写真はアツブサゴケ Homalothecium laevisetum でしょう。 若い蒴をつけ、コンクリートの擁壁上で育っていました。 基物に接して這う茎から多くの枝を出し、枝は密に枝分かれし、密に葉をつけています。 枝は長さ約2cm、幅は葉を含めて約2㎜、蒴柄の長さは7~...
写真はアツブサゴケ Homalothecium laevisetum でしょう。 若い蒴をつけ、コンクリートの擁壁上で育っていました。 基物に接して這う茎から多くの枝を出し、枝は密に枝分かれし、密に葉をつけています。 枝は長さ約2cm、幅は葉を含めて約2㎜、蒴柄の長さは7~...
写真はリュウキュウシノブゴケ Thuidium glaucinoides だと思います。 石灰岩についていました。 トヤマシノブゴケよりやや小形で、上部の枝は鋭角に出ているように思います。 上は茎葉です。 時期的なものか、葉縁が枯れている葉が多く、上は茎の先端に近い所...
写真はジングウホウオウゴケ Fissidens obscurirete でしょう。 葉は茎の基部まで密についています。 公開されている廃坑内で、ライトに照らされて育っていました(2024.11.16.撮影)。 照度は測定していませんが、かなり暗い環境でした。 本種はうす暗い環...
写真はミヤケハタケゴケ Riccia miyakeana でしょう。 敷石の隙間で育っていました。 上の写真の葉状体の幅は1~2㎜です。 平凡社などでは4㎜に達するようですので、十分に広がることのできない生育場所の関係で、小さくなっているようです。 葉状体の基部が少し海綿...
写真はミヤコゼニゴケ Mannia fragrans で、これも今年の苔・こけ・コケ展に出されていたコケです。 和名に「ゼニゴケ」とついていますが、ゼニゴケ科ではなく、ジンガサゴケ科で、印象はジンガサゴケによく似ています。 和名の「ミヤコ」は東京都で発見されたところからで、...
写真はクサビゼニゴケ Marchantia emarginata subsp. cuneiloba です。 これも今年の苔・こけ・コケ展で見せていただいたコケです。 葉状体は密集します。 本種は長くトサノゼニゴケに統合されていましたが、鄭・嶋村(2022)により、トサノゼ...
今年の苔・こけ・コケ展で見せていただいたケハタケゴケ Riccia pubescens です。 日本産のハタケゴケの中では最も小さい葉状体です。 葉状体の背面と縁に単細胞性の毛が散生することが和名と学名の由来ですが、仮根も多いので、私としては、葉状体全体に毛が多いハタケゴケと...
恒例になった「苔・こけ・コケ展」、今年も実施されます。 ◎ 開催日時:2024年11月8日(金)~10日(日) 9:00~17:00(12日は16:30で終了) ◎ 場所:京都府立植物園 メイン会場は植物園会館ですので、京都市営地下鉄「北大路」駅からが便利です。 ◎ 内容: ...
写真はムツコネジレゴケ Trichostomum platyphyllum でしょう。 石灰岩上に育っていました。 湿った時の植物体の径は4㎜ほどでした。 葉は中部がもっとも幅広くなっています。 茎の高さは約8㎜でした。 茎は古い葉に覆われていますが、これを取り去ると・・...
岩塊斜面にあったキリシマゴケ Herbertus aduncus です。 乾き気味の岩上で、そのためか褐色が強いようです。 何度見ても蘚類と間違えそうになります。 乾いていると葉は上のように茎に接していますが・・・ 湿ると葉は開きます。 葉の長さは1㎜ほどです。 葉(側...
写真はハリスギゴケ Polytrichum piliferum ですが、これを少し持ち帰り、乾いた状態を見ると・・・ 葉が段々についています。 もし新しい葉が出るのが1年に1回だとすれば、写真のハリスギゴケは10年以上育ち続けていることになります。 なお、2枚目の背景は1...
写真はハナガゴケ Ditrichum divaricatum でしょう。 古い蒴がまだ少し残り、新しい蒴はまだ蒴柄と同じような幅です。 蒴柄は黄色~黄褐色です。 葉は茎の下部までついています。 上の写真で少し混じっているのはオオヒシャクゴケです。 葉の長さは5~8㎜、蒴柄...
