chevron_left

メインカテゴリーを選択しなおす

cancel
かずら
フォロー
住所
未設定
出身
未設定
ブログ村参加

2016/10/28

arrow_drop_down
  • 『オタクな主婦がBL同人小説を打って夢を叶えた話』倉くらの KDP 感想

    あらすじ・概要 ダウンロード形式の同人コンテンツを売れるDLsite。そこでBL小説を売ることに挑戦した著者が苦労や過程を語る。自分の作品を買ってもらうため、プロモーションするには何ができるかを考える。 乙女ゲームを作ってみたかったけれど手間の問題で挫折した著者が、DLsiteでの電子書籍販売に挑戦し、細々と黒字が出るようになるまでの話です。 「電子書籍で稼げる」みたいなことを言わないところが良心的でいいですね。ずっと文章を書き続けて思いますが、文章をお金にすることは簡単なことではないです。好きなものを書いてそれにお金を払ってもらうのであればなおさらです。 投稿サイトのブックマークがつかなくて…

  • 『ルポ 高学歴発達障害』姫野桂 ちくま新書 感想(と自分語り)

    あらすじ・概要 高い知能を持ちながら、日常生活や仕事に困難を抱える高学歴発達障害の人々。自身も発達障害である著者は、高学歴発達障害の人々に取材し、その悩みについて耳を傾ける。今苦しんでいる人、苦しみから抜けて居場所を見つけた人、それぞれの現在を記す新書。 発達障害の差別と職業への差別と学歴コンプレックスと 本題に入る前に少し自分の話をします。 このブログでは「私は大学をドロップアウトしている」と公言していますが、実はこの大学というのが早稲田大学のことなんです。後述するように、下手に大学のことを口に出すと攻撃の対象になったりからかいの種になったりするので、めったに言わないんですけれど、今回は話し…

  • 『ミニオンズ』ピエール・コフィン 感想

    あらすじ・概要 悪人をボスとして従う習性のある謎の生き物、ミニオンズ。ミニオンズたちは自分たちのボスを探してイギリスへ向かう。そこで出会ったスカーレットは、イギリス女王の冠を狙っていた。スカーレットをボスとしたミニオンズは王冠を求めて大立ち回りをする。 説教臭さのないトンチキギャグとアクション 説教くささがなく、徹頭徹尾トンチキギャグとして展開するのがよかったです。 スカーレットという悪役はいますが、ミニオンズがスカーレットを成敗するというより、ドタバタしているうちに結果的に倒したような展開になりました。 悪役スカーレットもヤバい女っぷりを全力で描いていて楽しかったです。変形する真っ赤なドレス…

  • 『執筆中につき後宮ではお静かに 愛書妃の朱国宮廷抄』田井ノエル ポプラ文庫ピュアフル 感想

    あらすじ・概要 小説家になりたい女性、青楓は、妹の代わりに後宮に上がることになる。執筆に集中したいのだが、後宮の陰謀に巻き込まれてしまう。皇帝のお召し(肉体関係はない)のこともあり、周囲に嫉妬されたり、反感を買われたりで……。 才色兼備だけど本当に小説家の才能がないヒロインに笑う 主人公が小説家志望というと才能があるんだろうなとなりますが、この主人公は本当に才能がなくて笑いました。話を冗長にするくせがあり、意味もない話に何百ページも費やします。主人公の小説を読んだ人間からはボロクソに言われています。 一方で、小説のための資料を集めた結果、極めてハイスペックな女性になっています。多様な知識を持ち…

  • 魔法使いの約束ハロウィンイベストを読んだ感想(2023/10/31まで無料開放)

    まほやくのハロウィンイベストの感想です。イベストは2023年10月31日まで解放されています。 honkuimusi.hatenablog.com ついこの間イベスト感想を書いたばかりですが、ハロウィンイベストは別記事に分けた方がわかりやすいかなと思って分けました。 黒猫と魔法使いのワルツ 乙女ゲーム回か!? ここまでミスラが賢者にべったりなのは初めて見るかもしれません。 しかしちょっとドキドキしてしまいましたが、冷静に考えると付き合ってもいない相手にこの態度はひどすぎます。付き合っていたらいいというものでもないですが。 ミスラは他人との関係の結び方がおかしいのだけれど、チレッタに与えられた愛…

