コゴメイヌノフグリ Veronica cymbalaria がオオイヌノフグリと混生していました。 遠目には白花のオオイヌノフグリが咲いているようでした。 撮影場所は京都府立植物園ですが、オオイヌノフグリ同様、植えられたり、育てられたりしている様子はありません。 たぶん芝刈り...
コゴメイヌノフグリ Veronica cymbalaria がオオイヌノフグリと混生していました。 遠目には白花のオオイヌノフグリが咲いているようでした。 撮影場所は京都府立植物園ですが、オオイヌノフグリ同様、植えられたり、育てられたりしている様子はありません。 たぶん芝刈り...
上はウスバハタケゴケ Riccia glauca だと思います。 富永・古木(2014)の記載とはサイズ的には少しずれるのですが、形態的な特徴はほぼ一致しています。 光が当たるとキラキラ光っていました(2024.4.20. 京都府立植物園にて撮影)。 葉状体背面の先端近...
従来1種と思われていた日本のジャゴケが現在は4種に分けられていることは こちら に書きました。 今回はその4種のうちのウラベニジャゴケです。 上がウラベニジャゴケ Conocephalum purpureorubrum です(2024.4.12. 京都市 嵐山にて撮影)。 ...
従来1種と思われていた日本のジャゴケが現在は4種に分けられていることは こちら に書きました。 今回はその4種のうちのタカオジャゴケ Conocephalum salebrosum です。 上はオオジャゴケとの混生です(2024.4.12. 京都市 嵐山にて撮影)。 春の新...
いろいろあって、この3月は一度もブログを更新していませんでした。理由のひとつは初めて出会ったコケが無かったからですが、美しいコケがありましたので、載せておきます。 といっても、3月10日に出会ったコケで、もう20日も経っていますが・・・。 上がそのコケで、ホソバトジクチゴ...
ミドリコケビョウタケ Mniaecia jungermanniae は苔類に寄生する子嚢菌で、やや肉厚なクッション状の、直径1mmに満たない小さな子嚢盤をつくります。 アカウロコゴケに寄生している様子は こちら に載せていますが、古い写真を整理していて、たまたま本種らしきもの...
写真はサクラジマツヤゴケ Entodon calycinus でしょう。 倒木の上に広がっていました。 蒴が直立しているのは、この属の特徴です。 内雌苞葉が長いのは本種の大きな特徴です。 上の写真の内雌苞葉は約4mmですが、4.5mmに達するようです。 蒴柄の長...
上は石灰岩から垂れ下がっているコケ群落で、蘚類(センボンゴケ科?)や大小2種類の苔類などが写っていますが、大きい苔類はツジベゴヘイゴケ Tuzibeanthus chinensis だと思います。 和名は辻部正信氏を記念してつけられています。 上は腹面から撮っています。 植物...
写真はミヤベゴケ Miyabea fruticella でしょう。 樹幹に大きな群落を作っていました。 樹皮上を這う一次茎から二次茎が斜上しています。 二次茎は不規則な羽状に分枝しています(上の写真)。 葉は乾くと枝に接します。 枝葉は長さ 0.5-0.8mm、葉縁上部に...
写真は、雨で濡れていますが、ナガスジハリゴケ Claopodium prionophyllum だと思います。 石灰岩上にありました。 茎はやや羽状に分枝しています(上の写真)。 乾くと葉はやや縮れます。 上は枝先です。 枝葉は披針形で、パピラがあります。 上は枝葉...
樹幹に育っていた写真のコケ、イワイトゴケモドキ Haplohymenium sieboldii のようです。 イワイトゴケ によく似ていますが、イワイトゴケの枝葉が円頭~広い鋭頭であるのに対し、本種の枝葉は上の写真のように鋭頭です。 上は湿った状態で、下は乾いた状態で...
石灰岩上で干乾びてほとんど真っ黒になっていた写真のコケ、少し持ち帰って湿らせると、一部に緑色の所が現れ、調べるとリュウキュウゴヘイゴケのようです。 なお、学名は平凡社では Mastigolejeunea auriculata 、片桐・古木(2018)では M. replet...
石灰岩上のコケ群落(上の写真)、蘚類はニセイシバイゴケ Tuerckheimia svihlae 、苔類は イトコミミゴケ Lejeunea parva だと思います。 以下は前者についての観察記録です。 上は、少し離れた場所にあった、乾いた状態の本種です。 葉は線状披...
写真はキサゴゴケ Hypnodontopsis apiculata だと思います。 ヤシ(フェニックス?)の樹幹についていました。 蒴柄がらせん状に巻く特徴的な胞子体があれば、もっと確実になるのですが、蒴は確認できませんでした。 湿ると上のようになります。 茎の長さは約3...
写真はフタバムチゴケ Bazzania bidentula だと思います。 北海道・雌阿寒温泉近くの森の、朽木の凹んだ穴の奥にありました。 比較的小形のムチゴケで、茎は基物にくっついて這い、鞭枝も同様に基物にくっついていました。 水谷(1992)によれば、大雪山から屋久島の...
コマノキヌイトゴケ Anomodon thraustus と マキハキヌゴケ Pylaisiella subcircinata の混生した群落が、北海道の阿寒湖畔の樹幹にありました(2023.9.8.撮影)。 上の写真の、光沢のある葉が巻いているのかマキハキヌゴケで、蒴...
これまでもアオギヌゴケ科の同定は難しいと書いてきましたが、上の写真は、左にコツボゴケなど、いろいろ混生していますが、多くはムツヤノネゴケ Brachythecium noecicum (アオギヌゴケ科)だろうと思います。 なお、エゾヤノネゴケはシノニムでしょう。 本種は、岩月...
