◆悪口を言われた 4(先生もミコさんも、悪口を言っていないといっているけど、絶対に言った!)サトコさんの心の中は、こんな思いに囚われているのでしょう。その気持ちも分かる。自分の考えに囚われて悩んでしまう。自分の考えを正しいとして、人の言う事を受け入れられない。人は、そういうものなのだと思います。興福寺の阿修羅像は、とても人気の仏像です。仏教に取り入れられてからは、釈迦を守護する神となったそうですが...
小学校の先生をやっています。教育の現場で日々思うことから、子どもが明るく楽しく学校生活を送るためには親として教師としてどう接していったらよいか、深く考えていきたいと思っています。
小学校の先生をやっています。 無駄にキャリアが長いわけですけど、 日々思うことを広く発信できたらな…と思い ブログを立ち上げました。
他人をコントロールする人・される人⑤カウンセリングマインドというのは、プロの教育を受けたカウンセラーが行うものだから素人が簡単に手を出すのは非常に危険だと最近は思っています。学校に行きたくない →行かなくてもよい勉強がわからないから嫌だ →勉強しない給食は嫌いなものが多いから食べたくない →給食の献立を変える友達に譲れない →友達なんて関係無い単純に子どもの思考に寄り添い、額面通りに受け取っていったら...
他人をコントロールする人・される人④いつも泣いているユウ君。でも泣くことで、特別に優しくしてもらっている。たぶん、家庭の中でも同じなのでしょう。泣けば、優しくお母さんが接してくれるのです。お母さんは学校でもそうして欲しいと言うのは、泣いているユウ君の心に寄り添って欲しいという願いなのでしょう。だから「放っておかないで、寄り添ってあげてください」というのが、お母さんからの願いだったのです。お母さんも...
他人をコントロールする人・される人③ある時、ユウ君のお母さんから「先生は、泣いている子を放っておくのですか」と、お電話を頂きました。確かに、一人ひとりは大事にしなければいけないのですが、クラス全員を俯瞰して見るということも教師にとってはとても重要なことです。例えば体育で転んで泣いている子がいたとします。大怪我でないと確認できたら、「泣き止んで保健室に行きなさい」という指示を出します。泣いている子だ...
他人をコントロールする人・される人②子どもが大人をコントロールしているかもしれない、、、、と気づいたのは、登校を渋っていたユウ君の担任をした時です。低学年だったユウ君は、毎日大泣きでした。泣くので周囲の大人は困るわけですが、当時、私自身も、いつ泣いて面倒になるか・・・と思っておっかなびっくりなところがありました。算数や国語の授業中にもスイッチが入る事がありました。例えば、算数が分からないからという...
他人をコントロールする人・される人①毎年、新しい学年を担当し新しい子ども達と出会います。新学期というのは、イロイロなトラブルに遭遇します先日も、一人の子が固まって動かなくなっていたので声を掛けました。担任の先生も傍にいましたが、手を焼いて、助けを求めてきたのです。声を掛けると、その子は上目遣いで私を睨んできたのです。はははは・・・これはこれは、と思って「君は、そうやって先生に対して怒っているけれど...
ネルソンマンデラから学んだ指導法⑧山本五十六は「やってみせ、 言って聞かせて、させてみせ、 ほめてやらねば、人は動かじ。」という名言を残しましたが、この言葉には続きがあります。「話し合い、耳を傾け、承認し、 任せてやらねば、人は育たず。 やっている、姿を感謝で見守って、 信頼せねば、人は実らず。」この姿は、ネルソン・マンデラの羊飼いと同じだと思うのです。どれだけ人を信頼できるか。子どもを信頼できる...
ネルソンマンデラから学んだ指導法⑦子どもの心に寄り添わない指導というのは、教員の独りよがりな指導ということになりますね。そりゃぁ先頭で旗を振っていたら、子ども一人ひとりの姿は見えません。よくあるのは、自分(担任)が困っているからその困り感を子どもにぶつける指導です。例えば、登校渋りの子がいて、教室に入ってくれないから私(担任)が困っている、だから何とか教室に入るように「何で教室に入れないのかな?」...
