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お気楽先生のほぼ毎日私感 https://okiraku.fc2.net/

小学校の先生をやっています。教育の現場で日々思うことから、子どもが明るく楽しく学校生活を送るためには親として教師としてどう接していったらよいか、深く考えていきたいと思っています。

小学校の先生をやっています。 無駄にキャリアが長いわけですけど、 日々思うことを広く発信できたらな…と思い ブログを立ち上げました。

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2016/05/05

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  • このチャンスを逃がすわけにはいかない

    ◆すべきことが終われば自由懇談会後、お母さんに叱られたユウタ君は算数練習帳をやってきました。漢字はやってこなかったけれど、算数に対するハードルは低い。塾で学んでいるのも自信となっているのでしょう。算数をやってきた。このチャンスを逃がすわけにはいかないと思いました。「そうか、ユウタ君は算数は得意なんだね。じゃぁ、算数は全部やれそう?」と聞くと、「算数はやれる」と答えます。「じゃあ、算数だけは終わらせ...

  • あきらめなければ打開策は見つかる

    ◆あきらめなければ打開策は見つかるお母さんに、漢字と算数の練習帳、今まで溜まりに溜まったプリントをお願いした懇談会。翌日、ユウタ君は算数の練習帳を何ページもやって提出しました。漢字やプリントはやってありませんでしたが、量が量ですので、仕方がないなと思いました。お母さんにも、プリントは無理してやらなくても良いので、練習帳だけは終わらせましょうと伝えてありました。「お母さんに叱られたの?」と聞くと、バ...

  • お母さんの気持ち

    ◆お母さんの気持ち7月に入り、ユウタ君のお母さんから電話が入りました。それは、懇談会の日時の確認でした。机の中に、様々なプリントが押し込まれているので、時々整頓して持って帰らせていたのですが、「これはとても大事な手紙だから、必ずお母さんに見せてね」と言い聞かせたものの、ユウタ君はお母さんには渡してなかったようでした。ユウタ君に私の声は届かない。そんな思いに駆られました。工場見学についても、前日にク...

  • 漢字練習で育てられない彼の心をどう成長させていくかが問題だ、、、

    ◆迷い 21学期も終わりに近づくと、クラスの多くの子ども達は漢字練習帳や計算練習帳、そして、すべての漢字再テストを終わらせていきます。厳しい漢字テストを合格していくのは、子ども達にとっては一種の試練だと言えます。でも、だからこそ、この試練を通して大きく成長できる。実際にこの試練を通過した子ども達は、2学期には丁寧に漢字を書くのはもちろんのこと、どの学習に対しても意欲的に取り組むようになるし、私や友...

  • 今までの手法が役に立たないのではないか・・・?

    ◆迷い 1私の学級運営で大きな柱は、漢字練習と他者貢献です。漢字練習に関しては・漢字練習で困難に立ち向かう心を養う・漢字練習で心の鍛錬をし、やる気を出す・漢字練習で学び方のスキルを高める・漢字練習で自己中心性を減らすこれらの効果があると考えているし、今までも漢字練習を通して大きく成長させることができる。そして、実際に子どもを変えることができたと考えていました。ところが肝心のユウタ君は、全く漢字練習...

  • 漢字練習で人生の歩み方を学ぶ ~自己中心性を減らす~

    ◆漢字練習で人生の歩み方を学ぶ 4・漢字練習で自己中心性を減らす指導者の教えた通りに書く。そこには、学ぶ側の理論は存在しません。先日、宿題を忘れて朝やっている子がいたので、「どうして家でやってこなかったのですか?」と尋ねたところ、しばらく考えてから「やりたくなかったからです。ぼくは自分勝手でした。」と答えました。「そうだね、自分勝手だったね。自分勝手では学べないよね」と話をすると、次の日からはきち...

  • 漢字練習で人生の歩み方を学ぶ ~学び方のスキルを高める~

    ◆漢字練習で人生の歩み方を学ぶ 3・漢字練習で学び方のスキルを高める「学ぶことを止めた時、それは死の始まりである」と、アインシュタインは学び続けることが生きることそのものなのだと言っています。学び成長していくことが人生の喜びでありますが、漢字練習を通して、学び方の基礎を身につけさせています。4月、初めて担任した子ども達は、驚くほど乱雑な字を書きます。その乱雑な漢字を赤ペンで直していくわけですが、い...

  • 漢字練習で人生の歩み方を学ぶ ~心の鍛錬をし、やる気を出す~

    ◆漢字練習で人生の歩み方を学ぶ 2・漢字練習で心の鍛錬をし、やる気を出す大人からしたら単純に「漢字を丁寧に書く」という事ですが、子どもからしたら結構高い壁のようです。1学期の親御さんとの懇談で、漢字が丁寧になったと喜ばれていた方が多かったです。でも喜ばれているのと同時に「漢字が厳しすぎると当初は思っていた」と仰る方がいました。これがとても不思議に思いました。親御さんは、字を丁寧に書いて欲しいという...

  • 漢字練習で人生の歩み方を学ぶ ~困難に立ち向かう心を養う~

    ◆漢字練習で人生の歩み方を学ぶ 1・漢字練習で困難に立ち向かう心を養う私の学級運営の大きな柱は、他者貢献と漢字練習にあると最近は考えています。今まで出会ってきた子ども達は全員といっていいほど、この2つで心を鍛えていきました。漢字練習が子どもの心の成長に有効である、という成果を十分得てはいるのですが、実際のところ、なぜ有効なのかと常々疑問に思っていました。でもある人に、「漢字練習で人生の歩み方を教え...

  • 勇者の道

    ◆勇者の道ほとほと困ってました。ユウタ君には。。。授業は、ほぼ受けずよそ事をするかボーとしています。テストは0点ばかり、宿題はやってこない、提出物は出ない。今まで、数えきれないほどの子どもを担任してきましたが、ここまで何もしない子どもはいませんでした。極めつけは、校外学習の日です。その日は弁当を持って少し遠方の工場へ見学に行く予定だったのですが、その当日、ユウタ君はランドセルで登校したのです。ラン...

  • 目標に向かって努力をしている子どものところに楽しい学校はやってくる

    ◆目標に向かって努力をしている子どものところに楽しい学校はやってくる 2授業の後、道徳のまとめを書かせました。すると。。。「前の自分と比べたら、努力できるようになって頑張れるとわかった。人と比べて自分はできないと思っていたし、人のことしか考えてなかった。人のことを考えないで、自分の事を考えていきたい」このように、授業の感想をまとめてきました。ここから、タツヤ君の漢字練習の字が変わったように思います...

