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りおりお
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2017/11/17

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  • 22

    ギルド商会に到着した三人は、皆に驚きと喝采を浴びていた。「凄いな。 こんな大きなボアを二人でやっつけたのか?」「お前らどれだけ強いんだよ。」「さすがマキノが惚れるだけの事はあるよな。 今まで軽んじてすまなかったな。」「カルロ、流石だな。 結婚してから魔物討伐はやってなかったよな? 腕は鈍っていないんだな。」類とカルロを褒めたたえるハンターや村人たち。そんな中、つくしは商会長から傷薬と綺麗な布、そし...

  • 21

    約3か月が経った。つくしが作った薬は良く効くらしく、今では他の町からもギルド商会に注文が入る程だ。またハンターからの評判も良く、傷薬はもちろん、打ち身に効く軟膏や栄養ドリンクも売れる。そして子供用のシロップタイプの風邪薬も評判になった。今まで薬は苦く美味しくない物だったが、これは進んで飲んでくれる。もちろん注文が入るからと言ってすぐに作れるものではない。森の入り口にあった薬草も、少しずつ奥へ入らな...

  • 20

    つくしは薬草を摘み、籠に入れている。その隣には周囲に気を配りながら類も手伝っている。二人はつかず離れずの距離を保っている。そして二人以外の音を察知した時には、類がサッとつくしの手を止める。つくしは動きを止め、類の視線の先を見る。するとピンと立っている長い耳が見えた。ハギ―だ。類は静かに剣を抜く。つくしはその場に身を屈める。そしてハギ―がこちらに向かって駆け出したときに、類は剣を振るった。ザシュッどさ...

  • 19

    アレッタの店で、つくしは小さな巾着二つと、少し大きな巾着を一つ作っている。小さな巾着はもちろん転移魔法が込められた紙を入れる為の物。もう一つの巾着は財布代わりだ。今は類のポケットに全てのお金が入っている。その間、類は店内の服を物色中だ。すると布で出来た肩掛け鞄を見つけた。「牧野。 これも買おうか。 そうすれば大きな袋は薬草専用に出来るだろ?」「だね。 類に合うものを選んでて。」「分かった。」類は数...

  • 18

    朝日を感じ、つくしは目を開ける。そこには類のシャツが見える。(つ:あっ/// 昨夜、怖い夢を見てから///)途端、昨夜の事を思い出し頬を染める。スネイクが大きい口を開け向かってきた事は、かなり衝撃を受け恐怖を感じた。もちろん無事退治し、それ以降は考えないようにしていたがまさか夢で再びあの光景を見るとは思わなかった。それから類の優しさに救われて、ぐっすり眠れた。そろそろと顔を上げると類の顎が見える。今日で...

  • 17

    自宅へ戻った二人は、すぐにランプにオイルを入れつけてみる。「明るいね。」「ん。 十分使えるな。」「うん。 じゃあお湯を沸かすね。 沢山汗を掻いたし、類から行水してね。」「分かった。」お湯が沸くと、ランプを一つ持ち洗面所へ向かった。天井にひっかけるフックがあり、そこにランプ吊るすと部屋全体が明るくなった。「なるほど。 こうするのか。」類はお湯が冷める前にサッと行水する。そしてつくしのいるリビングへ戻...

  • 16

    類とつくしはもう魚釣りをする気持ちにはなれず村へ帰る事にした。蛇に似た魔物の処分に困ったものの、魔物の体には魔石があり、それは売る事が出来るとティアから聞いた。食べられるかどうかは疑問だが、魔石だけでもお金に換えられるならギルド商会へ持っていきたい。それにここに放置すれば他の魔物を呼び寄せるかもしれない。まるでロープのようにクルクルと巻き肩に乗せる類に、やっとつくしは笑顔を見せた。「ロープみたい。...

  • 15

    釣り道具を持ち川へ向かう途中「あっ、ティアに餌は何が良いか聞いてみようか?」「そうだな。」二人は食堂に顔を出す。昼過ぎで客は誰もいない。この世界に来て三日目だが、ここでは二食が当たり前のようだ。「いらっしゃい。 マキノ! ルイ! 食事?」問われて二人は顔を見合わせる。朝から薬草を取りに行きお腹が空いているし何より水分補給したい。「じゃあ少し食べて行こうかな。」「サンドイッチ一つとジュースを二つ下さ...

  • 14

    朝食を取り洗濯物を干した後、二人は二日ぶりに森に足を踏み入れる。つくしの髪はアレッタに貰った紐で括られている。そして入口周辺の薬草から取り始める。「これが腹痛に効く薬草。 こっちが頭痛に効く薬草。 やっぱり森に入ると薬草があるね。 村には何一つないのに。」「薬草に適した環境なんだろうな。 それに採取する人が少ない? 医師や薬師がいないと言っていたし。 それに多少の知識があったとしても魔物が出るかも...

