反省点もありました。2日目の昼下がりになると、レシピエントクイズ用紙が、すべて出尽くしたのを理由にして、「今年のNフェスは終了…」と、我々は、声掛けを止めて…
生体肝移植・人工透析・生体腎移植を乗り越えて社会復帰を果たした夫婦の軌跡をドナーが綴っていきます。
「ダブル移植の語り部」、このタイトルを見て、「どういうこと?」と思われる方がほとんどでしょう。「ダブル移植」には二重の意味があります。 ひとつは、生体臓器移植を一人の人間が2回(生体肝移植と生体腎移植)行っている、という事。もうひとつは、一人の人間が生体臓器提供者、いわゆる「ドナー」となって、2回移植手術を受けている、という事。 これが、「ダブル移植の語り部」という変わったタイトルの内実です。
そこでまずは手始めに、一般の方々に配布するためのチラシを、作成してみました。最初に作ったチラシがこれです。↓(個人情報にあたる部分は、一部消去) このチ…
今日からは、私たちが立ち上げたNPOの、活動内容について、お話ししたいと思います。 話は一昨年2023年の秋に遡ります。 2023年夏に、NPO法人として認…
腎臓の移植実施施設は、他の臓器に比べて格段に多く、140施設ほどあり、しかも、大都市に一極集中している訳ではなく、全国に点在しています。 腎臓は左右対称に備…
それでは、私たちが立ち上げたNPOは、何をするべきなのかと言えば…(1)の『脳死ドナーの登録数が少ない』言い換えれば、『脳死ドナーになってもいいと、実際に意…
3つの問題点のうちで、(2)の『脳死下の臓器提供では、家族の承諾が必要である』そして(3)『移植医が少ない』 (2と3)に関しては、医療側の早急な制度改革や…
これらの特徴を読むだけでも、韓国では、臓器移植に、積極的に取り組んでいることが、伝わってきます。昨今、日本で頻発している、医療施設側の都合による、移植断念が…
現場のヤル気のある移植医たちのヤル気を、「公平・公正」という正義の御旗で、叩き潰すのならば、日本唯一の臓器移植あっ旋組織として、諸外国の発展要因を取り入れて…
ところが、2006年に起こった、病気腎事件(正しくは修復腎事件)では、厚生労働省や関係学会は、「地方の田舎医が勝手なことをするな!」という目線で、患者のため…
テレビのスイッチを切った後に、思い浮かんできたのは、藤堂(とうどう)医師でした。 前章の「移植医療の近未来」で取り上げた藤堂先生は、アメリカ在住のわずか17…
この3つの要因のうち、(3)に関しては、移植医不足への対応策として、2019年から、経験豊富な専門医を派遣して、脳死移植手術が行えるように、指導・研修する取…
今から3か月前の、2024年(令和6年)10月24日、Eテレで放映された、「なぜ増えない?臓器移植の現状」という番組において、日本の移植医療水準が、世界トッ…
~実用化を目指して~最後に『免疫寛容プロジェクト』からのお知らせがあります。 現在、免疫寛容プロジェクトでは、これから生体肝移植を受ける患者さんを、対象とし…
「先日、免疫抑制剤を飲んでいない、免疫寛容の患者さんと、お話しました。その免疫寛容の患者さんは、他の移植患者さんと異なり、マスクも薬の処方も、何も必要ありま…
「免疫抑制剤は、移植医療が、真に普及する、基盤研究になったものですが、この薬を今度は、減量→無くす方向に、頑張っているジレンマも、あるかと思います」という、…
~免疫抑制剤が要らない移植医療こそ 医療者の悲願~ (まずは、内田医師から…)「国内では、治験を通じて、2026年度中に、JB-101(誘導型抑制性T細胞)…
〈内田医師の研究動機、続き〉「ただし、免疫抑制剤は、生涯にわたって、飲み続けなければなりません。この免疫抑制剤は、拒絶反応を抑制する一方で、体のメンテナンス…
その後、本田くんには、細胞の処理や培養が行われる、細胞加工施設で、JB-101を製造する、アイソレータでの作業風景を、見学してもらいました。 生きた細胞を使…
また、治験には、臓器移植を行う、外科医だけでなく、内科医・ソーシャルワーカー・薬剤師治験コーディネーターなど、さまざまな職種が関わっていることを、伝えました…
当日は、本田くんの疑問に答えようと、内田先生をはじめ、免疫寛容プロジェクトの最前線に立つ、メンバーが集まり、それぞれの専門分野の説明を、担当しました。(中学…
誘導型抑制性T細胞(JB-101)による治療の治験が、進んでいることを知った、本田くんは、サイトの記事や動画を見て、疑問に思ったことをまとめて、内田先生に、…
この時の訪問記には、現在行っている研究と、これから進めていきたい研究などが、明示されていて、誰もが「そうなったらいいな」と思える内容でした。しかも、男子中学…