  • 転機は道徳の授業

    ◆目標に向かって努力をしている子どものところに楽しい学校はやってくる 1「漢字練習は、自分勝手だと上手に書けない。言われた通りに書く。手本通りに書く。自分の正しさが強い人は、いつまでたっても何度も直される。」こんな話を何度もしましたが、なかなかどうして、タツヤ君はなかなか丁寧に書いてきません。違っているところを朱で直すのですが、同じ間違いを繰り返して提出します。「私の話をちゃんと聞いていますか? ...

  • 思考→自由の獲得、この思考プロセスを育む

    ◆思考することで自由を獲得できる 2漢字に関してはこのブログで何度も書いてきましたが、子どもの心の成長に大きな効果を発揮します。なぜかな?と、ずっと私自身も疑問に思っていましたが、思考→自由の獲得という思考プロセスを育む効果が大きいのだと思います。でも、これは漢字に限ったことではなく、計算練習や体育など、繰り返し練習して技術を獲得できるようなものであれば、同様な効果を得られるでしょう。中学校や高校で...

  • 考えることで自由を獲得できる

    ◆思考することで自由を獲得できる 1先生は自分の思った通りにはならない。ならないのだから「どうするか?」を考える。そういうことが大事。この頃、子ども達によく話したのが「考えることが自由」という話です。この言葉を知った頃は、考えることに制約はなく自由だという意味だと単純に思っていたのですが、最近は、考えることで自由が獲得できるという話ではないか?と思うようになりました。子ども達は、厳しい漢字練習に縛...

  • 怒って相手を思う通りにしたい。泣いて相手を思う通りにしたい。

    ◆社会との一体感をもつことが幸せの道 2タツヤ君の課題は、自分の周囲の人々を、自分の好きな人、気に食わない人で色分けしてしまうこと。そして気に食わない人は、批判したり排除したりしてしまうこと。自分の正しさが強ければ強いほど、自分の価値観と合致する人は少なくなっていきます。逆に、自分の正しさがあまり強くなければ許容範囲は広くなります。タツヤ君のような自己中心性の高い人が、様々な人々が属する社会(学校...

  • 他者との一体感(=甘え)が精神安定上必要

    ◆社会との一体感をもつことが幸せの道 1タツヤ君の課題は一体何なのか。。。ルナさんの件は、たぶんルナさんが嫌いだったのでしょう。嫌いだから、ルナさんの行動が気に食わない。給食の件は、自分の周りに男子がいなかったから気に食わない。タツヤ君は、いつも不満そうな顔をして笑顔が見られない子でしたが、何もかもが気に食わなかったのでしょう。周りが自分の思う通りにならない。だから気に食わない。世の中っていうもの...

  • 色眼鏡のせいで優しい女子たちの本当の姿が見えない

    ◆人は色眼鏡をかけて物事を見ている 3「ひょっとしてね、タツヤ君はルナさんの事が嫌いなの?」この言葉以来、タツヤ君は誰かのクレームを言ってくることが無くなりました。ルナさんへの不平も表面的には言ってきません。でも、何となく学校が楽しくないような不満そうな顔つきは相変わらずありました。ある日の事、席替えをしました。私の席替えは完全クジで、子ども達がクジを引いて席が決まっていきます。席替えが終わった後...

  • 主観で主張しても誰からも受け入れてもらえない

    ◆人は色眼鏡をかけて物事を見ている 2クラスの子ども達に話したこと 続き「大事なのは、人は自分の思ったように変わってはくれないということです。なら、答えは簡単です。自分が変わればよい。自分の色眼鏡を変えたら良い。そういう努力が必要になってきます。」「例えば、真っ黒な眼鏡をかけている人がいるとします。世の中の人、みんなが真っ黒です。それじゃぁ他人のことをちゃんと見ることができません。世の中のものを正...

  • 嫌な人を変えたいと思うから、怒ったり悩んだりする

    ◆人は色眼鏡をかけて物事を見ている 1クラスの子ども達に話したこと私たちが物事を見るときに、自分独自の色眼鏡を通して見ていると言われています。私の娘はイチゴが大好きで、スーパーに行くとイチゴばかり買ってきます。でも私はイチゴはそれほど好きではありません。娘は”あの酸っぱさがたまらない”と言いますが、私は”酸っぱくて美味しくない”って思います。同じイチゴでも、人によって思うことは全然違うんですね。どの人...

  • 自分が嫌いな人を排除していきたい

    ◆自己中心性が高いタツヤ君 3掃除の件から何日か経ったあと、またまたタツヤ君が私の前に来ました。今度は「ルナさんが僕の悪口を言う」という訴えでした。まぁ、ルナさんも言葉が強いから悪口のような受けとられるところがあるのですが、それでも普段の様子を見ていても、タツヤ君に対して悪口を言ってイジメているようには見えません。「う~~ん、、、ルナさんは、何と言って悪口を言ってきたのかなぁ?」と聞くと、タツヤ君...

  • 強い権力を使って自分の思う通りに変えようとする

    ◆自己中心性が高いタツヤ君 2「ルナさんが、ホウキの順番を守ってくれません」新学年が始まったある日の掃除の時間、タツヤ君が私に訴えてきました。同じ掃除班のルナさんと同じホウキ当番のようです。「う~~ん? それってどういうことかなぁ? ホウキの順番は決めてはないよね。」こう答えると、タツヤ君は「だって・・・」と言って黙ってしまいました。「ホウキの順番は決めていないから、毎日交代で先頭を決めたらどうか...

  • 「好き」それ以外は「嫌い」

    ◆自己中心性が高いタツヤ君 1聞かん気の強い子だなぁ。。。これが私のタツヤ君の第一印象でした。4月「ボク、友達ができた」と私に報告にきたのが、タツヤ君でした。昨年まで友達とのトラブルがとても多かったとのことでしたが、よほど嬉しかったのでしょう。近くの席の男子と仲良くなったようでした。ちょうどその頃、チームで協働作業をすることがありました。初めは6人ほどの班で活動させていたのですが、事情があって3~...

  • ◆楽しい学校

    長い夏休みが終わり、2学期が始まりました。9月のはじめは、子ども達がネガティブに登校する可能性が高いので、かなり気を使います。始業式は無事全員登校、、、ひと安心。2日目も無事全員登校、、、これもひと安心。そうやって一日一日を積み上げていって、軌道に乗せていきます。夏休み明けの1日目は宿題を子ども達に出さなかったですが、2日目には漢字の宿題を出しました。1学期はみんな漢字でずいぶんと苦労していたので...

  • 人としての喜び

    ◆結局、最強はお手伝いだった!リコさんがお手伝いができるようになり、学校にも1日いられるようになった頃、「そういえば、私、先生に怒られたことないよね」と、ぼそっと言いました。「そうそう、リコさんを直接叱ったことってないよね。友達が叱られているのを、全部自分に言われたことだと思っちゃっていた。でも自分はちゃんと努力しているって自分のことを冷静に見えるようになったら、そんな風に人のことで不安になること...