  • 『マンガ古典文学 方丈記』水木しげる マンガ古典文学シリーズ 感想

    あらすじ・概要 平安時代末期、神官の一族に生まれた鴨長明は、和歌の才能を見出される。一方で、家族とは折り合いが悪かった。火事、竜巻、地震など、多くの災害や源氏と平家の争いを見て、無常観を強くする。やがて鴨長明は、小さな家で一人暮らしをするようになる。 とある神官一族に生まれた人の人生と価値観 鴨長明という人が神官だったのは知らない情報だったので驚きました。 神官の視点から描かれた作品というのは珍しいので面白かったですね。神に仕えるからと言っても政治的なごたごたとは無縁ではいられないようです。 鴨長明は歌を詠む能力に優れていながらも、家族とはうまく行っていない様子がわかります。人付き合いが苦手な…

  • 『JK、インドで常識ぶっ壊される』熊谷はるか 河出書房新社 感想

    あらすじ・概要 家庭の事情でインドに移住することになった著者家族は、インドの文化の違いにカルチャーショックを受ける。インドの宗教や食文化、貧困や犯罪の問題。やがで著者はボランティアサークルに所属し、そこでの活動から社会のと関りや、社会にとって自分は何ができるか考えるようになる。 女子高生の見たインドの文化と社会 (※なぜか書いたはずの記事が途中で消失してしまい、もう一度書き直しています。中途半端な記事を見てしまった人にはすみません) インドのことを何も知らないまま、インドに移住した著者は、そこで多くのカルチャーショックを受けます。宗教のこと、民族のこと、文化や食生活のこと。著者が紹介するインド…

  • おすすめされたまほやくのイベストを読んでいく(ひまわり、祝祭シリーズ)

    友人におすすめされたまほやくのイベストを読んでいく記事です。 イベスト解放キーによって課金や石集めによって過去のイベントが見られるのはいいシステムですね。その代わりガチャ回すと結構大変なようだけれど。 書いているうちにハロウィンシナリオが公開されてしまいましたが、とりあえず友人からおすすめされたもののみ記します。 哀愁のひまわりのエチュード ときどき「まほやくの怖いイラスト」としてバズっているひまわりと絞首刑の縄のイラストってこのシナリオのものだったんですね。 庶民の立場では怖いと言えば怖いですけれど、主人公の立場からはさほど怖くはない話でした。むしろ哀愁の名の通り悲しいエピソードです。 ひど…

  • 『ミモザの告白2』八目迷 ガガガ文庫 感想

    あらすじ・概要 咲馬と無理やりキスしてしまった汐(うしお)。それ以来ふたりはぎくしゃくしてしまう。そんな折、文化祭で「ロミオとジュリエット」の劇を上演することになり、咲馬と汐はロミオとジュリエットの役をすることになる。クラスメイト、星原も含め、ふたりの関係は複雑化していく。 普通に受け入れることの難しさを感じる 思春期100%の話でした。 何でこいつら一貫性もなくふらふらしているんだよ! と思いつつ、自分も思春期はこんなものだった気がします。できることが増えても、体が成長しても、心の置き所はわかりません。 汐に好意を抱くゆえに汐を受け入れたいと思う星原や主人公ですが、やはり自然に受け入れるとこ…

  • 『びっくり妊娠なんとか出産』細川貂々 小学館 感想

    あらすじ・概要 子どもを持つ機会がなく、ずっとふたりで生きていくのだろうと思っていた著者夫婦。だがある日偶然子どもを授かる。高齢出産のリスク、子どものいる生活への不慣れ、伴侶への不満など、妊娠から出産までもこもごもを書いたコミックエッセイ。 母体を理解しない専業主夫に笑うけど対等なのかも 母体を理解しない発言を繰り返すツレ氏のことを批判しているのが笑えます。これでツレ氏が聖人君子だったら逆に自分と比べて落ち込むと思うので、このくらいがいいんでしょうね。 ツレ氏もたまに書いているコラムで著者への不満を書いているので、これはこれで平等なのだと思います。 母親教室に行くと家事や子育てに理解のない男性…

  • 『ざ・ちぇんじ!』山内直実・氷室冴子 白泉社文庫 感想

    あらすじ・概要 平安時代のとある帝の時代。綺羅姫と綺羅中将は、実は性別が逆。綺羅中将は女なのに女性と結婚する羽目になり、綺羅姫は尚侍として女東宮に使えることとなる。嘘が嘘を呼び、事態は混乱したまま綺羅中将が妊娠したと勘違いしてしまい、周囲の人間を置いて失踪する。 性別逆転ラブコメだがジェンダー観は古い 原作の氷室冴子の『ざ・ちぇんじ!』が『とりかえばや物語』の翻案なので、この漫画はさしずめ三次派生作品といったところでしょうか。 原作のあらすじはなぞりつつも、改変をした部分も多いので、『とりかえばや物語』について知りたい人は他のコミカライズを当たったほうがいいでしょう。 ラブコメとしてはとても楽…