ネルソンマンデラから学んだ指導法⑥最近とても思うのは、マンデラ式の重要なポイントは、子どもの心が自由だということのように思うのです。子どもの「やりたい」を最大限尊重する。「印刷したら簡単だよ。切ってあげるからね」という言葉は、子どもの自由を、子どもの思考を先に限定してしまうアドバイスのような気がします。子どもの口から「印刷して下さい」という言葉は出てこなかったのです。もっと小さな子でも「印刷してく...
後ろから子ども達を見続けるリーダーだからこそ 話せることが有る
ネルソンマンデラから学んだ指導法⑤子どもが自由に活動する。「印刷したら簡単だよ。切ってあげるからね」なんていうアドバイスもしない。中には、宿題もせずにアンケートを書いていて、その子の担任から叱られた子もいたほどでした。子どもの自由にさせていて、じゃぁ教員の役目は何なのか?委員会の時間は、全部、委員長や副委員長が中心となって活動を進めていきます。私達は、教室の一番後ろでそれを見ています。アドバイスを...
「○○したら簡単だよ。□□してあげるから。」 のひと言が、すべてを壊してしまう。
ネルソンマンデラから学んだ指導法④委員会活動は、子どもたちの自主的な活動の場です。ですから担当教員の仕事の手伝いの場にならないように配慮しています。ここでも、マンデラ式です。私の担当する委員会は、委員長・副委員長が中心となって、活動をほぼ全て進めていきます。担当の教員からの指示は、極力しないようにしています。前年度から引き続き希望する子が多いので、そのような子達が委員長や副委員長、書記に立候補して...
ネルソンマンデラから学んだ指導法③ネルソン・マンデラは、南アフリカ初の黒人大統領であったネルソン・マンデラは、優れたリーダーを羊飼いに例えています。――「羊飼いは群れの後ろにいて、賢い羊を先頭に行かせる。 あとの羊たちはそれについていくが、 全体の動きに目を配っているのは、後ろにいる羊飼いなのだ」――リーダーと言うと、大勢の先頭に立って進んで行く人を思い浮かべますがマンデラは、一番後ろを歩く羊...
「全体の動きに目を配っているのは、後ろにいる羊飼いなのだ」マンデラ
ネルソンマンデラから学んだ指導法②学級担任というのは、クラスでのリーダーであるわけですが、リーダーとしてどうあるべきか、というのは、なかなか勉強する機会はありません。わたしも、そんなことを勉強したことがなかったのですが、考えるようになったきっかけは、習い事で出会った師からの教えからでした。私の習い事というのは、趣味の研究会のようなもので、当時は20名程が定期的に集まっていました。初めは、どんな人た...
ネルソンマンデラから学んだ指導法①新学年が始まって4日程経ちました。最初が肝心・・・というわけでもないのですが、クラスの全員がちゃんと話が聞けるようになりましたし、指示も1度で、だいたい通るようになりました。まま、良い感じになってきたかな、と思っているところです。みなさんのクラス運営はどうでしょうか?私自身は、とても話下手だと実は思っているのですが、傍から見ている人は、子ども達が姿勢を崩すことなく...
新年度の学級づくり⑪「動く→話を聞く」を1セットとする⑥「動く→話を聞く」を1セットですから、動くばかりでは話が聞けません。止まったら話を聞く、これも徹底していきます。私はよく「ストップゲーム」をします。これは子どもが活動している時に「ストップ!」と声を掛けます。そうしたら、その時の動きのまま止まるのがルールです。ゲームですから、止まる格好は様々です。だるまさんが転んだの止まった時を想像したら分かりや...
新年度の学級づくり⑩「動く→話を聞く」を1セットとする⑤とにかく子どもを止まらせない。授業において、この部分を最大優先しています。「動く駒は倒れない」「泳ぐ魚は沈まない」という言葉があります。子どもが悩まないのは、常に動いているからだと言われますよね。子ども達にも話をするのですが、泣いたり悩んでいる人は動かずに座っているものです。暗い心になったら身体を動かしてそういう気分を横にすることが大事ですが、...
新年度の学級づくり⑨「動く→話を聞く」を1セットとする④イメージとしては、1時間の授業の構成は、1休み時間に動く2集中して先生の話を聞く。3身体を動かす活動を取り入れて集中力を回復させる。こんな形です。2の集中して先生の話を聞くの部分でも、さらに細分化して身体を動かす事を、意識して取り入れるようにしています。算数の授業では、着席した状態では良く黒板が見えないし話が聞けない子が多いので、子ども達に黒板...
