桜の茶会が終わると宗家は茶会以外の行事で大忙しだった。まずは光翔の小学校入学で、英徳小学部の制服を着た光翔を囲み、庭の桜の下で家族全員の記念撮影。この時も祐子の悪阻は酷くなく、孝三郎と共に入学式に出席することが出来た。建翔の面倒は志乃さんがみることになり、嬉しそうな顔の3人を乗せた西門の高級車が走り去るのを皆で見送った。英徳の制服は有名デザイナーのもので、カバンもランドセルじゃなく共通の通学バッグ...
花より男子の二次小説サイトになります。特に類と 総二郎が大好きですべてハッピーエンドなります。
読むだけでもの足らず、とうとう自分で書いてしまいました。自己満足の表現不足とは思いますが、楽しんでいただけたらと思います。
何とか予約したグランピングのフロントに到着・・・17時までって言われていたんだけど、そのギリギリの16時50分だった。私は運転席でぐったりしていたので、総二郎が元気よく手続きに行ってくれて、私達の泊まるテントの位置を聞いてくれた。「お待たせ~♪」「・・・すごい山の中だね~。車はどうすればいいの?」「ドームテントのすぐ近くまで行けば、そこに駐車場があるってさ」「了解・・・」「その場所聞いたんだけど、この道を左...
27日の夕方、類はいつものように執務室で仕事をしていた。その時に私用のスマホが鳴り、類はそれをチラッと見る。掛けてきたのは総二郎だ。当然そこには藤本もいたが、類はその電話に出ると「総二郎、どうかした?」と言った。その相手の名前で藤本が手を止め、類の方を見る・・・2日前の事があるので当然だろう。類はそれを見ないフリして席を立ち、窓の外に目を向けて話し始めた。これは「計画」の一部であり、前回のように類の...
もうすぐ5月という季節だから気温はぐんぐん上がってきた。だから着替えは嵩張らず、薄手の服に上着があれば大丈夫・・・?でも山の中だから寒いかも・・・と、なかなか持って行くものが決まらない。いや、昨日の夜に粗方決めてたんだけど、どうしても不安・・・必要ないのは可愛いワンピだって事ぐらいだ。「まぁ、いっか・・・国内だし、最悪どこかで買えば・・・」湯治の温泉だとかグランピングだとか言っても、場所は東北自動車道矢板ICを降...
キッチンで夕食をつくるつくし・・・その手にはスマホがあった。味噌汁を作りながら見ているのは真利愛の動画で、音を小さくして繰り返し見ていたのだ。子ども用ではない大きなベッドに寝かされている真利愛・・・そのベビー服は如何にも上質だとわかるもので、可愛らしいワンポイントの模様があるだけの真っ白なものだ。余計なフリルもリボンもない襟付きのロンパース・・・おそらくオーガニックコットンなのだろう。小さな手で顔を擦った...
とうとう来てしまったゴールデンウィーク初日・・・昨日の夜は目が冴えて眠れず、やっと寝たと思ったらもう朝だった。だから頭がぼんやりしちゃう・・・でも今日はそんな事言ってられない!だって再び5000万円のハンドルを握らなきゃいけないんだもん!僅かな傷だって許してくれないだろうから、ここは一発気合いを入れないと!!そしてその先は・・・・・・総二郎と山の中で1週間の監禁生活///!それがどんな感じなのかを想像したら頭が...
今日は通いの家政婦が来ているようで、無表情な女性が1人、せっせとテーブルに軽食を運んでいた。リビングには大きなクリスマスツリーがあり、壁にもクリスマスリース、窓辺にはポインセチアが並び、まるで12月のホテルロビーのような派手な飾り付けだ。そのクリスマスツリーはゴールドのライトが光るだけの大人っぽいもので、瑛翔も冷めた性格なのか感心はなさそうだ。真利愛は美央に後ろに隠れ、無言でこの部屋を見回している...
野田の話が気になり、俺はつくしの部屋に向かった。花と木(それとエロ本)にしか興味のない野田にも判ったぐらいの高嶋の態度・・・はやり何か企んでるな?と思ったから。「つくし、入るぞ~」そう言ってドアを開けたが・・・・・・そこにつくしの姿はなかった。でも鞄はあるし、着ていた服も脱いである。それに部屋の隅には小さなスーツケースが広げられていて、そこにはカラフルな下着が山ほど置いてあった。・・・なるほど、これがグランピ...
時間はあっという間に過ぎ、14時45分・・・類は藤本を待たせている西門邸に戻らなくてはならない。社用と私用のスマホを確認したが、少し前に総二郎からメッセージが1件入っていた。それを読むと、『町田を出るときには連絡するように』との事だけで、それ以外の言葉はなかった。つくしも保育園に行かなくてはならず、ソワソワと時計を見ている。その不安そうな「母親の顔」を見て、類は微笑ましい気持ちになった。「真音のお迎...
<side銀二郎こと野田>「じゃあ俺は先にタクシーで帰るから、お前は近くのパーキングで時間潰して、21時になったらここに来い」「判りました~」「絶対無事につくしを連れて帰れよ。これが今日のバイト代な」「・・・(ここは戦闘地域やないねんから!)・・・ありがとうございますっ!ところで総二郎様、足は大丈夫ですか?」「阿呆、そんなもん、もう痛くもなんともねぇよ。でもお袋には黙っとけよ?」「タクシー乗れるところまで結...
重ねた手は動かさないまま、類は左手で珈琲カップを持った。それをひと口飲んで、話の続きを促した。それからは遙香の強迫めいた言葉になるため、つくしは1度躊躇った。が、ここまで来たら嘘は吐けない・・・だから遙香に言われた言葉をそのまま伝えた。『もしも子供を花沢に渡さないというのなら、私にも考えがあるわ。親子無事で過ごせる保証はなくてよ?』そのぐらいの言葉は想像していた類だったが、流石に事実を伝えられると悔...
「じゃあこれで歓迎会は終了で~~~す!二次会に行く人はお店出たら右側に集合~~~!タクシー手配しますよ~!」やっと窮屈な歓迎会が終了・・・幹事の声に一同ザワザワと動き出した。私も自分の鞄を持って立ち上がり、ここで総二郎に電話することに・・・幹事が精算してる横を通り過ぎて、店の外に出たら左側に移動した。二次会に行く涼子にジェスチャーで帰ることをアピールすると、彼女は「了解~、じゃあ連休あけにね~」と言って...