  • 晴れやかな決意

    ◆結局、最強はお手伝いだった!ある日の休み時間、私の机の近くに座っているリコさんを呼びました。 その日は忙しくて、机の上が子ども達の提出物が山積みになっていました。リコさんは宿題のプリントを一生懸命やっていました。「ちょっと悪いんだけど・・・」と言うと、「先生、何か手伝えること、ある?」 と、彼女が言ったのです。私は、内心「きた!」と思いました。「うん、実はね、このプリント、掲示するのを手伝ってくれ...

  • 人は誰かの役に立つことで、自分自身の価値を見出していくもの

    ◆結局、最強はお手伝いだった!リコさんの登校渋りの根底には、孤独感があるかもしれない・・・リコさんに「人の喜びが自分の喜びとなる」という大切な気づきがありました。登校に不安を抱えていたのは、誰もクラスに味方がいないという思考に囚われ、孤独な状態にいたからかもしれません。この状況を乗り越えるには、お手伝いや親切行動を通して他者との関わりを作り、他者の思いに触れることが必要だと考えていました。家庭でお...

  • 大人の「覚悟」が、子どもを救う

    ◆親子の甘えの構造と、大人の覚悟子どもは、親が責任をとることで、安心して成長していくことができます。私の知り合いに、小学校低学年の時に、夢でうなされるほど担任と相性が合わなかった人がいます。その寝言を聞いて、ある日、彼の父親がはっきりと言ったそうです。「学校になんか、行かなくていい」。親が決めたことだから、その責任は親にある。彼はそれに存分に甘えることができ、残りの期間はのびのびと遊んで暮らし、次...

  • 学校へ行く・行かないを子どもが判断していた

    ◆親子の甘えの構造と、大人の覚悟リコさんに「人の喜びが自分の喜びとなる」という大切な気づきがありました。彼女と二人っきりになったときに、一緒に喜びあったのですが、家庭での様子を聞くと、彼女は家でお手伝いを全くしないとのこと。共働きで忙しいお母さんも、きっと大変なのだろうと想像しました。ひょっとしたら、彼女の場合も「お手伝い」がキーワードになるかもしれない。この頃から考えるようになりました。すぐには...

  • 親切にすると人の喜びも自分のものにできる

    ◆親切が閉ざされた心の扉を開いた日体育の授業の後、クラスの子どもたちに、そしてリコさんにも届くように話をしました。「一人で何かを成し遂げた喜びって、それは確かに素晴らしいものだよね。例えば、逆上がりが一人でできるようになった時、すっごく嬉しいよね。でもね、誰かに親切にして、その子が何かをできるようになってくれた時、どうだろう? 例えば、友達に逆上がりを教えてあげて、その友達ができるようになった時。...

  • 「親切が大事なのは、こういうことか!」と興奮して叫んだ

    ◆親切が閉ざされた心の扉を開いた日リコさんは、相変わらず自分のやりたいことだけをする日々。何か調子が悪くなると、途中で帰ってしまう。何が彼女を不安にさせるか、私にはトンと分からない日々でした。ただ、彼女の気分に振り回されてはいけないと思っていました。彼女の気分は彼女のものであって、その気分を私がどうこうすることはできない。そんな風に思っていました。私が、彼女の気分を良くする努力をしても意味はない。...

  • 「自分が変わるしかない」という言葉は、彼女には厳しかった

    ◆先生が怖くて学校に来られない親御さんとの面談で、とにかく学校に来ることを目標にして、漢字については厳しくしないし、宿題をやっていなくても叱らないということにしました。また、リコさんが帰りたくなったら家に帰すということにもしました。親御さんも何とか学校に登校させてくださったので、本当にありがたかったです。実際のところ、子ども達には「一番大切にして、一番考えてくれているのは親御さんだから、親御さんの...

  • 自助努力の道に乗せるために漢字を厳しく見ている

    ◆先生が怖くて学校に来られないリコさんは、私が厳しくて学校に来られない。でも・・・私が変わる必要があるのだろうか? という疑問は常に頭の中にありました。実際のところ、リコさんが登校を渋っている間も、丁寧に漢字練習をする子がだんだん増えていったし、クラス全体の宿題の提出も良くなっていったのです。それはまるで、リコさんだけが取り残されている感じでした。他の子は前に進んでいるのに・・・リコさんは、登校を...

  • より社会との適合性を高めていく場、それが学校。

    ◆先生が怖くて学校に来られないリコさんは、私が怖いからと言って学校に来られない。もちろん、私に問題があるのですが、果たしてそれだけだろうか? と実は、悶々と悩んでいました。学校での指導は、当然厳しい側面が必要です。漢字練習に関わらず、ダメなものはダメだと指導することが大事なのは当たり前のことだと思うのです。社会にはルールがある。そのルールに適合しなくては、周りに人々と共に生きていくことは無理な話で...

  • ◆先生が怖くて学校に来られない

    ◆先生が怖くて学校に来られない4月、新しい学年が始まりました。子ども達にとって希望に満ちた春がスタートするわけですが、学級担任にとっては夏休みまでの4カ月間はものすごく大変で、子どもたちを学校生活や学習の道に乗せるために、必死になってクラスを作っていきます。そしてこれも例年のことですが、漢字学習においては丁寧に書く意識が薄い子ばかりなので、厳しく指導する場面が増えます。たぶん漢字練習に関しては、学...

  • 漢字を通して最強の勉強法を学んでいる

    ◆漢字練習で人の心を知るクラスの子ども達に話したこと つづき「みんなは、漢字を通して最強の勉強法を学んでいます。言われた通りに学ぶことで、教えてくれる人の心がわかるようになっていきます。その人から考え方を学ぶことができます。っていうことはですよ、人の心がわかるようになる、ってことなんです。」ここまで言うと、子ども達の瞳が一斉に私の方に向いたように思いました。どの子も真剣に聞いています。「みんな、多...

  • 人の心を学ぶってことを漢字練習を通して会得して欲しい

    ◆漢字練習で人の心を知るクラスの子ども達に話したこと つづき漢字練習を厳しくやっているのは、単純に漢字で良い点数を取れるようになるためではありません。私の言う通りに書く。書いて練習する。そういうことを通して、教えている私の考え方や心を学んでね、という事なのです。あ~先生は、ちゃんと折って書かなくては注意をするんだな、ちゃんと止めないと注意するんだな。そういうのは、私の心です。その心さえ分かるように...