新年度の学級づくり⑧「動く→話を聞く」を1セットとする③起立・礼・着席 →話を聞く走って集合→話を聞く話を聞く姿勢になっても子どもの集中力は長く続きません。集中のゴールデンタイムは、あっという間に終わってしまいます。ですから、1時間の授業の中で「動く→話を聞く」をワンセットとして、「動く→話を聞く」→「動く→話を聞く」→「動く→話を聞く」というように、動きを入れて集中力のリセットをするように心掛けています。...
新年度の学級づくり⑦「動き」と「話を聞く」を1セットとする②集中力に関して言えば、朝が仕事のゴールデンタイムだと言われています。人の脳はは、1日が終わる頃には雑多な情報で溢れかえってしまうのだそうです。パソコンのメモリは机の上と同じだと説明がありますが、夜は、机の上に雑多な情報が乗っているのと同じなのだそうです。でも、寝ることでそれらの雑多な情報が整理整頓され、スッキリ綺麗な状態の机になるのだそうで...
新年度の学級づくり⑥「動き」と「話を聞く」を1セットとする①休み時間の後の起立・礼・着席の直後の時間は、集中力のチャンスタイムだと思っています。10代の子ども達は、12分ジョギングしただけで集中力が高い状態が1時間近く続き、読解力も向上するのだそうです。長い時間でなくても、たった4分の運動を一度するだけでも集中力が改善されるのだそうです。休み時間で身体を動かして遊んだ子どもは、集中力が高まっているわ...
新年度の学級づくり⑤人の話が聞けるスキルを身につけさせる③起立・礼・着席の行動バターンを身につけさせることで、授業の一番最初の先生の話はきちんと聞けるようになります。何と言っても一連の動きの中での最終形態が「話を聞く姿勢」ですからね(笑)初めは先生の話なんて聞きたくないと思っているかもしれませんが、行動から思考を変化させていき、着席したら、先生の話を聞くというのが次第にクラスの常になっていきます。ま...
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◆悪口を言われた 4(先生もミコさんも、悪口を言っていないといっているけど、絶対に言った!)サトコさんの心の中は、こんな思いに囚われているのでしょう。その気持ちも分かる。自分の考えに囚われて悩んでしまう。自分の考えを正しいとして、人の言う事を受け入れられない。人は、そういうものなのだと思います。興福寺の阿修羅像は、とても人気の仏像です。仏教に取り入れられてからは、釈迦を守護する神となったそうですが...
◆悪口を言われた 3ミコさんに悪口を言われたと訴えるサトコさん。でもミコさんは言っていないと言うし、一緒にいたクミさんも言っていないと言う。でも、これはどこにも確証はありません。学校は、こういう確証のないトラブルばかりだとも言えます。実際にミコさんが言った可能性もあるわけで、これは困ったなーと内心思っていました。ミコさんの言い分を全て認めてしまったら、サトコさんを否定することになります。サトコさんの...
◆悪口を言われた 2悪口を言われたというサトコさんと言ったというミコさんには話を聞いたので、一緒に居たクミさんから話を聞きました。サトコさんによると、クミさんから「ミコさんが悪口を言っている」と教えてもらって、実際に、ミコさんが”死ね”と言っているのを聞いたということでした。クミさんに「ミコさんが”死ね”とかって、酷い悪口を言っていたの?」と聞くと「え~~!! 知らないです!!」と、全否定でした。サトコ...
◆悪口を言われた 1私の勤務する学校では、定期的に児童一人ひとりと話をする時間を設けるようにしています。サトコさんとも1対1で話をしたのですが、そこで、ミコさんから悪口を言われたと相談されました。”死ね”と言われたそうで、かなり酷いモノでした。え~~~!!! です。ミコさんは、確かに学年当初は硬い表情で友達が少ない子どもでしたが、最近では、授業や私の話をとても姿勢よく聞き、漢字練習にも身が入るようにな...
え~~!? サトコさんが手を挙げている?それは国語の授業のことでした。物語文の読み取りをしていたのですが、いつもは不機嫌そうな顔をして授業を受けているサトコさんが目をキラキラさせて、手を挙げているのです。それはもうビックリ仰天の事態でした。いつもは半開きのようなやる気のないような目つき。。。なのに、瞳はキラキラ輝いているし! 口元には笑みが浮かんでいるし! な・・・何が起っているんだと、とにかく私...
