コゴメイヌノフグリ Veronica cymbalaria がオオイヌノフグリと混生していました。 遠目には白花のオオイヌノフグリが咲いているようでした。 撮影場所は京都府立植物園ですが、オオイヌノフグリ同様、植えられたり、育てられたりしている様子はありません。 たぶん芝刈り...
写真はシダレゴケ Chrysocladium retrorsum (別名ソリシダレゴケ)でしょう。 岸壁から垂れ下がっているものも、岩の割れ目に生える木の枝から垂れ下がっているものもありました。 上は枝を1mm方眼紙に置いて撮っています。 枝は不規則な羽状に分枝し、葉を...
9月16日(土)に、コケ観察会を実施します。 この観察会は、4月からNHK文化センター京都教室で行っている講座「ミクロで楽しむコケの不思議」(全6回)の最終回になりますが、教室を離れての現地での観察会ですので、今回のみの参加も受け付けることにしました( NHK文化センター京都教...
堺市南区城山台にヒナノシャクジョウ Burmannia championii があると聞き、お願いして案内していただきました。 分布は関東以西から四国・九州、屋久島と沖縄本島です。 花は7月下旬頃がピークだったようで、ほとんど終わっていましたが、まだたくさん残っていました...
以下は Part1の 2012.7.25.に載せていたものを、一部書き換えてこちらに引っ越しさせた記事です。 2012年7月23日のNHKラジオ第一放送の「夏休み子供科学電話相談」で、昆虫の脚はなぜ6本なのかという小学生の質問に対して、昆虫担当の先生は、昆虫の体は頭、胸、腹に...
雨に濡れたツルチョウチンゴケ Orthomnion maximoviczii 、直立茎の多くは雄器盤をつけています。 葉は波打っています。 透明感があって美しい葉です。 上は匍匐茎で、土についた茎の先から仮根が出ています。 葉の長さは5~6mmです。 上は雄器盤の断面...
写真は8月20日に大阪市立自然史博物館で行われた行事「標本の名前を調べよう」で見せていただいた石についたコケで、イヌノハゴケ Cynodontium polycarpum またはその近縁種だと思います。 イヌノハゴケと言い切れないのは、1つには蒴が無いのでよく分からない点があ...
上は2023.7.16.に京都市北区の雲ケ畑で撮った写真です。 今日はこのコケを調べました。 茎葉と枝葉の大きさが、かなり異なります。 シノブゴケ科のようにも見えますが、毛葉はありません。 枝は次第に細くなっています。 茎葉は約2mmの長さです。 上は茎葉です。 ①葉の...
ケビラゴケ科の同定によく迷うことがあり、頭の整理のために、このブログに掲載しているケビラゴケ属( Radula )の検索表を作成してみました。 もちろんこのブログに掲載されていない種は検索表に載せていませんが、よく見られる種はだいたい入っていると思います。 1 背片は鋭尖。油...
写真はニブハタケナガゴケ Ectropothecium obtusulum (別名 キノクニイチイゴケ)だと思います。 兵庫県宝塚市の山際の溝と呼んでいいようなコンクリート三面張りの川の流水中にありました(2023年6月25日)。 ところで、この和名はどういう意味なのでしょう...
上は岩上にあったホソヤスデゴケ Frullania densiloba を腹面から撮っています。 花被は3稜です(写真の中央上に写っています)。 円筒形の腹片は先が少し茎側に傾いています。 腹葉は幅が茎より少し広く、ほぼ全縁で、先が1/3まで2裂しています。 上は背面から...
上はヒメスナゴケ Bucklandiella sudetica だろうと思います。 湿岩上にありました。 全体的にエゾスナゴケより細く、小さい印象です。(上の背景は1mm方眼です。) 葉は翼部が発達せず、透明尖はありません。 中肋は葉先に届いています。 葉の上部の細...
上と下、同じ雨の日に少し離れただけの所で撮った写真です。 垂れ下がり方は違いますが、葉を透かしてみえる枝の色はどちらも赤く、ルーペで観察した時は同種かもしれないと思いました。 じつは最初の写真が今回のミヤマリュウビゴケ Hylocomiastrum pyrenaicum で...
北八ヶ岳でセイタカスギゴケ Pogonatum japonicum が雄器盤をつけていました(2023.6.24.撮影)。 上は葉の横断面です。 薄板は低く2~5細胞層で、端細胞はしばしば2個に分裂し、表面にパピラがあります。 上の倍率ではパピラが分かりにくいので、下...
上は コムチゴケ と混生しているオオサナダゴケモドキ Plagiothecium euryphyllum です。 茎は這い、不規則に分枝しています。 葉は弱く扁平についています。 平凡社の図鑑では、葉を含めた枝の幅は 2.5~4mm、葉の長さは 1.3~2.4mmとな...