  • 自分勝手にしていたら師匠の考え方や心を学べない

    ◆漢字練習で人の心を知るクラスの子ども達に話したこと「漢字練習を丁寧に書かなくて私に叱られる。これってどういうことだろうね?」子ども達は、私の言っていることの意味が分からない様子です。「ずいぶん、みんなは漢字練習の字が上手になってきました。でも、叱られなくなるために必要だったのは、私の言った通りに書く、たったこれだけだったでしょう?」子ども達の様子を見ると、多くの子が首を縦に振っています。「そうそ...

  • 礼儀正しくすることで、他者を思いやる心を育むことができる

    ◆漢字練習で人の心を知る人から教えてもらったり親切にしてもらったりしても、平気で無視をする。無視ができるというのが驚きなのですが、相手への感謝の心が育っていない。そこに子ども達にとって一番の課題がある。これは困った問題だなぁと思いました。親に、先生に感謝せよ、と言っても、そう簡単にはいきません。人の心は、コントロールできないですから。感謝の心を育てるために、昔の人はどうしていただろう? と考えてみ...

  • 親切されても平気で無視することが一番の課題

    ◆漢字練習で人の心を知る毎日子どもの漢字練習を見ていると、案外と子どもの心理状態が見えます。あ~この子は何かに悩んでいるなー、勉強にやる気を出してきたなー、なんてことも漢字ノートだけで分かります。漢字練習を通して子どもと会話をしている感覚があるのですが、これはテストも同じで、この子はココで躓いているのか、頑張ってできるよになったね、なんて思いながらテストの丸つけをしています。でも、ミツオ君の乱雑な...

  • 雑な字はコミュニケーションを拒否していることとイコール

    ◆漢字練習で人の心を知る嫌な事は先にする、そんな話をして学校でも宿題は先取りさせ、ミツオ君の宿題忘れや忘れ物は少しずつ減っていきました。漢字は丁寧にはなりましたが、でも、もう一押し、何かが足りないように思っていました。相変わらず提出物の字が、乱雑だったのです。ある日のこと、私はテストの丸つけをしていました。すると、名前が読めないテストが出てきました。なんとか名前を読むと、ミツオ君のテストでした。そ...

  • 自主的な心が育たたないと、丁寧な漢字練習はできない

    ◆嫌なこと(漢字)を先にする後回しにしてしまうことについてクラスで話したこと 続き「この前の道徳の授業で、忘れ物の授業をしたよね。みんなで、どうして忘れ物をしてしまうのかを話し合った時に、「面倒くさい」「部屋が散らかってる」「準備を後回しにする」という意見が出ました。この「面倒くさい」っていうのも後回しだよね。やりたくないから面倒だなって思う。「部屋が散らかっている」っていうのも、片付けを後回しに...

  • 脳はやらなきゃいけない事をいつまでも覚えている

    ◆嫌なこと(漢字)を先にする後回しにしてしまうことについてクラスで話したこと 続き人の脳って不思議なもので、何か疑問があると、いつまでも覚えていて答えを探しているんだって。みんなも経験があるでしょう? これって何て名前だっけ?って思ったら、ずいぶん時間がたってから”〇〇だ!”ってピカッて思い出すってこと。」子ども達は口々に「ある!ある!」と言っています。「やりたくないこと…みんなだったら宿題ってことに...

  • 大事なのは、自分で自分の心が明るくなるように努力すること

    ◆嫌なこと(漢字)を先にする後回しにしてしまうことについてクラスで話したこと「宿題を先にやっても良い事にしているけれど、それでも宿題を出せない人がいます。そういう人は、隙間時間や20分休みにやっているのだけど、ちょっとよく考えてみてくださいね。宿題は、やらなければならないことです。これは大丈夫ですか?」子ども達に聞くと、「はい!」という返事が返ってきました。「そうそう、やらなければならないこと。それ...

  • 課題は、宿題を後回しにしてしまって朝の短時間に慌てて書くこと。

    ◆嫌なこと(漢字)を先にする朝、急いで宿題をやっているミツオ君に話したこと「ミツオ君さあ、、、毎日、漢字が丁寧に書けていないって叱られるよね。何度でも言うけれど、叱られるのが好きなの?」こう声を掛けると、ミツオ君は当然のように首を横に振ります。「私は宿題を前の日や、もっと前にやってもいいよ、って言っているよね。実際、クラスの子達は先にやっている。みんな、家で宿題をしたくないってね。じゃぁ、ミツオ君...

  • 丁寧に取り組む時間が圧倒的に足りない

    ◆嫌なこと(漢字)を先にする毎日、毎日、乱雑な字で叱られるミツオ君。「先生が厳しいからだ!」と怒る様子も無いので、我が強いようでもありません。実際に普段のミツオ君は、明るい笑い声が教室中に響き誰とでも仲良く遊べる子で、自分の感情を爆発させるような場面は、見たことがありませんでした。いつもニコニコ笑っています。感情も落ち着いているし、頭も悪くないのに、なぜ漢字は丁寧に書けないのだろう?と不思議に思っ...

  • ミツオ君はどんなに叱られても乱雑な字を書いくる

    ◆嫌なこと(漢字)を先にする5月も終る頃になると、多くの子が何かに目覚めたかのように漢字が丁寧に書けるようになっていきます。それは個人差はありますが、突然やってきます。先日も、漢字が苦手でたくさん直されてばかりだった子が、突然正確に書けるようになりました。突然のことだったので私も驚いたのですが、本人も嬉しそうにニコニコ笑っています。こうなると表情が明るくなり、喜々として漢字練習に取り組むし、積極的...

  • 感情に支配されない事は、大人になるために必要な訓練

    ◆漢字で自分を変える(成長させる)ことを学ぶ漢字練習に限らず、子どもたちによく話をするのは、人は物事を色眼鏡を通して見ているということです。例えば、私のことを人がイロイロな見方をしています。面白い先生、楽しい先生、という人もいれば、怖い先生、厳しい先生という目で見る人もいるでしょう。でも、人はいろいろな見方をしているけれど、お気楽という人はたった一人で存在していて、何も変わらないということです。学...

  • 自分を変えることで困難を打破するという学び

    ◆漢字で自分を変える(成長させる)ことを学ぶ「学校の先生や大人の言う事を聞く」という正しさが社会にあります。なら「漢字を丁寧に練習しなさい」という先生の言葉は守りたくない、と考えるのは社会的な正しさと違っています。「親の言う事を聞く、親に感謝する」という正しさを無視して、親に怒ったり暴言を吐いたりするのも、自分勝手な正しさを暴走させているだけです。乱雑な字を見ていると、「俺は汚い字でいいんだー!」...