つくしはチャイムを聞いて玄関に向かった。ここに来てからは来客などはなく、来るとしたら宅配ぐらいのものだ。だが本郷からも何も聞いていなかったので、何かの勧誘かと思った。1度東京を離れてから、つくしは不意に来る客には用心深い。だが同階の住人かもしれないので無視は出来ないと思い、ドアスコープを覗いてみた。だがそこには誰もいない。不思議に思ったが、もしかしたら自分の足音が聞こえたかもしれないので、無視する...
高嶋さんは社会人期間が8年だけあって、所長達との会話も上手・・・時事関係にも詳しくて、オトナだな~と思いながら1人で食べてた。私と離れてる席では涼子達が楽しそうにしてて、それが羨ましい・・・。私達の事務所の飲み会は、基本席移動しない。何故なら取り残される人が出る可能性があるから・・・今の所長の考えで、自分の席で隣同士の人とのコミュニケーションを取るように言われていた。だから気の合う連中との飲みは二次会でし...
3人は長い廊下を速歩で進み、本邸のとある部屋の前に行くと、そこには3人の黒服の男がいた。総二郎は中国語で話し掛け、相手の方が態度が大きく、どちらかと言うと総二郎の方が低姿勢に見えた。当然類も中国語で挨拶しているが、その様子は和やかではなく緊張感が漂っていた。藤本の眉間には皺がより、ゴクリと喉を鳴らした。花沢物産の秘書課に配属されるのであれば英語が話せるのは当然だ。だがそれ以外の外国語を使いこなせる...
居酒屋・福ちゃんの宴会場・・・私は一般のお客さんが座る席を背中側にして、隣は高嶋さんだった。その反対側はあまり話さない家電課の野口さんと言うおじさんで、向かい側には量販課の小山君。この人もそんなに話すわけじゃないから、どうにも会話が続かない・・・。所長と部長相手に話すこともなく、1人で食べてる感じだったんだけど・・・「牧野さん、お酒あんまり飲まないんですね~」「敬語はやめてくださいよ~、高嶋さんの方が歳上...
真音と真利愛の誕生日の翌日。類はいつもより静かに目覚めた。隣には真利愛がスヤスヤと寝ており、それをずっと眺めていた。今日は総二郎と計画をしたことを実行する日。上手くいけば、今日こそ・・・・・・そんな事を思いながら真利愛の髪を撫でると、愛娘は薄らと目を開けた。「・・・・・・ぱっぱ?」「おはよう、真利愛」「・・・・・・ふあぁ~~~~~!ママはぁ?」「もう起きてるだろうから行ってみたら?」「あいっ!!」真利愛はムクッと起...
「おっはようございま~~~~す♪」「・・・・・・おはよう、つくし」「今日はまたすんごいテンション高いね、牧野さん・・・」「・・・・・・・・・・・・」←麻衣更衣室に入ったら涼子達にヘンな目で見られたけど、気にしな~~い♪♪ついでに龍崎さんもいたけど、その隣に行くと超ご機嫌に「今日も頑張ろうね!」って言うと、「なんだ、もう諦めたんですか?張り合いないですねぇ~~」、だって。そんな言葉なんてどうでもよくて、私は彼女を無視して涼...
「みぃちゃパパ、いつできる~?」「・・・もう少し待って、真音・・・案外難しいんだよ。美来、説明書取ってくれる?」「は~~~い、どうぞ!」つくしが夕飯の御馳走を作っているとき、リビングでは真音のおもちゃが組み立てられていた。本郷は背中を丸くして説明書とプラスチックの部品を持ち、「え~~と・・・」と悩んでいる。その横では待ちきれない真音が電車を持って床の上を滑らし、美来は父親の手伝いをする気満々だ。つくしは時...
翌朝、アラームの音と同時に目が覚めた。と言うか・・・殆ど寝られなかった///。「お、起きなきゃ・・・」今日も西門さん・・・総二郎のところに朝食を持っていかないといけない。昨日、あんな事があったからすごく気不味いんだけど・・・でも心の何処かでワクワクドキドキしていた。「可愛い下着にしなきゃ・・・」いやいやいや、今は何も起こらないって!だって仕事に行くんだもん、なにも可愛い下着じゃなくても・・・と言いながら何気にチェック...
「「「まぁ君、お誕生日、おめでとう~~~!!」」」「うわぁ~~~い、ありがと~~♪」町田のマンションでは真音の誕生日会が始まった。まずは食事で、つくしの作った料理が並べられている。中央にはケーキ型の寿司が置かれ、それには本郷も美来も驚いていた。それにおかずも豪華に飾り付けられ、真音は手を叩いて喜んだ。「それがね、作ってたら和洋中みたいになって・・・お寿司なのに中華スープだし、ハンバーグに唐揚げって・・・...
唇が離れた瞬間・・・私は何が起きたのかさっぱり判んなかった。でも目の前には西門さんが笑ってるし、まだ身体はホールドされてるし・・・・・・でも意識が戻った瞬間、「ちょっとーーーーっ///!!何すんのよーーーっ!!」「えっ?!そんな反応かよ💢!!」「言葉よりも先に行動なんてズルいーーーっ!!」「いや、お前の返事がトロいからだろうが!!その前に静かにしろ!お袋が飛んでくるぞ?」「ーーーーーーっ!!」私が両手で口を押...
11時20分・・・そろそろ黒田夫妻と瑛翔が来る時間になった。類は面倒くさそうというよりも無関心といった感じで、どうせ数時間経てば終わることだ、ぐらいの感覚だ。が、美央の方はどんどん緊張が増していく。その表情が強張っており、類もそれには気がついていた。だが今更中止というわけにもいかず、美央に何かを話し掛けても「大丈夫」という言葉しか返って来ないのも判っている。「そろそろ降りようか・・・」「え?えぇ・・・そう...
お稽古が終わって、このままお互いの部屋に戻るんだと思ったのに・・・何故か西門さんが私の部屋に来たので吃驚。でもここは西門さんの家なので、「入るな」とは言えない。もう21時過ぎてるし、こんな事は初めてと言うか・・・いつも分かれ道(廊下)でバイバイするのに、今日はいいのかな?と思っていたら、彼の方が先に部屋の中に入った。しかも極自然に・・・・・・居候とは言え、一応女の子の部屋ですが?!「えっと・・・何か忘れ物?」「...
