Ⅱ神秘主義1神秘主義とは何かここでは、キリスト教神秘主義の歴史、その定義、論争などが紹介された。議論の焦点はドイツ神秘主義であり、エックハルトの評価であった。キリスト教神秘主義の定義はトマス・アクイナスを持ち出すのが常道らしいが(神の体験的認識cognitoexperimentalis)、要は、神秘主義では、信仰を前提として、神を、分析的にではなく直観的に、認識することを意味するようだ。信仰が前提であること、直観的であること、が強調される。このように神秘主義とは本来はキリスト教に固有の概念なのだが、実際には、他宗教にも神秘主義が見いだされるというのが今日の我々の理解だ。キリスト教の独占物ではない。なぜか。なぜ他宗教にも神秘主義が見いだせると考えるようになったのか。それは、キリスト教では神秘主義は神からの賜...エックハルトは異端かー仏教概論(12)(学び合いの会)