写真はオオバチョウチンゴケ Plagiomnium vesicatum の美しい群落です。 群落の大きさもとても大きいですし、個々の植物体もよく生長しています。 本種の細部については何度も載せていますので( こちら など)、今回は葉の写真のみにします。 平凡社では葉の長さ...
写真はナミシッポゴケ Dicranum polysetum だと思います。 長野県茅野市の標高1100mのカラマツ林の林床にありました。 葉につやがあります。 日本での分布は中部地方以北と北海道で、世界的には中国、極東ロシア、ヨーロッパ、北アメリカと、北極を取り囲むように寒...
写真はクロアオヤスデゴケ Frullania pedicellata でしょう。 岩上で育っていました。 和名はもちろん植物体の色に由来しているのですが、上の写真の特に右に見られるように、赤褐色を帯びることもしばしばです。 上は腹面から見ています。 腹片は縦と横の長さがほぼ...
写真はダイセツヤノネゴケ Bryhnia hultenii var. cymbifolia だと思います。 水の滴る岸壁で育っていました。 葉は覆瓦状についています。 上は茎葉です。 汚れの少ない茎の先に近い所の葉ですので、サイズは他の多くの茎葉より少し小さめです。 ...
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コゴメイヌノフグリ Veronica cymbalaria がオオイヌノフグリと混生していました。 遠目には白花のオオイヌノフグリが咲いているようでした。 撮影場所は京都府立植物園ですが、オオイヌノフグリ同様、植えられたり、育てられたりしている様子はありません。 たぶん芝刈り...
上はウスバハタケゴケ Riccia glauca だと思います。 富永・古木(2014)の記載とはサイズ的には少しずれるのですが、形態的な特徴はほぼ一致しています。 光が当たるとキラキラ光っていました(2024.4.20. 京都府立植物園にて撮影)。 葉状体背面の先端近...
従来1種と思われていた日本のジャゴケが現在は4種に分けられていることは こちら に書きました。 今回はその4種のうちのウラベニジャゴケです。 上がウラベニジャゴケ Conocephalum purpureorubrum です(2024.4.12. 京都市 嵐山にて撮影)。 ...
従来1種と思われていた日本のジャゴケが現在は4種に分けられていることは こちら に書きました。 今回はその4種のうちのタカオジャゴケ Conocephalum salebrosum です。 上はオオジャゴケとの混生です(2024.4.12. 京都市 嵐山にて撮影)。 春の新...
いろいろあって、この3月は一度もブログを更新していませんでした。理由のひとつは初めて出会ったコケが無かったからですが、美しいコケがありましたので、載せておきます。 といっても、3月10日に出会ったコケで、もう20日も経っていますが・・・。 上がそのコケで、ホソバトジクチゴ...
ミドリコケビョウタケ Mniaecia jungermanniae は苔類に寄生する子嚢菌で、やや肉厚なクッション状の、直径1mmに満たない小さな子嚢盤をつくります。 アカウロコゴケに寄生している様子は こちら に載せていますが、古い写真を整理していて、たまたま本種らしきもの...
写真はサクラジマツヤゴケ Entodon calycinus でしょう。 倒木の上に広がっていました。 蒴が直立しているのは、この属の特徴です。 内雌苞葉が長いのは本種の大きな特徴です。 上の写真の内雌苞葉は約4mmですが、4.5mmに達するようです。 蒴柄の長...
上は石灰岩から垂れ下がっているコケ群落で、蘚類(センボンゴケ科?)や大小2種類の苔類などが写っていますが、大きい苔類はツジベゴヘイゴケ Tuzibeanthus chinensis だと思います。 和名は辻部正信氏を記念してつけられています。 上は腹面から撮っています。 植物...
写真はミヤベゴケ Miyabea fruticella でしょう。 樹幹に大きな群落を作っていました。 樹皮上を這う一次茎から二次茎が斜上しています。 二次茎は不規則な羽状に分枝しています(上の写真)。 葉は乾くと枝に接します。 枝葉は長さ 0.5-0.8mm、葉縁上部に...
写真は、雨で濡れていますが、ナガスジハリゴケ Claopodium prionophyllum だと思います。 石灰岩上にありました。 茎はやや羽状に分枝しています(上の写真)。 乾くと葉はやや縮れます。 上は枝先です。 枝葉は披針形で、パピラがあります。 上は枝葉...
樹幹に育っていた写真のコケ、イワイトゴケモドキ Haplohymenium sieboldii のようです。 イワイトゴケ によく似ていますが、イワイトゴケの枝葉が円頭~広い鋭頭であるのに対し、本種の枝葉は上の写真のように鋭頭です。 上は湿った状態で、下は乾いた状態で...