12月24日になった。今日は真利愛と真音の誕生日・・・つくし達と花沢家では、それぞれ祝いの準備が進んでいた。「おはよう~、真音!お誕生日、おめでとう~~~!」「うんっ!ぼく、3さい~~~♪」「真音、おめでとう」「まぁ君、おたんじょうびおめでとう~~~~!あとでプレゼント、あげるからね~」朝1番、つくし達は真音に祝いの言葉をかけた。それから普通に朝食を食べたが、つくしはすぐに昼と夜の御馳走の準備に取り掛...
冷め過ぎたお弁当はあんまり美味しくない。でもお腹が空いていたからゆっくり食べて・・・その時に西門さんが立ち上がって、ここのミニキッチンでお茶を入れてくれた。その湯呑みを受け取り、彼もひと口・・・私達は部屋の真ん中のラグに座り、西門さんは胡座かいて真剣な顔してた。ホントに悲しそうでも辛そうでもない。そして、今度は聞いてもないのに自分の結婚が決まった時の事を教えてくれた。西門さんの婚約話は今から1年半前で、...
23日の土曜日・・・明日は真音の誕生日なのでその為のパーティーをする予定だ。だが美来が昨日から風邪気味なので、本郷が午前中に病院に連れて行き、つくしと真音は留守番。そして午後にはつくし1人が買い物に行くことになった。それに本郷にはつくしの部屋に置くユニット家具を組み立てるという仕事があったので、子ども達と家に居ることにしたのだ。「拓篤さん、ホントにごめんね。そのタンス、なかなか組み立てが難しくて・・・」...
「牧野様、お帰りなさいませ~~~~」「・・・志乃さん、ただいまです・・・」「どうなさったのです?お顔の色が悪うございますけど」「・・・ははは、なんでもありません。あの、ごめんなさい・・・今日のお弁当、食べられなくて・・・」「えっ?!」「ホントにごめんなさい・・・」鞄の中からお弁当箱を出して志乃さんにそう言うと、この人は目がテン・・・でもこれを夕ご飯にしても大丈夫だと思い、「部屋で食べますから」って言うと、そのお弁当箱...
類は浦田からのメールを見て黙り込んだ。町田市相原のマンション、そこの607号室・・・そしてその前に送られていた画像にも気が付き、美央に見えないところでそれを開いた。保育園の門から出てくるつくしと真音と女の子、そして真音をチャイルドシートに座らせている場面、つくしが運転席に乗り込む時にははっきりとその顔が見えた。別れた時は出産直後だったため、つくしは少しふっくらしていたし、身体も元には戻っていなかった...
本日17時過ぎ・・・私がお仕事をしていましたら、突然LINEが♪と。開いてみると、なんと空色様からのお話がっ!!あなたは類つくじゃなかったのか?!やっぱり隠れ総つく、いやいや、もう立派な総つくじゃないかっ(笑)!!とは言え、送っていただいたからには公開するしかないっ!ってことで、空色様のお話をどうぞ~~~♥◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆頑張れ!アレクサ 総二郎Ver.桜の盛りは思いの外短い。開花宣言から1週間程...
「西門さんって奥さんがいたんですね♪あ、ご心配なく~、今は独身だそうですよ?牧野さんと一緒ですね!」・・・・・・えっ?今、なんて・・・・・・奥さんって・・・・・・誰のこと?「何処かのお嬢様だったみたいですけど、どうして離婚したんですかねぇ?牧野さん、その理由を聞いてきて下さいよ~~~♪私、彼を狙ってるんで参考にしたいんですけどぉ~!」・・・何処かのお嬢様?離婚の理由って・・・そんなの言われても・・・・・・だって、私何も聞いてな・・...
木曜日、浦田は朝早くに本郷のマンション近くに来ていた。車は近くのパーキングに止め、マンションが見える喫茶店での朝食・・・そして監視しているのは当然マンションの入り口で、手にはカメラを持っていた。浦田は類に報告したあと、昨夜のうちにマンションに入り下調べをしていた。幸か不幸か、このマンションはかなり古かったためにオートロックではない。だから住人以外も出入り自由だったし、監視カメラも入り口に1台設置され...
<side龍崎麻衣>「ここか・・・・・・すんごい古臭い家だなぁ!てか、どんだけ長いの、この塀!しかも中が全然見えないし!」ネットで調べたら出て来た「茶道・西門流」。わざわざ仮病使って会社を休み、その住所に来てみたんだけど、どう見ても武家屋敷・・・クソ長い白い壁に囲まれてて、デッカい木の門がある。塀の向こうには松の木があるのは見えるけど、家なんて全然見えない。人の声も聞こえないし、何と静かな・・・と言うか、不気味な...
水曜日、つくしはすっかり元通りになった。昨夜から真音もつくしの部屋で寝ており、風邪もうつらなかった様子・・・それにはつくしが1番ホッとしていた。次の日曜日は真音の誕生日のお祝いだし、その時に熱を出してしまったら可哀想だから。「今日は今度働く会社に行って、入社に関する書類とかもらってくるの」「そうなんだ・・・初出勤が年明けって不思議な感じがするよね」「ふふっ、初めましてよりも先に、明けましておめでとうござ...
「なんだって?!龍崎さんが休んだぁ~~~っ?!」「つくし・・・声がデカい」「牧野さん、落ち着いて・・・」次の日、会社に行ったら涼子に言われたひと言・・・朝1番に当番で来ていた子が、かかってきた電話をとると龍崎さんが元気な声で・・・『あ、すみませ~~~ん!今日、お腹が痛くて立てないので会社休みま~~す!』と言ったそう・・・。当番の子が「病院に行ってね」と言ったらしいが、それを言い終わる前に電話を切られたとか・・・あの...
火曜日の午後、今日も真利愛は冷たい風を気にもせず、庭で若い使用人相手に遊んでいた。その様子をリビングから見ていた加代と美央が「子どもは元気ですよね~」とか、「恵子さんの方が風邪引かないかしら」などと話し合いながらティータイムを楽しんでいた。本来加代は使用人なので主家のお茶になど付き合わないのだが、美央が1人だと飲みにくいとのことで、時々一緒にその時間を過ごすことがあった。「美央様、24日ですけれど...