写真はノガリヤス Calamagrostis arundinacea でしょう。 和名は「野のカリヤス」の意味だと言われています。 なお、カリヤスは栽培もされていて、黄色染料や薬用に用いられている植物ですが、本種とは属も異なります。 本種は北海道~九州に分布する多年草です。...
写真はホソバミズゴケ Sphagnum girgensohnii でしょう。 森林性のミズゴケで、ふつう年間を通して淡緑色ですが、高地では茶褐色になることもあります。 多くの細く長い枝が垂れ下がっている場合が多いように思います。 時には上のような姿になることも。 下垂枝...
以下は Part1の2009.11.13.を大幅に変更した引っ越し記事です。 メリケンカルカヤ Andropogon virginicus は北アメリカ原産の帰化植物です。 いろんな場所で生活できるようですが、やや乾燥した所でよく見られるようです。 刈り込み耐性が強く、...
写真はジングウホウオウゴケ Fissidens obscurirete でしょう。 葉は茎の基部までついています。 比較的乾いた土の斜面にありました。 葉は平凡社では3~12対となっています。 葉は乾くと上の写真のようにすぐに曲がりはじめます。 葉は細胞にパピラがあるため...
一見スナゴケやシモフリゴケなどの仲間にもみえる岩上にあった写真のコケ、どうしても名前が分からず、A先生に見てもらったところ、ホソムジナゴケ Trachypus humilis のようです。 ただし、特に葉の細胞の様子などは、図鑑に記載されているものとはかなり異なります。 この...
写真は少し疑問が残るのですが、タカネツボミゴケ Solenostoma infuscum var. ovicalyx としておきます。 北海道・鹿追町の標高1,000m付近で撮影しました。 日本国内では本州~九州の低地で見られるオオホウキゴケの変種とする研究者が多いのです...
8月下旬の北八ヶ岳と9月上旬の北海道・然別湖周辺で、多くのゴレツミズゴケの群落に出会いました。 どちらの場所でも、ちょうど植物体の紅葉が始まる時期で、日あたりなど群落の存在する環境によって、まだ緑の群落から、真っ赤に染まった群落までありました。 また、胞子散布の始まる時期であっ...
写真はフォーリーイチョウゴケ Lophozia longiflora でしょう。 コアミメヒシャクゴケの群落にほんの少し混じっていました。 北海道~九州の亜高山帯以上に分布するコケです(2024.8.25.北海道・上士幌町 標高800m付近で撮影)。 葉がゆるく重なるコケで...
青森県産のイトヤナギゴケモドキ Platydictya subtilis をいただきました。 Kさんが採集されたもので、作沢川の蛇籠についていたそうです。 上は乾いた状態、下は湿った状態です。(倍率は同じです。) 茎は糸状で、不規則に分枝しています。 葉はあまり横に広が...
アオギヌゴケ科には同定の難しいコケが多く、平凡社の図鑑には「分類のもっともむずかしい科の一つである。」と書かれています。 なかでも Eurhynchium (ツルハシゴケ属)は、変異が大きく同定はむずかしい(平凡社)とされています。 Kさんが確信を持って同定できたというキノク...
ネジクチゴケ などが属する Barbula (ネジクチゴケ属)は、平凡社の検索表には日本産9種が載せられていますが、その違いはわずかで、同定がなかなか難しい属です。 オカモス関西(正式名称は岡山コケの会関西支部)では毎月定例で「コケサロン」を開いています。 以前このコケサロ...
上の写真は、2019年の10月に奈良県宇陀市で撮った写真です。 流水下の黒っぽい緑色のものはフクロハイゴケ Vesicularia ferriei のようにも思うのですが、よく分からず、載せるのも遅くなってしまいました。 本種は写真のような水面下でも陸上でも生育する事がで...
写真はシクンシ Combretum indicum です。 京都府立植物園の温室で撮影しました。 熱帯アジアに広く分布していますが、薬用や観賞用に栽培されているためで、厳密な意味での原産地はよく分からないそうです。 日本でも、石垣島や西表島などでは野生化していますが、元は...
写真はスジシノブゴケ Haplocladium strictulum でしょう。 礫の隙間をコンクリートで埋めて作った壁の凹みについていました。 全体が茶色なのは、2月に撮った写真で、寒さの影響でしょう。 茎は這い、やや羽状に枝を出しています。 茎葉の長さは1mm前後です...