◆お手伝いを通して人の心を学ぶ友達とよい関係を築くためには、自分の利益を優先するのではなく、相手に利益を与えるようにするところにある。お手伝いという他者貢献をすることで、友人関係が改善し、よき仲間に囲まれて楽しく過ごすことができるようになる。利益誘導という自己中心性を捨てることで、今度は、他者の考えが見えるようになる。取り入れることができるようになる。自己中心性が強すぎたタケシ君が、穏やかに学校生...
◆お手伝いを通して人の心を学ぶ長年、お手伝いを学級運営の柱にしてきました。そしてお手伝いを通してどの子も友達関係を改善させることができました。それがなぜなのか、とても不思議に思っていましたが、お手伝いや親切というのは自分勝手にはでません。必ず相手の存在があって、相手の心をよくよく考えて行動しなければなりません。そこが、自分中心からの脱却につながるのでしょう。最近、子ども達に利益誘導では友達はできな...
◆お手伝いを通して人の心を学ぶタケシ君に話したこと 続き「君は段ボールの片付け方を知らなかっただけなんだよ。でも、いつもいつも同じ片付け方じゃない。場合によっては、全部ゴミ袋に入れる必要があるときもあります。小さく切る必要があるかもしれません。今回は、ガムテープと剥がして、縛ってリサイクルに出しやすいように畳む。時と状況によって対応は様々です。でも、その対応の違いっていうのは、君には思いもつかない...
◆お手伝いを通して人の心を学ぶタケシ君に話したこと。「人は、自分が有能でありたいって思うものです。だから、友達に算数を教える時でも自分なら最高に教えることができるって思ってしまって相手の事を考えずに、また周りに友達のことを考えずに自分がやりたいことを、やりたいように実行してしまいます。」ここまで話をすると、タケシ君は落ち込んでいるのかとても暗い顔になっていました。「でも、自分が有能でありたいって思...
◆お手伝いを通して人の心を学ぶ段ボールを片付けてくれることは、とてもありがたかったけれど、自分勝手な思いで行動するところに問題があると思ったので、「お手伝いっていうのは、相手の心を考えてするものなんだよ。例えば、この段ボールを私がどう片付けて欲しいか。それを考える。自分のやりたいようにやるんじゃないだよ。例えば、君が大人になって上司の人に何か頼まれたとする。そうしたら、君の思ったようにそれを実行す...
◆お手伝いを通して人の心を学ぶ3学期にもなると、タケシ君はトラブルもなく笑顔いっぱいに学校生活を送ることができるようになっていました。特に仲の良い子というのはいませんでしたが、学級のお手伝いをする仲間がいて、授業後に一緒に掃除をして一緒に帰る仲間がいる。そんな人間関係の安定が、彼の心を明るくしたのでしょう。ただ、賢いのに私の机の上は片付けられない。これは、何なんだろうな。。。と思っていました。ある...
◆お手伝いで脳を活性化タケシ君は、私の机を片付けるお手伝いを少しずつ続けていました。宿題の点検が終わると、いちいち許可を得なくても自分から「配ってくるね!」といって配りました。そうこうしているうちに、一人で仕事を独占することがなくなり、「どうぞ、どうぞ」と譲ることができることも多くなっていきました。なんとなく私の机の周りに一緒に居て、同じ仕事をすることで友達意識も芽生えてきたのでしょう。その頃には...
◆お手伝いで脳を活性化タケシ君は賢い子なので、私の机の上の整頓も難なくやれるだろう。。。こんな風に思ってタケシ君に整頓をお願いしました。職員室での用事を終えて、教室に戻ると、タケシ君はしっかり私の机を整頓してくれていていました。でも、片付ける場所が私の思いとは違っているようで、何もかも探さなくてはならない状態になってしまいました。でも、そんなことは口にはできないですから「ありがとう、助かるよ」と答...