なんだか1日中私に敵対心ぶつけてきた龍崎さん・・・一体なんでそんなに悪態つくの?って疑問だけど、イチイチ聞くのも面倒臭い。教育係も2ヶ月間だし、それが過ぎれば普通の先輩後輩で、私の責任も軽くなるってもんだし。それまで辞めずに頑張るかさえもわかんない子だったから、気にしないようにした。それよりも今日もお稽古だろうか・・・とブツブツ言いながら着替えていた。当然その横には龍崎さんもいて、彼女は私を無視して背中...
15時30分になったら本郷は車のキーを持ち、「迎えに行くね」とつくしの部屋を覗いた。その頃のつくしは熱が引き、身体は幾分楽になっていたので玄関まで見送りに行き、買い物の追加も頼んだ。本郷はそのメモを持ち、戯けたような笑顔で「任せて」と言ってドアを閉める・・・それは何度も謝るつくしを気遣ってのことだろう。そして保育園に着くと美来が「パパ~!」と大喜びで出て来たが、真音はションボリしたままだ。それについ...
<side龍崎麻衣>「はぁ・・・・・・ダルい。こんなつまんない会社、入るんじゃなかった!」まだまだ火曜だってのに会社に行きたくなくてどんより・・・。でも給料ないと遊ぶことも出来ないから、仕方なく起き上がってメイクした。それから昨日買っといた菓子パン食べて、今日の服を選んで・・・「西門さんが迎えに来ないって言ってたから、普通の服でいっか!今日は里奈でも誘って、渋谷に飲みに行こ~~~っと!」それにしても牧野つくしぐら...
この日、浦田は類から依頼されたことを実行するため、自分のアパートで策を練っていた。会社名は判っている。が、関東には松田商事の支店や店は数多く、出向いて調べるのは効率が悪い。しかも防犯カメラに映るのは後々面倒だし、不審者としてマークされる可能性もある。そうなると電話になるが、本郷拓篤を探す理由として、不審に思われないためには・・・「・・・ダメ元でやってみるか」そう呟くと松田商事の本社に電話をかけた。その時...
グランピング・・・・・・豪華なキャンプなんて全然想像出来ないけど、西門さんが異様に張り切ってるから行く事にした。しかもキャンプ道具が要らないからって、車はヴァンキッシュ。この車を運転するのは西門さんOnlyだったはずなのに、この前私が運転したから「もう大丈夫だろう」って。再び5000万円のハンドルを握るのかと思ったら恐怖しかないけど、丁度高嶋さんから御守りももらったばかりだし?これは行ってみるしかないかも!...
「ただいま~!あぁ、寒かった~」本郷がマンションのドアを開けたのは20時30分。玄関で靴を脱いだ瞬間、奥のリビングからバタバタと走ってきたのは子ども達だ。そして出て来た言葉が・・・「パパ!早く来て!」「ママがね、ママがね!」「えっ?どうしたの、2人とも・・・」「いいから早く!つくしママが大変なの!」「うあああぁ~~~ん!」「・・・っ?!」真音が泣くのを見て慌てた本郷がリビングに入ったが、そこにはつくしの姿...
茶筅・・・クルクル回すだけの物だと思ったのに、まさかの5万円。お茶会で使う物は新品だって言うから、その都度5万がクルクルするのかと思ったら私の方がクラクラしそうだった。しかもこれまでカルチャーセンターで2~3回やった時には見様見真似で気にしてなかったのに、それに手順があるなんて・・・しかも西門さんがやると芸術っぽいのに、私がやると料理みたい。ついついゴマ擦りの気分で力を入れたら、見事に3本穂先が折れた・・...
部屋に入った美央は深い溜息を吐いた。そして奥にある自分の部屋に向かうと、そこでスマホを手に取り、ベッドに腰掛けた。着信履歴には柑菜から3件・・・いずれも30分以内にかけてきている。これを無視しても再び花沢に電話をかけてくるだけのこと・・・それならさっさと用件を済ませてしまおうと、リダイヤルをした。その電話はすぐに通話になり、聞こえて来たのは・・・『ちょっと!どうしてすぐに出なかったの?私からの電話なんだか...
「今日もお迎えが来るんですか?」業務終了後、龍崎さんがニヤリと笑って聞いてきた。その「お迎え」とは西門さんのことだろうけど、彼は2週間安静にしなきゃいけないからここには来ない。だけど、その事実を彼女に教える必要はないから「暫く来ないわよ」と言うと、見事に私を無視。自分のロッカーに向かって「面白くないなぁ~」なんて言いながらド派手な私服に着替えていた。「本当に来ないんですか~?」「来ないってば。私の...
次の日・・・一睡もしなかったつくしは、酷い顔で朝食の準備をしていた。顔色も悪く、目の下にはクマが出来ている。泣きすぎて瞼は腫れぼったく、身体が怠くて力が入らない・・・そんな感じだから頭が重く、本郷が起きて来て挨拶をしてもすぐには反応出来なかった。それに気が付いた本郷がキッチンに行くと・・・「つくしさん、どうしたの?」「えっ?あぁ・・・おはよう・・・」「・・・なに、その顔・・・悲惨だよ?」「あはは・・・やっぱり?あんまり寝...
「だって私、西門さんの事が気に入ったんですもの。絶対に手に入れます♪牧野さん、彼女じゃないんだし、問題ないですよね?私、男に関しては今まで失敗した事ないんで~~~♪」本当はすぐにでも言い返したかったけど、上手く言葉が出なかった。男に関しては失敗しかない私にとって、その自信は威力が有り過ぎる・・・だから不本意だけど、目を逸らせてしまった。「・・・そんな話は仕事中にしないでもらえる?早く座りなさいよ、今から研...
類たちが花沢邸に戻ったのは19時で、それから夕食だった。その時には頭にカチューシャを付けた真利愛が加代に抱きつき、加代はそれを見て「まぁ、可愛らしい」と大喜びだ。美央は買って来た菓子の土産を手渡し、玄関は一気に賑やかになったのだが・・・「美央、加代、悪いけど少し頭痛がするから部屋に戻る。真利愛と一緒に食べてやって」「まぁ、類様、大丈夫ですか?」「・・・・・・・・・・・・」「ぱっぱ~~?」「少し休めば良くなるから...
牧野がお茶を入れてくれて、それから一緒に飯を食うことに。その重箱の中には小さめのおにぎり3個におかずが少々で、俺には丁度いい量だったが牧野は若干・・・いや、相当物足りないようだ。だから俺のおにぎりを1個分けてやると、「いやいや、怪我人はちゃんと食べないと!」と言いつつも受け取ってた。「俺はあんまり動かねぇから腹が空かないんだって」「え~~?!起きてるだけでお腹空くよ?」「お前、燃費の良い身体だもんな・...
