chevron_left

メインカテゴリーを選択しなおす

cancel
りおりお
フォロー
住所
未設定
出身
未設定
ブログ村参加

2017/11/17

arrow_drop_down
  • 31

    もうすぐお盆休みという頃。そろそろ寝ようかという時刻につくしのスマホが鳴った。表示を見ると田村からだ。(つ:田村さん? こんな時間に? 明日は北海道出張だよね?)「はい。 牧野です。」「あっ、牧野さん。 こんな時間に申し訳ありません。」「いえ。 大丈夫ですが何かありましたか?」「急な話で申し訳ないのですが、私の代りに明日の北海道出張に行ってもらえないでしょうか?」その言葉に、つくしの眠気が吹っ飛ん...

  • 30

    類は出社するとつくしの机の上に紙袋を置く。その中は箱入りのお菓子のようだ。「お土産ですか? ありがとうございます。」「いや。 ワインありがとう。」「いえ。 ゆっくり出来たのなら何よりです。」「また頼む。」「はい。」それだけ告げるとサッと奥の執務室へ入っていった。そのやり取りを見ていた田村は笑みを漏らす。(田:昨日、福岡空港でサッと土産物店へ入る類様を見た時にはわ我が目を疑いました。そして一通り見た...

  • 29

    つくしは総二郎とあきらとの摩訶不思議な会食を終え自宅に戻った。そしてサッとお風呂を済ませるとスマホを手に取りオンラインゲームを始めた。するとすぐ花から声がかかった。<こんばんは。 今日は遅いね。><こんばんは。 急に食事会に誘われて。>(類:急に? モテモテだな。 まあ一緒に居て楽しいんだろうな。)<盛り上げ役? きっと草君がいると楽しいんだろうね。><いえいえ。 そんなんじゃなくて。 GWに体験教...

  • 28

    「あのさ。 つくしちゃんは秘書検定とか何か勉強してた?」「いえ全く。 面接時の希望も総務で出していたんですけど、なぜか秘書になっていました。」(総:田村さんが選んだんだろうけど選考基準が全く分からねぇ。まあ根性があるし俺達を見ても態度を変えねぇという点は類の秘書として合格だな。)(あ:自然体で肝が据わってんじゃね? 俺たちを前にしてもこうしてバクバク食べるという事は恋より仕事第一だろうしな。)「そ...

  • 27

    店内に案内され個室に入ると総二郎が笑いながら片手をあげる。つくしは自然にポッと頬が染まる。(つ:カッコいいんだよ。 専務も西門様も! それは間違いない!でも専務なら絶対こういう行動はとらないのよ。この軽さというか場慣れというか、、でも自然に雰囲気を柔らかくしてくれる。)(総:やっぱり来てくれた。 こういう時、真面目な性格って扱いやすよなぁ。)「約束の時間より早いけどそんなに俺と会いたかった?」「ち...

  • 26

    類と田村は直接福岡出張へと向かった。留守を任されたつくしはフランスから届いたメールに悪戦苦闘していた。フランス語が全く分からない為だ。その為、翻訳ツールを使いチェックしていた。「はぁ。 田村さんを尊敬するわ~~。専務もペラペラだというしあたしも習うべきかなぁ。」一人という事もあり、自然に声に出るつくし。一人で仕事をするのは気楽な反面、少し寂しい。室内がシーンとしているからだ。そんな中、受付から『牧...

  • 25

    GW明け。出社した類につくしは元気良い挨拶をする。「おはようございます。 茶会では色々ありがとうございました。」「いや。」それだけ告げるとサッと執務室に入る類。(つ:やっぱりオンとオフが違いすぎる。 でも仕事中はこれぐらいの方が良いかも?若いし舐められたくないという気持ちから自然に行動に出てしまうんじゃないかな?)(類:張り切ってる。 まあ茶会が気分転換になったんならそれで良い。)つくしは仕事に集中...