◆お手伝いで脳を活性化以前担任した子でとてもIQが高く、学校の勉強が良くできる子がいました。どんな学習でも難なく解くことができます。頭の良い子にありがちな事ですが、仲の良い友達がいませんでした。ですが、その子にも、せっせとお手伝いをお願いして仲間づくりをしていきましたので、学級の中で孤立は無くなっていきました。ある時、私の机の周りが整頓されていることに気が付きました。ノートやプリントで机上は乱雑にな...
◆お手伝いで脳を活性化お手伝いを通して仲間意識が高まったのか、タケシ君は、暇を見つける「お手伝いすることはい?」と聞いてくるようになりました。休み時間ごとに私の後をついて回るようにもなったので私との距離も縮まった感じが彼にもあったのでしょう。心の距離が縮まって私も嬉しかったですが、でも休み時間ごとに「手伝いはないですか?」と言ってくることにも少々辟易してしまいました。「タケシ君、ありがとう。でも、...
◆お手伝いで仲間づくりタケシ君が私の肩を揉んでくれます。「痛い! 痛い! タケシ君、痛いよ」と言うと、タケシ君はビックリです。「タケシ君、お家でお母さんやお父さんの肩を揉んだことがないんじゃない?」こんなことを言うと、「うん、初めて」と彼は答えました。「だよね~~~、それじゃぁ痛くて無理だよー」そんなことを言うと、彼は再び揉み始めました。でも今度は弱すぎだし、ツボを外しています。ツボの位置や強さを...
◆お手伝いで仲間づくり一人ポツンと本を読むタケシ君。本と友達で良いのかもしれないですが、やはり仲間というのは大事なので、できるだけお手伝いを頼むようにしました。本人も、人から頼まれると嬉しいので、よく働いてくれました。すると不思議なもので、タケシ君が働いていると、それを手伝う子が必ず現れるのです。これは本当に不思議なことです。親切行動をしている人は、周りから親切にされるのです。この頃から、タケシ君...
◆お手伝いで仲間づくり友達がいなくて泣いていた子は、クラスの子が帰った後に、全員分の机と椅子の整頓をしていました。そうしたら、いつの間にか友達が増えていったのですが、その要因の一つに一緒に働く友達ができたことにありました。彼がひとりで整頓や掃除をしていると、それをたまたま見かけた子が、一人二人と一緒に参加するようになったのです。楽しく遊んだり喋ったりしていたわけではないのですが、同じ行動をすること...
◆お手伝いで仲間づくり子ども達をよくよく観察してみると、案外と一人で遊んでいることが多いものです。例えば、鉄棒遊びであれば、みんなで遊んでいるようで、実は個人練習の意味合いが大きいです。縄跳びでも一輪車でも、結局は個人の練習です。でも友達作りで大事なのは、みんなと同じ行動をしていることだと思います。子どもが他の子どもと同じ動きをすることを「同型的行動」というそうです。同型的行動には・仲間関係の形成...
◆お手伝いで仲間づくり休み時間に一人ポツンと本を読んでいるタケシ君。それはそれで良いのですが、自己中心性の強い彼は、もっと学校という社会で、人と関わって揉まれる必要があるし、そこで学ぶ必要があると考えていました。誰かに「一緒に遊ぼう」と言うのは、とても勇気のいることなので、友達作りというのは難しいものだと思います。でも最近は、いつも一緒にいるような仲の良い親友を作る必要はなくて、なんとなく皆と同じ...
子供たちの心を育てるために、色々な話をするのですが、サトル君は、やはり幼いのでしょう。漢字のテストに対しても不満を私にぶつけるばかりでした。あまりに漢字再テストの取り組みが悪いので、雨の日の休み時間に漢字再テストをさせました。すると、当然のようにサトル君は点数が取れません。それだけで「なんでー!」と怒り始めました。「たった10問なんだから、ちゃんと覚えたらできるよ」と励まして、再び再テストをやらせ...
新学期が始まって2週目。漢字の勉強も、どんどん進んでいき、サトル君は小テストの不合格が溜まっていきました。一部の子どもは、小テストを合格するために何度も再テストをして合格を目指して努力していました。でもサトル君だけでなくクラスの大部分の子どもは、再テストで合格するなんて目標は全く考えていない様子でした。人から強制されて勉強することに慣れすぎていて、自分で成果を勝ち取っていく行動様式に慣れていないの...