3年ぶりに類を見たにも関わらず、つくしは無我夢中で3階に上がり、急いでエントランスから外に出た。そして後ろを振り向かずに車を停めた方向に向かって走り、暫くしたら交差点で信号に引っ掛かったので足を止めた。恐る恐る振り返る・・・でも追い掛けてくる人はいない。それにホッとして近くのビルの壁に凭れかかり、息を整えた。そこで類の姿を思い出し、涙が溢れてきた・・・・・・何も変わっていなかった。髪型も昔のままで、類が好...
まさか、私が鋏でちょん切った藤の花と白い花(姫林檎)が家元の宝物だったなんて・・・それを聞いて西門さんが焦っていた事に納得した。だけど今更何も言うなと言うから、それは黙っておくことに・・・申し訳なくて、家元の背中に向けて何度も謝った。その大事なお花、私の部屋で押し潰されておりますのでご安心を!!そして考三郎君は自分の部屋に戻り、家元もトボトボとご自分の部屋に向かう廊下へと・・・。西村事務長も事務所を閉めて...
キャラクター達がダンスしたり歌ったりする中、つくしはそれを無感情で見ていた。ステージが照らされているからその他は当然のように暗く、大勢の人達がいるが、そこには意識がいかない。ただ漫然とそのショーを眺め、全然違う事を考えていた。鞄の中のララのぬいぐるみ・・・それが真利愛に思えて仕方なかった。出来るならキキも取りたかった、と。ショーが終わりに近付いた頃、美来と真音はキャラクターに「バイバイ~~!」と手を...
「・・・・・・・・・・・・」「牧野、もう少し肩の力を抜け・・・逆に怖い」「・・・・・・・・・・・・」「おい、少し右に寄りすぎじゃねぇか?」「・・・・・・・・・・・・」「てか、どんだけゆっくり走ってんだよ。ヴァンキッシュが泣くぞ」「少し黙っててよ!!」今は21時10分、真っ赤なヴァンキッシュを運転してるのは私・・・そして10分前、やっとこさ都内に入ったところ。それは何故か・・・西門さんが防波堤から落ちて足を怪我したからだ。しかもかなり酷い捻挫...
美来がトイレから戻ってきた時、真音もその姿を見て本郷のところに向かった。そして4人揃って次に向かったのは・・・リトルツインスターズ・キキ&ララの世界を体験できるアトラクションだった。・・・キキとララ・・・12月24日生まれの双子の姉弟。そこに入ってキキとララを見ると、姉のララはピンクの髪にピンク色のスカート、頭には大きなリボンがあった。弟のキキは水色の髪でワンピースみたいな服を着ている。星の子というイメー...
「西門さん、小腹空かない~~?」「はぁ?お前、どんだけ食えばいいんだよ~~!」「きんづばは食べてないもん~」牧野の現金自動増殖祈願を済ませ、土産を買って車に乗った瞬間に言われたひと言。この時16時過ぎで、そろそろ東京に戻ろうと思ったのに・・・でも隣でずっと腹が空いたと訴えられるのも困るから、ネットで調べると・・・「おいもカフェ ってのがあるけど、どうする?」「おいもカフェ?!いくいく!!」「・・・んじゃ、ま...
「4階ってあんまり遊ぶところはないんだね」「1階と2階がメインみたい・・・そろそろ3階に降りる?」「・・・くすっ!」「えっ、なに?」「いや、つくしさんのカチューシャ、ホントに似合うと思って」「ーーーっ///!!」美来と真音がショップで色々見ている最中、その横でつくしと本郷はそんな会話をしていた。それを見る美来の目は、まるで年頃の女の子のよう・・・子供ながらに意味深な笑顔で父親を見上げていた。真音の方は母よりも...
鶴岡八幡宮でまさかのスイーツ♪それを食べ終わったら駐車場に向かうことになった。その時、さっきの花嫁さん達が何処かに帰っていくのを見掛け、再び足が止まった。すごく幸せそうな笑顔・・・誰かに声をかけられ、写真を撮ったりして。「そうだよね・・・普通はあんな顔になるよね」「なにがだ?」「花嫁さん・・・あんな風に笑うよね。だって幸せな日だもん・・・」「どうしたんだ、お前」「・・・私、記念写真も捨てちゃったけどさ・・・あんな顔...
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桜の茶会が終わると宗家は茶会以外の行事で大忙しだった。まずは光翔の小学校入学で、英徳小学部の制服を着た光翔を囲み、庭の桜の下で家族全員の記念撮影。この時も祐子の悪阻は酷くなく、孝三郎と共に入学式に出席することが出来た。建翔の面倒は志乃さんがみることになり、嬉しそうな顔の3人を乗せた西門の高級車が走り去るのを皆で見送った。英徳の制服は有名デザイナーのもので、カバンもランドセルじゃなく共通の通学バッグ...
夏美さんが呆然としてる・・・・・・流石に自分でも不味いコトしたと思ってる。でも流れた玉子は拾えなかったし、真ん中の穴みたいなところ(ディスポーザー)にス~~~っと落ちていき・・・「どうしましょう、夏美さん・・・」「残った玉子は4個ですから、小さめのを作りましょうか💦」「ごめんなさい・・・」「大丈夫です!これも慣れですからね!」でも玉子をキレイに割ることは覚えたので、気を取り直して玉子4個を割った。そして夏美さんに...
翌日の紅葉の野点では、家元夫人のお茶席で祐子さんと一緒にお手伝いをした。まだまだ阿吽の呼吸とはいかないけど、とにかく自分の出来ることを頑張るしかない。2人とも家元夫人と色違いの着物で、それだけで周りの人達には意味が判ったようでザワザワしたけど・・・それでも笑顔を絶やさず、大失敗をしないことだけを願いながら。野点茶会が始まって2時間後にやってきた花沢類と美作さんは、何故か総二郎のお茶席じゃなくて家元夫...
「はぁ~~~~~!12時になったぁ!」「社食に行く?今日の日替わり、なんだったっけ?」「池上君、今日は13時30分には芝崎産業に行くから遅れるなよ~~」「はい、すぐに飯食ってきます!」「花沢課長、キリがいいところで食事にしませんか?」「・・・ん」・・・なんとか午前中の業務終了。俺も昼食に行こうと席を立った。他の社員のように社食に行ってもいいんだけど、俺の場合は周りにいる社員の方が気にするってことで、いつ...
