで、どう見ても普通のおじさんにし...

  • 願い事6R

    花より男子の二次小説です。ど素人の作品ですが、よければ遊びに来てくださいませ

  • 願い事6

    や、止め…。やだ、こんなとこで…。頭ではわかっている。太陽が優しく照りつける青空の下。しかも、十数メートル先には、恐らく沢山の人がいる。いくら、人目を盗むことが出来る場所だと云っても、こんな場所でするような事じゃない…。なのに、完全に理性より本能が勝ってきて、道明寺が、与えてくる淫らな刺激を受け入れている自分がいる。道明寺が車で迎えに来たとき、この逞しい腕の中に思いっきり飛び込みたかった。抱き締めて...

  • えりりんこのにっし*天使ちゃんに質問❤️

    もう少し、司くんに頑張って貰った方がいいですよね?書き下ろしている最中なのですが…どんなものでしょうか?このまま暴走して、イッチャッて~~❤️という婦(腐)女子、天使ちゃんたち、大勢いますよね?大人しか見れないお話になりますけど…いいよね?お子さまと、心の物凄く清い人は見れないからね❤️...

  • 願い事5

    完全な不意討ち。ふううん…ふはあぁ…思わず声が漏れだしてしまっていた。つくしにとって、全く予想していなかった場所での出来事。頭が真っ白になり、ただただ、与えられる媚薬のような痺れに身体を委ねてしまった。司は、片手でつくしのソフトクリームを持っている手首を掴み、もう片手の手でつくしの髪を撫でる。司は、唇と唇が触れたままで言葉を発した。「あんな密室でお前がいるのに、まともに触れられないなんて、拷問もいい...

  • 願い事4

    コオォォォォォコオォォォォォ新潟に抜ける長いトンネルの中。十分な照明はあるものの、太陽光が直接当たるのとは違い薄暗い。「眠っちゃったね。後ろの人達」そう言って牧野が、チラッと後ろを見る。(ちゃんと前を見てても、俺くらいの視野か広いと見えてんだよ)「朝、早かったからな。仕切りカーテン閉めとけよ。その方が光が入らなくて良いから」つくしは司の言葉に素直に従う。運転席と後部座席の間を隔てるカーテンをそっと閉めた...

  • 願い事3

    「ソフト、ソフト…」つくしは今、ソフトクリームを求めている。先程立ち寄った三芳パーキングエリアではね、バニラを食べたんだ。無難だけど、場所によって、濃さと粘度が違うでしょ?ここの高坂サービスエリアは狭山茶を練り込んだ、オリジナルがあるって聞いたんだ~。「券売機で購入か」券売機の前に並ぶ。朝の8時ともなれば少しずつ人が増え初めて来た。つくしが並ぶと、スッと横に大男が並んだ。「何?道明寺も何か食べるの...

  • 願い事2

    「ねぇ、ねぇ、つくし。あたし達まで付いて来て良かったの?」鏡越しに少しだけ小声で娘に質問する母親の千恵子。「何で?」ここは、パーキングエリアの化粧室。「だってね…。その…、お邪魔じゃないかな~って?」「何、言ってんの、ママ。最初はあたし一人で新潟に行く予定が、道明寺がど~うしても一緒に行くってなったんだから」その言葉を、昨日から何度も聞いているので、「そうだけど…。そうだけど…」と変な相槌を打っている...

  • 願い事1

    トゥルルルルルトゥルルルルルトゥルルルルル何で、出ねぇ?トントントントントントン「司様、万年筆のペン先が潰れますが?」オーストリアを代表するクリスタル・ガラスモチーフで国際的に有名なブランド。そこの万年筆を、これでもかと紙に叩きつけている。「あぁ?!知らねーよ。アイツのせいだろが、アイツの!何で電話にでねーんだよ!大学に行く予定無しとなってるだろうが!」トントントントントントントントントントントン...

  • えりりんこのにっし*連休があるから~

    いつもお越し頂きありがとうございます。(〃∇〃)小説?イヤイヤ…、作文?のような、ド素人の文章にお付き合いして頂けることに感謝、感謝でございます。たくさんのコメントや、ポチポチ。そして拍手を頂けたこと。本当に嬉しい限りでございます。天使ちゃんたちのような皆さんが大勢来て下さって、えりりんの方が力が沸き立ちましたよ~~。ありがとうございました(*≧∀≦*)少しでも明るいお話を。と思い『歳の差』をお送りしてきま...