自分中心を減らすには、礼儀を身につける事が重要になります。例えば、自分の感情が大きく揺さぶられるようなことがあったとして、それでも人と会えば、挨拶をしなければなりません。笑顔を見せなければなりません。そんな時に自分は気分を害しているのだから、挨拶はできない、笑顔で対応できない、というのであれば、それは無礼な人ということになります。相手にとっては、こちらの状況は関係ない話なのですから。サトル君は自分...
自分の正しさや、自分勝手な考えが強すぎて謝ることができなかったサトル君。謝罪やお礼、挨拶といった礼儀は、自分勝手な考えを減らしていくためには、かなり必要なことだと思っています。例えば、授業の始めと終わりには、「起立」「礼」「着席」をします。この時、「起立」の号令がかかれば、ちゃんと立たなければなりません。後に続く「令」「着席」の号令も同様です。でもこれがなかなか子供たちはできない。何か理由をつけて...
「ごめんなちゃい」なんて言うのは、ふざけていると思われるかもしれません。でも、これがサトル君の謝る練習の一歩になったのは確かです。その頃のサトル君は、授業中にも自分勝手なことをすることが多くあり、注意をすると不貞腐れて怒るのが日常でした。でも、この「ごめんなちゃい」作戦からは、少し様相が変わってきました。注意をすると、しばらくたってからわざわざ私の近くまでやってきて、耳元で「ごめんなちゃい」と言う...
机拭きの係の子には「サトル君が拭けてないっていうから、拭いてあげてくれる? それが相手の気持ちに寄り添うってことだよ。」と話しました。サトル君には、「やってくれるんだから、ありがとうって言う。君が勝った負けたじゃなくて、僕の主張を汲んでくれてありがとうって意味でね。そして、大きな声で怒鳴ってごめんって謝らないとね」私が叱ったままの顔で謝らせては、サトル君の「僕はダメだ」に拍車が掛かると思って、今回...
サトル君がちゃんと謝れた! といっても、まだ学校が始まって1週間しか経っていません。そんなに簡単には人は変われません。毎日のトラブルと筋肉痛と青あざと遅くまでの残業で私もヘロヘロになっていました(笑)この日もトラブルです。教室の外に飛び出していかないだけ、心は安らかですけどね(笑)サトル君が突然怒りだしたのです。それは給食の片付けの時間に、机拭きの当番がサトル君の机の隅を拭かなかったことを責めてい...
サトル君に話したことのつづき「君、このままで良いの?」と話したあと、しばらくサトル君に考える時間を与えました。怒りの表情はいつの間にか消えていました。「何度も言っているけど、君は10年生きてきて、自分が勝手に思ってきた正しさで生きてきたんだと思う。でも、それじゃぁ楽しい学校生活は送れなかった。友達とも上手くやれないし、お父さんやお母さんとも上手くいかなくって、いつも怒ったり泣いたりしてきた。だから...
サトル君に話したことのつづき「君は、また怒れてきているよね。先生は、君が宇宙船地球号のよき乗組員になるために必要なことを話しています。サトル君がダメな子だなんて、ひと言も言っていないよ。君がこれからどうしていったら良いか。どうしていったら、この苦しみから抜けられるようになるかを話しているんだ。それが聞けないっていうんじゃ、君、これからどうしていくつもりなのかい?」ここまで話をすると、彼は目を見開い...
子供たちが、サトル君の姿を無いものかのように給食の準備をし始めました。誰も彼を動かそうとしない。慰めようとしない。1年生の頃から見慣れた風景だったのでしょう。そして優しく声を掛ける子の手を振り払ってしまうのが彼の常でもありました。案の定、給食の準備が始まって数分でサトル君は、ロッカーの隅から出てきました。前回、掃除の件で教卓の下にもぐりこんでしまったときには、謝ることなく外に遊びに行ってしまってい...
何か注意をすると、すぐ怒りだし拗ねるサトル君。誰かを叩いたとか、すべきことをしないとか、そういったトラブルは日に何度も続いていました。でも、教室から飛び出すことは無くなりました。それでも一歩前進です。教室から飛び出そうとした翌日も、女子が叩かれたと訴えてきました。背の低い、おとなしい女の子です。「サトル君、女の子が叩かれたと言ってきたのだけど、叩いてしまったの?」と聞くと、手に持っていた筆箱や教科...