1時間後・・・・・・クタクタになった私達は母屋に戻っていた。後援会の皆様への挨拶は道明寺達のおかげで滞りなく終わり、むしろ後半はこの人達によって私達の結婚が西門流にとってもこの上ない幸運だと言わんばかりに盛り上がってた。総二郎の親友なんだから特別顧問的な役割は続くのに、オマケに私の後ろ盾だなんて・・・家元ご夫妻も彼らとニコニコしながら会話し、「今日はどうもありがとうね~」なんて言ってる。そして鬼みたいな顔...
マンションに戻ったのは11時30分。ここで夏美さんが「すぐにご飯を炊きましょう」って言いながら、さっき買ってきた食料品の中からお米を取り出した。「お米を・・・たく?」「えぇ、炊飯器で炊くんです。これも忘れました?」「・・・・・・あ、あは・・・あっははははは!」「簡単ですからすぐに思い出せますよ」野菜を炊いたものなら知ってるけど、基本私達のご飯は玄米を蒸して強飯にしたり、水をたっぷり入れて煮るお粥がほとんどだっ...
「つくし様、終わりましたわ」「・・・ありがとうございます、志乃さん。うわぁ・・・私じゃないみたい///」「うふふ、よくお似合いですわ。では総二郎様をお呼びしますね。お客様もすでにお待ちのようですので」「・・・・・・は、はい!」今日は後援会の皆さんとの顔合わせの日・・・家元夫人から譲り受けた色留袖を着て、ドキドキしながら控えの間で待っていた。総二郎が選んでくれたのはすごく綺麗な袷の色留袖で、地色は象牙色、柄はすべて手...
夏美さんとホームセンターに行くと、真っ直ぐ向かったのは「キッチン○○」ってことろ。(↑○○=用品だが、まだ漢字が読めない)そこにはキラキラした(金属)ものが沢山あるんだけど、私には何のことやら・・・だから全部彼女に任せることにした。まずは”包丁”・・・「このまえ買ったかどうか忘れたんですけど、2つあっても良いと思うので」「は~~い」「ぺティナイフも買いましょうか」「・・・は、は~~い」(←わかっていない)夏美さんが...
お義母様との話し合いが終わった翌日から、私はいただいた着物を着て本邸を歩くことになった。そしてここではお義母様から家元夫人に呼び方も変更・・・自分1人では何をしていいのかわからないので、常に家元夫人にくっついていた。玄関の花を変えたりするぐらいなら緊張はしないけど、生徒さんが来たときに挨拶するのは心臓が破裂しそうになる。なんたって生徒さんの半数は名家のご令嬢・・・今はフリーの総二郎がお目当てなんだもん。...
サンルームとやらに干された3日分の下着・・・白に鴇色(ときいろ・ピンク)に空色・・・乾いたらこれを畳んだらいいとのこと。でもそれを何処に仕舞うのかしら?この部屋には唐櫃(からびつ)もないんだけど・・・。出典:e国宝「どこに仕舞っても自由だと思いますけど、確かにお部屋にタンスはないみたいですね~」「服は向こうに置いてあるんですけど・・・」「あぁ、クローゼットですね?でもこんなに広い脱衣場があるし、ここにも棚がある...
つくしと葵が退院してから1ヶ月が過ぎた。梅雨の晴れ間で、気温もそう高くない日・・・・・宗家には客人が来ていた。それは神楽木裕也夫妻で、その手には葵のための祝い着があった。淡い黄色から赤への暈かしがあり、美しい配色の毬に組紐、そして熨斗目が描かれたもので、華やかな芍薬や桜なども。金彩も施され、煌びやかさもある極上のもの。それを見るつくしや祐子は目がテン・・・お袋は涙ぐみながらそれを手に持った。その場には親父...
「まだ始まっていない・・・とは・・・?」「えっと・・・・・・つくしさん、成人してますよね?」「せいじん?」「大人・・・ですよね?」”せいじん”・・・つまりそれが大人って意味?私達の頃は男性は「加冠の儀」つまり「元服」、女性は「裳着の儀」ってのがあった。元服は帝であればおおよそ11歳から15歳まで、皇太子であれば17歳までに行われてたけど、通常14歳前後が多かったみたい。元服式には「理髪の役」と「加冠の役」の役目があって、まず...
出産がこれほどまでに大変だったとは・・・・・・光翔の時には立ち会わなかったからわからなかったし、正直美涼の苦しみや痛みまで考えなかった気がする。でもつくしの様子を見ていると、彼女も必死に産んでくれたのだと・・・・・・もう少し感謝の言葉をかけてやれば良かったと思った。と同時に、これだけの思いをして生んだ光翔を愛おしく思えなかったことに対して疑問が湧いたが・・・「・・・総二郎、どうかした?」「あ、いや・・・なんでもない。...
夏美さんが来てくれたので安心して全身の力が抜けた・・・けど、この人に色々と教えてもらわないといけないので、「よろしくおねがいします!」と元気よく挨拶♪中に入ってもらって、まずは・・・・・・何をする?「え~~~~~と・・・」「あぁ、お茶とか珈琲とかはいいですよ。仕事で来てるので気を遣わないで下さい」「・・・(あぁ、お茶を出すものなのね?そもそも炭汁(珈琲)は作れないし)・・・あはは///すみません」現代社会を知らないフリ...
5月31日は土曜日で、一颯の保育園はお休み。光翔くんの幼稚園もお休みで、子供達は朝から庭で遊んでいた。あんな風に走ったり飛んだり、しゃがんだりが身軽で羨ましい・・・と、自分のお腹をさすりながらそれを眺めて・・・・・・「・・・つくし、平気か?」「へ?あぁ~~~、うん、まだ平気」「陣痛が来る前に入院してもいいんじゃねぇの?」「そんなの病院に迷惑だよ。陣痛間隔が15分ぐらいで行く人もいるんだし」「でも・・・・・・」「そん...
「おはようございます、花沢課長///」「課長、今日も素敵なスーツですね~~♪」「・・・・・・・・・」「無口だけどそこがまた///」←ただの無愛想「ねぇねぇ、今日は少しワイルドな髪型じゃない?」←ただの寝癖「「「花沢課長、おはようございます~~~♪」」」「あぁ、おはよう・・・・・・」「「「きゃあああ🧡今日はご挨拶できたぁ🧡」」」そんな声もほとんど耳に入らず、床の大理石タイルに視線を落として歩いた。頭の中では1人にしてしまった...