  • 司のナイスなお仕事

    片眉を器用に上げて、こちらを見てる、眉目秀麗な男。はぁ~~っと、美しく整った唇から吐き出されるため息。な、何よ?!その、わざとらしいため息は?そ、それに、仕事が出来ない人に向けるような少しだけ憐れむような、蔑むような眼差しを、何故にあたしに向けるわけ?「そ、そんな目で見ないでよ…。見るなーー!!」「お、おいっ、牧野?どこに行く気ーーー??!!」あの馬鹿女、叫びながら走って行きやがった。あのまま、目...

  • 年の差カップル*プロポーズか?(恋する乙女編)⑥

    おじさまの大きな手が頬を撫で、涙を掬ってくれる。思わず涙を流してしまっていた。優しく抱きしめられたかと思ったら、唇を塞がれてしまった。うんっ…ふぁっ…ふぅん…おじさまの手が、優しく腰や背中を擦ってくる。キスしているだけなのに、身体がだんだん熱くなり、フワフワしてくる。背中のおじさまの手が触れたところから、徐々に熱を持っていく。おじさまはあたしの後頭部を大きな手によって覆ってきた。はぅ…うぅん…り、理性...

  • 年の差カップル*プロポーズか?(恋の応援団編)③

    こんな事が起こるとは、全く持って予想しておりませんでした。まさか、司様があのようになるとは…。思い起こせば、何度かあった結婚の話を、ことごとく司様がぶち壊しましたね。終いには、女性を寄せ付けない時期があったこともあります。実のところ恋愛対象は男性なのでは?等と囁かれたこともありましたね。カモフラージュの為に性欲の処理は女性との営みで解消しているのでは?とまで言われたこともあります。なんと、わたくし...

  • 年の差カップル*プロポーズか?(恋の応援団編)②

    どうすればいいんだ?先ずは、慰める?そして、それから再度、上階に上がってもらう?室長に、『牧野様を頼むぞ』と言われて、エレベーターに乗り込んだまではいいのだが、何をどう話を切り出せば良いのか…。 それにしても、社長が女性に対して、あんな行動に出るとは…。血相を変えて、追いかけてきたんだぞ!!あの社長が!!こっちがかえって放心状態になってしまったくらいだ…。牧野様を

  • えりりんこのにっし*悩み&願い事

    こんばんわ~~(´・ω・`)あっという間に9月が終わろうとしております。皆様いかがお過ごしでしょうか?『真っ赤な真実』の途中でしたが、自然災害等であまりにも生活が貧窮する中で、楽しいお話をと『歳の差シリーズ』でお送りしておりました。このシリーズ、9月の半ばで終わるつもりが、まだまだ書き終わっておりません。欲を出して、リクエストのままに延ばしてしまったのでもう少し終わりに時間がかかりそうです。でも、もう...

  • 年の差カップル*プロポーズか?(恋する乙女編)④

    『どいた!どいたー!!』あたしは目の前のエスカレーターに乗ろうと、黒い人垣を掻き分ける。あたしが走れば、隣にいる美女も負けじと走る。フップップッな~んてね。本当に、一体何処に向かっているんだろう?あまりにもおかしなこの状況…。この状況をどう言い表せば良いのかな?あたしの隣には30歳半ばと思われる物腰柔らかそうな男性がいて、あたしはその人の斜め後ろを歩いている。で、その周りに黒服の人たち。(女性の人が...

  • 年の差カップル*プロポーズか?(恋の応援団編)①

    ひぁ~、ふへぇ~、こ、これが、日本最高峰のビル軍の群れか。そして、その中の最高位とも言えるのが道明寺ホールディングス。 日本アルプスの山脈に、富士山も混ざっている感じ?何をどう例えたら良いのか分かんないけど、学生の間では、とにかくここに就職出来たら、自分の持つスキルやコネ。そして、持てるスペック全てが最高級だったと自画自賛しても可笑しくないとまで言われているんだから。 ハァ~そんな、普通に足も踏み入...

  • 年の差カップル*プロポーズか?(恋する乙女編)③

    ジャー、ジャー、トントントンシャカシャカシャカ「うん、よし!」下ごしらえはオーケーだよね?蓮根とバラ肉は甘辛の炒め煮に。(これは温めても冷めても大丈夫)卵とじは何時でも出来るように卵に味を付けて、解いておいた。玉ねぎは切ってあるし、きぬさやも下茹でしておいた。おじさまが来てから火を入れようと思っている。やっぱり、作りたてが良いでしょ?スマホを確認する。(少し動いては、チェックを入れている)誰?何通か来...