  • 担任を変えられないから自分が変わるしかない

    ◆漢字で自分を変える(成長させる)ことを学ぶ「お気楽先生は漢字が厳しすぎる」厳しいといっても、一画一画丁寧に書くだけなんですけどね。折るところは折る、離すところは離す、止めるところは止める、払うところは払う。下手な字でも、丁寧にさえ書いてあれば良いのです。冷静に考えれば大したことはないのですが、自分の思う通りにならないから、相手(担任)に対して怒ってしまう。自分の思う通りにならないから怒るのです。...

  • クラスは、教えた通りに書かない子ばかり

    ◆漢字で自分を変える(成長させる)ことを学ぶ毎年、毎年、4月の漢字練習の添削は大変です。どの子も丁寧に書けていません。それは、ミツオ君も同じでした。画と画がくっついていない、ちゃんと折れ曲がっていない、はねていない、払っていない。それを一つ一つ直して書き直させる。それが、私たち教員の仕事です。画と画が離れていても、折れていなくても、はねても払ってなくても、それで読めたら良いのじゃないの?という話も...

  • 心を育む漢字練習

    「あれれ?? ミツオ君、またまた100点じゃない、どうしたの~? 最近100点ばかりだね」。テストを返している時に、ミツオ君にこんな声掛けをすると、ミツオ君は満面の笑顔で「やった!」と大喜びです。2学期の終わりの頃から、ミツオ君に返すテストは、高得点ばかりになっていました。「ほらほら、私に”ありがとうございます”は?」と冗談っぽく続けて話をすると、大きな声で「ありがとうございます!」と笑いながら言い...

  • 人は思った以上に24時間という体内時計に支配されている

    モモコさんのお母さんに話したこと つづき「お母さん、ぜひ「宿題は学校でやってきて」と言ってください。やってなかったら「6時までに終わらせる」と約束してください。朝、寝坊して通学班の集合時間に間に合わないのなら、朝や学校の用具準備も6時までに終わらせる。これを家での約束にしてください。そして、ここからが大事だと思います。6時までに終わらなかったら、一切やらせないこと。「先生との約束になっているから、...

  • まずは「嫌なことから逃げる」を直していく

    モモコさんだけに話しても、生活を変える事は難しいと考えて、心配しているお母さんにも話をしました。高校生の子がいるので、生活リズムを変えるのは難しいだろうと考えていました。だから宿題を寝る前ではなく、夕方にするようお母さんに働きかけてもらうことにしました。モモコさんのお母さんに話したこと「モモコさんの課題は、何でも後回しにしてしまうことです。宿題は学校でやっても良いことにしていますが、モモコさんは「...

  • やりたくないことを自分でコントロールしていく

    モモコさんに話したこと 続き「算数も音読も漢字も、モモコさんはできるようにしていかなきゃならない。でも、やらなきゃいけないのに逃げて後回しにしてしまうモモコさんがいます。でも結局は時間に迫られて嫌々やる羽目になってしまって、泣いたり怒ったりすることになる。それは、強制的にやらされるという思いが強いからだよね。」ここまで話すと、モモコさんはコクリと肯きました。「でも、やらなきゃならないという事実に変...

  • 日本人としての心を学んで、日本人となるために学んでいる。

    モモコさんに話したこと 続き「モモコさんは、漢字の再テストを全然やらないよね。学期末になって私に言われて渋々やる。漢字は丁寧に書けるようになったし覚えも良いから、再テストもあっという間に合格できる。けど、自分からは取り組まない。つまり、嫌な事を後回しにしてしまうってこと。それが一番の課題なんだと思う。音読や宿題だって先にやってもよいってことにしているけれど、他の子が学校でやっていても「家でやります...

  • 大泣きの理由は、宿題を寝る直前にすることが原因かもしれない。

    ◆出来ないことと体内時計の関係家でのモモコさんの大泣きの理由は、宿題を寝る直前にすることが原因かもしれない。モモコさんに話したこと「モモコさんは学校の授業では算数で困ることは無くなってきているよね。」と、問いかけるとモモコさんは「はい」と答えました。「そうだよね、学校じゃ算数で困らなくなった。算数の練習帳も学校でやっているときは、特に困らないものね。でも、家では大泣きだってお母さんに聞きました。そ...

  • 毎晩、毎晩、自分に「わからない」と言い聞かせていた

    ◆出来ないことと体内時計の関係もう一つ気になったことは、漢字小テストの再テストの取り組みが、なかなか進まないことです。漢字練習は丁寧に書けるようになったし、テストもそれなりの点を取れるようになったのですが、再テストは積み重なった状態でなかなか取り組めなかったのです。強制的にやらせたら、すぐ合格していきます。でも、嫌な事は後回しにしてしまう。そこにモモコさんの課題があると思いました。ということは、、...

  • 朝日を浴びて歩いて登校することが不安脱却への第一歩

    ◆出来ないことと体内時計の関係私の子どもは、就職に失敗して家に引きこもっていた時期がありました。仕事を辞めた当初は、1日中寝ている状態で、朝も昼も夜もないような状態でした。ちょうどその頃、朝日を浴びて運動することでセロトニンという幸せ物質が分泌されることを知り、毎朝2人で自転車に乗るようにしました。自転車に乗った後は家で寝たりゲームをしたりしていたようでしたが、それでもだんだんと明るさを取り戻して...

  • 登校渋りの原因が寝不足

    ◆出来ないことと体内時計の関係定着の悪さは気になっていたものの、モモコさんは算数の授業で困る事もなくなったし、漢字も丁寧に書けるようになった。これでお母さんは安心されているだろうなと思っていました。ところが、二学期末の面談でお母さんから聞かされた話は、全く違っていました。学校に行くことは毎日楽しいと言っているので安心しているが、家では毎日算数が分からないと言って大泣きなのは変わっていないというので...

  • 「わからない」って言葉は、拒否。

    ◆原因を探る実際に算数の授業になると、モモコさんは「わからない」と言ってずっと座って、誰かが教えに来てくれるのを待っている状態でした。モモコさんに話したことモモコさん、「わからない」じゃぁないんだよ。一度「わからない」と言ってしまったら考えることを止めてしまうから言わないようにすることが大事。これからは「わからない」じゃなくて「わかるようになる」って言っていこう。算数の授業は、何も難しいことはやっ...

  • EQを高めたらIQを発揮できるようになる

    ◆原因を探る「音読の宿題は家でやる」そう言ったモモコさんの意思を変える理由などありません。宿題をお母さんと一緒にやるのが、彼女の安心なのかもしれないなぁと、その時は思いました。もう一つのお母さんの心配事は算数です。毎日「算数が分からない」と言って家で大泣きなのだと言います。3年前のモモコさんはとても気立てがよく、いつも笑顔で友達と接し明るく親切な子でした。試しにクラス内の仕事を任せてみると、言われ...