  • 13

    家に戻った二人は早速盥を置いてみる。まるであつらえたかのようにぴったりと納まった。玄関前に置いていた薪を裏口へ運び、数本を竈に入れる。「薪は火が消えないようにしないと、使いたい時になかなか火が付かないと思う。」「うん。 中が広いから調理をしない時は竈の横の方に置くみたいだね。 火かき棒があるし。」「だな。 それと今夜はタンポポ亭で食べるとして、明日はどうする? 朝食を食べてから薬草取りに行くだろ?...

  • 12

    掃除道具も一揃えあり、遠慮なく使わせてもらう。食器や調理器具もある程度揃っており、いつでも娘が帰ってこられる状態になっていた。それを思うと、絶対にどこかで生きていて欲しいと願わずにはいられない。そこにティアがシーツとランプを持ってきた。「どう? すぐに住めそう? これアレッタから預かってきた。」「あっ、ティアさん。 ありがとう。」つくしはシーツとランプを受け取る。ランプはオイルが入っており、すぐに...

  • 11

    「おはようございます。」「あっ、おはよう。」店員は2人が手を繋いで降りてきた姿を見てニンマリと笑う。類の方は堂々と、そしてつくしの方は頬を染め下を向いている。二人は寝不足のようで、無事愛し合い満足した男性と、奔走された女性の姿に映る。店員は朝食の乗ったプレートを持ち、すぐに二人の席へ向かう。「昨夜は、あまり寝られなかったようね。」「はい。 あんなにすごいとは思わなくて///」店員はうんうんと頷き、つく...

  • 10

    ※周囲にお気をつけご覧ください宿の窓辺に二枚の下着と類のシャツを干し、ランプの灯を消してそれぞれベッドに横になる。(類:自身のアレを見られるのと同等に下着を見られる事もこれほど恥ずかしいなんて。きっと知り合ってまだ一日も経っていないからだろうけど、これがまだ続くのか?朝になると自分の部屋に居たって事になると良いんだけど。)(つ:二つ並べて干すなんてまるで恋人同士みたいだよね。 まあここでは夫婦にな...

  • 9

    二人は1ルーツを渡し店を出た。「凄く良い人でしたね。 サービスとして手ぬぐいを貰ったし。」「ん。 まああっても困らない物だし。」「はい。 でもどんな仕事を斡旋するつもりでしょうかね? 畑仕事ならまだしも土木関係はやった事ないんですけど類は出来ますか?」「土木関係?」「はい。 汗を掻くし汚れると言って手ぬぐいをくれたでしょ? って事は重労働の仕事を斡旋するつもりですよ。」途端、類はプッと笑いを漏らす...

  • 8

    部屋に入った二人は、サッと室内を見る。8畳ほどの広さでベッドが二つに小さなテーブル一つと椅子が二脚。そのベッドもシングルサイズ。(類:狭いな。 とりあえずベッドは二つあるが手を伸ばせば届きそうな距離。 ベッドにはスプリングも無く硬い。 まあシーツは綺麗にされているみたいだから贅沢は言えないか。)類は室内をマジマジ見て、ベッドの硬さを確かめるように手で押さえる。つくしはパッと室内を見た後、もう一つの...

  • 7

    森から抜けるとそこは広々とした平地が広がり、田舎の風景を思わせる様な景色だった。そして土道の先に転々と家が見える。「村だ。」「やっと抜け出せたな。」「うん。」魔物の森を抜け出た二人はホッと安堵する。そして近くで畑仕事をしている女性に声をかけた。「すみません。」「はい。 何ですか?」緑色の髪に青い瞳の女性は、やはりここが異世界である事を教えている。二人は驚きを表情に出さず、類は手にしているハギ―を掲...

  • 6

    類とつくしはデイジー村へ向かって歩いているが、明らかに違和感を感じていた。類は遠くのものまではっきり見えるし音も良く聞こえる。それこそこの先に小川があるのかせせらぎのような水音が聞こえる。つくしは道に生えている草の名前と効能、採取や処理の仕方などがパッと思い浮かぶ。「あのっ、ちょっとすみません。 先ほどからあたしの頭の中にその辺の草の情報が入ってくるんですけど、類も入ってきます?」(類:牧野も変化...

  • 5

    「あのっ、あたしの願いに『田舎のような緑豊かな場所で過ごしたい』という物があったので、多分こんな場所になったのかと。」「なるほど。 あり得るな。 俺も『現実に起こり得ないようなハプニング』と願ったからこんな事になったのかも? 他にもいろいろ思いながら寝落ちした。」「あたしも、いろいろと思いながら寝ました。」「ちなみにどんな願い?」(つ:それを言うの? ドン引きされるよ。 単なる恋愛だよ? しかもキ...

  • 4

    夢の世界だからと思う二人。それぞれ自分の夢の中に偶然にも同じように夢だと思い込んでいる異性が登場しているという設定だろうと。ただ心地よい風が身体に当たる感じや小川のせせらぎのような音が聞こえたりと夢にしてはリアルに感じがする。何より裸足の為、地面の感触がリアルだ。「リアルすぎません?」「すぎる。」「夢なんですから靴が欲しいと言えば出てくるんですかね?」つくしの言葉に類はなるほどと思う。(類:夢とは...

