平凡社の『日本の野生植物 コケ』(2001年発行)には、日本産のコケの(当時分かっていた)すべての種の検索表が載せられていますが、発行から四半世紀が経ち、その間、コケ植物の分類体系は分子系統学的手法を取り入れることで大きく変更されています。 コケ植物の多様性を体系的に把握す...
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平凡社の『日本の野生植物 コケ』(2001年発行)には、日本産のコケの(当時分かっていた)すべての種の検索表が載せられていますが、発行から四半世紀が経ち、その間、コケ植物の分類体系は分子系統学的手法を取り入れることで大きく変更されています。 コケ植物の多様性を体系的に把握す...
写真はホソハリゴケ Claopodium gracillimum でしょう。 細かい砂質土壌の斜面で育っていました。 ところで、コケ植物の分類体系は分子系統学的手法を取り入れることで大きく変更しています。 Claopodium (ハリゴケ属)も、下に書くように葉身細胞にパ...
上は2025.2.12.に兵庫県西宮市の廃線跡にあったオオジャゴケ Conocephalum orientalis です。 雌器托がタケノコのように伸びはじめていました。 雌器托は、葉状体の背面からではなく、葉状体の裂け目の奥から出ています。 また、雌器托の傘の表面にも気室...
写真はナガサキテングサゴケ Riccardia nagasakiensis でしょう。 水の滴る斜面に育っていました。 群落をほぐしてみると、上の2枚の写真のように、たくさんの胞子体が隠れていました。 葉状体の基部は褐色を帯びています。 雌枝の縁は鱗片状で、先は鋸歯状にな...
モリノコダマタケ Bryoperdon acuminatum をいただきました。 本種は2023年に日本新産種として報告されたホコリタケ科のきのこで、蘚類に寄生します。 子実体は卵形~円錐形で、無性基部(いわゆる「柄」)を欠き、外皮には刺があります。 和名を漢字で表現す...
樹幹についていた写真のコケは、ナガシタバヨウジョウゴケ Cololejeunea raduliloba だと思います。 下は上の赤い四角で囲った部分の拡大です。 あちこちに胞子を出し終えて白っぽくなった蒴がついています。 蒴は最初の写真には10個(以上)、上の写真には5個写...
上は、2月12日に行われた「岡山コケの会関西支部」(通称「オカモス関西」)の観察会で撮った写真で、アカメガシワ?の樹幹に、小さなコケと、その周辺に赤い小さな粒がついています。 コケは、その大きさや育っている様子からヤマトヨウジョウゴケだろうと見当がつくものの、赤い粒については...
前回に続き、いただいたコケで、ホソバコオイゴケ Diplophyllum taxifolium でしょう。 分布は、平凡社では「北海道~九州の亜高山帯以上にふつう」となっていますが、写真のコケの産地は京都府の美山町佐々里です。 腹片は鈍頭です。 背片と腹片の長さの比など葉の...
京都府の美山町佐々里で採集されたコナシガタソロイゴケ Solenostoma minutissimum をいただきました。 本種は平凡社では ナシガタソロイゴケ の変種となっていますが、片桐・古木(2018)の日本産タイ類・ツノゴケ類チェックリストでは独立した種となっています...
写真はキダチヒダゴケ Thamnobryum plicatulum だろうと思います。 コトラノオゴケという別名があるように、オオトラノオゴケによく似ています。 這う一次茎から二次茎が立ち上がり、二次茎は枝分かれして横に広がっています。 二次茎の下部は細長い柄のようになっ...
写真はオオキヨズミシダ Polystichum tsus-simense var. mayebarae だろうと思います。 上記の学名はヒメカナワラビの変種の扱いですが、ヒメカナワラビとオニイノデの雑種とする意見もあるようです。 シダはコケより種数は少ないのですが、雑種が多...
数十年前と現在とでは、時間や空間といったものの本質に対する理解は大きく変わっています。 前に記事にした『 なぜ重力は存在するのか 』ではこれらの最新の発展については軽く触れられていただけですが、最近耳にすることも多くなったマルチバース(多元宇宙論)について、私の聞きかじりの知識...
大学受験時、私は理学部の生物学科を志望しました。 私の当初受験しようとしていた大学の理学部の受験科目は、学科に関わらず物理と化学だったので、私も物理と化学を勉強して入学しました。 受験勉強では、化学は有機化合物の多さに、どこまで学習すればよいのかとまどい、物理はちょうどCGS...