  • 過度な心配は子どもの笑顔を奪う

    ◆原因を探るモモコさんのお母さんが心配されていたことは、漢字、音読、算数でした。なぜ前年度まで漢字が苦手だったのか私には理解ができませんでしたが、音読については、あまり強制をしないように気を付けていました。音読は、高学年になっても苦手な子が存在します。でもお母さんからしてみたら、我が子が音読をスラスラできないということが気になって気になって仕方がないのでしょう。よく「休み時間に一緒に遊ぶ友達がいな...

  • 本当に漢字が苦手なの?

    ◆原因を探る宿題が分からないと、家で大泣きしているというモモコさん。大抵の子は、心の学びを重ねたらやる気も出て成績も向上していくので、再び担任したら大丈夫だろうと高をくくっていました。でもコトはそう簡単には進みませんでした。モモコさんの前年度からの引継ぎでは、算数ができないのはもちろんのこと、文章が読めず、漢字も書けないとのことでした。私が担任していた頃のモモコさんは、漢字が得意でした。確かに苦手...

  • 良い大学を出るだけでは幸せは確約されない

    モモコさんは、3年前に担任して再び担任することになった子です。以前からお母さんに「最近は勉強が分からないと家で大泣きなんです。お気楽先生が担任の頃は、やる気があったんですけど…」と、学校で会うたびに相談されていました。私の指導が良かったのかどうかは別として、モモコさんが楽しく学校に来られるようになると良いなぁと、担任から離れてもずっと考えていました。そんなモモコさんを再び担任することになり、以前の...

  • ダメだから、そこに「どうする?」って思考が生まれる。

    次の日の朝、教室に入ると、子ども達が口々に「先生、おはようございます」と声をかけてきました。もちろん、ヒデアキ君もです。「校門の前にいた校長先生にちゃんと挨拶した人?」と聞くと、ほとんどの子が手を挙げました。「じゃぁ、A先生は?」と聞くと、これもほとんどの子が手を挙げます。「B先生は?」こちらは手がほとんど上がりませんでした。

  • 自分で考えて行動すること。それが自由。

    画鋲の件で、分かった気になった子ども達。”分かった気になる”というのが、ダニングクルーガー曲線の馬鹿の山に上った状態なのだと思います。失敗して絶望の谷に落ちても、努力して啓蒙の坂を上っていかなければなりません。でも、画鋲事件のような事は、そうそう滅多に起こりません。EQを高めるのも訓練なのだと思います。結局は回数。数が質に変わるまでチャレンジするしかないのです。ある日のこと、ヒデアキ君が当番で朝の挨拶...

  • ダメだから、次はどうするか?っていう知恵が働く

    画鋲の件でクラスに話したこと「ヤバい音がした」っていうことで、みんなは画鋲が散らばったんだって思ったよね。でも助けに行く人は少なかった。それより課題をやらなきゃって思っていたのかもしれません。あまり人が行くと逆にヤバいって思ったかもしれません。でも同じ条件で、タカシ君とユミさんは現場に駆けつけてくれました。タカシ君は、ホウキと塵取りを使えば手早く片付けられるって考えて、すばやく行動しました。ユミさ...

  • 行動した人しか学べない

    画鋲が散らばってしまった現場にいた子たちに話したこと「でもね、僕たちはEQが低いなーって思って落ち込む必要は無いんだと思うよ。だってね、今みんなにこういう話をしているけど、ここに集まった子だけが学べたんだよ。私が教室にいた時、クラスの子は「ヤバい音がした」と言いました。で、駆けつけたのはタカシ君とユミさんだけです。他の子は教室にいて、課題をやっている。こういう学びができるのは、お手伝いという行動をし...

  • いつも考えて行動している子はEQが高くなっていく

    画鋲が散らばってしまった現場にいた子たちに話したこと「IQって言葉を知っていますか? これは知能指数といって、生まれ持った賢さを表す数字です。みんなも分かると思うけど、めちゃくちゃ頭の良い人っているよね。私の知り合いのアメリカの大学に行った人は、生まれ持ってIQが高い人なんでしょう。でも、今日の事件を見てごらん。一番活躍したのは、ホウキと塵取りを持ってきたタカシ君、そして、遠くまで画鋲が転がっていって...

  • 廊下一面に散らばった画鋲

    考えずに逃げてしまうヒデアキ君。どうしたものかと…悩んでいましたが、事件が起こります。その日は、算数の課題を早く終わらせた子ども達に、廊下の掲示物を取ってもらっていました。その中に、ヒデアキ君もいました。私は、算数の課題が進まない子を教室で指導していたのですが、子ども達が「ヤバい音がした」と言うので慌てて廊下に出てみると、廊下一面に画鋲が散らばっていたのです。画鋲のケースを持っていた子が床に落とし...

  • 【考えずに逃げる】のが課題

    半分以上白紙で提出されたヒデアキ君の国語のテスト。お父さんの「ヒデアキはスポーツで芽がでない。甘えている」という相談は、何か問題に直面した時に、考えずにシャッターを降ろして逃げてしまうところに課題があるのではないか、、、そんなことを考えて、ヒデアキ君を観察するようになっていきました。不思議なことに、そんなアタリをつけると、それまで気にならなかったヒデアキ君の【考えずに逃げる】に関連した行動が目に付...

  • できる人は「続けていれば、そのうち急にできるようになる」を知っている

    テストを返しながらクラスの子どもに話したこと 続き

  • 「分からない」という言葉で考えることを拒否する

    テストを返しながらクラスの子どもに話したこと「国語のテスト、初めて読む文章だったから難しかったでしょう? 難しかった人?」子ども達に聞くと、ほとんどの子が手を挙げました。「そうだよね、難しかったよね。でもみんな、よくできていたよ。クラスの平均も78点だったから、それだけみんなは実力がついてきたってことなんだね。国語の読み取りも、算数の文章題も、パターンってモノがあるから練習して出来るようにしていくこ...

  • 後半部分が真っ白なテスト

    3学期の終わりに、国語の読み取りテストをしました。教科書に出てこない文章を読んで解きます。国語の読み取りは子ども達が苦手とする分野なので、「わからないー」「難しいー」というつぶやきが教室中から聞こえてきました。読み取り、、、みんな苦手だものね、、、、悪い点数を覚悟して休み時間に採点していました。ところが、みんな意外と点数が良い。ちょっと驚いてしまって、近くにいた子に「今日の国語のテスト、難しかった...

  • 観客ではなくプレイヤーとなり、自分自身の人生を自分で生きる。

    クラスの子どもに話したこと 主人公として生きる 続き「プレイヤーとして漢字練習や算数に参加したら、結構楽しかったでしょ? 漢字で合格した時や算数で分かった時、幸せだったでしょ? それって、練習を重ねて試合にシュートした時の幸せと同じなんだと思います。「できるようになる」とう過程があったからこそ幸せがそこにある。アランという人が言った目的地に到着するまでを楽しもうというのが、このことです。プレイヤー...