  • 24

    「今日は美味しい料理を奢っていただきありがとうございました。」「いや、これぐらい。 それより顔が赤いけど大丈夫?」「大丈夫です。 足はしっかりしていますから。」「そう?」確かにしっかりと歩けているようだ。「じゃまた仕事で。」「はい。 GW明けからまた頑張ります。 今後ともよろしくお願いします。」つくしはぺこりと頭を下げる。そして類が車に乗り込み発車するのを見送った後、駅へと向かった。(つ:比較的言葉...

  • 23

    つくしは前菜を前にポカンと口を開ける。(つ:これパスタじゃない。 どう見てもオードブル? 前菜? お通しとかじゃないよね?)「専務。 これは?」「ん? アンティパスト。 つまり前菜。」「ですよね。 パスタを頼んだのに何故前菜が?」「何故って、、、パスタの前に出るのが当たり前だろ?この後にパスタ、肉料理、サラダ、デザート、カプチーノだろ?」「つまりコース料理ですか?」「そう、、、だけど?」(つ:失敗...

  • 22

    車が停まり、その場所を見てつくしは驚く。「専務。 ここは?」「知らない? メープル。」(つ:知ってる。 高級ホテルで有名だから。 でもなんでここに?)運転手がドアを開け二人は降りる。つくしはキョロキョロと周りを見渡す。(つ:もしかしてこの周辺にパスタ屋があるんじゃ?メープルは単に車から降りやすい場所だったという可能性もあるよね?だってメープルにはパスタ屋はないでしょ?)(類:そんなにメープルが珍し...

  • 21

    ホテルの茶会会場を出る類とつくし。つくしは平謝りだ。「時間を取らせてしまい申し訳ございません。本日はいろいろ勉強させていただきありがとうございました。 貴重な体験でした。GWが明けましたらまた仕事を頑張りますのでよろしくお願いします。それでは失礼いたします。」深々とお辞儀をし、つくしはサッと踵を返した。(つ:足がしびれるという失態の上、専務を待たせ片付け作業も遅らせる結果に。完全なる失態! GW明けか...

  • 20

    順番が来て二人は総二郎の前に座る。二人が最後なのだが、総二郎は気を抜くことなく茶を点てスッと類の前に置く。類はつくしに軽くお辞儀をし、綺麗な所作で頂いた。次につくしの前にお茶が置かれた。(つ:まず隣の人に挨拶、、って、あたしで最後じゃない! この場合はどうするの?ええいっ! 最後なんだから点ててくれた西門様にお辞儀して、専務にもお辞儀すれば良いんじゃない?作法は気にしなくて良いって言ってたし間違っ...

  • 19

    GW茶会当日。つくしはホテルエントランス前で類の到着を待った。茶会は13時~16時。つくしとしては13時には受付を済ませたかった。嫌な事はサッサと済ませたいという気持ちだ。それが、、、つくしは「はぁ」と深い溜息を吐く。それはGW前のやり取り、、、*『専務。 茶会はホテル前に12時半待ち合わせで良いですか?』『嫌。 混む。』(つ:確かに初めの方が混む。 でもその方が沢山の人がいて作法など気にしなくて済む...

  • 18

    その日、つくしは早速『花』に相談した。<花さん、こんばんは。><こんばんは。><今、時間大丈夫ですか?><大丈夫。>類は親友達との四人の部屋ではなく『花』個人に話しかけられたことが嬉しい。単に今あきらと総二郎がゲームに入っていないだけかもしれないが。<実はですね。 せっかくのGWなのに上司と出かけることになったんですよ。>(類:恐いと言っていた上司だよな? もうすぐ入社して一か月になるけど今も緊張す...

  • 17

    つくしは執務室から出ると田村に相談する。「田村さん、田村さん。」「はい? 何でしょう?」「GWに茶会が行われるそうで、そこに招待されたんですが。」(田:ここに来た口実でしょうか?)「そうですか。 西門様の茶会は大変人気がありチケットもなかなか取れないと言われています。良かったですね。」(つ:全然良くない! そんなに人気がある茶会ならあたしが行かなくても良かったじゃない。最近、茶道人気が無くなったって...