大阪市の「 咲くやこの花館 」で、2024年1月の6日から21日までの予定でコケ展が開催されます。 期間中、盛りだくさんの内容が予定されていますが、私の担当は「もっとコケを知ろう」で、「コケ講座」と「コケの観察・解説ツアー」を実施します。 コケの楽しみ方は、見る楽しみ、作る楽...
写真はオウコチョウ(黄胡蝶) Caesalpinia pulcherrima です。 マメ科ジャケツイバラ亜科の常緑性小高木です。 京都府立植物園の温室で撮影しました。 西インド諸島の原産ですが、花が美しいため、現在では世界の熱帯から亜熱帯域に栽培されていて、日本でも沖縄な...
青森県産のイトヤナギゴケモドキ Platydictya subtilis をいただきました。 Kさんが採集されたもので、作沢川の蛇籠についていたそうです。 上は乾いた状態、下は湿った状態です。(倍率は同じです。) 茎は糸状で、不規則に分枝しています。 葉はあまり横に広が...
アオギヌゴケ科には同定の難しいコケが多く、平凡社の図鑑には「分類のもっともむずかしい科の一つである。」と書かれています。 なかでも Eurhynchium (ツルハシゴケ属)は、変異が大きく同定はむずかしい(平凡社)とされています。 Kさんが確信を持って同定できたというキノク...
ネジクチゴケ などが属する Barbula (ネジクチゴケ属)は、平凡社の検索表には日本産9種が載せられていますが、その違いはわずかで、同定がなかなか難しい属です。 オカモス関西(正式名称は岡山コケの会関西支部)では毎月定例で「コケサロン」を開いています。 以前このコケサロ...
上の写真は、2019年の10月に奈良県宇陀市で撮った写真です。 流水下の黒っぽい緑色のものはフクロハイゴケ Vesicularia ferriei のようにも思うのですが、よく分からず、載せるのも遅くなってしまいました。 本種は写真のような水面下でも陸上でも生育する事がで...
写真はシクンシ Combretum indicum です。 京都府立植物園の温室で撮影しました。 熱帯アジアに広く分布していますが、薬用や観賞用に栽培されているためで、厳密な意味での原産地はよく分からないそうです。 日本でも、石垣島や西表島などでは野生化していますが、元は...
写真はスジシノブゴケ Haplocladium strictulum でしょう。 礫の隙間をコンクリートで埋めて作った壁の凹みについていました。 全体が茶色なのは、2月に撮った写真で、寒さの影響でしょう。 茎は這い、やや羽状に枝を出しています。 茎葉の長さは1mm前後です...
写真はシワタケ Phlebia tremellosa だと思います。 大阪府民の森くろんど園地の遊歩道の階段に埋め込まれていた材に発生していました(10月29日撮影)。 半背着生の白色腐朽菌で、傘の表面は白色の軟毛を密生しています。 上は傘の内側です。 管孔部は縦横の皺によ...
11月19日(日)に、コケ観察会を実施します。 この観察会は、10月からNHK文化センター京都教室で行っている講座「身近なコケの不思議な世界」(全6回)の2回目になりますが、教室を離れての現地での観察会のみの参加も受け付けることにしました。 実施場所は京都府立植物園です。 9月...
タイトルは学名( Salvia leucantha )をカタカナにしたもの。 アメジストセージなど、いろいろな名前も持っています。 中央アメリカ原産で、大阪付近では屋外で冬越しできます。 秋から晩秋にかけて咲く花は、花穂は長くみごとなのですが・・・ 上の写真は咲いている花の多...
恒例となりました京都府立植物園の「苔・こけ・コケ展」、今年も11月10日(金)~12日(日)の予定で開催されます。 主催:京都府立植物園、岡山コケの会関西支部(オカモス関西) 後援:日本蘚苔類学会 内容:コケ関係の展示や販売、講演会、講習会、観察会など 京都府立植物園...
北海道の阿寒の森で見たベニタケ科ベニタケ属の3種です。 色は違いますが、同じ属だけあって、形はよく似ています。 いずれも9月10日の撮影です。 ベニタケ科のきのこは球状の細胞でできているため、少し力を加えると、ぼろぼろと崩れてしまいます。 ● クサハツ Russula foe...
上はバンダイゴケ Rauiella fujisana だと思います。 北海道~九州に分布しています。 育っていたのは、北海道の阿寒湖のほとりで、上の写真の黄色い矢印の所です(9月9日に撮影)。 平凡社では「産地の木の根元などに生える。」となっています。 長さ2~3mmの枝...
写真はオオトリゲモ Najas oguraensis です。 トチカガミ科の沈水性の一年草で、本州の宮城県以西と四国に分布しています。 葉は線形で、対生または3輪生し、葉縁には多数の鋸歯があります。 Najas (イバラモ属)は互いによく似ています。 本種は和名のとおりこ...
北海道・阿寒の森の樹幹下部についていた写真のコケ(9月9日撮影)、蒴が無くてはっきりしませんが、 ナガエタチヒラゴケ Homalia trichomanoides だろうと思います。 分布は北海道~九州です。 平凡社では ヤマトヒラゴケ の母種となっていて、分布はヤマトヒ...
写真はサツマノギク Chrysanthemum ornatum です。 自生地は鹿児島県西部の海岸ということですが、どういうわけか、京都府立植物園温室の高山植物室に植えられていました(10月8日撮影)。 葉に比較して頭花が大きく,葉が白く縁どられていて、なかなか美しいキクで...