  • 学校で学んできたことはプレイヤーになるということ

    クラスの子どもに話したこと 主人公として生きる 続き「みんなは学校に来て、様々な勉強しています。子どもは勉強するのが仕事だと言いますが、素敵な大人になるためには勉強をするのは大事なことです。じゃぁ、その勉強をプレイヤーとして参加していますか? 観客として参加していますか?」この問いかけに、子ども達は少し分からないような表情になりました。「例えば、漢字練習。漢字練習で私は厳しく見るよね。みんなならも...

  • プレイヤーは実際にプレイしながら”どうするか?”を常に考えている。

    クラスの子どもに話したこと ~主人公として生きる~みんなは、これから自分の人生を生きていかなければならないよね。でも、どう生きるかっていうのはとても大事なことなんだ。今から話すのは、自分の人生を主人公として生きていくということです。自分の人生を主人公として生きるっていうのは、私もなかなか理解できなかったことなんだけど、ようやく分かるようになってきました。それくらい「主人公として生きること」って理解...

  • 自分一人で考えて意見をまとめるだけが学びではない

    話し合いが活発になる「・・・・と、〇〇さんが言っていました」作戦ですが、私にとて、これがなかなかの大ヒットです。導入した頃、ノブ君にクジが当たりました。授業中の発表に慣れていなかったノブ君は、おたおたおしていました。でも周りの友達が、必死になって小声で発表内容を伝えます。それを少しずつ真似て発表していきました。発表し終わると、なぜか周りから拍手が。。。ずっと算数に自信がなく、暗い表情だったノブ君が...

  • 子ども達の話し合い活動がぐんとヒートアップした作戦

    とにかく、授業を聞きなさい、言われた通りに出来るようにしなさい、と言い続けました。ノブ君は4月の頃は「分からない」と不安気に周りを見回してばかりいましたが、友達に教えて貰いながら、授業を聞く→言われた通りに練習する、というサイクルが回るようになっていきました。課題が終わると友達に教えに行くシステムにしていますが、だんだんとノブ君も早々に終わらせて友達に教える姿が見られるようになっていきました。「あ...

  • 自分もできるようになれるって信じることが大事

    学習に苦手感のある子の為にクラスで話したこと「私は、みんなに分かるように話す努力をしています。声も大きいし、ゆっくり話したり面白く話したりして、みんなが分かるような授業をしています。みんなも授業中は静かにしてくれているから、声は皆に通っているよね。学校っていうのは、1日8時間も居て、そこで6時間位勉強をしています。凄いよね、みんな学校でかなりの時間過ごしているんだね。4時に家に帰って9時に寝るとし...

  • 「分からない」と思ってしまえば、自分で考えなくなる

    漢字は何とかなった。次は算数に苦手意識があるノブ君に、できるようになる道を進むよう示さなければなりません。ノブ君に限らず、勉強の苦手な子は「分からない」「できない」と言って自分の周りに壁を張り巡らせ、外界からの情報をシャットアウトしてしまうところに問題があると最近は思っています。要は話が聞けないということなのです。「分かる」と「分からない」の2つの価値観しかない子どもは、「分からない」と思ってしま...

  • 「できない」と絶望するのではなく、できるようになる過程にこそ価値がある

    人によって様々だと思いますが、私の場合は漢字練習を通して、子ども達に心の成長をさせていくことが多いです。厳しい漢字練習を批判する声がSNSではありますが、どこに重きをおいて子ども達の心を成長させていくかは、人それぞれなので一概にダメだとは言えないと思っています。実際のところ、字が綺麗になったと喜ばれる親御さんが多いですし、次年度の担任に同様な漢字練習をさせて欲しいとお願いする方もいます。取り合えず、...

  • 清々しい気持ちで学校で勉強する経験が絶対的に少なかった

    ノブ君の丁寧な漢字練習を見てクラスに話したこと 続き「それから、もう一つ大事なことを話すよ。ノブ君は、丁寧に漢字練習をして提出しました。ノブ君、直しが随分少なくて、みんなからも字がきれいだと褒められて、どんな気分だった?」「いい気持ち」と、ノブ君は答えました。「そうそう、漢字練習を丁寧にしてきたら、私に怒られることは無いよね。そして、褒められもした。今までのノブ君は、面倒とかイヤだという気持ちを中...

  • 「できるようになろう」って思ったら途端に頭が働き始める

    ノブ君に「君の心の問題で、できるようになると決めるだけだ」と話した翌日、驚くことに彼は丁寧に漢字練習を書いてきました。こういうものは、子どもが変わるのに時間を要することもあるし、ノブ君のように1日で変わることもあります。ノブ君はサッカーを習って努力もしているので、入りやすかったのかもしれません。彼の漢字練習帳を見ると、何度も書き直した跡がありました。それだけ丁寧に書いてきたのでしょう。もちろん、今...

  • 「できない」という言葉を自分に言い聞かせている

    等価交換の法則についてクラスで話をしましたが、ノブ君も例にもれず、すぐには実行できませんでした。相変わらず乱雑な字を書いてきます。その度に「書き直し」と返していました。私は基本的に漢字ノートは使わずに、漢字練習帳だけ使っています。漢字練習帳に書く文字数はとても少ないのです。少ないから、本人がその気になれば書ける。漢字小テストもたった10問。丁寧に書けないのは、本人の心の問題なのだと思っています。ノ...

  • 私から学ぶのであれば、それと同等の代価が必要

    4月、乱雑な漢字練習に対して子ども達に話したこと 続き等価交換の法則というのがあります。これは『鋼の錬金術師』という漫画に出てくる言葉なんだけど、何かを得るためには同等の代価が必要という考えです。私から学ぶのであれば、それと同等の代価、この場合は丁寧な字ということになるけれど、そういうものが必要だということです。「先生は仕事でしょ?」と思うかもしれません。でも、仕事なら適当に丸にしたって良いわけで...

  • 親切にされたら、それ相応の心をもって対応するのが人の道

    4月の頃のノブ君は、とても表情の暗い子でした。お母さんの話によると、今まで学校が嫌いで嫌いで・・・。低学年の頃は、泣いて学校を嫌がることも度々あったとのことでした。友達との関係もあまり良いものではなかったようです。問題の算数の授業ですが、、、もちろん算数だけでなく、どの教科もだったのですが、死んだ魚のような目で授業に参加しています。話は聞いてはいるようですが、まるで覇気がない。算数の授業の最後は練...