石灰岩上で干乾びてほとんど真っ黒になっていた写真のコケ、少し持ち帰って湿らせると、一部に緑色の所が現れ、調べるとリュウキュウゴヘイゴケのようです。 なお、学名は平凡社では Mastigolejeunea auriculata 、片桐・古木(2018)では M. replet...
石灰岩上のコケ群落(上の写真)、蘚類はニセイシバイゴケ Tuerckheimia svihlae 、苔類は イトコミミゴケ Lejeunea parva だと思います。 以下は前者についての観察記録です。 上は、少し離れた場所にあった、乾いた状態の本種です。 葉は線状披...
写真はキサゴゴケ Hypnodontopsis apiculata だと思います。 ヤシ(フェニックス?)の樹幹についていました。 蒴柄がらせん状に巻く特徴的な胞子体があれば、もっと確実になるのですが、蒴は確認できませんでした。 湿ると上のようになります。 茎の長さは約3...
写真はフタバムチゴケ Bazzania bidentula だと思います。 北海道・雌阿寒温泉近くの森の、朽木の凹んだ穴の奥にありました。 比較的小形のムチゴケで、茎は基物にくっついて這い、鞭枝も同様に基物にくっついていました。 水谷(1992)によれば、大雪山から屋久島の...
コマノキヌイトゴケ Anomodon thraustus と マキハキヌゴケ Pylaisiella subcircinata の混生した群落が、北海道の阿寒湖畔の樹幹にありました(2023.9.8.撮影)。 上の写真の、光沢のある葉が巻いているのかマキハキヌゴケで、蒴...
これまでもアオギヌゴケ科の同定は難しいと書いてきましたが、上の写真は、左にコツボゴケなど、いろいろ混生していますが、多くはムツヤノネゴケ Brachythecium noecicum (アオギヌゴケ科)だろうと思います。 なお、エゾヤノネゴケはシノニムでしょう。 本種は、岩月...
大阪市の「 咲くやこの花館 」で、2024年1月の6日から21日までの予定でコケ展が開催されます。 期間中、盛りだくさんの内容が予定されていますが、私の担当は「もっとコケを知ろう」で、「コケ講座」と「コケの観察・解説ツアー」を実施します。 コケの楽しみ方は、見る楽しみ、作る楽...
写真はオウコチョウ(黄胡蝶) Caesalpinia pulcherrima です。 マメ科ジャケツイバラ亜科の常緑性小高木です。 京都府立植物園の温室で撮影しました。 西インド諸島の原産ですが、花が美しいため、現在では世界の熱帯から亜熱帯域に栽培されていて、日本でも沖縄な...
青森県産のイトヤナギゴケモドキ Platydictya subtilis をいただきました。 Kさんが採集されたもので、作沢川の蛇籠についていたそうです。 上は乾いた状態、下は湿った状態です。(倍率は同じです。) 茎は糸状で、不規則に分枝しています。 葉はあまり横に広が...
渓流のすぐ際の水しぶきのかかる岩上から水中にまで続くミヤコノケビラゴケ Radula tokiensis の群落がありました。 本種はこのように水を好むケビラゴケです。 上の2枚は、いずれも腹面から撮っています。 背片は円頭、腹片は背片の約1/2の長さです。 ...
スギの樹皮の上に広がるコケ(上の2枚の写真)、スプレーで水を与えてやると、下のように葉を広げました(2023.3.11. 屋久島にて撮影)。 小さなコケで、現地では分からなかったのですが、持ち帰って調べた結果、ヒメイサワゴケ Syrrhopodon fimbriatulus ...
写真はナガバサワゴケ Philonotis lancifolium だと思います。 岩面を伝う水の路に育っていました。 比較的大形で茎は2cm以上あります。 茎は赤い色をしていますが、葉は密についていて、乾くと茎に接着し、下部は仮根に覆われていて、茎の色はあまり見えません。...
コムチゴケ Bazzania tridens が蒴をつけていました。 まずは本種であることを下の2枚の写真で確認です。 葉の先端の歯は3個、腹葉は基部を除いて透明で鈍波状です。 蒴柄は長く伸び、蒴はラグビーボール状で、熟すと4裂します(上の写真)。 弾糸は全て蒴に残...
樹幹で、いろいろなコケや地衣類が混生していました。 上の写真で、幅の広い苔類は■チヂミカヤゴケの雄株です。 幅の狭い苔類はヒメヤスデゴケ Frullania ericoides だと思いますが、似たものが何種類かあるので、「?」付きにしておきます。 雌苞葉や花被などの雌性...