  • 16

    執務室に突然総二郎が入ってきた事で、類はパソコンから視線を上げる。(類:近々来ると思っていたが本当に来た。 前室に牧野が居るはずだし、もう用は済んだはずだろ?)「もう帰れば?」「おいおい。 開口一番それは無いだろ?」「でももう目的は達成しただろ?」「第一目的はな!。」「第一目的?」類は怪訝な表情で総二郎を見る。「まあそんな怖い顔するなよ。 それにしても確かにお前が言っていた通り真面目そうな子だな。...

  • 15

    もうすぐGWという頃。つくしの元に受付から電話があった。『専務に西門様が来られています。』(つ:えっ? ニシカド? 今日は訪問客の予定はないはずだけどアポなしの客人? どこの会社?)つくしはパソコンに入っている取引先検索を呼び出し<ニシカド>と入力しながら田村に問う。「田村さん。 アポなしでニシカド様が来られたそうなんですが、どちらの方ですか?」「あぁ。 その方は専務のお友達の方です。」「お友達? ...

  • 14

    つくしは頼まれた資料を探しに倉庫へ向かった。最近の物はデータ化されパソコンで検索できるが、それ以前の物は倉庫にある。その膨大な資料の中から探し出したものを必要な部分だけピックアップしデータ化する。そして会議案件に添付する。入社当初は妬み嫉妬むき出しで見ていた秘書達も、二週間が過ぎる頃には何も言わなくなった。着ている服も黒か紺の地味な物でパンツスタイル。髪も後ろ一つ括り。専務とどうにかなりたいという...

  • 13

    「あっ、草君がゲームを始めた。」「おっ、じゃ早速聞いてみろよ。」類は渋々ながらも草に連絡を取る。<草君。 こんばんは。><花さん。 こんばんは。 今日は早いですね。><仕事が早く終わったから。 草君は?>(類:仕事が早く終わったんじゃなくて途中で切り上げたという方が正しいんだけどね。)その類のスマホを、総二郎とあきらが覗いている。二人がどんなやり取りをしているか興味津々だ。<今、帰宅途中です。>「...

  • 12

    「すっげぇ秘書だな。 まあ新入社員という事で色仕掛けとかそういう方面の余裕がねぇのかもな。」「それとも、、お前への嫌がらせかもよ?」「嫌がらせ?」類は呆然と呟く。今までそういう発想をしたことがないからだ。(あ:へぇ。 『嫌がらせ』という言葉に反応したぜ。)「お前の事だからその秘書に次々仕事を押し付けてるだろ?」「押し付けてはいない。」「けど頼んでんだよな? しかも凄く短い期限を付けて大量に。」(類...

  • 11

    4月中旬。類のスマホに総二郎から連絡があった。久しぶりに飲みに行こうという物。19時に新宿のバーで集合という事で18時30分には仕事を終え執務室を出た。すると田村は勿論だが牧野も残業している。「今日はもう帰る。」「「お疲れ様です。」」(類:そう言えば牧野は新入社員にも関わらず入社以来ずっと残業しているような?まあまだ要領が悪いだけかもしれない。)類はチラリと目に止めるだけで急いで待ち合わせ場所へ向...

  • 10

    紅茶会議当日。つくしは専務室で待機し会議には田村が同行した。販売促進部は前回の反省を踏まえ改善点を次々述べていく。パッケージの改善、販促物の展開などだ。「味は? 前回の物と加工方法とか変えている?」「いえ。 茶葉の変更はありませんがティーバッグタイプの物は仕様を変更しました。三角すいのような形にすることにより茶葉が開きやすく香りが高い紅茶に仕上がりました。」そこに紅茶が運ばれる。ティーカップに入っ...

  • 9

    翌日。類は昼食を完食する。それを見てつくしはホッとした。(つ:良かった。 花さんの言う通り忙しすぎて食事が取れなかっただけかもしれない。)そしてこの日、田村から類のスケジュールの作り方を教わる。だが社内外から多くのアポがあり悩む。社内のアポのほとんどは今後の販売戦略や新製品など多岐にわたっている。(つ:これ全てを把握しないといけないの? 飲食系から建設系まで範囲が広すぎる。そりゃあ昼食を食べる時間...