  • 年の差カップル*プロポーズか?(恋する乙女編)②

    卵、お一人様一点限り79円。スーパーに入る前に、その日の目玉商品をチェック。とりあえず、目玉商品で日保ちするものなら買っておく。(冷蔵庫と財布とはちゃんと相談するよ)おじさまが来るから、2パックは買えるよね!あと、蓮根と豚のばら肉。これもお安くなってましたよ~。あっ、ライオンマークなのお風呂の洗剤と、トイレのペッタンスタンプもお安い。買っておこう。結構、かごの中身が一杯になったよ…。欠かせないのはおつ...

  • 年の差カップル*プロポーズか?(恋する乙女編)①

    あぁ、どうしよう…。こんな狭い部屋に、おじさまをお招きするなんて…。とうとう、その日が来てしまった…。てか、あたしもあたしだよね?自分から、『家でご飯でも食べますか?』って、聞いたわけよ!何も考えてなかった…。普通に、進(弟の名前。知ってる?)や、パパ(父親ね)を誘うように言ったのよね…。あの時、おじさまがあたしの言葉を受けて、固まっていたのよね。その後で、お顔が少しだけ紅くなって…。その時も気付かなかった...

  • 年の差カップル*プロポーズか?(後編)

    今、何でこんな事になっているかをよく考えてみる事にする。楽しいつくしとの夕食になるはずが、何とも言えない空気になっているからだ。俺が思わず漏らした言葉に、『おじさま…。本当に?』そう呟いてから、何やら、ブツブツと言葉を発した。かと思ったら、バクバクと重箱に敷き詰められた庶民的な食べ物の数々を次から次へと口に運び入れる。「つくし?あのな?」「おじさま?少し考えさせて貰っていいですか?」「あぁ…」そう言...

  • 年の差カップル*プロポーズか?(中編)

    暫く、寸劇をお楽しみ下さいませ。慌てて、扉を開けると、エレベーターに乗り込む瞬間だった。西田めー!!気を効かせろー!!牧野が、つくしが、下を向いて、俯いている。 目頭を押さえている?泣いているんじゃねぇか?隣にいるのは、近藤か?くそっ!近い!近いんだよ!後で、防犯カメラで牧野との距離を測ってやるからな!!扉が閉まる!二人きりになるんじゃねぇか?そうはさせるかー!!「牧野ー!!、つくしー!!行くなー...

  • 年の差カップル*プロポーズか?(前編)

    俺は今、最高の気分だ。この世に生まれた事を心から喜び、毎日朝日を浴びることの大切さを身に染みて感じている。これから、50年いや、70年健康で生きてやる。年老いた母親にこれまでになく労い、苦労をかけたと言葉にしてみた。「この私をショック死させるおつもりですか?」80歳を過ぎた婆さんのシャレにならねぇシャレに、苦笑した。「遅くなったが、俺の子供の顔でも見てからにしろや」シワが増えた顔に、更にシワを寄せ...

  • えりりんこのにっし*皆様にエナジーを!!

    皆様、いかがお過ごしですか?実はですね、『真っ赤な真実を楽しみにしています』とまぁ、ありがたいお言葉を頂くことが出来ました(*≧∀≦*)パチパチパチパチこんなゆっくり更新にも関わらず、足を(?)運んで下さる皆様には、本当に感謝しかございません(///ω///)♪ラストに向けて、さらにぐちゃぐちゃになって行ければと思ってます。(そんな感じに出来る事を、えりりん自身が願っております)そんな思いを抱きながらポチポチしている...

  • 真っ赤な真実13

    「先輩、子供達の前であんなことを言っているのですか?」「な、何?桜子こそ、『早く、帰ってきてくださる?寂しいわ』と、言ってるなんて、思いもしなかったわよ」「先輩の、『仲直りの印に、今日は一緒にお風呂に入りましょうよ。あなた』の方が衝撃的ですわよ」「そ、そんな事、言ったことないよ!」「わたくしだって、そんな事は言いませんわよ!」二人は、パスタをフォークに絡ませながら、楽しく言い争っている。何について...

  • 真っ赤な真実12

    司は、目を瞑って西田の報告を聞いている。ここは道明寺ホールディングスの東京支社内の社長室。恐ろしく磨き上げられたデスクテーブルに両肘を付き、手のひらを額の前で組んでいる。時折、空になったコーヒーカップをじっと見つめたり、手に取り眺めている。司様にどこまでお伝えするべきか?あのプールを使用したようだ。その事はお伝えした。新庄は上手く説得し、使用を止めさせる事が出来なかった。もしくは、わざと使わせるよ...