  • 3

    類は帰宅後スーツのポケットから占い師に貰った紙を取り出しベッドに放り投げる。そしてとりあえずシャワーを浴びるためにバスルームへ向かった。それにしても変な占い師だった。まるでどこかで会話を聞いていたのかと思うほど言い当てていた。しかもこんな紙切れで良い夢が見られる?頭をタオルで拭きながらもう一度紙をじっくり見る。少し厚めの紙で手書きで魔法陣のような物が書かれている。確か世界が変わるような時間を過ごせ...

  • 2

    類は真っすぐ駐車場へ向かうが道の端に小さな机を出した占い師がいた。その机の上には水晶らしきものが置かれている。こんな場所で客が来るんだろうか?だが酔っ払いのようなアルコールの入った人とか、若い女性などは興味本位でやるかもしれない。ただ通行人の目があり神妙な悩み事は話せないだろうし、なにより占い師はずっと水晶を見ているのか視線を上げない。これじゃ占いをしてもらいたい人も近寄りがたい。類の予想通り、チ...

  • 1

    ※ファンタジー色の強い作品となります。 類は司がNYから一時帰国しているという事で皆で集まる事になった。場所は美作が経営している創作レストラン。比較的安価で美味しいという評判のレストランだ。何時もより少し早めに仕事を終え、類は真っすぐそこへ向かった。既に25歳になっている4人は、仕事に奔走している。もちろん大学卒業後まだ三年ほどしか仕事に携わっていないが、それでも会議などでは意見を求められ最終判断を任...

  • 100-R

  • 100

    更に三年後の三月。つくしは大学を卒業し四月から花沢物産に勤めることが決まっている。配属先は総務部の受付業務になった。そこに至るまで紆余曲折があった。もちろん最大の難関は類だ。自分の秘書以外は認めないというスタンスだったからだ。だが今の類の役職は部長だ。入社一年目から重役職を与えるわけにはいかないという物だが、実際の仕事は重要な会議には出席し判断を仰がれる立場で一般の部長職よりも重要な立場にある。し...

  • 99

    フランスでは静が途方に暮れていた。大学のクリススマスパーティーのパートナーがいないからだ。去年まではこの時期になれば沢山の男性から申し込みがあり、その中から容姿や家柄を考慮し選ぶ事が出来たが今年は誰からも誘われない。一人で出席しても良いのだが、それでは恋人はもちろん友人もいない寂しい人と言う視線を浴びることになる。背に腹は代えられないと自分の方から誘ってみることにした。『ジョージ。 クリスマスパー...

  • 98

    10月になった。二人は鎌倉に来ている。テレビで巡礼古道が紹介され、まだ足を踏み入れていない道がある事を知り、是が非にでもそこを調べたくなった。そして以前と違い二人には一人のボディガードを必ずつけるようになった。何かあってからでは遅いと悟ったからだ。入り口には『古道巡礼』と書かれた木で出来た小さな案内板があるのみ。気づかず素通りしそうな細道だ。人一人が通るぐらいの幅しかないが、二人は並んでその道へ入...

  • 97

    ガラッ病室のドアを開けると、ベッドを少し起こした状態でこちらを見ているつくしと目が合った。瞬間、つくしが笑う。その笑顔に類は胸にグッと来るものを感じた。そして足をベッド脇まで進め近くの椅子に座ると直ぐに手を取る。その手は暖かい。再び、類の胸がグッとくる。「まきの、、、」「るい、、ありがとう。」「ん。 良かった。」この温もりを失ったら俺はどうなっていたんだろう?それを考えるだけで怖くて仕方ない。「類...

  • 96

    病室に総二郎が顔を覗かせた。つくしには親戚たちが付いている為、病室を出て廊下に出る。警察への説明が終わったのか三人が揃っていた。その三人を連れ近くの談話室へ向かった。「それで牧野の状態はどうだ?」「落ち着いているし意識もはっきりしてる。頬を叩かれたことによる腫れと、肋骨のヒビ、それと背中を包丁で切り付けられ15針縫ってる。三階から飛び降りたけど、上手く受け止められたみたいでその影響はないみたい。」...

  • 95

    303号室と思われるベランダへ向かって声を上げ続ける。「牧野! 牧野! そこにいるんだろ!」すると突然そのベランダに牧野が現れたと思ったら躊躇することなく柵に手をかけた。飛び降りる?そう思うと咄嗟に体が動きベランダの下へ向かう。「まきの~~!!」思った通り牧野は柵を蹴るように飛び降りた。その背後にキラリと光るものが目に入ったが、そんな事よりも牧野だ。牧野の落下地点へ走ると手を広げる。必ず受け止める...

  • 94

    つくしは恐怖で叫び声も上げられない。ただ、こんな男に犯されたくない!と強く思う。そして、、、蒔乃の心情を思い出す。楓弥以外に触れられたくないという強い気持ちから自ら命を絶った。それ位の気持ちは今のつくしにもある。ただ、、、自分は蒔乃と違い動ける体力がある!そう思うと必死に抵抗する。諦めない!諦めたくない!!類以外の人に触れられたくない!!ブチブチと制服のボタンが千切れるが、お構いなしに両手両足をば...

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