ちるはら ふっと顕れる眼前に ひらちら 宙で瞬くように翻し するいら 浮き廻り漂いそっと 紛れ込む 斑点模様の絨毯なか 零れ静かに 降りてゆく花片達 傍えだけの桜並樹 柵に沿い林道の半ば 踏み留まり眺め その儚く麗しい姿を 辺りに立ち込める 甘い香りと 幻景が誘う束の間 夢...
ちるはら ふっと顕れる眼前に ひらちら 宙で瞬くように翻し するいら 浮き廻り漂いそっと 紛れ込む 斑点模様の絨毯なか 零れ静かに 降りてゆく花片達 傍えだけの桜並樹 柵に沿い林道の半ば 踏み留まり眺め その儚く麗しい姿を 辺りに立ち込める 甘い香りと 幻景が誘う束の間 夢...
漸く訪れた春に 咽び泣く空の下 物憂げに満ちない桜も 艶やかな滴を 弾けそうな無数の蕾に 抱えてはまた零す 灰霧に滲む森 薄暗さ纏う並木道 悲雨に打たれるまま 虚ろな足を運び どこかで逸れた 追憶の欠片にすがる 取り戻せるものは 何にもありはしないけど 気を落とす両肩に ま...
閑散とする街並みに 聳える唯一の旅宿 橙の灯りを落とした 取っ散らかった一室 真白な部屋が真っ黒な 陰で気味悪く染まる 明るみ始めたばかり 狭いひとつ窓を見詰め その優しい空の向こう 飛び立ちたいと淡く望み そうまた 行き止まりのない 苦悩の坂道を転げ落ちる 静寂に囚われた...
ああな、まるで 魂を切り売りして 生き延びているみたいだ 誰のどんな役に 立っているとも知れず 俺は自分自身を綴る この減点方式の評価社会 どうにも遣る瀬なく 覆しようも無い real に打ちのめされる度 有りっ丈の思いを 腹から湧きだす渾身の力で 破格の紙切れに注ぎ込む ...
立て続けに起こる 職場での不測の事態 careless mistake やってらんねえな くだらない記憶夢に 柔頬をつねられ 起き抜けの重い瞼擦る めちゃんこ寒い未明 引っ込んだ空きっ腹で 齧り付く菓子パン 淹れたて熱々の緑茶 パンチの効いた渋みで覚醒 分かってんだよ 俺の...
何ーにも plan通りに 運びゃしない そんな塩っぺえ時が 歩む背中に積もる日々 後味の悪い昼間の 気疲れ癒そと Free Tube ずらり並ぶお勧め動画 たらたら眺めても 毎晩お約束の タイトルばっか pick up うんざりし過ぎ click して観る気もしねえ 重い溜...
noiseに占拠された すかすか髑髏の頭ん中 今、俺はいねぇな 草臥れてもないのに 何の考えも湧きゃあしない 高台にどっしりと鎮座する 洋城のような完璧なビル群 その周りに配置された 振動する金属boxの臓器 格子状に登り繋ぐ 亜鉛色の夥しい組鉄骨 血管みたく枝分け走る 重...
まるで世紀末のよう 有り得ねえ年明け 地震に火災に殺傷事件 とうの昔に 過ぎ去った筈なのにさ 世界の最期が 近付いてそな嫌な予感 どこまで走って 逃げてゆこうが実際 地球は丸いんだ また同じ居場所に 舞い戻って来るかな だからって 何もしない訳にも 行かねえだろうから いよ...
そりゃ仕方がねえよ 不遇な生い立ち呪っても どうにもなりゃしねえ その場限りの鬱憤晴らし 気分はすっきりだけど 現状が覆る訳でもねえ 塞ぎ込んでも荒れても ぶつくさ文句たれても 不満だらけの時間が 悪夢じみた辛い記憶を 過去に残して進んでく ああ、そうだよな 分かるぜ 言い...
虚無に支配された 覇気のない胸にぽっかり 口開けた洞穴は深く だんまりを決め込む 寒風に色褪せた景色は 静かに乾き だだっ広い峠路の外れに 留まって佇むばかり 表情をなくした顔で 半分気持ちは笑ったまま 誰の為の何ものでもない 上っ面のしがない自分 振り返り見詰めている だ...