サトル君とクラスの子供たちに話したこと つづき「我儘や自分勝手では、宇宙船地球号や宇宙船クラス号で仲良くやってはいけないよね。君たちは宇宙船地球号のルールをちゃんと知らないんだから、宇宙船地球号のルールを学んでいく事がとても大事なんだよ。それが、みんなと仲良く暮らす大人になるために必要なこと。サトル君のような失敗は、当たり前なんだ。当たり前。大人だって子どもの頃にいっぱい失敗しながら、仲良く暮らす...
サトル君とクラスの子供たちに話したこと つづき「みんなは何年生きていますか? たった10年くらいのものですよね。その10年で宇宙船地球号の何が分かるというのですか?お父さん、お母さん、大人は、もう何十年も生きてきて、宇宙船地球号のルールをいっぱい勉強してきています。でもみんなは、たった10年。宇宙船地球号のルールが分からないから、誰かを叩いたとしても周りは許してくれる。悪いことをしても叱るだけで周...
外に飛び出そうとして私の足を蹴るサトル君。必死で彼の手を握って、教室の入口で阻止する私。長い長い時間だったように思えましたが、サトル君の教室から出ていこうとする力もだんだん弱まり、床に座り込みました。もう大丈夫かな・・・と手を離すと、彼の瞬間湯沸かし器のような怒りもおさまったのか、それ以上抵抗することもありませんでした。教室から出ていかないことを確認して、私も内心は安堵していましたが、このまま終わ...
掃除での事件の翌日、ある男の子が「サトル君に叩かれた」と私に訴えてきました。休み時間が終わり、今から授業を始めるという時でした。「サトル君、〇〇君を叩いたの?」この一言で、サトル君はぶち切れです。「もう謝った!!!」と大声を出して怒り、なんと、教室から飛び出して行こうとします。前年度までも、カッとなると教室から飛び出す子だったので、どうするか?と、一瞬自分の中で葛藤がありました。でも、とっさに掴ん...
でも「できない」から「できる」までの間に、様々な価値観があるはずです。全然できないけど続けて努力しよう、とか少し成長したから頑張ろうとか、昨日よりはできるようになったとか。それこそ無限の価値観がある。単純に「できる」「できない」で色分けをしないことが子どもの成長にとって、とても重要になってきます。学校は「できる」を「できない」を評価する場所ではない。なのに、教師は評価し選別しがちだというのが大きな...
机の下に潜りこんでいるサトル君を見ながら、「掃除をしなかったあなたはダメだ」という叱り方をしてはいけないと考えていました。それは「あなたはダメな子」という評価を、私が下す形になるからです。他人から評価を下されることほど、苦しいことはないものです。それこそ、私の勝手な価値判断でサトル君を色付けするようなものです。そもそも、白か黒かの二値的な思考で極端の思考をしてしまうのだから、「ダメ」という態度や言...
教卓の下にもぐりこんで、「トイレに行っていただけだ!」と拗ねて怒っているサトル君。「良い・悪い」「敵・味方」という極端な2つの価値観しか無い彼に必要なのは、その間にある価値観を教えていくしかないと考えていました。よく子供たちに話をするのは、野菜のピーマンが好きか嫌いかという話です。ピーマンは好き・嫌いの二値ではなくて、にんじんより好きとか、どちらかというと好きとか、「好き」と「嫌い」の間には、無限...
サトル君の抱えている課題は、注意されると、相手が悪い、僕は悪くないという風な極端な思考に走ってしまうところにあるように思いました。これはかなり短絡的な思考です。ひょっとしたら、敵か味方か、という思考なのかもしれません。良い・悪い、敵・味方、といったように、他人を白か黒かの色分けするなんていうのは、かなりナンセンスな思考です。今回の事件では、サトル君にとって注意した先生が悪いということになりますが、...
新学年の始業式当日。これまでに少し接点のあった私が担任ということで、サトル君は、喜んでくれていました。でも事件は、直後から勃発しました。初めての掃除の時間。女の子が私に訴えてきました。「サトル君が掃除をしない」え~~!? 早々に? と思いながら掃除場所に向かいました。すると、女の子が言うようにサトル君が掃除場所にいません。探すと、トイレにいました。「ちゃんと掃除してくれないって女子が困っているよ」...