墓参りから1週間が過ぎ、明日は桜の茶会。今回もつくしは準備だけで、当日は子供達の世話係。まだ後援会に何も話していないので、姿を見せないように離れで過ごすことにしていた。が、祐子は茶会終了後に挨拶するために数日前からその練習をしていた。お袋から譲り受けた着物を着て、光翔にも着物を着せて・・・その時は流石に一颯の事が気になったが、子供なのであまり深くは考えていないようで助かった。むしろ面倒くさいことをせ...
翌朝、やっぱり私はベッドから落ちて寝ていた。でも類がそこにマットレスってのを敷いててくれたので、今日は身体が痛くないなぁ~と思いながら身体を起こすと・・・もう類はこの部屋にはいなかった。「・・・あ、今日から仕事に行くって言ってたっけ・・・」いつまでも寝てるから、起こさずに出かけたのかと思って飛び起た私。その時にズボンの裾を踏んで転けそうになりなからも、ドアを開けて隣の部屋に行くと・・・・・・「おはよう、つくし」...
桜の茶会の10日前・・・彼岸の日に神楽木家に向かった。車中にはお袋の姿もあり、つくしが後部座席で一颯の相手をし、お袋は助手席。運転席の俺も少しばかり緊張するが、まだ祖母に慣れていない一颯のためにはこの方がいいだろうと思ったからだ。お袋は紫地の江戸小紋に紹巴織の名古屋帯。春らしい着物ではなかったけど、品があり、墓参りに相応しいものだった。「ねぇ、ママ。かぐらぎのおじちゃんはなんのお仕事してるの~?」「...
その日の夕ご飯も誰かが持って来てくれた物をレンジでチンして食べることになった。何度もやったから温めは完璧🧡そしてコンロでお湯を沸かすことも出来るようになった。ここでまた初めての物が出てきたんだけど・・・すごく軽くて四角くて、スカスカしてる?「類、これはどうやって食べるの?このまま囓るの?」「それはフリーズドライの卵スープだよ」「・・・・・・?」「あぁ、フリーズドライって言うのは真空凍結乾燥って意味で・・・・・・わ...
それから数日間、つくし達は大きな問題もなく過ごしていた。少しばかり増えたことと言えば、真利愛と真音にパーティーでの挨拶を教えることだった。いくらこの豪邸に住んでいた真利愛でも、ビジネスパーティーには出席したことはない。真音に至っては堅苦しい服を着ることですら初めてだ。だからと言って3歳児に完璧なマナーなど出来るはずもないので、可能な範囲でのこと。特別な講師を招くわけでもなく、加代が教えるのだが、そ...
翌朝・・・サッちゃんは早朝から仕事だから、私が目を覚ましたときにはもう部屋にいなかった。その部屋を見たら、私の荷物がドーンとド真ん中に・・・前に使っていた部屋だけど、今はサッちゃんと野田さんの部屋だから男性用品もあるし、さり気なく結婚式の写真も飾ってあるしで、私はすごく迷惑なことをしたんだな・・・と。なんたって昨日は総二郎と大喧嘩・・・それを新婚のサッちゃんに八つ当たりしまくった気がする。「頭痛いなぁ・・・身体...
その日はいつもより早く帰宅出来そうだったため、類は加代に電話をして、子ども達と一緒に食事をすると話した。すると加代から聞かされたのは今日の昼間の出来事・・・「えっ、真利愛とつくしが?」『はい。そんなに酷い喧嘩ではありませんが、つくし様を突き飛ばすような事をしてしまって・・・』「そう・・・・・・それでつくしは?」『必死に真利愛様を宥めておいででした・・・』「真利愛は?」『まだ謝ってはおられませんが、そのあとは真音...
夕食時、考ちゃんは茶道教室・夜間の部があるとのことでいなかったけど、その席には祥一郎さんが♥見飽きた顔じゃなくて、長男さんがいることを家元夫妻も喜んでるみたい♪特に家元夫人はお母さんの顔になってるし~。「どうなの?お仕事は上手くいってる?」「もうどのくらい手術したんだ?」「まだ勤務して数年だし、そんなに言えるほどじゃないって」「あら、じゃあ一人前とは言えないの?」「欧米だと一人前の心臓外科医になるに...
「つくし、何しているの?」「ん~?えへへ・・・・・・子ども達の服を縫うの。その型紙を作ってるんだよ~」「服・・・つくしが作るの?」「うん!それとね、ぬいぐるみ達の服とか、ランチョンマットとか・・・あ、類のはブルーだよ♪」「くすっ、今日は機嫌がいいんだね」「へっ///?あぁ・・・うん、まぁね~」真音と真利愛が寝てしまった後で類が帰宅し、つくしはその時もテーブルの上に型紙を広げていた。類はそれを覗き込んだが全く判らない...
なんとか巨大迷路を抜け出し、出口前で合流したのは16時。そこに道明寺さんはいなくて、私たちはアイスを食べながら待つことに・・・するとしばらくして数人のスタッフさんに連れられて、ブスッとした彼が戻ってきた。どうやら巨大迷路を破壊したことで、お説教&損害賠償の話があったらしいけど、道明寺さんは「全部立て直してやる!」と即答したらしい。スタッフさんもこの人が道明寺ホールディングスの人(経営側)だとわかり、...
その日の夕方・・・土曜だったので類は早めに帰宅できた。当然それを迎えに出たのは真利愛と真音で、「ぱっぱ~~!」と飛び付いたのは真利愛だ。真音も同じようにしたい様子だったが、真利愛の勢いに負けるのと、まだ素直に類に触れることが出来なかった。そんな真音に気が付いて、類はいつも真利愛の後で真音も抱き上げた。「うわ・・・真音、少し重くなった?」「ほんと?ぼく、大きくなった?」「まいあは~?まいあも大きくなったぁ...
巨大迷路の入り口に立つと、そこには2つのコースがあった。1つは体力勝負のアスレチックコース、もう一つは仕掛けを解いていく知力コース。迷路としての建物は1つだけど、中の通路は巧みに入り組んでいるため2つのコースが交わることはないそうだ。そのどっちに行くかってことで、再びジャンケンすることに。勝った方が好きな方を選ぶことにして、総二郎と道明寺さんがジャンケンすることとなった。「行くぞ、司!」「・・・そん...
