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りおりお
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2017/11/17

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  • 19

    つくしは起きると直ぐに洗濯を始める。そして朝食を済ませると掃除をし洗濯物を外に干す。昨夜のうちにほとんどの片づけは終わっている。結婚式の写真もテレビの横に置いてみた。(つ:類さんが来る週末には隠すけど、それ以外は出しておいても良いよね? 綺麗に撮れているし契約結婚をしていると自分を戒めるために使いたいんだよね。 自堕落な生活をしてはダメ! 類さんの好意で住まわせてもらっているんだから、手を抜くこと...

  • 18

    佳世が類の部屋にコーヒーを持ってきた。「佳代。暫くマンションの掃除洗濯は必要ない。」「と言いますと、他の方を雇われたという事でしょうか?」「まあそう言う事。また必要になったら頼むから。」「畏まりました。」「それと母親には内緒にしてほしい。知られるとうるさいから。」「畏まりました。」佳世は一礼して下がっていく。類はこれで暫く安泰だと思いながらコーヒーを口にした。同じころ自室に戻った麗はあれこれ考える...

  • 17

    ベッドサイドの引き出しに避妊具を入れた総二郎はニヤリとしながら類に告げる。「まあ万が一の時の為だからよ。ぜってぇ捨てるなよ。その時になって慌てふためくのはカッコ悪りぃぜ。」類は不貞腐れながら部屋から出る。それに続くように総二郎も出た。「それにしてもこの部屋で生活するにはこんなに足りないものがあったんだな。」「そうみたい。物干し竿も炊飯器も無かったしね。」「確かにそうだな。単にお前が寝るためだけの部...

  • 16

    類は初めてファーストフードのハンバーガを口にする。決して美味しいとは思わないが値段を考えるとこんな物だろうという感じだ。「今日も病院に行く?」「ちょっと顔を見に行ってきます。」「ここの片づけはどうする?」「ゆっくりやります。仕事もありませんし。」類はリビングに置かれた大量の品物を見る。(類:牧野が使う物ばかりだから牧野自身が片付けた方が後々分かりやすいと思う。)「空いているスペースは自由に使って構...

  • 15

    ホームセンターに足を踏み入れた類は驚く。広々とした店内の床はコンクリートむき出しだ。そこに大きなカートを押しながら人々が行き交っている。つくしも大きなカートを手に取るとそこに買い物かごを二つ置いた。「じゃあ、先に調理器具コーナーへ行きましょう。」「あっ、俺が押すよ。牧野は必需品をここに入れて?」「はい。」こうしてキッチン用品コーナーから回り始めた。メモを手に必要な品の場所へ来ると数ある中から安価な...

  • 14

    つくしがドライヤーを終えリビングへ戻ってきた。「牧野。車の手配をしたから明日は10時に出ようと思う。」「ありがとうございます。」(つ:本当に探偵社の車を借りたのかな?それともタクシーかな?)「それで何を買うかリストは出来た?」「とりあえずリストアップは終えました。」つくしはメモを類の前に置く。そこには沢山の品が書かれている。「数店舗回る必要があるな。まずは電気店からか?」「もしメーカーに拘らないのな...

  • 13

    類が先にお風呂に入る。ゆったりとしたバスタブは類が足を伸ばせる大きさだ。このマンションは花沢所有の物。最上階のこの部屋は類が室内を改装した。ぶち抜き寝室を広くすることも考えたが、解約後他者に貸すことを考え二部屋のままにした。それはすぐに功を奏した。類のマンションに親友達が泊りがけで遊びに来た時にもう一部屋を使うことが出来るから。風呂から出てシャンプーをする。(類:そう言えばこのシャンプーは男性用か...

  • 12

    約一時間ほど病室で過ごした後、二人は帰る事にする。「じゃあまた明日来るね。」「そんなに毎日来てもする事ないわよ?」「その時はその時。単にあたしがママと一緒に居たいだけだから。じゃあね。」つくしは千恵子に手を振る。類はぺこりと頭を下げ病室を出た。「ママと二人っきりの時、何か聞かれましたか?失礼な事は言ってなかったですか?」「失礼な事じゃないけどこの結婚に疑問を持っていたのは事実。だから順番は違うけど...

  • 11

    病院に到着すると土曜日の為入り口が閉まっている。つくしは類を案内しながら見舞客用出入り口へ向かい、そして母親の病室へ向かう。するとトイレから車いすに乗った女性が出てきた。「あっ、ママ!」その女性につくしがママと声をかける。類はサッと表情を引き締める。「つくし?」「式も終わったから、類さんと一緒に来たの。類さんもママに挨拶したいからって。」千恵子はつくしの後ろにいる類を見る。「初めまして。」「病室に...

  • 10

    総二郎が戻ってきた。手には額に入った大小の写真がある。「ほいっ。綺麗に撮れてるぜ。」二人はその写真を見る。とても偽装とは思えない雰囲気で撮れている。(類:凄いな。写真だけ見るとほんとに式を挙げたカップルみたいだ。)(つ:うわっ。類さんカッコイイ。この契約が終わったらこの写真貰おう。)「どうして二つ?しかも額に入っているけど?」「一つは牧野さんのお母さんの病室に飾れば良いかなと思ってさ。もう一つはこ...