  • 『報道被害』梓澤和幸 岩波新書 感想

    あらすじ・概要 事件のときに巻き上がる、被害者家族や近隣の人への報道被害。過剰な報道はどのように生まれ、どう人々を侵害するのか。報道被害への研究を通して、マスメディアが本当に報道すべきことは何か見えてくる。マスメディアと人々の関係を書いた本。 報道と市民の正しい関係、距離感とは ジャニーズの報道について、思うところがあるので、書店で見かけて買ってみました。 最初に言っておくと、私はジャニーズの解体にも賛成ですし、あの企業は社会に批判されるべき存在だと思います。 ただ、同性愛をおもしろおかしく揶揄するような表現は避けるべきですし、虐待サバイバーであるジャニーズのアイドルたちに告白を強要するのはや…

  • 『私だけ年を取っているみたいだ ヤングケアラーの再生日記』水谷緑 文芸春秋

    [ あらすじ・概要 統合失調症の母親を持つ少女は、家の家事や、病気の母のケアを引き受けている。非協力的な父親や、病気を理解しない母親に悩まされながら学校生活を送っていた。大人になり、家から出た彼女は、社会と自分とのギャップに驚く 親を憎み切れないヤングケアラーの物語 著者がヤングケアラーに聞き取り調査を行ったうえで書かれた作品ですが、事例はあくまで存在しないものです。コミックエッセイというよりも、ヤングケアラーあるあるとして読むものでしょう。 ヤングケアラーで親を恨む人、恨まない人、それぞれでしょうが、主人公は親を憎み切れないキャラクターとして描かれています。 親に大切にされなくて苦しかった気…

  • 『発達障害 思春期からのライフスキル』平岩幹男 岩波ジュニア新書 感想

    あらすじ・概要 できないこととできることに差がある、空気が読めない、聴覚や嗅覚が過敏である……。さまざまな困難を抱える発達障害の人々。発達障害の若者とその周囲のために、心がけたいこと、工夫すべきことを解説する親書。 広く浅くだが発達障害の困り事を網羅している本 広く浅くという感じではありますが、発達障害の人がつまずきやすい問題を網羅しています。これを読んでわからないことがあれば、巻末の参考文献を呼んでみるといいでしょう。 普段話しにくい、発達障害の人の性の問題や依存症、金銭感覚の話についても触れられています。 誤解を受けがちな部分だからこそ、信頼のできる大人が発信してくれることが大事だと思いま…

  • 『ブレーメンⅡ』川原泉 白泉社文庫 感想

    あらすじ・概要 宇宙船ブレーメンⅡの船長に抜擢された主人公は、そこで知性ある動物たちと働くことになる。初めてのことに戸惑いながらも、主人公は動物たちと困難を乗り越えていく。旅の終わりに、出会った1匹の黒猫とは……。 こんなご都合主義なハッピーエンドもあっていい さすがに人生こんなにご都合主義にはならないでしょうが、こうして救われる作品もあっていいと思える内容でした。 虐げられたもののために、みんなが立ち上がるシーンは何だか泣けてきます。本当にこういう世界であればと思いました。 テンポがいいのでサクサク読め、それぞれの話がポジティブな形で終わるので、疲れているときに染みる話です。 とはいえ黒ヤギ…

  • 『タイのひとびと』小林眞理子 クランチコミックス 感想

    あらすじ・概要 著者はタイが好きで、何度もタイに行っている。そこで出会ったタイ人の優しさ、タイの文化をコミックエッセイにして綴る。タイにおける占いや、交通手段、食文化などをコミカルなタッチで紹介。 タイの人の優しさと豪快さ どこかで見かけたことがあると思ったら、Twitterでバズっていたタイ漫画ですね。 タイの人の豪快さと優しさが同居しているところが面白かったです。 具合が悪くなったら親身になって助けてくれる一方で、ミニスカートのままバイクに横乗りしたり、ビニール袋でテイクアウトしたり。 ビニール袋でのテイクアウトはある意味プラスチック容器よりエコかもしれないですね。 コミックエッセイにして…