  • 学習にとって重要な心のあり方・育て方

    私の勤務校では、4月の学力検査だけでなく3学期にも学力検査をします。私のクラスは、4月の検査では学年の中でも下位層がとても多く、上位層はほとんどいないクラスでした。ところが、今年3学期初めの学力テストでは、多くの子が4月の学力テストより順位を上げていました。特に下位グループの人数が半減したことは嬉しかったです。学力不振だった子ども達をある程度引き上げることができたのは、一年の成果だと思いました。中...

  • 君たちに知ってほしかった新しい世界

    なんだかんだと大変ではありましたが、タツヤ君を除いたクラスの全員が、2学期中に、3学期分の漢字練習帳を終わらせることができました。3学期の始業式。クラスの子ども達に「冬休みは、気持ちよく遊べたんじゃないの? なんたって、3学期分の漢字の宿題が終わっているんだもんね。タツヤ君はできなかったけど、2学期分をあっという間に終わらせた。先生やお家の人から「宿題をやりなさい!」って言われるより、自分で考えて...

  • 「え~~!!タツヤ君! 漢字の宿題をやったの??」

    あと1週間で2学期も終りという頃、最後の追い込みで漢字練習帳が終わっていない子やそのギャラリーで私の机の周りは熱気に包まれていました。まだ合格していない子は、列を作って丸つけの順番を待っています。「じゃ、次」と言って練習帳を受け取ると、それは3学期の漢字練習帳ではなく2学期の漢字練習帳でした。「え? どういうこと?」と思って見ると、なんとそこにはタツヤ君がニコニコしながら立っていたのです。「え~~...

  • 自主的に行動することで子どもは伸び伸びと学べる

    「3学期の漢字練習帳を先取りで早く終わらせてしまおう。そうしたら、心も明るくなるし、何よりも勉強が楽しくなるよ。」そうクラスに声を掛けても、なかなか進まない子も多くいました。ちょうど2学期末の懇談会があったので、クラスの半数ほどの親御さんに3学期の漢字練習帳の取り組みを通して、やる気と自主性を育みたいと話し、家でも声を掛けてもらうようにしました。親御さんもずいぶん協力して頂きましたし、私自身も、な...

  • 人に管理されコントロールされない世界の楽しさを味わわせる

    宿題で自分をコントロールされるのではなく、自分で宿題をコントロールする。そんな話をクラスでしたわけですが、そうそう簡単に、子ども達は変わりません。宿題を後回しにしてしまう子は特に。実際のところ、3学期の漢字練習帳は1カ月も先にやれば良いことなのです。それを、宿題でもないのに先にやれと言っているのですから子どもからしたら、”やらなくても・・・”と思うことでしょう。できるだけ後回しにしたい。それはタツヤ...

  • 宿題をコントロールできたら違う世界を見ることができる

    クラスの子ども達に話したこと 続き「ここに、3学期の漢字練習帳があります。漢字なんて手本を見て書くだけだよね。そして丁寧に書くだけ。私は、3学期になったらいつものように宿題として出すけれど、2学期のうちから先に自分で進めても良いことにします。宿題として出されたら「やらされる」ってことになるからめちゃくちゃ嫌になるけれど、自分で早く進めて、宿題をコントロールできたら違う世界を見ることが、きっとできる...

  • 目の前に表れる敵(課題)を一つずつちゃんとクリアしていくゲーム

    クラスの子ども達に話したこと 続きみんなの好きなゲームで、敵が現れたとするじゃない。そうしたら戦闘の音楽が流れて、その敵と戦うよね。敵をやっつけたら、経験値をゲットして自分を成長させることができる。でも、敵と戦わずに逃げていたら、いつまでも経験値はたまらない。みんなの「やりたくないこと」も同じなんだと思う。「やりたくないこと」を避けては成長できない。だから、それが現れたら、頑張ってやっつける。次に...

  • 宿題に自分がコントロールされない

    クラスの子ども達に話したこと 続き世の中は、やりたくないことばかりです。君たちは生まれて10年しか経っていないのだから、できないことばかりだよね。だから、すべきことが多くある。これは当たり前のことです。世の中は、やりたくないことばかり。でもそれは仕方がないと、あきらめることが大事。あきらめるっていうのは、「明らかに見る」ってことだと言われます。やりたくないけど、やらなくっちゃいけないってことが分か...

  • 「やりたくない」は、”できないから努力がいる”もの

    人は、自分で考えて行動したいものです。「考えることが自由だ」と何かで読みましたが、自分で考えて行動するということで自由を感じるのでしょう。でも宿題というのは、先生から命令されてやらされるものです。それは人から管理されるもの。自分の自由はないのだから、子どもはそこに圧を感じるし、反発も覚えるのでしょう。大事なのは自主性。人から管理されコントロールされるのではなくて自主的に取り組むこと。そのためには、...

  • 自主性は待っていてもやってこない。まずは行動。

    漢字練習を意欲的にする子に、漢字が好きか?と聞いて、「好き」と答える子はほとんどいません。私は漢字は厳しく見ますし、100点になるまで再テストもします。決して低いハードルではないのです。それなのに漢字練習帳を早く終わらせる子、再テストが合格していく子がいる。そのような子を観察していると共通してどの子も行動が早いということに気づきました。漢字のテストをして全部書けなかったら、その直後に再テストをして...

  • 毎日のように叱られていたら宿題も嫌になる。勉強も嫌になる。

    宿題による家庭学習の管理。タツヤ君だけでなく、他の子も宿題に圧を感じているのだろうから、もう少し、私が管理しない方向に宿題システムを変えられないかと考えました。つまり、子ども達が自主的に取り組める方法にする。今よりも子どもが意欲的に取り組める宿題のシステムにしたら、タツヤ君も少しは取り組めるようになるだろうと思いました。私は漢字練習を重視します。止め・はね・払いなど、細かく見るのですが、だからとい...

  • 管理するという私の思考に問題があったのではないか

    宿題を親御さんにお任せして、無期限の提出期限。でも、これでは学習から逃げるだけになってしまいます。ただ、タツヤ君は宿題からの無言の圧力を感じている。他にも宿題をやりたくないと登校を渋った子がいた。そう考えると、少し先の未来、タツヤ君が宿題に取り組めるよう、宿題の無言の圧力のようなものを取り除いておく必要がると考えていました。宿題のシステムそのものを変える必要がある。よく学校で「家庭学習の習慣をつけ...

  • 心の負担から解放してしまおう

    タツヤ君は、宿題にハードルがある。まずは、宿題のハードルを下げること。実際のところ、学力がかなり低かったので、宿題を他の子と同じにすることに無理があると以前から考えていました。実際に宿題をやってこられないことも、よくありました。まず第一に考えなければならないのは、タツヤ君が学校に来られるようになること。なら、いっそのこと宿題を無しにして、心の負担から解放してしまおうと思いました。お母さんに相談する...

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