  • 8

    つくしは田村に教わった通り、朝一に日本茶を出す。30分後、それを下げに行くと一口も飲んでいない。10時にコーヒーを出すがそれも飲んだ形跡がない。昼に昼食を持って行くがそれにも手を付けない。「田村さん。 専務が食事にも手を付けず仕事をされているのですが。」「いつもの事ですので気になさらず。」「いつもの事ですか、、。」(つ:専務は何時も昼食を取らないんだ。 しかもそれを不思議に思わない田村さんもちょっ...

  • 7

    <花さん、こんばんは。><草君、こんばんは。 どうだった?><聞いてくださいよぉ。>つくしは不安、戸惑いよりも沸々とした怒りのような物を感じた一日だった。それを誰にも言えず何とか初日を乗り切り夜になるのを待った。<配属先は希望していたところと全然違うんですよ!>(類:よくある事だ。 そこに空きがあるかどうかも分からないし、あったとしても希望者が多ければ他に回される。)<あるあるだと思うよ?>(つ:...

  • 6

    類は壇上からつくしをチラリと見る。(類:女性か。 今は男女平等とか言われる為、男性が良いとは言えなかった。だからインターンで頑張っている奴で営業部長が欲しがる人材を引き抜いてと言ったんだ。絶対男性だと思ったから。 まあ仕事自体は雑用がメインだし体力勝負。田村の補佐だし田村の仕事がやりやすければそれで良いんだけど、、。 女性か、、。)入社式が終わると類はすぐ執務室へ戻り仕事を始めた。一方、つくしの周...

  • 5

    3月の異動で、類は予定通り課長から専務へと昇格した。ただ秘書課はかなり残念がった。類が専務に昇格と同時に新しく秘書がつくのでは?と噂されていたからだ。だが誰一人として移動が無かった。新入社員が専務秘書になるとは考えられない。その為、単なる噂話だったと片付けられた。そして3月31日の夜。つくしはスマホゲームから『花』に報告する。<研修が無事終わり、明日は入社式です。><おめでとう。 頑張ったね。><...

  • 4

    つくしは忙しくインターンという名のバイトをしていた。それは雑用に近い。商品ディスプレイの設置だったリ商品を勧める売り子だったりだ。だが社員の名前やその課の人間関係などが良く分かる。そして『花』のアドバイス通りだと感じた。会社説明会や去年参加したインターンと違い、言葉遣いや態度が厳しい。既に社員としての扱いのようにも感じるが、つくしは持ち前の元気さと明るさで頑張っていた。そして10月15日。ゲームの...

  • 3

    類はシャワー後、スマホアプリを起動させる。するとすぐに『草』から声をかけられた。<花さん。 こんばんは。>類はすぐに返事を打つ。<草君。 こんばんは。>類は草との出会いを思い出す。総二郎に教わったリズムゲームは寝る前のひとときに楽しんでいた。少しずつ上達するとレベルもアップしていく。すると他の人と競いたくなる。オンラインにするとすぐに五人が集められ同じ曲で競い合う。一曲終わるとグループチェンジを繰...

  • 2

    10月。つくしは内定式が無事終わり入社式までの説明を受けていた。入社前の3月頃には研修があるのだが、その前にインターンという形で仕事をすることも出来る。もちろんバイト扱いになるためお金が貰える。ただ自分の希望する職種とは異なる仕事が与えられるかもしれないし最低賃金となる為かなり安い。つくしは悩む。(つ:単位は取れているけど卒論はまだ残っている。ただどこかでバイトをしたいと思っていたのは事実。入社ま...

arrow_drop_down

ブログリーダー」を活用して、りおりおさんをフォローしませんか?

ハンドル名
りおりおさん
ブログタイトル
さくらいろ
フォロー
さくらいろ

にほんブログ村 カテゴリー一覧

商用