  • 真っ赤な真実11

    「凄っ!」思わず、声に出していた。あたしの言葉に、「先輩、馬鹿にしてます?わたくし自分で云うのも何ですが、料理の腕も其なりなのだと思いますのよ?」そう言いながら、生きたホタテ貝と殻を専用のヘラを使って、上手い具合に切り離している。「職人か?!」って、また声に出していたら、「出来る人間は何をさせても出来てしまうのが、恐いところですわ?」そう言いながら、貝の隙間にスッとヘラを入れて動かし、貝を開ける。...

  • 真っ赤な真実10

    その日の太陽は凄く眩しくて、キラキラ輝やいていた。「ママ~~。見て~」ひいろと桃子ちゃんが、マシンガンのような水鉄砲を上に向けて虹を作っている。みのりもお姉ちゃんたちを見習い、一生懸命に虹を作ろうとしている。なかなか上手く出来なくて、「あれ~、ないね~。ないね~」と言っては、弧を描いている水流を見つめたり、手のひらを水流にかざしたりしている。桃子ちゃんが手伝ってくれて、虹が作れたみたいだ。「まんま...

  • 真っ赤な真実9

    煩く、暑かった庭から、涼しい邸の中に入る。邸の全体を空調が効いていて、外から戻るとスッとする。道明寺邸は、勿論と云うか、廊下や厨房の細部まで、空調が効いている。あぁ~、身体が生き返る。ずっと太陽に曝されていたのだから、たまったもんじゃない。捲っていたブラウザの袖を下げる。『暑いので、30分置き位には交代して下さいね』等と言ってくれるが、そんな事は出来るわけがない。何故って?いつ、何時(なんどき)危険...

  • 真っ赤な真実8

    「…若奥様、みのり様ならここですよ。どうなさいました?」みのりはエアートランポリンの脇で使用人の一人に抱き抱えられていた。みのりは、少し赤い顔をして咳き込んでいる。噎せているように見えるけど…。あたしの姿を見るなり、「まんま~~!!」と泣きながら、激しく咳き込んだ。「まぁまぁ、お咳が出てしまいますね」使用人はそう言いながら、みのりの背中を軽く擦る。やっぱり、噎せているように思える。あたしだって、普通...

  • 真っ赤な真実7

    「…何か、ニオイますね…」桜子が美しい顔を歪める。今、つくしと桜子は道明寺邸の庭の一角を、子供用(?)のプールで占拠しているのだ。足でシャカシャカと空気を入れて膨らませる事なんて到底できないような超巨大サイズ。(家庭用ではないと思われる)ウォータースライダーやエアートランポリンまで付いている。(どう見ても、日本の

  • 真っ赤な真実6

    ま、眩しい…。というか、暑い…。思わず、窓のカーテンを閉める。(朝、起きれるように、あたしの頭上にあるカーテンは何時も開けている。因みに、ここには人が出入りしない所だからね)たぶん、6時を少し過ぎたかな?置時計で確認。(文字盤にダイヤとか、サファイアが埋め込まれているらしいんだけど、見にくいのよね)はずれた…。5時53分ごろだった。あ~、もう少し眠りたいわ…。今日は土曜日だし、司は…。横を見る。可愛い…。見...

  • 真っ赤な真実5

    「つくし、このタマがいない間、変なものを口にするんじゃないよ」「大丈夫ですよ。タマさん…。子供じゃないんですから…」大きな声できっぱりと言い切れないのが何とも…。「分かるもんかい。お前さんは自分の限界を弁えてないからね…」そう言われて、つくしは首を竦める。まぁ、昨日の今日だから仕方がないか…。(別に変な物を食べた覚えはないけどさ…)昨日の夕飯時は頭が朦朧としたのと、吐き気が襲ったのよね…。吐かなかったけど...

  • 真っ赤な真実4

    夕食はあたしと子供達の三人だった。ここ最近のいつもと同じだもの。寂しがることはないわよね?司はきっと忙しいに違いないんだから…。そう自分に言い聞かせる。でも、子供達はそんな事は考えないよね?当たり前か?それが普通よね…。「パパ、帰ってこないの?」「来ないの?」ひいろの質問に、みのりが空かさず被 せてきた 。「今日も一緒にいられると思っていたのに… 」「みぃちゃんも~」新庄さんから、一緒に食事は取れない...

  • 真っ赤な真実3

    『つくしちゃん、ゴメンね。つくしちゃんが疲れているって、タマさんから聞いていたんだけど…』「あたしですか?昨日、今日と体調は万全です。というか、あの時は心配させてすみません」司が出社して暫くしてから直ぐに、プライベートルームに牽いている電話にお義姉さんから連絡が入った。『何、謝っているの?義妹を心配するのは当然でしょ?』パーティーで意識が朦朧とした後からはタマさんがあたしにベッタリと張り付くように...

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