上はヤエムグラ Galium spurium var. echinospermon (アカネ科)で、史前帰化植物とされています。 茎は柔らかく、自らの茎で立ち上がることはできないのですが、茎にも葉にも果実にも小さな棘があり、この棘でお互いに絡み合い、他の植物にも絡んで、和名...
上の写真のコケ、名前を調べてほしいと頼まれたコケですので、生育状況を示す写真はありません。 葉の長さ1~1.5mm、茎の高さ3~5mmの小さなコケで、蒴柄は赤っぽい色をしています(撮影:2023.4.24.)。 町中にあったコケで、珍しいコケではないはずなのに、どうしても...
写真はヤクシマゴケ Isotachis japonica です。 屋久島ランド線の道路わきの湿った岸壁を覆っていました(2023.3.9.撮影)。 所々紅色を帯びるのは本種の特徴です。 本種は東アジアから東南アジアにかけて分布していますが、日本では屋久島以外では確認されてい...
樹液が保水能力を高めているのか、単に水が溜まりやすい場所なのか、樹幹に小さな葉の密なコケ群落がありました。 葉は卵形で非対称、やや扁平につき、長さは1mm未満です。 葉の上部には細かい歯があります。 中肋は短く2叉している葉もありましたが、多くは不明でした。 上は葉身細胞...
アブラゴケ Hookeria acutifolia が葉先に無性芽をつけていました。 上の写真は屋久島で 2023.3.10.に撮影しました。 本種については、屋久島産と大阪付近で見るものとで違いはほぼ無いでしょうが、これまでスケールを入れた写真や無性芽をきっちり撮った写真...
上は屋久島で見たコケで、岩にくっついていました。 平凡社の検索表をたどると、シコクヒメクサリゴケ Cololejeunea shikokiana のようです。 分布は近畿以西となっています。 平凡社には種別の解説は無く、水谷(1961)の図とも少し異なる点があり、心配では...
岩の壁を這うコケ、上の写真にはいろいろなコケが写っていますが、多くはコクシノハゴケ Ctenidium hastile です。 特に這うタイプの蘚類は、育ち方でずいぶんと印象が変わります。 本種も、上の写真のように、茎が長さの揃った枝を左右にたくさん出しながらまっすぐに伸び...
ヒメハミズゴケ Pogonatum camusii の胞子体が伸びてきていました(2023.3.10. 屋久島にて撮影)。 上の写真では下の方は チャボホラゴケモドキ などに覆われて見えませんが・・・ 基物上を宿存性の原糸体が覆い、その上に退化した配偶体が散生し、その配偶体...
写真は大阪市福島区にある阪神電車野田駅前で撮った野田藤です(撮影:2023.4.16.)。 野田藤は昔からその美しさで知られていました。 室町幕府二代将軍・足利義詮(よしあきら)が むらさきの雲とやいはむ藤の花 野にも山にもはいぞかかれる と詠んだ歌は、発祥の地と言われる春...
湿った崖にエゾミズゼニゴケ Pellia neesiana が育っていました。 上は 2023.3.8.に屋久島の標高750m付近での撮影です。 和名に「エゾ」とついていますが、本種は北海道から九州まで分布しています。 胞子体が伸び始めていましたので、ホソバミズゼニゴケとの...
写真はカネマルテングサゴケ Riccardia crassa だと思います。 朽木に育っていました。 分布は屋久島以南のようです。 本種は雌雄異株です。 枝の一部を取り出してみると(上の写真)、重なり合って隠されていた所に、雄性生殖器官らしきものがたくさんついていました。 ...
5月20日(土)に、コケ観察会を実施します。 この観察会は、今週の土曜日(4月15日)からNHK文化センター京都教室で始まる講座「 ミクロで楽しむコケの不思議 」(全6回)のプログラムに組み込まれている2回の現地観察会のうちの1回です。 身近にありながら種子植物とは全く違...
写真はヤクシマタチゴケ Atrichum yakushimense でしょう。 ナミガタタチゴケ や ヒメタチゴケ は土上に育ちますが、本種は上の写真のように岩上に点々とついていました。 雌雄異株のようですが、たくさん蒴をつけています。 和名に「ヤクシマ」とついていますし...
写真はミドリヤスデゴケ Frullania ericoides でしょう。 樹幹についていたのですが、枝が樹幹から離れて空中に伸び出しているので、背片の腹側への巻き込みが強く、細いフルノコゴケのような印象でした。 こちら のような、幹にぴったり張り付いている場合は、かわ...
写真はイサワゴケ Syrrhopodon tosaensis だと思います。 崖に接して這う蔓の上を中心に広がっていました。 植物体は白緑色で、葉先に無性芽をつけている葉も多く見られます。 上は乾いた状態ですが、葉はあまり縮れていません。 葉は披針形で、葉縁には舷があ...