写真はツルデンダ Polystichum craspedosorum でしょう。 大きな石灰岩の上で育っていました。 私がこれまでに六甲山や滝畑などで本種を見た岩は石灰岩ではありませんでしたが、図鑑を見ると、石灰岩上でもよく見られるようです。 包膜は大きく、ソーラスを深く包...
古い コウヤコケシノブ の葉についている白っぽい緑色のひも状のコケ、調べてみるとコミミゴケ Lejeunea compacta でした。 上は背面から撮っています。 反射光と透過光を併用して撮りましたので、気泡が小さい粒子状に写っています。 背片は重なり、強く内曲していま...
1月、ヒョウタンゴケ Funaria hygrometrica の帽の長い角が葉の間から突き出ていました。 まるで伸び出したばかりの細い蒴のようです。 ヒョウタンゴケはよく知られているコケで、蒴はよく目立ちますが、このような姿を見た人は多くないだろうと思い、Facebookで...
蓋の取れた蒴をつけたハマキゴケ Hyophila propagulifera は こちら にも載せていますが、帽のある蒴をつけたハマキゴケを載せるのは初めてです。 上の写真で、ピントの合った3本の蒴のうち、右の1本は何者かに齧られていますが、左の2つの蒴には帽がついています...
湿った土上にヤナギゴケ Ambiystegium riparium がありました(上の写真)。 よく見ると、あちこちで胞子体が立ち上がり始めています。 春のかすかな気配を感じます。 茎は横に這い、不規則に分枝しています。 茎頂近くの葉はほとんど広がっていません。 葉の長...
枝分かれした雌器托をつけたゼニゴケ Marchantia polymorpha subsp. ruderalis です。 蒴柄が枝分かれしていると大変ですが、雌器托は配偶体の一部ですから( こちら )、枝分かれしていても大騒ぎすることもないでしょう。 一方、枝分かれしてい...
写真は2024年11月に京都府南丹市の美山で採集され、しばらく育てられた後に分けていただいたもので、ナシガタソロイゴケ Solenostoma pyriflorum だそうです。 この類は私には雌花序が無いとお手上げで、同定された結果を信じるしかありません。 平凡社ではブナ帯...
ミドリコケビョウタケ Mniaecia jungermanniae は苔類に寄生する子嚢菌で、やや肉厚なクッション状の、直径1mmに満たない小さな子嚢盤をつくります。 アカウロコゴケに寄生している様子は こちら に載せていますが、古い写真を整理していて、たまたま本種らしきもの...
写真はサクラジマツヤゴケ Entodon calycinus でしょう。 倒木の上に広がっていました。 蒴が直立しているのは、この属の特徴です。 内雌苞葉が長いのは本種の大きな特徴です。 上の写真の内雌苞葉は約4mmですが、4.5mmに達するようです。 蒴柄の長...
上は石灰岩から垂れ下がっているコケ群落で、蘚類(センボンゴケ科?)や大小2種類の苔類などが写っていますが、大きい苔類はツジベゴヘイゴケ Tuzibeanthus chinensis だと思います。 和名は辻部正信氏を記念してつけられています。 上は腹面から撮っています。 植物...
写真はミヤベゴケ Miyabea fruticella でしょう。 樹幹に大きな群落を作っていました。 樹皮上を這う一次茎から二次茎が斜上しています。 二次茎は不規則な羽状に分枝しています(上の写真)。 葉は乾くと枝に接します。 枝葉は長さ 0.5-0.8mm、葉縁上部に...
写真は、雨で濡れていますが、ナガスジハリゴケ Claopodium prionophyllum だと思います。 石灰岩上にありました。 茎はやや羽状に分枝しています(上の写真)。 乾くと葉はやや縮れます。 上は枝先です。 枝葉は披針形で、パピラがあります。 上は枝葉...
樹幹に育っていた写真のコケ、イワイトゴケモドキ Haplohymenium sieboldii のようです。 イワイトゴケ によく似ていますが、イワイトゴケの枝葉が円頭~広い鋭頭であるのに対し、本種の枝葉は上の写真のように鋭頭です。 上は湿った状態で、下は乾いた状態で...