写真はバクチノキ Laurocerasus zippeliana です。 常緑の高木で、関東以西の暖地に分布します。 上は京都府立植物園で10月15日に撮った写真で、たくさん花をつけていました。 ちょうど1週間前にもこの木の前を通ったのですが、その時は花は全く咲いていませ...
ツガ Tsuga sieboldii がたくさんの球果(松かさ)をつけていました。 福島県以西の分布です。 上はコケに覆われた幹です。 樹皮は不揃いな亀甲状に裂け、鱗片状に剥がれていきます。 球果は枝に頂生し、下垂します。 葉は線形で葉先は凹頭、表面は主軸に沿って凹んでい...
京都府立植物園の生態園で咲いていたタカクマホトトギス Tricyrtis ohsumiensis です(10月8日撮影)。 和名の「タカクマ」は発見地の鹿児島県・大隅半島の高隅(たかくま)山に由来し、種小名も大隅半島に分布しているところからです。 岩場に生育し、自生地での花期...
京都府立植物園の生態園で、シモバシラ Collinsonia japonica のちょうど見頃の花を見ることができました(10月8日撮影)。 本種は関東地方以南の本州から九州にかけて分布するシソ科の多年草で、日本固有種です。 茎はやや水平の向きに曲がる性質があり、そこから出...
写真は大阪府の能勢町で咲いていたキガンピ Diplomorpha trichotoma です(9月24日撮影)。 開花期は夏ですので、花はほとんど終わりかけていました。 本種はジンチョウゲ科の落葉低木で、同じ属の ガンピ の葉は互生ですが、本種の葉は対生しています。 本種も...
身近な所で普通にあるコケでも、アオギヌゴケ属を筆頭に、ルーペレベルでの同定の難しいコケはいっぱいあります。 エダツヤゴケくらいはルーペで自信を持って同定できるようになりたいのですが、生育環境によっても時期によっても変異が大きく、ツヤゴケ属であることを翼部で確認しようと思っても...
上は北海道の阿寒の森で見たハナビラタケ Sparassis latifolia です(2023.9.9.撮影)。 大阪付近でよく見るハナビラニカワタケ Phaeotremella foliacea とよく似ていると思って調べてみて驚きました。 前者はハラタケ綱タマチョレイタケ...
北海道~九州に分布する湿地の植物を2種。 いずれも 2023.9.24.に能勢町(大阪府)の地黄湿地で見た植物です。 ● ムカゴニンジン Sium ninsi (セリ科) 食用にするニンジンとは、同じセリ科ですが、属も異なります。 ヨーロッパでは根を食用にするするため栽培さ...
上の写真、ミドリゼニゴケ(?)を中心に、いろいろなコケが混生していますが、黄色の矢印で示したのはヤマトソコマメゴケ Geocalyx lancistipulus ではないかと思います。 乾いて葉が巻いてきていますが、葉を含めた茎の幅は 1.5~2mmです。 注目したいの...
タカユヤスデゴケ Frullania oakesiana が花被をつけていました。 花被について書く前に、本種であることの確認から。 腹片は長さと幅がほぼ同じで、背片の幅の1/2~1/3、口は横に輪切り状で、口部は狭くならず、嘴はありません(上の写真)。 腹葉は倒楔型で、...
大阪府豊能郡能勢町にある地黄湿地は普段は保護のために立入禁止となっているのですが、2023.9.24.に案内していただく機会を得ました。 今回はそこで見た植物のうちの2種を紹介します。 上は シロイヌノヒゲ Eriocaulon sikokianum (ホシクサ科)と聞き...
上はシロコオイゴケ Diplophyllum albicans でしょう。 写真中央左下には花被も写っています。 本種は亜高山帯以上に分布するコケで、上も北海道の雄阿寒岳山麓の岩上で育っていました(2023.9.9.撮影)。 茎は側面から分枝しています( Scapania...
写真は新井さんに案内していただいたベニカノアシタケ Mycena acicula です。 和名を漢字で書くと紅蚊脚茸で、紅色をした傘で、蚊の脚のように細い柄のきのこという意味です。 小さいきのこであることは上の写真でもわかるでしょう。 本種はラッシタケ科に分類されていま...
コケを見ていると、コケと同程度の大きさのいろいろなものが目につきます。 北海道の雌阿寒温泉近くの森の林床でみつけた上の写真のもの(2023.9.10.撮影)もその1つで、最初は何か分かりませんでした。 近くを探すと、葉をつけているものがありました。 カタバミ科でしょうし、場所...
上はイボカタウロコゴケ Mylia verrucosa です。 前にまだ背の低い花被をつけた本種を載せましたが( こちら )、今回は胞子体を伸ばしていました。 本種はいぼ状の突起がついた花被が特徴的ですが、まだ胞子体が伸び出していない花被は上部が扁平で(上の写真の黄色の矢印...
写真は、昨年のホオノキの穂状花序に生えたホソツクシタケ Xylaria magnoliae です。 和名を漢字にすると「細土筆茸」でしょう。 雄阿寒岳の山麓で 2023.9.9.に撮影しました。 この近縁種には、本種のように特定の植物体から発生するものがたくさんあるようで...
写真の花被をつけたコケ、2023.9.10. 北海道・雌阿寒温泉近くの森にあったコケです。 マルバヤバネゴケ Cephalozia lunulifolia だと思うのですが、平凡社では分布は本州~九州となっていて、北海道には分布しないことになっています。 葉は茎に斜め~...
ウスバゼニゴケ Blasia pusilla は雌雄異株です。 上は雄株で、葉状体背面の中肋上に造精器が入っていた膨らみがたくさん並んでいます。 上で「造精器が 入っていた 膨らみ」と書いたのは、拡大してみるとこの膨らみには孔が開いているからで、精子が出てしまった後でしょう...