  • 9

    コーヒーを一口飲んだ後、つくしは口を開いた。「今日は本当にありがとうございました。あたしの無茶なお願いを聞いてくださって感謝しています。」「いや、俺にとってもラッキーだったから。ホント母親には困っていたんだ。」(類:これで嘘ではないことになるし一か月後見合いをしなくて済む。)(つ:お母さんの気持ちもわかるんだけど、何時かは理解してくれると思う。だって総二郎さんって素敵な男性じゃない?男女問わず目に...

  • 8

    食事が終わり、西門の車で類のマンションへ向かうのだが運転手付きの車につくしは驚く。(つ:どういう事?探偵さんって運転手付きなの?)(総:怪しまれてるよな。探偵が運転手付きの車を持っている事が信じられないのも無理はないか。)「彼はプロのドライバー。ほらっ、対象者がタクシーに乗った場合、巻かれないように運転する必要があるだろ?その時、こういう格好をしていればバレないからさ。」「なるほど。という事はこの...

  • 7

    「じゃあ俺のマンションで過ごすとして、、、条件がある。」「なんでしょうか?」「牧野さん以外の人を連れ込まない事。それは男性も女性も同じ。」「はい。分かりました。」(つ:元々二人の愛の巣なんだから第三者に踏み込んでもらいたくないよね。)「俺の部屋には入らない事。」「分かりました。」(つ:何か特殊な道具とかあるのかな?単に黒髪さんとのテリトリーだから見られたくないのかな?そりゃぁあたしだって枕が二つ並...

  • 6

    類とつくしはチャペルで写真を撮っている。「二人共こっちを見て。」あれから類は急いで白のタキシードに着替えた。そしてチャペル内で総二郎に写真を撮ってもらっている。類の申し出につくしは戸惑った物の、チャペル使用時間は限られているし写真さえ撮れば母親に結婚したと思わせることが出来ると強引に押し切った。詳しくはその後でいろいろ話をしようと、とりあえず写真を撮る事にした。「これぐらいで良いんじゃねぇか?」二...

  • 5

    控室に入ると、机を挟みつくしの前に総二郎と類が並んで座る。そこにスタッフがお茶を持ってきた。「新郎が来たらすぐここに連れてきてくれる?それまでちょっと彼女と話をしているから。」「畏まりました。」スタッフは一礼して下がる。それをポカンと見るつくし。「あのっ、あなた方は食事をしに来られたんですよね?」「そうだけど?」「でもスタッフの方がかなり低姿勢でお二方の指示に従っているのはどうしてですか?」総二郎...

  • 4

    土曜日約束通り10時に総二郎は類のマンションのインターホンを押した。『はい。』「用意できたか?行くぞ。」『分かった。直ぐに降りる。』オートロックタイプの為、総二郎は一階で類が降りてくるのを待つ。暫くしてエレベーターから類が降りてきたのだが、大きなあくびをしている事から明らかに寝起きと分かる。「お待たせ。」「お前、さっき起きたところだろ?」「まあね。10分ぐらい前に起きたところ。」「きちんと起きれた...

  • 3

    類は自室へ戻ると急いで総二郎に連絡を入れた。『類か?なんだ?』「あのさ。面倒な事になってさ。あきらの婚約を知り、母親が俺に女性を紹介したいと言い始めたんだ。」『そうなるよなぁ。でも突然婚約とか結婚という訳じゃねぇんだろ?』「その点は大丈夫なんだけど、ただそれすらも鬱陶しくて咄嗟に嘘をついたんだ。SNSでやり取りしている女性がいるから無理ってね。」『はあ?』「そうしたら名前ぐらい教えろとか、かなり食い...

  • 2

    水曜日にはあきらの婚約が報道された。何も知らなかった田村は驚きと同時に急いで類の執務室へ入る。「専務。美作専務が婚約されたそうですがご存知でしたか?」「あぁ。直接本人から聞いた。」「さようでございますか。お付き合いされている方がいらっしゃるとは知らなかったもので驚いたのですが。」「政略結婚だからね。日曜日に突然婚約しろと言われたらしい。あきら自身も驚いてた。」「突然ですか。それはまた、、。」「そう...

  • 1

    月曜日類は急遽あきらに呼び出され20時に古民家風レストランへ向かった。「よぉ!悪いなぁ。」「いや、ただ連絡は早めにして欲しい。」こうして急に呼び出されることもここ数年かなり減っていた。それだけ仕事が忙しく重責を担い、簡単に都合が付けられなくなったのが理由だ。今日もたまたま明日に回せる仕事だったし、どうしても話しておきたいことがあると言われた為なんとか時間を作った。それにたまには気心が知れた親友達と...