写真はシワタケ Phlebia tremellosa だと思います。 大阪府民の森くろんど園地の遊歩道の階段に埋め込まれていた材に発生していました(10月29日撮影)。 半背着生の白色腐朽菌で、傘の表面は白色の軟毛を密生しています。 上は傘の内側です。 管孔部は縦横の皺によ...
11月19日(日)に、コケ観察会を実施します。 この観察会は、10月からNHK文化センター京都教室で行っている講座「身近なコケの不思議な世界」(全6回)の2回目になりますが、教室を離れての現地での観察会のみの参加も受け付けることにしました。 実施場所は京都府立植物園です。 9月...
タイトルは学名( Salvia leucantha )をカタカナにしたもの。 アメジストセージなど、いろいろな名前も持っています。 中央アメリカ原産で、大阪付近では屋外で冬越しできます。 秋から晩秋にかけて咲く花は、花穂は長くみごとなのですが・・・ 上の写真は咲いている花の多...
恒例となりました京都府立植物園の「苔・こけ・コケ展」、今年も11月10日(金)~12日(日)の予定で開催されます。 主催:京都府立植物園、岡山コケの会関西支部(オカモス関西) 後援:日本蘚苔類学会 内容:コケ関係の展示や販売、講演会、講習会、観察会など 京都府立植物園...
北海道の阿寒の森で見たベニタケ科ベニタケ属の3種です。 色は違いますが、同じ属だけあって、形はよく似ています。 いずれも9月10日の撮影です。 ベニタケ科のきのこは球状の細胞でできているため、少し力を加えると、ぼろぼろと崩れてしまいます。 ● クサハツ Russula foe...
上はバンダイゴケ Rauiella fujisana だと思います。 北海道~九州に分布しています。 育っていたのは、北海道の阿寒湖のほとりで、上の写真の黄色い矢印の所です(9月9日に撮影)。 平凡社では「産地の木の根元などに生える。」となっています。 長さ2~3mmの枝...
写真はオオトリゲモ Najas oguraensis です。 トチカガミ科の沈水性の一年草で、本州の宮城県以西と四国に分布しています。 葉は線形で、対生または3輪生し、葉縁には多数の鋸歯があります。 Najas (イバラモ属)は互いによく似ています。 本種は和名のとおりこ...
北海道・阿寒の森の樹幹下部についていた写真のコケ(9月9日撮影)、蒴が無くてはっきりしませんが、 ナガエタチヒラゴケ Homalia trichomanoides だろうと思います。 分布は北海道~九州です。 平凡社では ヤマトヒラゴケ の母種となっていて、分布はヤマトヒ...
写真はサツマノギク Chrysanthemum ornatum です。 自生地は鹿児島県西部の海岸ということですが、どういうわけか、京都府立植物園温室の高山植物室に植えられていました(10月8日撮影)。 葉に比較して頭花が大きく,葉が白く縁どられていて、なかなか美しいキクで...
写真はバクチノキ Laurocerasus zippeliana です。 常緑の高木で、関東以西の暖地に分布します。 上は京都府立植物園で10月15日に撮った写真で、たくさん花をつけていました。 ちょうど1週間前にもこの木の前を通ったのですが、その時は花は全く咲いていませ...
ツガ Tsuga sieboldii がたくさんの球果(松かさ)をつけていました。 福島県以西の分布です。 上はコケに覆われた幹です。 樹皮は不揃いな亀甲状に裂け、鱗片状に剥がれていきます。 球果は枝に頂生し、下垂します。 葉は線形で葉先は凹頭、表面は主軸に沿って凹んでい...
京都府立植物園の生態園で咲いていたタカクマホトトギス Tricyrtis ohsumiensis です(10月8日撮影)。 和名の「タカクマ」は発見地の鹿児島県・大隅半島の高隅(たかくま)山に由来し、種小名も大隅半島に分布しているところからです。 岩場に生育し、自生地での花期...
京都府立植物園の生態園で、シモバシラ Collinsonia japonica のちょうど見頃の花を見ることができました(10月8日撮影)。 本種は関東地方以南の本州から九州にかけて分布するシソ科の多年草で、日本固有種です。 茎はやや水平の向きに曲がる性質があり、そこから出...
写真は大阪府の能勢町で咲いていたキガンピ Diplomorpha trichotoma です(9月24日撮影)。 開花期は夏ですので、花はほとんど終わりかけていました。 本種はジンチョウゲ科の落葉低木で、同じ属の ガンピ の葉は互生ですが、本種の葉は対生しています。 本種も...