この『免疫寛容プロジェクト』の治験対象者は、現時点では、「これから」生体肝移植手術を受ける、レシピエントとドナーですが、肝臓にとどまらずに、腎臓など、他の臓…
「死ぬか生きるか」というハードルを、乗り越えられる病(やまい)は、昨今、頻出していますが、移植医療の特性は、「死ぬか生きるか」のハードルと同時に、「健やかな…
藤堂先生が、アメリカから呼び戻されたのは、1997年。この年は、日本で初めての、〈臓器移植法〉が施行された年ですが、藤堂先生は、「日本に臓器移植を根付かせよ…
藤堂医師は、帰国後の、1997年から2013年までの間、北海道大学教授として、生体肝移植を導入。率いるチームは、肝移植後に免疫抑制剤を使用しない、免疫寛容療…
この賞ゆかりの医師、スターズル博士(1926~2017)は1967年に、世界初の肝移植に成功して以来、臓器移植と免疫学の臨床研究で、先駆者の一人となった、米…
ちなみに、この画期的な、生体肝移植免疫寛容臨床試験を行った、藤堂省(とうどうさとる)教授は、免疫寛容の専門医である、内田浩一郎医師の師匠なのですが、藤堂先生…
腎臓の免疫寛容の臨床試験は、未だ、良好な結果に繋がっていませんが、その一方で、肝臓の研究は、順調に進んでいます。もともと、生体肝移植における、免疫寛容の臨床…
それから昨年は、「正義ってなんだろう?」と、自問せざるを得ないことばかりが、起きました。 ロシアとウクライナのエンドレスの戦い。イスラエルとハマス側勢力の戦…
昨夏の酷暑と言えば…私専用の机は、リビングの冷蔵庫の横にあるのですが、我が家の冷蔵庫クンの孤軍奮闘ぶりは、涙ぐましいものでした。 絶えず大きなモーター音がと…
いよいよ、2025年(令和7年)の幕開けです。明けましておめでとうございます。 「おめでとうございます」と書いておいて、こんなことを呟くのも、少し気が引ける…
「ブログリーダー」を活用して、isyokukataribeさんをフォローしませんか?
反省点もありました。2日目の昼下がりになると、レシピエントクイズ用紙が、すべて出尽くしたのを理由にして、「今年のNフェスは終了…」と、我々は、声掛けを止めて…
来場者の減少に呼応するように、用意したクイズ用紙は、午後2時近くには、全て出尽くし、『クイズに答えて景品をもらおう』イベントは、終了となりました。 我々のブ…
昨日までは、『レシピエントクイズ』に関する説明や、来場者の反応について、記してきましたが、 話はNフェス2024に戻ります。 開場から2時間、お昼頃になると…
また、より詳細な裏事情を明かせば…心臓死後の臓器移植は、『言うは易く行うは難し』のごとく、日常的に遂行するのは、とても難しい医療行為だと言われています。 例…
~脳死と植物状態のイメージがつながっていて、脳死と宣告されても、生き続けるかもしれないと思ってしまう。その思い込みが、脳死下での提供拒否の遠因になっていたら…
昨年の「ドナークイズ」では、ドナーについて、間違った選択肢に○を付ける人は、稀(まれ)でしたから、いかに、レシピエント(臓器を提供してもらう重病患者)という…
「レシートの印字面で、スマホ画面を磨くとピカピカになる」という正解に驚いた出演者が、実際に、レシートでスマホ画面をこすって、その効果を実感する、という番組構…
また、レシート紙は結構頑丈なので、軽く水に濡らしても、すぐに破れてしまう訳ではなく、ゴシゴシこすっていると、鏡面に紙のボロボロがくっつくので、仕上げにそのボ…
ところが、ある日偶然に、「レシートの有効な利用方法を、知っていますか」という文言が、パソコンの画面に表示されていたので、思わず、クリックしました。すると… …
Q1二つ目の選択肢、〈レシートの紙を使って鏡をふく人〉に関しては、馴染みのない方がほとんどでしょうから、少し説明したいと思います。 私たちは普段、買い物をす…
2024Nフェス用に作った、「レシピエントクイズ」は、 Q1 レシピエントってどんな人? A 料理のつくり方(レシピ)を 考える人 B レシートの…
願ってもない熱心な若者が、立ち寄ってくれたことに、感動している私は、真剣に質問してくる相手に、本当はもっともっと、臓器移植の話をしたかったのですが、絶え間な…
一方、このボランティアくんとは対照的な、真摯な若者にも出会いました。 ほとんど全ての来場者は、クイズに答えて、カラークリアファイルをもらうと、去っていくので…
12時になると、お昼休みなのか、学生ボランティアがやって来ました。クイズの紙を渡すと、ボランティアくんは、あっという間に○を付け、「出来ました」と見せてくれ…
大手企業が配っている、立派なお土産に比べれば、ささやかなものなのですが、「景品」という言葉につられて、クイズの紙と○をつけるボールペン、そして、クイズの答え…