  • 『勇者刑に処す 懲罰勇者9004隊刑務記録Ⅲ』ロケット商会 電撃の新文芸 感想

    あらすじ・概要 懲罰勇者一行は第二王都へ向かう。そこでまた、やっかいな仕事を任されるが、侮蔑の対象である懲罰勇者は他の人間たちの協力を得るのも難しい。一方で、人間たちも、魔王現象に従うものと抵抗を続ける者とで分断され始めていた。 自分のことを国王だと思い込んでいる男の正体 自分のことを国王だと思い込んでいる男、ノルガル回でした。様子がおかしいだけで、言っていること自体は間違いではないんですよね。 ノルガルが勇者になったきっかけがなんとも切ないです。設定的に大団円にはならなさそうですが、彼らの思いがいつか報われてほしいです。 「人間の真似をしている人外」のシチュエーションが多くて楽しかったです。…

  • ハロウィンに読みたい!人外キャラが魅力的な小説34選

    たまには季節ものの記事を書こうということで、今回はハロウィン人外小説特集です。 普段からライトノベルを読んでいるため圧倒的にライトノベルが多くなってしまいました。 ファンタジー 『おちこぼれ退魔師の処方箋』田井ノエル 『となりの魔王』雪ノ下ナチ 『地獄くらやみ花もなき』路生よる 『人形姫と身代わり王子』みどうちん 『シスター・ブラックシープ 悪魔とロザリオ』喜多みどり 『ブレイブストーリー』宮部みゆき 『勇者刑に処す 懲罰勇者9004隊刑務記録』ロケット商会 『哀しみキメラ』来楽零 『狐格子~ためたね流御師 真坂野ゆり~』成沢唱 『天帝妖狐』乙一 『狐笛のかなた』上橋菜穂子 『空色勾玉』荻原規…

  • 『インターネット・ラヴ!』売野機子 onBLUE comics 感想

    あらすじ・概要 韓国の一般男性、ウノくんのネットストーカーをしていた実祈。しかし、ウノくんに彼女ができてしまう。自分がウノくんが好きなことを知ってしまった実祈は、恋人と別れることに。報われない恋だと思っていたら、ウノくんからダイレクトメールが届いて……。 バイセクシャルの悩みを描きつつもオチにはツッコミどころが アイドルでもインフルエンサーでもない、韓国の一般男性を好きになってしまったバイセクシャルの青年、美祈。会ったこともない人間に生々しい欲を抱く主人公が面白かったです。 フィクションにバイセクシャルのキャラクターがいても突っ込んだ話をしないことが多いですが、この作品はバイセクシャルであるこ…

  • 『教えて!サバトさん』アストラ芦魔 ヤングアニマルコミックス 感想

    あらすじ・概要 大手出版社で営業の仕事をしている悪魔のサバトさん。彼は倫理のないアイデアで売れない本を売れるようにアピールしていく。とんでもないアイデアでも、なぜかサバトさんが営業した本は売れる。倫理なしハイテンションコメディ。 商業化されると倫理のなさがつらいときがある Twitterでときどき読んでいるいる作者の商業本があったので、投げ銭もかねて購入しました。 サバトさんが実はいい人でしたとかやらずに、一貫してヤバい人(悪魔)なのがよかったです。 最悪すぎる下ネタの連続に笑ってしまいました。 ハイテンションのまま連続で畳み掛けるようにギャグが展開するのでさくさく読めます。 ただ、WEBで見…

  • 『いつになったらキレイになるの?~私のぐるぐる美容道~』田房永子 扶桑社BOOKS 感想

    あらすじ・概要 自分の外見にコンプレックスがある著者。エステに行ってみたり、断食道場に行ってみたり、パーソナルカラー診断をやってみたり。嫌いだった親に似てくる自分を呪い、もがきながらも、自分の外見が好きになるとはどういうことなのか考える。 作者の乗せられやすさが気になってしまう 外見至上主義やジェンダーを扱ったコミックエッセイなのですが、それよりも作者の乗せられやすさが気になってしまいました。 健康にやせたいのであれば相談すべきは医者やトレーナーだと思うんですが、断食やよくわからないスープなんかのエセ科学の方向に行ってしまいます。それもちゃんとダイエットとして効いたとか、標準治療より自然派っぽ…

  • 『蒼穹のファフナー』感想

    あらすじ・概要 竜宮島で暮らしていた一騎。しかし島に謎の敵フェストゥムが現れ、一騎たち少年少女はパイロットとして収集される。過酷な戦いの中、命を落とす者、同化現象に悩まされる者が多発する。一騎たちの向かうべき場所はどこなのか。 倫理観にはツッコミどころがある 面白いけれど作中で描かれる倫理観の描き方には突っ込みどころがありました。 人類を同化しようとする宇宙からの侵略者。それを倒せるのは子どもたちの乗るファフナーだけ。子どもたちを戦いに向かわせることへの大人たちの葛藤はつらかったです。 ただ、共感できない部分も多いです。 特に人類軍の扱いがかわいそうでした。あんな勝ち目のない戦を続けていたら「…