上は北海道の支笏湖近くの美笛峠で泉田氏が2023.8.29.に撮影されたコケですが、このコケを送っていただき、調べたところ、ハイヒバゴケ Hypnum cupressiforme のようでした。 平凡社では、本種は岩上や木の根元に生えるとありますが、上の写真では根元ではあり...
写真はチシオタケ Mycena haematopus でしょう。 朽木に生えていました。 傘の縁にはフリンジと呼ばれる鋸歯状のつくりが見られます。 柄は傘より濃い赤い色をしているのですが、その表面は細かい綿毛状の繊維に覆われています。 本種の大きな特徴は、若いきのこでは傷口...
写真はヒメアカネ Sympetrum parvulum でしょう。 大阪府豊能郡能勢町の地黄湿地にたくさんいました(2023.9.25.撮影)。 湿地で見られるトンボ科アカネ属のいわゆる赤とんぼで、和名のとおり国内の赤とんぼでは最小です。 本種はマユタテアカネよりひと回り小...
北海道・雄阿寒岳山麓で見たシラウオタケ Multiclavula mucida です(2023.9.9.撮影)。 倒木に生えるきのこで、若い時は真っ白ですが、古くなると先端部が褐色になってきます。 子嚢菌のような姿ですが、近年の分子系統解析の結果は、担子菌類のアンズタケ...
写真はイヌサナダゴケ Platygyrium repens だと思います。 樹幹についていました。 分布は平凡社では北海道~四国となっています。 写真中央のやや右上に蒴がありますが、蒴は直立し相称です。 上の2枚の写真は同じ枝で、上が乾いた状態、下が湿った状態です。 全て...
写真はハネヒラゴケ Neckera pennata だと思います。 雄阿寒岳山麓のエゾマツ?の樹幹についていました(2023.9.9.撮影)。 ヒラゴケ属の同定で重視される蒴は見つかりませんでしたが、形態的にも観察地からも間違いないと思います。 一次茎は小さな葉をつけては...
エゾムチゴケ Bazzania trilobata がたくさんの蒴をつけていました。 込み合った群落で、二又状になった枝はとても少なく、枝はそれぞれ上へ伸びています。 このように密集していることが蒴をつけていることと関係しているのではないかと思いました。 写真の右下には腹...
阿寒の旅で見た常緑針葉樹のほとんどは、アカエゾマツ(トウヒ属)とトドマツ(ツガ属)でした。 上はそのうちのアカエゾマツ Picea glehnii です。 Picea (トウヒ属)は葉の基部に葉枕と呼ばれる部分があります。 この葉枕は落葉後も残ります。 本種はエゾマツ ...
釧路空港と阿寒のレンタカーでの移動中に、往復とも何度もタンチョウの姿を見ることができました(上は2023.9.11.に撮影)。 タンチョウ(タンチョウヅル) Grus japonensis は日本で繁殖する唯一の野生ツルで、世界の総個体数の半数以上が北海道東部を中心に生...
写真はタカユヤスデゴケ Frullania oakesiana でしょう。 阿寒湖畔の樹幹についていました(2023.9.8.撮影)。 分布は平凡社では北海道~四国の亜高山帯以上となっています。 和名は山形県白布高湯に由来しているようです。 背片の脱落しやすい傾向は無さ...
上はアリノオヤリ Tetraphis geniculata です。 雨の中で撮ったせいもあってか、特徴的な蒴柄の曲がりは明瞭ではありません。 蒴柄は中部で「く」の字形に屈曲しています。 葉は細長く、特に雌苞葉は線状披針形で長く伸びています。 ところが・・・ 無性芽をつける...
写真はコハイゴケ Hypnum plumaeforme var. minus だと思います。 ケヤキの樹幹の高さ1mほどの所に広がっていました。 羽状に分枝した枝は湾曲して立ち上がっています。 葉の曲がり方はハイゴケより弱いようです。 全体的にハイゴケより少し小さい...
10月から来年3月までの全6回の講座を、NHK文化センター京都教室で行います。 実施日は各月の第3日曜日です。 今回は、全6回のうちの2回の現地観察会を除いた4回については、オンラインでも受講可能ですので、全国から受講していただけます。 見逃し配信も実施します。 なお、N...
写真はシダレゴケ Chrysocladium retrorsum (別名ソリシダレゴケ)でしょう。 岸壁から垂れ下がっているものも、岩の割れ目に生える木の枝から垂れ下がっているものもありました。 上は枝を1mm方眼紙に置いて撮っています。 枝は不規則な羽状に分枝し、葉を...
9月16日(土)に、コケ観察会を実施します。 この観察会は、4月からNHK文化センター京都教室で行っている講座「ミクロで楽しむコケの不思議」(全6回)の最終回になりますが、教室を離れての現地での観察会ですので、今回のみの参加も受け付けることにしました( NHK文化センター京都教...
堺市南区城山台にヒナノシャクジョウ Burmannia championii があると聞き、お願いして案内していただきました。 分布は関東以西から四国・九州、屋久島と沖縄本島です。 花は7月下旬頃がピークだったようで、ほとんど終わっていましたが、まだたくさん残っていました...
以下は Part1の 2012.7.25.に載せていたものを、一部書き換えてこちらに引っ越しさせた記事です。 2012年7月23日のNHKラジオ第一放送の「夏休み子供科学電話相談」で、昆虫の脚はなぜ6本なのかという小学生の質問に対して、昆虫担当の先生は、昆虫の体は頭、胸、腹に...