つくしが花沢邸に来てから1ヶ月が経過した。それが5月の中旬で、ここで2人は婚姻届けを提出することになった。何故3ヶ月も先になったのかというと、社長に就任した類が多忙だった事もあるが、警察の事情聴取、つくしの税務処理と何かにつけてドタバタしていたのだ。それも全部終わり、類も落ち着いてきたために漸く自分達の届け出に着手できたのだ。しかも類と真利愛は養子縁組をしていたので、その辺りの修正手続きに弁護士を...
いきなり現れたのが恐ろしい顔の人形だったのか、それとも人間だったのか・・・それすらわかんない状況で彼に逃げられたけど、こんなところに1人で取り残されるのもイヤだ!だから楽しむ時間もなく暗闇の中を追い掛けたら、道明寺さんは何にもない壁に両手ついてゼイゼイしていた。・・・まったく、それが30歳の男のすることか💢!!それを怒ることも出来ず、薄気味悪いBGMの中、道明寺さんの背中をポンと叩くと・・・「うわあああぁっ!...
「・・・・・・マジか・・・」「俺、1回入ってみたかった♪」「悪い、俺は絶対に嫌だ。乗り物ならいいけど、あそこは無理!」「・・・・・・・・・は、入るだけなのか?」「うん、入るだけだよ~~♪だってお化け屋敷だもん!自分の足で歩くだけだよ~~」子供の頃からの夢だと言いながら、つくしは薄気味悪い建物の前で立ち止まった。そしてここでも言いだしたのがジャンケン。あきらが絶対に嫌だと言うから、俺と類と司とつくしの4人で2組に分かれ...
先日は大変お騒がせしました。たくさんコメントいただきまして、そのお返事も出来ずに申し訳ありません。多くの方にお話を楽しみにしていると言っていただき、とても感謝しております。しばらくお休みさせていただき少しは落ち着いたのですが、続編のお話で物足りなさが解消できるかどうかを考えると・・・どうなのかな~?と思いつつ・・・でも書いていたものだけは公開して、それでこの話を完全終了させることにしました。なので近々0...
初めはゆっくり動くジェットコースター・・・だんだん心臓がバクバクし始めて、喉がゴクリと鳴った。そうしたら花沢さんがボソッとひと言・・・「ジェットコースターってさ・・・恐怖心とは関係なく気絶する事があるんだよね」「は?」「極端な重力がかかると血液は下半身に集まって脳に届かなくなるから。特に気温の高い日は汗をかいて体内が脱水気味になってるから余計になりやすいんだって」「・・・・・・(今日、暑いけど)・・・」「ジェットコ...
「あ~あ、もう無理か・・・」「美作さん、何が無理なの?」「いや、何でもない(総二郎達のゴンドラからはもう見えない・・・なんて言えないし)。つくしちゃん、あと少しだからしっかり見ておかないと!」「は~~~い!」観覧車の後半になったら美作さんは私と向かい合って座り、何故かニヤニヤしていた。その意味は判らなかったけど、言われたとおりに窓の外を眺めて「もう地面が近くなった~!」と・・・その時目に入ったのはジェット...
遊園地とは文字の如く、楽しく遊べるように、いろいろな遊具やアトラクション、設備を備えた施設。アトラクションの設置に関係なく遊園地と呼ばれている公園もあるんだけど、私の思う遊園地は「乗り物」があること!それは滑り台、ブランコじゃなく、もっとハードでスピード感のあるもの・・・まさか、本当にそれに乗れる日が来るとは・・・っ!!「・・・・・・うっ・・・うっ・・・えぐっ!」「ちょっと総二郎・・・この子、泣いてるんだけど」「悪い...
「ふああああぁ~~~~~~~~!よく寝たぁ~~~~~~~~~~!!」大きく背伸びをして起きたのは6時30分。総二郎がいないおかげで久しぶりに爆睡でき、すっごく気持ちの良い朝だった。カーテンを開けると清々しい朝陽が目に入る・・・「今日は快晴だな~」と呟きながらベッドを降りて服を着替えた。そしてドアを開けて隣の部屋を覗くと・・・ベッドで寝ているのは美作さん1人。花沢さんはソファーで丸くなり、道明寺さんと総二...
私を無視して決められた翌日の予定・・・まさかの、道明寺さん達とのお出掛け?!結婚式の翌日に団体行動?!「ちょっと待ってよ、何処に行くの?」「つくし、行き先が問題じゃねぇよ💢俺達は2人きりでここで過ごし、明日の夜までマッタリするんだから!そうじゃないと明後日からは仕事なんだぞ?これまでの疲れを癒やさないとダメだろ?」「確かに疲れてるかも・・・行き先次第だけど・・・」「そうだなぁ、何処に行きたい?あきら」「俺は...
最後まであきらが仕切った二次会終了・・・考三郎はそれからまた飲みに行くと言い、女達を連れて何処かに消えた。従姉妹・従兄弟達はそれぞれの迎えの車であっさり帰宅。涼子達はつくしよりも景品に浮かれまくり、万歳しながらタクシーに乗った。港に残されたのは俺達5人・・・今日は宗家に戻らず、Tホテルのスイートを予約していたので、そこに向かうと言うと、あきらが「ハネムーンは?」と聞いてきた。答えは・・・「今すぐ旅行には行か...
「皆さま、大変長らくお待たせいたしました。本日の主役である新郎新婦の準備が整ったようです。皆さま、ご準備はよろしいでしょうか~?!それでは新郎新婦の入場で~~~す!」美作さんの声で扉が開けられ、途端に目の前でパーン!とクラッカーの鳴る音が!それよりもシャンデリアの灯りの方が眩しくてクラッとしてしまった。その後で叫ばれたのは・・・「西門さん、つくし、おめでとう~~~!」「さぁ、二次会は盛りあがっていく...
おはようございます。突然ではございますが、当面の間類君の連載公開を中止します。理由は、今回のお話について、「物足りない」とのコメントをいただき、それによりモチベーションがダダ下がりしてしまったからです。物足りない・・・それは私の筆力がないので受け入れますが、200話以上で「終盤が物足りない」と言われても、素人の私ではどうしていいのか判りません。明日より続編として、つくしと真利愛のこと、美央とのその後...