  • 28

    司はあきらと総二郎の待つフロアの隅に向かって歩きながら、つくしとの初対面の時の事を必至に思い出す。初対面は俺が幼稚舎へ通っている時だった。突然両親に呼ばれて行った先に、外国人の家族とブラウンが居た。そして紹介されたが、あの時はもうすぐこいつらが遊びに来ることになっていたから、さっさと帰れよ!と思っていて機嫌が悪く、、。ここまで思い出したところでつくしの言葉を思い出す。《あんたのすぐ傍にいる人だった...

  • 27

    英徳の卒業式。司、あきら、総二郎は類の姿を探すがどこにもいない。「あいつまさかさぼりか?」「だろうな。」「まっ、プロムにしか興味が無いんだろうよ。」あきらと総二郎は呆れた口調で話す。「仕方ねぇ。 俺達もプロムに参加するとしよう。」「だな。 二人がどんな姿で登場するか見てぇしな。 司も必ず来いよ。」「俺もか?」「当たり前だ。 ブラウンさんがどんな姿で登場するか見てぇだろ?」「お前も見たいだろ? 許嫁...

  • 26

    ランチルームの一件から、類とつくしの仲の良い姿が学園内で何度も見られる。必ず手を繋ぎ笑いながら何かを話している姿だ。もちろんつくしに意地悪する人は誰もいない。類がつくしの父親の職業を告げた事もあるが、学び舎は沢山の物を学び吸収し交友関係を広げる場と言う言葉が広まったから。そしてバレンタイン当日。つくしは類に小箱を渡す。「日本では女性からチョコを贈るんだってね。 真木子ちゃんから聞いてびっくりした。...

  • 25

    類が注文する姿はレアだ。ホール内は何を注文するか聞き耳を立てている。「あたしはA定食にしよう。 真木子ちゃんもA定食で良い?」「じゃあ俺も同じで。」こうして三人はA定食を頼む。もちろんその後からは皆がA定食を頼むために長い列ができる。三人はそれぞれトレーを手に取り席に座ると、類は早速クラスでの様子を真木子に問う。真木子は言葉を選びながらも些細な虐め、妬み、僻みなどを話す。「類。 虐められていると言って...

  • 24

    つくしは視線を類から司へ移動すると大きな声で告げる。「道明寺! 過去三回しか会った事なかったけど、そのどれもあたしには全く優しく無かったよね。」突然つくしが話しだし、しかもその言葉は敬語でも無く友達に対するような物。こういう言葉遣いをされるのは親友以外初めてだ。しかも先ほど類と話すときは英語なのに対し、自分には日本語だ。つまりホールに居る全員に聞かせたいという気持ちだと分かる。それは先ほど自分が許...

  • 23

    「おい! お前だよ! つくし・ブラウン! いや、牧野つくし!」司はいつまでもこちらを向かないつくしにイライラが増している。周囲が全く見えていないし、見えていたところで関係ないという感じだ。つくしはこの場で何を言われるのか分からないがこのままでは不味いとゆっくり顔を向ける。既にフルネームを言われている。この後司から何を言われても、多くの生徒から謂われない言葉が投げかけられると分かる。だがここまで来て...

  • 22

    翌日、つかさは意気揚々と学校に向かった。そしてキョロキョロとつくしの姿を探す。もちろんすぐに見つけだしその場で解消を告げるつもりだ。だがこれだけ似たような女性がいると、誰がつくしか分からない。やべぇなぁ。全く分からねぇ。あきらと総二郎なら見つけ出してくれるだろうから昼休みまで待つか。こうして司はサッサと教室へ向かった。その数分後に総二郎とあきらがやってきた。そして周囲を見回し小声で告げる。「すっげ...

  • 21

    『実はさ、一昨日の日曜日に俺の家に兄と一緒にプレゼントを持ってきやがった。 考えられねぇだろ? 兄と一緒だぜ? 一人で行動できねぇのかよ!』「じゃあ受け取ったんだね?」別に兄と一緒でも良いと思うけど?単に一緒に買い物をしていたかもしれないし、そのついでに寄っただけかもしれないしさ。『ちょうど総二郎とあきらと出かけていたから使用人が受け取りやがった。 俺ならその場で突き返すけどな。 しかも中身はボー...

  • 20

    リアムの表情は真剣だ。先ほどまでの優しい口調ではなく怒りを滲ませた口調でつくしに告げる。『足を見せろ。』『お兄ちゃん。 それセクハラだよ?』『良いから見せろ。』つくしは全て知っていると判断する。それだけ真剣な表情だし心配しているのが分かる。仕方なくつくしは蹴られた方の太ももを見せる。『痛くないか?』『痛いけどシップを貼ったから。』リアムは鞄からシップを取り出すとつくしに渡す。『暫く必要だろ? それ...

  • 19

    数分後、見知らぬ電話番号から着信があり、すぐに通話ボタンを押す。もちろん英語が聞こえてきた。『初めまして。 ルーカス・ブラウンです。 つくしの父親です。 つくしが事件に巻き込まれたとお聞きしたのですが。』『初めまして。 花沢類と申します。 先ほど父親に連絡して、あなたに連絡を取ってもらいました。 後で警察からも連絡があると思いますが私の方から先に経緯を説明しておこうと思い電話致しました。』『花沢物...

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