雨に濡れたツルチョウチンゴケ Orthomnion maximoviczii 、直立茎の多くは雄器盤をつけています。 葉は波打っています。 透明感があって美しい葉です。 上は匍匐茎で、土についた茎の先から仮根が出ています。 葉の長さは5~6mmです。 上は雄器盤の断面...
写真は8月20日に大阪市立自然史博物館で行われた行事「標本の名前を調べよう」で見せていただいた石についたコケで、イヌノハゴケ Cynodontium polycarpum またはその近縁種だと思います。 イヌノハゴケと言い切れないのは、1つには蒴が無いのでよく分からない点があ...
上は2023.7.16.に京都市北区の雲ケ畑で撮った写真です。 今日はこのコケを調べました。 茎葉と枝葉の大きさが、かなり異なります。 シノブゴケ科のようにも見えますが、毛葉はありません。 枝は次第に細くなっています。 茎葉は約2mmの長さです。 上は茎葉です。 ①葉の...
ケビラゴケ科の同定によく迷うことがあり、頭の整理のために、このブログに掲載しているケビラゴケ属( Radula )の検索表を作成してみました。 もちろんこのブログに掲載されていない種は検索表に載せていませんが、よく見られる種はだいたい入っていると思います。 1 背片は鋭尖。油...
写真はニブハタケナガゴケ Ectropothecium obtusulum (別名 キノクニイチイゴケ)だと思います。 兵庫県宝塚市の山際の溝と呼んでいいようなコンクリート三面張りの川の流水中にありました(2023年6月25日)。 ところで、この和名はどういう意味なのでしょう...
上は岩上にあったホソヤスデゴケ Frullania densiloba を腹面から撮っています。 花被は3稜です(写真の中央上に写っています)。 円筒形の腹片は先が少し茎側に傾いています。 腹葉は幅が茎より少し広く、ほぼ全縁で、先が1/3まで2裂しています。 上は背面から...
上はヒメスナゴケ Bucklandiella sudetica だろうと思います。 湿岩上にありました。 全体的にエゾスナゴケより細く、小さい印象です。(上の背景は1mm方眼です。) 葉は翼部が発達せず、透明尖はありません。 中肋は葉先に届いています。 葉の上部の細...
上と下、同じ雨の日に少し離れただけの所で撮った写真です。 垂れ下がり方は違いますが、葉を透かしてみえる枝の色はどちらも赤く、ルーペで観察した時は同種かもしれないと思いました。 じつは最初の写真が今回のミヤマリュウビゴケ Hylocomiastrum pyrenaicum で...
北八ヶ岳でセイタカスギゴケ Pogonatum japonicum が雄器盤をつけていました(2023.6.24.撮影)。 上は葉の横断面です。 薄板は低く2~5細胞層で、端細胞はしばしば2個に分裂し、表面にパピラがあります。 上の倍率ではパピラが分かりにくいので、下...
上は コムチゴケ と混生しているオオサナダゴケモドキ Plagiothecium euryphyllum です。 茎は這い、不規則に分枝しています。 葉は弱く扁平についています。 平凡社の図鑑では、葉を含めた枝の幅は 2.5~4mm、葉の長さは 1.3~2.4mmとな...
写真はオオバチョウチンゴケ Plagiomnium vesicatum の美しい群落です。 群落の大きさもとても大きいですし、個々の植物体もよく生長しています。 本種の細部については何度も載せていますので( こちら など)、今回は葉の写真のみにします。 平凡社では葉の長さ...
写真はナミシッポゴケ Dicranum polysetum だと思います。 長野県茅野市の標高1100mのカラマツ林の林床にありました。 葉につやがあります。 日本での分布は中部地方以北と北海道で、世界的には中国、極東ロシア、ヨーロッパ、北アメリカと、北極を取り囲むように寒...
写真はクロアオヤスデゴケ Frullania pedicellata でしょう。 岩上で育っていました。 和名はもちろん植物体の色に由来しているのですが、上の写真の特に右に見られるように、赤褐色を帯びることもしばしばです。 上は腹面から見ています。 腹片は縦と横の長さがほぼ...
写真はダイセツヤノネゴケ Bryhnia hultenii var. cymbifolia だと思います。 水の滴る岸壁で育っていました。 葉は覆瓦状についています。 上は茎葉です。 汚れの少ない茎の先に近い所の葉ですので、サイズは他の多くの茎葉より少し小さめです。 ...
オオハリガネゴケ Bryum pseudotriquetrum が蒴をつけていました(雨の中、2023.6.23.に長野県茅野市の標高1540m付近で撮影)。 蒴は下垂し、頸部は比較的明瞭です。 蒴柄は赤褐色で、長さは 2.5cmでした。 配偶体の様子は下記のように何度も載...
上の写真のコケ、持ち帰って調べてみるとオオフサゴケ Rhytidiadelphus triquetrus でしたが、今まで見たもの(注1)とは印象が異なりました。 今まで見たものと印象が異なったのは、雨に濡れたせいで、ルーペで見ると半透明の茎葉が茎を美しく覆っていたことや、...
上の写真(2023.6.24. 北八ヶ岳にて撮影)、苔類は コオイゴケ ですが、蘚類はオオキンシゴケ Ditrichum crispatissimum だと思います。 今回は後者の観察記録ですが、このコケ、樋口・古木(2018)の「八ヶ岳の蘚苔類チェックリスト」にはあるの...
写真はヤクシマクサリゴケ Lejeunea eifrigii だと思います。 先が鋭頭気味の背片があります。 背片の先が鋭尖~鋭頭であれば、本種である可能性が高くなるのですが・・・。 腹片の長さは背片の長さの1/3~1/4です。 腹葉は基部がわずかに耳状で、切れ込みはV...