  • 『ツレはパパ1年生』細川貂々 朝日新聞出版 感想

    あらすじ・概要 30代後半にして親となった著者夫婦。専業主夫であるツレ氏は、そのままメインで育児を担当することとなる。大黒柱である著者と育児担当であるツレ氏のいさかいや、子どもの成長の喜びなど、子育ての大変さと楽しさを描いた作品。 生々しいけどそこが面白い 『1年生』から『3年生』まで読んだ感想です。 イクメンのパパ、というキラキラしたものではなく、庶民的でときに理不尽な主調もあるところが、人間味があります。 しょうもないことでキレたり、「息子に愛されている自分」に酔っていたりするところに笑ってしまいます。でも、ありうることなんだろうし、個人的にはキラキラした部分だけ見せられるより安心します。…

  • 『ハードモード離島青ヶ島行ってきた』後藤羽矢子 KDP 感想

    あらすじ・概要 離島、青ヶ島に取材に行きたいと思っていた著者は、友人とともに青ヶ島へ旅立つ。八丈島経由で青ヶ島にたどり着き、離島の景色やグルメを堪能する。しかし青ヶ島は、脱出困難な島でもあった。 憧れの島に行ってみたら脱出困難だった 人が少ないとはいえ他人が暮らす土地にハードモードと言うのは失礼なんじゃないかと思いましたが、主にハードモードなのは島からの脱出のほうでした。安心しました。 著者たちは離島に足止めされ、ヘリコプターも船も出ずに何日も待たされます。島の人たちはこれが日常なのはすごいです。 実質的に青ヶ島から離れられない話がメインになってしまいましたが、離島エピソードもふんだんに語られ…

  • 『トルコ 建国一〇〇年の自画像』内藤正典 岩波新書

    あらすじ・概要 イスラーム国唯一の世俗主義を掲げ、今日まで存在してきたトルコ。その内側には、宗教と政権の対立、クルド人をはじめとする国内のマイノリティへの苦悩が渦巻いていた。国内外の困難と、それに立ち向かおうとするトルコの人々。ニュースでは取り上げられないトルコを描き出す。 知らない情報ばかりで面白かったです。イスラーム文化への偏見や、「発展途上国のニュースは永遠に遅れたままであってほしい」という先進国のわがままについて考えさせられました。 報道されないトルコの政治と社会 世俗主義といいつつ、イスラーム主義を意味もなく弾圧しているのは公平な社会とは言えません。 しかし、イスラーム教には政教分離…

  • 『メイプル戦記』川原泉 白泉社文庫

    あらすじ・概要 とあるお菓子会社の女性社長の思い付きで、結成された女性だけの野球チーム「スイート・メイプルス」。いろいろな事情でメイプルスにやってきた女性たちは、ときに悩みときにのほほんとしながら、優勝への階段を駆け上がる。しかし、シーズン後半でメイプルスは壁にぶち当たる。 夢物語なんだから思いっきり夢を見たっていいよね 女性チームが男性だらけのプロ野球で優勝するという夢物語ではありますが、それゆえに面白かったです。 女性がスポーツで男性に拮抗できるというシナリオ自体が現実には無理です。だからこそ、思いっきり抑圧や固定観念から解放される女性を描いた方がいいというのは正しいです。 チームには亭主…

  • 『勇者刑に処す 懲罰勇者9004隊刑務記録Ⅱ』ロケット商会 電撃の新文芸 感想

    あらすじ・概要 戦いが終わり、つかの間の平和を満喫するザイロとテオリッタ。しかし、テオリッタは人間の勢力から命を狙われることとなる。人間を攻撃できないテオリッタのために、ザイロは頭を絞る。別行動をとっていた竜騎兵や砲兵も合流し、人間の街で苛烈な戦いが起こる。 パト―シェが株を上げたところがいい 今回も面白かったです。 特に面白かったところは、前巻でヘタレ要因だったパトーシェ・キヴィアが一気に株を上げたところです。懲罰勇者たちが壊れ性能なだけで彼女はかなり優秀で、他人に対する思いやりもあります。 そんな彼女がこの巻のラストで下した決断は、彼女らしくもあり、苦いものでもありました。優しく気高いから…

arrow_drop_down

ブログリーダー」を活用して、かずらさんをフォローしませんか?

ハンドル名
かずらさん
ブログタイトル
ブックワームのひとりごと
フォロー
ブックワームのひとりごと

にほんブログ村 カテゴリー一覧

商用