高く木立の向こう 鈍曇の切れ目に 覗く陽 絡む内の網枝を照らし 麓に急き走る北風が 見渡す情景に染まりゆく 森の樹々を騒がせる 家々で犇めくばかり 人影少ない寡黙な狭道 潜り抜け登った辺地 散る葉ら宙に踊り そしてふらり落ち かさり鳴って舞い転び 路壁の隅へ打ち留まり また...
いつから孤独に 慣れてしまったんだろう 記憶すら霞んで 信頼できる友たち 遠く何処へ 繋がりを断って久しい 振りかえり 気がつけば 長い長い歳月が過ぎ去った 一体どこに 向かって進んでいるのか、 今俺は寒空のなか 矛盾が入り乱れる 思考を頭に抱えたまま 枯れ藪に包まれた道程...
待っているのかも知れない あの日からずっと 遠く夕陽が照らす 東の暮れ空を見詰めながら 待っているのかも知れない 記憶の中でずっと 薄闇に染まる峠の池畔 冷たい風吹くベンチに佇み 震える手の平を擦りながら 待っているのかも知れない 何もかも無茶苦茶に ぶち壊してしまいたい衝...
西空へ夜はぐれ星残し 明るみ始めた 仄暗い早朝の幹線道で 排煙の苦臭いトラック 疎らな車達がすっ飛ばす 俺は俺でいつものよう 気忙しく心拍数を上げ 原チャを唸らせて 小賢しく、ぶっ飛ばす 山裾のバイパスを潜る 脇道へと左折する 道なりに進んでいけば 痩せ川の橋路に繋がる 高...
きっと 逃避願望なんだろうな 冷んやりとする山気 狭い登坂路に被さる木陰 久々のんびりとした ブロッコリー型の雑林 入口付近に届き集まる 極めて密やかな囀り 何気に胸撫で下ろし 兎にも角にも落ち着く 山裾のありふれた場所 無心でゆるり と歩みながら 寒気に移ろう樹々や落ち葉...
ゴォンロゴロゥリリー グヮォンダウダララー 二日間もお休みもらいの 薄暗い部屋に日がな一日 ぐでぇっと寝そべり お前何してんのかって? 捻ってんのさぁ スッカラカンな頭ん中で なんかわかんないけど、 いいアイデア湧いて 出て来ねえかなって 気張ってもいるんだぜ う゛~ん ブ...
君のなかに俺からは 早朝の湖を臨むみたく 取り乱すものが微塵も見えない 透明なそよ風にそっと 送られてくるような手紙 受け取るだけだからかな 一体どこにいるんだい? とても柔らかに澄んだ 仄か柑橘の香りが浮かぶ 目映いほどに真っ白で Gも二の足を踏み 後退るような崇高潔癖な...
曇りがちな日々に移ろう 猛暑を脱した 乾いた晴天 緑の高台 吹き下ろす風は踊りながら 煩わしい作業着の 皺くちゃな長袖シャツん中を 心地よく潜るんだ 別に変わったこと何か 全然ありゃしねえけど ただ煮え滾る真夏の監獄から 漸く抜け出せた感が すっきりとくっきりと頭上に だだ...
どっかに開いた針先程の 小穴から空気の抜けていく 萎んだ浮き輪に掴まって 自棄くそでバタつき 疲れて足着きゃ浅瀬に独り 遠い海原はまるで蜃気楼 一向に近づく気配なし おぅ、見詰める両の目は 涙の滲む虚しさの双眼鏡 俺ぁここ数年 無我夢中って程じゃないけど 懸命にぼちぼちとぼ...
膨れた熱を孕んだ空気 だらしなく脱力した 昼間の部屋を記憶に浮かべ 寡黙さだけが躰を素通り 浅い溜息が唇から漏れ 静かこめかみに意識は滲む 僅かばかり開けといた 少々破れた障子戸と 格子柄カーテン越しの窓から 涼風の仄かな柔かさが 瞳を閉じた横顔に触れる その感覚は寄る辺な...