上は 5月12日に愛知県設楽町の標高800m付近で撮った写真です。 茎の先から花柄が放射状に出ています。 葉は裂片がとても細い腹葉です。 長い花柄の先に白く小さな花が1つ・・・と思ってよく見ると、2(~3)個の花がついている所もあります。 長い花柄の先から短い花柄が複数出てい...
コツボゴケ Plagiomnium acutum (雄株)の雄器盤がまるで花のようです。 雄器盤のすぐ下から複数の匍匐茎を出しています。 茎の高さは約45mmでした。 枝が雄器盤のすぐ下に集中しているようにも見えるので、 ユガミチョウチンゴケ などコバノチョウチン...
写真はツツソロイゴケ Liochlaena subulata でしょう。 花被がたくさんついています。 朽木の上で育っていました。 上の写真の中央やや右では、徒長した茎の先に無性芽がついています。 葉は斜めについて広く開出し、長さは約1.5mmでした。 ペリギニウムはあま...
牧野富太郎博士の人生をモデルとしたNHK連続テレビ小説「らんまん」、7月24日からの第17週は「ムジナモ」ですが、上がそのムジナモ Aldrovanda vesiculosa です。 本種はユーラシア大陸やアフリカに分布していましたが、生育できる条件が限られており、自生地の...
写真はオオミハタケゴケ Riccia beyrichiana です。 葉状体の背面は側部が丘のように盛り上がり、溝は幅広く、縁にはたくさんの白い毛があります。 ハタケゴケの仲間は、胞子体が葉状体(配偶体)の組織に囲まれて成熟し、その後、組織が崩れて胞子が散らばります。 ...
写真はクロヤスデゴケ Frullania amplicrania です。 小さな群落が岩上にありました。 背片は卵形で、長さは 0.6~0.7mmです。 分布は平凡社では福島県以南となっています。 本種のいちばんの特徴は、腹片の形でしょう。 腹片は茎とほぼ並行で、口は狭く先...
写真はオニヤスデゴケ Frullania nepalensis です。 岩上にありました。 分布は、平凡社によると、埼玉県以西となっています。 上の写真のような背面からみただけでヤスデゴケの仲間を同定することは、私にとっては全く不可能ですが、M氏には見当がつくようです。 ...
写真はホリカワツボミゴケ Solenostoma horikawanum です。 和名も種小名も堀川芳雄教授を記念してつけられています。 葉は茎から立ち上がり、上半部が反り返って扁平に展開しています。 茎の幅は葉を含めて3mmほどあります。 葉が反り返っているうえに下の葉が...
写真はクモノスゴケモドキ Pallavicinia ambigua でしょう。 クモノスゴケの葉状体の先端は細く尖り気味になることがあるのですが( こちら )、本種の葉状体の先端は円く、尖ることはありません。 本種は全体的にクモノスゴケ(葉状体の幅は4~6mm)より少し小形...
上はナンジャモンジャゴケ Takakia lepidozioides の大きな群落で、右下には蒴をつけたホソバミズゴケが写っています。 このようなナンジャモンジャゴケの大きな群落が点々とありました。 北八ヶ岳では、どうやらこの時期(2023.6.24.撮影)の群落がいちばん目...
写真はキンバネツツガタハネカクシ Aulacocypus gloriosus (旧和名:キンボシハネカクシ)だと思うのですが、少し疑問も残ります。 ひとつは、本種は平地から低山地にかけてみられるハネカクシとされているのですが、撮ったのが北八ヶ岳の標高2,130m付近であること。...
写真はウチワチョウジゴケ Buxbaumia aphylla です。 北八ヶ岳の開けた腐植土上に育っていました(撮影:2023.6.24.)。 配偶体は退化し、胞子体のみが目立ちます。 蒴柄はパピラに覆われています(上の写真)。 ちょうど胞子を飛散させる時期のようで、胞...
写真はシロバナノヘビイチゴ Fragaria nipponica です。 北八ヶ岳の標高2,130m付近で 2023.6.24.に撮影しました。 分布は宮城県から中部地方までと屋久島で、高山帯下部の日当たりの良い草地に生育します。 本種はオランダイチゴ(=店に並ぶイチゴ...
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コゴメイヌノフグリ Veronica cymbalaria がオオイヌノフグリと混生していました。 遠目には白花のオオイヌノフグリが咲いているようでした。 撮影場所は京都府立植物園ですが、オオイヌノフグリ同様、植えられたり、育てられたりしている様子はありません。 たぶん芝刈り...
上はウスバハタケゴケ Riccia glauca だと思います。 富永・古木(2014)の記載とはサイズ的には少しずれるのですが、形態的な特徴はほぼ一致しています。 光が当たるとキラキラ光っていました(2024.4.20. 京都府立植物園にて撮影)。 葉状体背面の先端近...
従来1種と思われていた日本のジャゴケが現在は4種に分けられていることは こちら に書きました。 今回はその4種のうちのウラベニジャゴケです。 上がウラベニジャゴケ Conocephalum purpureorubrum です(2024.4.12. 京都市 嵐山にて撮影)。 ...
従来1種と思われていた日本のジャゴケが現在は4種に分けられていることは こちら に書きました。 今回はその4種のうちのタカオジャゴケ Conocephalum salebrosum です。 上はオオジャゴケとの混生です(2024.4.12. 京都市 嵐山にて撮影)。 春の新...
いろいろあって、この3月は一度もブログを更新していませんでした。理由のひとつは初めて出会ったコケが無かったからですが、美しいコケがありましたので、載せておきます。 といっても、3月10日に出会ったコケで、もう20日も経っていますが・・・。 上がそのコケで、ホソバトジクチゴ...