もともと、このようなイベントに参加する人は、(企業の勤務予定でやむなくという、勤め人もいるでしょうが)無償で、は勿論のことですが、土・日を費やすことを厭わな…
骨髄ドナー登録は、存命中に連絡が来ますが、マイナンバーカードの下部に、設けられているのは、「もしも、脳死に陥った時には、臓器を提供してもいいよ」という、脳死…
「ホントですか!ありがとうございます」と、応答したものの、続く話になんだか違和感があります。 人懐こい会社員の彼は、「その後、いつ連絡が来るかと思っているん…
生命保険会社2社は、血管年齢測定や、ベジチェック(野菜不足チェック)をして、景品袋を配るようです。 面白い出展内容は、お葬式企業による『納棺体験』や、鉄道会…
今年は2度目の会場準備でしたから、ほどなく準備完了となりました。 夫は、会場に来ている企業人と、名刺交換をしつつ、話の合間に、NPOの宣伝をしているのです…
〈Mー2 車椅子での生活〉 退院前日、移植コーディネーターのTさんが、夫の病室に、やって来ました。 「退院後は、毎日、体温を測っていただき、体温が37,5度…
〈Mー1 車椅子での生活〉 「退院は、8月14日」と告げられたのは、その10日前。 退院日までに、決めておかねばならない懸案が、二つありました。一つは、その…
〈Lー5 肝機能は回復〉 しかも、夫の肝機能は、相変わらず、移植前のような、悪い数値が、続いています。 ところが!七月も終わるころから、夫の肝機能が、ぐんぐ…
〈Lー4 肝機能は回復〉 その確信が、少しずつ、不安へと変化していきました。 いつまでたっても、人工透析による、血液浄化時間が、短くならないのです。むしろ、…
〈Lー3 肝機能は回復〉 人工透析が始まって、一か月が過ぎたころ、私には、不安が二つありました。 ひとつは、ダメージを受けた、移植肝臓が、いつ、再生するのか…
〈Lー2 肝機能は回復〉 娘が付き添って、歩行訓練をした時、病室を出て、ニ、三分歩くのは、ソロソロと遅かったのに、「駄目だ、戻る!」と言って、きびすを返した…
〈Lー1 肝機能は回復〉 季節は、すっかり夏。七月に入ると、夫の歩行訓練が、始まりました。 病室・病棟での訓練には、大人用の歩行器。リハビリ病棟での訓練には…
〈Kー8 人工透析を開始〉 座る練習をする一方で、危険な行動をして、事故が、起きないように、夫のベッドの下には、マットが敷かれるようになりました。 このマッ…
〈Kー7 人工透析を開始〉 六月中旬になると、夫を車椅子に乗せ、病室を出て、エレベーター前の、見晴らしの良い所で、しばらく東京の眺望を楽しむ、という日課が、…
〈Kー6 人工透析を開始〉 六月からは、車椅子に乗って、どれだけ座っていられるかが、日々の課題になりました、 最初は、二、三分しか、座っていられなかったのに…
〈Kー5 人工透析を開始〉 「生死五分五分」と告げられた、五月中旬から、半月が経ちました。 相変わらず、移植肝臓は働かず、人工透析は、必要不可欠な医療となり…
〈Kー4 人工透析を開始〉 私に手を上げることなど、一度もなかった人でしたから、管が抜けることを、ただひたすら、そのことだけを、どれほど、直近の希望にしてい…
〈Kー3 人工透析を開始〉 私が病室にいる、数時間だけは、「青い布を取り外し、紐も取っていいですよ」と、言われているのですが、裏返せば、それ以外は、拘束状態…
〈Kー2 人工透析を開始〉 その様子を見ると、振り出し以下に、後退してしまったという、何とも言いようのない、虚無感と、「このまま、廃人になってしまうのでは」…
〈Kー1 人工透析を開始〉 初めての人工透析は、あの悪夢の感染から、一週間後。 夫は、一週間の、ICUでの集中治療を経て、再び、元の個室に戻っていました。 …
〈Jー9 悪夢の細菌感染〉 飛び出していった娘から、二時間後に電話があり、「緑膿菌という、たちの悪い細菌に、感染していて、生死は、五分五分。ここ数日が勝負だ…
〈Jー8 悪夢の細菌感染〉 その後、私は、神仏に祈り続けました。とにかく、夫の最大の危機だと感じたのです。「命が危ない。どうか、助けてください!」と。 夫の…
〈Jー7 悪夢の細菌感染〉 午後五時過ぎに、やっと、移動式のレントゲン検査の機械が、持ち込まれました。この時点で、ドレーンのお掃除により、細菌が、夫の弱り切…
〈Jー6 悪夢の細菌感染〉 夫は、ICUから出て、まだ5日しか経っていません。この時期の、生死にかかわる重篤な症状、それは、急性拒絶反応と感染症です。 病院…
〈Jー5 悪夢の細菌感染〉 私が、もっと騒げばよかったのかもしれません。けれども、ずっと夫を診ている、病院スタッフのほうが、正しい見立てができると、信頼して…