気力も尽きそな だらしなく緩んだ躰で 心も闇の中 人気のない 繁華街の路地裏を 仕事で ほっつき歩いてんだ ぽつぽつ 頼りないネオンの 薄光んなか すっとまた一片が てぃらら、ぴぃらら と 漂い踊りながら 時に前髪を掠め 胸元辺りの 少し先を横切り 不意を突き 足許に 不...
ふっ飛んでしまえば 地球なんて 不謹慎なことを考えてしまう この、忙しい時期に ろくでもねぇな こん畜生め 夜更けの闇に囚われて 長閑な風と 月明かりの寂静 断崖絶壁に弛み立ち 有り得やしない ぶち当たる先の見えない フリーフォール ひと思いにこのまま ダイブしてやりてぇ ...
毛布に包まる 枕元の闇に ノイズの洪水 突然、怒涛の如く傾れこみ 浅い眠りを打ち砕く 瞬く薄目から じわり次第 その高鳴る音嵐に 瞼は完全に剥かれ 快晴続きの 好記録 二週間余り 地に足つかず夢心地 突発的豪雨に破られた ほのぼのした 暖かな早春の日々が 一区切り ...
雑樹山に囲まれた 隠れ里 細く縫い走る県道 暗に目醒めた猛獣たち 地の奥底で 唸り声を上げ 次々と アスファルトに 這い出し その重く分厚い響きは とっぷり闇色に暮れる 野放図の静寂に 頑強な釣鐘を 打ち鳴らすよう轟く 遠くから徐々に 近づき 頭蓋に潜り 電動ハンマで穿るよ...
外気に晒された 柔肌を 引き裂くよう 辛い痛みを浴びせては 酷しい寒さは また 何も告げず退いて 霧に霞む昼下り 隣で しれっと 丸めた背中向け 寝そべる 不機嫌に口を噤む 恋人のような 垂れ籠める天上と 窓越しの宙空に揺れ散る 細やかな 惑い雨のなかに いつかしら 胸に焼...
氷点下の激波が 山間部を襲う ぴりり骨まで麻痺る 指先を振っては 擦り合わせ 無駄踏みを繰り返し じんじんと 冷たさののたくる 足裏を宥めた そんな馴染めない 苛酷な日々が 続く、容赦なしに 陽漏れさえ 覗かぬ未明を へべれけの 轍も硬直する、 険しい道筋 スローペースで長...
白黒縞の 小鳥が 無邪気な鳴き声を 砕石塗れの トラックヤードに転がして 番で 戯れ合う 帆布小屋の 短い桁幕へ 初陽に溶かされた霜が 光る雫を 拵えて ゆっくり落ちる その僅かな間、 こんなことを思った 音信不通になった 知性溢れる 気を病んだ か弱いあの人は...
薄い残照が 緩やかな稜線を縁どる 遠退く夕空 冬の通り雨 ばさばさ と、短く降り弾け そして途絶え 七色を超えて 高角度の 巨大な虹が昇る (これは予兆なのか (偶然の悪戯なのか 色濃い印象が 脳裏に焼き付いたまま 場は見送られ 星屑の瞬きだす 夜の帷に橙の 焔の...
毎晩のように 浅い眠りの中 がなり立てて来やがる ねちっこい 過去の記憶を突っぱねて 明けない夜 を蹴り上げる 今日も 継ぎ接ぎだらけ 車検何か切れっ放しの おんぼろな身体で 下らない言葉 腹から捻りだし 書き散らしながら まるで公害噴火 このどうでもいい 頓珍漢な世界のな...
今日も自分なり 頑張ったけど お帰り、なんて 誰も言ってはくれない 脱け殻になった 独り身の俺だけ いいさ、いいのさ ずっこけてばかり 出来損ないのポンコツで 誰に必要とされることも 誰に慕われる必要もない 勝手気儘 気持ち投げ遣り気味に 暮らすのさ 寝床にぶっ倒れ 溜...
廃れ切った 簾みたいな 隙間だらけの心のなか 空っ風が吹き抜ける 昨日の記憶にも 一昨日の記憶にも ダサい俺しか 見えては来ない スッ転がった気分で 天空を見上げたら ほんのりと 青みがかるだけの 無駄にだだっ広い 胸中の虚しさにそっくりで 「何か馬鹿みたいだ」 そんなこと...