ミドリコケビョウタケ Mniaecia jungermanniae は苔類に寄生する子嚢菌で、やや肉厚なクッション状の、直径1mmに満たない小さな子嚢盤をつくります。 アカウロコゴケに寄生している様子は こちら に載せていますが、古い写真を整理していて、たまたま本種らしきもの...
写真はサクラジマツヤゴケ Entodon calycinus でしょう。 倒木の上に広がっていました。 蒴が直立しているのは、この属の特徴です。 内雌苞葉が長いのは本種の大きな特徴です。 上の写真の内雌苞葉は約4mmですが、4.5mmに達するようです。 蒴柄の長...
上は石灰岩から垂れ下がっているコケ群落で、蘚類(センボンゴケ科?)や大小2種類の苔類などが写っていますが、大きい苔類はツジベゴヘイゴケ Tuzibeanthus chinensis だと思います。 和名は辻部正信氏を記念してつけられています。 上は腹面から撮っています。 植物...
写真はミヤベゴケ Miyabea fruticella でしょう。 樹幹に大きな群落を作っていました。 樹皮上を這う一次茎から二次茎が斜上しています。 二次茎は不規則な羽状に分枝しています(上の写真)。 葉は乾くと枝に接します。 枝葉は長さ 0.5-0.8mm、葉縁上部に...
写真は、雨で濡れていますが、ナガスジハリゴケ Claopodium prionophyllum だと思います。 石灰岩上にありました。 茎はやや羽状に分枝しています(上の写真)。 乾くと葉はやや縮れます。 上は枝先です。 枝葉は披針形で、パピラがあります。 上は枝葉...
樹幹に育っていた写真のコケ、イワイトゴケモドキ Haplohymenium sieboldii のようです。 イワイトゴケ によく似ていますが、イワイトゴケの枝葉が円頭~広い鋭頭であるのに対し、本種の枝葉は上の写真のように鋭頭です。 上は湿った状態で、下は乾いた状態で...
石灰岩上で干乾びてほとんど真っ黒になっていた写真のコケ、少し持ち帰って湿らせると、一部に緑色の所が現れ、調べるとリュウキュウゴヘイゴケのようです。 なお、学名は平凡社では Mastigolejeunea auriculata 、片桐・古木(2018)では M. replet...
石灰岩上のコケ群落(上の写真)、蘚類はニセイシバイゴケ Tuerckheimia svihlae 、苔類は イトコミミゴケ Lejeunea parva だと思います。 以下は前者についての観察記録です。 上は、少し離れた場所にあった、乾いた状態の本種です。 葉は線状披...
写真はキサゴゴケ Hypnodontopsis apiculata だと思います。 ヤシ(フェニックス?)の樹幹についていました。 蒴柄がらせん状に巻く特徴的な胞子体があれば、もっと確実になるのですが、蒴は確認できませんでした。 湿ると上のようになります。 茎の長さは約3...
写真はフタバムチゴケ Bazzania bidentula だと思います。 北海道・雌阿寒温泉近くの森の、朽木の凹んだ穴の奥にありました。 比較的小形のムチゴケで、茎は基物にくっついて這い、鞭枝も同様に基物にくっついていました。 水谷(1992)によれば、大雪山から屋久島の...
コマノキヌイトゴケ Anomodon thraustus と マキハキヌゴケ Pylaisiella subcircinata の混生した群落が、北海道の阿寒湖畔の樹幹にありました(2023.9.8.撮影)。 上の写真の、光沢のある葉が巻いているのかマキハキヌゴケで、蒴...
これまでもアオギヌゴケ科の同定は難しいと書いてきましたが、上の写真は、左にコツボゴケなど、いろいろ混生していますが、多くはムツヤノネゴケ Brachythecium noecicum (アオギヌゴケ科)だろうと思います。 なお、エゾヤノネゴケはシノニムでしょう。 本種は、岩月...
大阪市の「 咲くやこの花館 」で、2024年1月の6日から21日までの予定でコケ展が開催されます。 期間中、盛りだくさんの内容が予定されていますが、私の担当は「もっとコケを知ろう」で、「コケ講座」と「コケの観察・解説ツアー」を実施します。 コケの楽しみ方は、見る楽しみ、作る楽...
写真はオウコチョウ(黄胡蝶) Caesalpinia pulcherrima です。 マメ科ジャケツイバラ亜科の常緑性小高木です。 京都府立植物園の温室で撮影しました。 西インド諸島の原産ですが、花が美しいため、現在では世界の熱帯から亜熱帯域に栽培されていて、日本でも沖縄な...
青森県産のイトヤナギゴケモドキ Platydictya subtilis をいただきました。 Kさんが採集されたもので、作沢川の蛇籠についていたそうです。 上は乾いた状態、下は湿った状態です。(倍率は同じです。) 茎は糸状で、不規則に分枝しています。 葉はあまり横に広が...
樹液が保水能力を高めているのか、単に水が溜まりやすい場所なのか、樹幹に小さな葉の密なコケ群落がありました。 葉は卵形で非対称、やや扁平につき、長さは1mm未満です。 葉の上部には細かい歯があります。 中肋は短く2叉している葉もありましたが、多くは不明でした。 上は葉身細胞...
アブラゴケ Hookeria acutifolia が葉先に無性芽をつけていました。 上の写真は屋久島で 2023.3.10.に撮影しました。 本種については、屋久島産と大阪付近で見るものとで違いはほぼ無いでしょうが、これまでスケールを入れた写真や無性芽をきっちり撮った写真...