石灰岩上で干乾びてほとんど真っ黒になっていた写真のコケ、少し持ち帰って湿らせると、一部に緑色の所が現れ、調べるとリュウキュウゴヘイゴケのようです。 なお、学名は平凡社では Mastigolejeunea auriculata 、片桐・古木(2018)では M. replet...
石灰岩上のコケ群落(上の写真)、蘚類はニセイシバイゴケ Tuerckheimia svihlae 、苔類は イトコミミゴケ Lejeunea parva だと思います。 以下は前者についての観察記録です。 上は、少し離れた場所にあった、乾いた状態の本種です。 葉は線状披...
写真はキサゴゴケ Hypnodontopsis apiculata だと思います。 ヤシ(フェニックス?)の樹幹についていました。 蒴柄がらせん状に巻く特徴的な胞子体があれば、もっと確実になるのですが、蒴は確認できませんでした。 湿ると上のようになります。 茎の長さは約3...
写真はフタバムチゴケ Bazzania bidentula だと思います。 北海道・雌阿寒温泉近くの森の、朽木の凹んだ穴の奥にありました。 比較的小形のムチゴケで、茎は基物にくっついて這い、鞭枝も同様に基物にくっついていました。 水谷(1992)によれば、大雪山から屋久島の...
コマノキヌイトゴケ Anomodon thraustus と マキハキヌゴケ Pylaisiella subcircinata の混生した群落が、北海道の阿寒湖畔の樹幹にありました(2023.9.8.撮影)。 上の写真の、光沢のある葉が巻いているのかマキハキヌゴケで、蒴...
これまでもアオギヌゴケ科の同定は難しいと書いてきましたが、上の写真は、左にコツボゴケなど、いろいろ混生していますが、多くはムツヤノネゴケ Brachythecium noecicum (アオギヌゴケ科)だろうと思います。 なお、エゾヤノネゴケはシノニムでしょう。 本種は、岩月...
大阪市の「 咲くやこの花館 」で、2024年1月の6日から21日までの予定でコケ展が開催されます。 期間中、盛りだくさんの内容が予定されていますが、私の担当は「もっとコケを知ろう」で、「コケ講座」と「コケの観察・解説ツアー」を実施します。 コケの楽しみ方は、見る楽しみ、作る楽...
写真はオウコチョウ(黄胡蝶) Caesalpinia pulcherrima です。 マメ科ジャケツイバラ亜科の常緑性小高木です。 京都府立植物園の温室で撮影しました。 西インド諸島の原産ですが、花が美しいため、現在では世界の熱帯から亜熱帯域に栽培されていて、日本でも沖縄な...
青森県産のイトヤナギゴケモドキ Platydictya subtilis をいただきました。 Kさんが採集されたもので、作沢川の蛇籠についていたそうです。 上は乾いた状態、下は湿った状態です。(倍率は同じです。) 茎は糸状で、不規則に分枝しています。 葉はあまり横に広が...
アオギヌゴケ科には同定の難しいコケが多く、平凡社の図鑑には「分類のもっともむずかしい科の一つである。」と書かれています。 なかでも Eurhynchium (ツルハシゴケ属)は、変異が大きく同定はむずかしい(平凡社)とされています。 Kさんが確信を持って同定できたというキノク...
ネジクチゴケ などが属する Barbula (ネジクチゴケ属)は、平凡社の検索表には日本産9種が載せられていますが、その違いはわずかで、同定がなかなか難しい属です。 オカモス関西(正式名称は岡山コケの会関西支部)では毎月定例で「コケサロン」を開いています。 以前このコケサロ...
上の写真は、2019年の10月に奈良県宇陀市で撮った写真です。 流水下の黒っぽい緑色のものはフクロハイゴケ Vesicularia ferriei のようにも思うのですが、よく分からず、載せるのも遅くなってしまいました。 本種は写真のような水面下でも陸上でも生育する事がで...
写真はシクンシ Combretum indicum です。 京都府立植物園の温室で撮影しました。 熱帯アジアに広く分布していますが、薬用や観賞用に栽培されているためで、厳密な意味での原産地はよく分からないそうです。 日本でも、石垣島や西表島などでは野生化していますが、元は...
写真はスジシノブゴケ Haplocladium strictulum でしょう。 礫の隙間をコンクリートで埋めて作った壁の凹みについていました。 全体が茶色なのは、2月に撮った写真で、寒さの影響でしょう。 茎は這い、やや羽状に枝を出しています。 茎葉の長さは1mm前後です...