上は屋久島で見たコケで、岩にくっついていました。 平凡社の検索表をたどると、シコクヒメクサリゴケ Cololejeunea shikokiana のようです。 分布は近畿以西となっています。 平凡社には種別の解説は無く、水谷(1961)の図とも少し異なる点があり、心配では...
岩の壁を這うコケ、上の写真にはいろいろなコケが写っていますが、多くはコクシノハゴケ Ctenidium hastile です。 特に這うタイプの蘚類は、育ち方でずいぶんと印象が変わります。 本種も、上の写真のように、茎が長さの揃った枝を左右にたくさん出しながらまっすぐに伸び...
ヒメハミズゴケ Pogonatum camusii の胞子体が伸びてきていました(2023.3.10. 屋久島にて撮影)。 上の写真では下の方は チャボホラゴケモドキ などに覆われて見えませんが・・・ 基物上を宿存性の原糸体が覆い、その上に退化した配偶体が散生し、その配偶体...
写真は大阪市福島区にある阪神電車野田駅前で撮った野田藤です(撮影:2023.4.16.)。 野田藤は昔からその美しさで知られていました。 室町幕府二代将軍・足利義詮(よしあきら)が むらさきの雲とやいはむ藤の花 野にも山にもはいぞかかれる と詠んだ歌は、発祥の地と言われる春...
湿った崖にエゾミズゼニゴケ Pellia neesiana が育っていました。 上は 2023.3.8.に屋久島の標高750m付近での撮影です。 和名に「エゾ」とついていますが、本種は北海道から九州まで分布しています。 胞子体が伸び始めていましたので、ホソバミズゼニゴケとの...
写真はカネマルテングサゴケ Riccardia crassa だと思います。 朽木に育っていました。 分布は屋久島以南のようです。 本種は雌雄異株です。 枝の一部を取り出してみると(上の写真)、重なり合って隠されていた所に、雄性生殖器官らしきものがたくさんついていました。 ...
5月20日(土)に、コケ観察会を実施します。 この観察会は、今週の土曜日(4月15日)からNHK文化センター京都教室で始まる講座「 ミクロで楽しむコケの不思議 」(全6回)のプログラムに組み込まれている2回の現地観察会のうちの1回です。 身近にありながら種子植物とは全く違...
写真はヤクシマタチゴケ Atrichum yakushimense でしょう。 ナミガタタチゴケ や ヒメタチゴケ は土上に育ちますが、本種は上の写真のように岩上に点々とついていました。 雌雄異株のようですが、たくさん蒴をつけています。 和名に「ヤクシマ」とついていますし...
写真はミドリヤスデゴケ Frullania ericoides でしょう。 樹幹についていたのですが、枝が樹幹から離れて空中に伸び出しているので、背片の腹側への巻き込みが強く、細いフルノコゴケのような印象でした。 こちら のような、幹にぴったり張り付いている場合は、かわ...
写真はイサワゴケ Syrrhopodon tosaensis だと思います。 崖に接して這う蔓の上を中心に広がっていました。 植物体は白緑色で、葉先に無性芽をつけている葉も多く見られます。 上は乾いた状態ですが、葉はあまり縮れていません。 葉は披針形で、葉縁には舷があ...
写真はベトナムムチゴケ Bazzania vietnamica だと思います。 屋久島の標高1030m付近の樹幹についていました。 Bazzania vietnamica は、古木(2021)により蘚苔類研究12(8)で日本新産として報告されたコケです。 上の写真では葉...
写真はハセガワカタシロゴケ Calymperes fasciculatum のようです。 屋久島の渓流から突き出た岩上で育っていました(2023.3.10.撮影)。 葉先に無性芽をつけています。 上は乾いた状態で、葉は茎の方に寄っていますが、あまり縮れていません。 これに水...
写真は イスカシヨウジョウゴケ Cololejeunea ocelloides のようです。 屋久島の標高 90mほどの所のスギの樹皮に幾重にも重なって育っていました(撮影:2023.3.30.)。 柔らかいコケで、葉は淡い緑で透明感があり、葉の下まで光が通るようで...
あまり蒴をつけないフデゴケ Campylopus umbellatus が蒴をつけていました。 蒴をつけた株は群落内に散見され、それらの1本の茎には1~3本の胞子体がついていました。 平凡社の図鑑には「ふつう1茎に3~4本つき,(以下略)」とありますから、もっとたくさんの...
屋久島で見たオオタニワタリ Asplenium antiquum です(2023.3.11.撮影)。 日本南部の暖地から台湾にかけて分布する常緑のシダ植物で、植物園の温室などではお馴染みですが、園芸目的などの採集圧で、自生している姿を見る機会は少なくなりました。 葉は放射状...
上の写真、少しブレていますが、ヒメタチゴケに囲まれ、マキノゴケの上に広がっているのはコモチイトゴケ科の Wijkia deflexifolia のようです。 上は、屋久島の標高 700mあたりの朽木と言って良いような倒木の上で、強い金属様の光沢に惹かれて撮った写真です(撮影...
雌器托が伸びだしたアズマゼニゴケ Wiesnerella denudata です。 私的にはこの頃が一番かわいいように思います。 屋久島の標高 900mほどの所で 2023.3.10.に撮影しました。 雌器托を下から見ると、包膜をとおして胞子体が見えています。 ちなみに胞子...
写真はコツブクチキゴケ Odontoschisma zhui だと思います。 屋久島の標高 700m付近の樹幹についていました(2023.3.8.撮影)。 分子系統学的研究成果を基に2012年から2014年にかけてヤバネゴケ科の大幅な再編成が行われ、本種も Aranda e...